JPH05339220A - ケト酸の精製方法 - Google Patents
ケト酸の精製方法Info
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- JPH05339220A JPH05339220A JP4152501A JP15250192A JPH05339220A JP H05339220 A JPH05339220 A JP H05339220A JP 4152501 A JP4152501 A JP 4152501A JP 15250192 A JP15250192 A JP 15250192A JP H05339220 A JPH05339220 A JP H05339220A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】N,N一ジアルキル−m−アミノフェノールと無
水フタル酸との反応によつて得られるケト酸誘導体であ
つて、副生したローダミン系化合物等の着色物質を含む
ケト酸誘導体から、アルカリ等を用いることなく、その
ような着色物質を工業的に有利に除去し、ケト酸誘導体
を精製する方法を提供するにある。 【構成】N,N一ジアルキル−m−アミノフェノールと無
水フタル酸との反応によつて得られる一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアル
キル基を示す。)で表わされるケト酸誘導体の精製方法
において、このケト酸誘導体を反応溶剤中にて水添触媒
の存在下に水添し、得られた反応液からケト酸誘導体を
回収する。
水フタル酸との反応によつて得られるケト酸誘導体であ
つて、副生したローダミン系化合物等の着色物質を含む
ケト酸誘導体から、アルカリ等を用いることなく、その
ような着色物質を工業的に有利に除去し、ケト酸誘導体
を精製する方法を提供するにある。 【構成】N,N一ジアルキル−m−アミノフェノールと無
水フタル酸との反応によつて得られる一般式(I) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアル
キル基を示す。)で表わされるケト酸誘導体の精製方法
において、このケト酸誘導体を反応溶剤中にて水添触媒
の存在下に水添し、得られた反応液からケト酸誘導体を
回収する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はケト酸の精製方法に関す
る。
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、N,N−ジアルキル−m−アミノ
フエノールを無水フタル酸と反応させて得られるケト酸
は、感圧記録用又は感熱記録用の色素として有用なフル
オラン化合物の製造中間体として重要である。従来、上
記ケト酸は、トルエン、キシレン等の不活性反応溶剤中
でN,N−ジアルキル−m−アミノフエノール1モルに対
して無水フタル酸0.5〜2モルを80〜150℃の温度
で反応させることによつて製造されている。このような
方法によれば、通常、生成したケト酸が更にN,N−ジア
ルキル−m−アミノフエノールと反応して、赤色染料で
あるローダミン系化合物等の着色物を副生する。従つ
て、得られたケト酸を感熱染料に誘導する前に、これら
ローダミン系副生物等を含む着色物質をケト酸から除去
することが必要である。
フエノールを無水フタル酸と反応させて得られるケト酸
は、感圧記録用又は感熱記録用の色素として有用なフル
オラン化合物の製造中間体として重要である。従来、上
記ケト酸は、トルエン、キシレン等の不活性反応溶剤中
でN,N−ジアルキル−m−アミノフエノール1モルに対
して無水フタル酸0.5〜2モルを80〜150℃の温度
で反応させることによつて製造されている。このような
方法によれば、通常、生成したケト酸が更にN,N−ジア
ルキル−m−アミノフエノールと反応して、赤色染料で
あるローダミン系化合物等の着色物を副生する。従つ
て、得られたケト酸を感熱染料に誘導する前に、これら
ローダミン系副生物等を含む着色物質をケト酸から除去
することが必要である。
【0003】そこで、例えば、特開昭62−70350
号公報には、反応終了後に反応混合物にアルカリ水溶液
を加え、加熱して、副生したローダミン系化合物をケト
酸に変換した後、ケト酸のアルカリ塩を晶析させ、更に
水に溶解させた後、中和して、ケト酸を精製、取得する
方法が提案されている。しかし、このような方法によれ
ば、工程数が増加するのみならず、大量の中和排水が生
成する。
号公報には、反応終了後に反応混合物にアルカリ水溶液
を加え、加熱して、副生したローダミン系化合物をケト
酸に変換した後、ケト酸のアルカリ塩を晶析させ、更に
水に溶解させた後、中和して、ケト酸を精製、取得する
方法が提案されている。しかし、このような方法によれ
ば、工程数が増加するのみならず、大量の中和排水が生
成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のケト
酸の精製方法における上記したような問題を解決するた
めになされたものであつて、副生したローダミン系化合
物等の着色物質を工業的に有利に且つ有効に除去する方
法を提供することを目的とする。
酸の精製方法における上記したような問題を解決するた
めになされたものであつて、副生したローダミン系化合
物等の着色物質を工業的に有利に且つ有効に除去する方
法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、N,N−ジアル
キル−m−アミノフェノールと無水フタル酸との反応に
よつて得られる一般式(I)
キル−m−アミノフェノールと無水フタル酸との反応に
よつて得られる一般式(I)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数
1〜6のアルキル基を示す。)で表わされるケト酸誘導
体の精製方法において、このケト酸誘導体を反応溶剤中
にて水添触媒の存在下に水添し、得られた反応液からケ
ト酸誘導体を回収することを特徴とする。本発明の方法
においては、上記ケト酸誘導体として、N,N−ジメチル
ケト酸、N,N−ジエチルケト酸、N,N−ジ−n−プロピ
ルケト酸、N,N−ジイソプロピルケト酸、N,N−ジ−n
−ブチルケト酸、N−メチル−N−エチルケト酸、N−
エチル−N−イソプロピルケト酸、N−エチル−N−n
−ブチルケト酸、N−エチル−N−イソアミルケト酸、
N−エチル−N−ヘキシルケト酸等のケト酸誘導体を挙
げることができる。
1〜6のアルキル基を示す。)で表わされるケト酸誘導
体の精製方法において、このケト酸誘導体を反応溶剤中
にて水添触媒の存在下に水添し、得られた反応液からケ
ト酸誘導体を回収することを特徴とする。本発明の方法
においては、上記ケト酸誘導体として、N,N−ジメチル
ケト酸、N,N−ジエチルケト酸、N,N−ジ−n−プロピ
ルケト酸、N,N−ジイソプロピルケト酸、N,N−ジ−n
−ブチルケト酸、N−メチル−N−エチルケト酸、N−
エチル−N−イソプロピルケト酸、N−エチル−N−n
−ブチルケト酸、N−エチル−N−イソアミルケト酸、
N−エチル−N−ヘキシルケト酸等のケト酸誘導体を挙
げることができる。
【0008】また、一般式(I)において、R1及びR
2は、アルキル基に加えて、炭素数4〜8、好ましくは
5〜7のシクロアルキル基であつてもよい。このような
ケト酸誘導体としては、例えば、N−エチル−N−シク
ロヘキシルケト酸を挙げることができる。本発明によれ
ば、ローダミン等の着色物質を少量含み、着色(通常、
薄い桃色に着色)した上記ケト酸誘導体を反応溶剤に溶
解させ、水添触媒を加え、反応溶剤中にて水添反応を行
なつた後、例えば、得られた反応液から晶析等によつて
ケト酸誘導体を回収することによつて、極めて色相の良
好なケト酸を容易に得ることができる。更に、本発明に
よれば、例えば、N,N−ジアルキル−m−アミノフェノ
ールと無水フタル酸との反応によつてケト酸誘導体を製
造する場合に、ケト酸誘導体を単離することなく、ケト
酸誘導体を含む反応液を上記したように水添処理しても
よい。
2は、アルキル基に加えて、炭素数4〜8、好ましくは
5〜7のシクロアルキル基であつてもよい。このような
ケト酸誘導体としては、例えば、N−エチル−N−シク
ロヘキシルケト酸を挙げることができる。本発明によれ
ば、ローダミン等の着色物質を少量含み、着色(通常、
薄い桃色に着色)した上記ケト酸誘導体を反応溶剤に溶
解させ、水添触媒を加え、反応溶剤中にて水添反応を行
なつた後、例えば、得られた反応液から晶析等によつて
ケト酸誘導体を回収することによつて、極めて色相の良
好なケト酸を容易に得ることができる。更に、本発明に
よれば、例えば、N,N−ジアルキル−m−アミノフェノ
ールと無水フタル酸との反応によつてケト酸誘導体を製
造する場合に、ケト酸誘導体を単離することなく、ケト
酸誘導体を含む反応液を上記したように水添処理しても
よい。
【0009】本発明において、上記水添反応の溶剤とし
ては、一般に、メタノール、エタノール等のアルコール
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
酢酸等のカルボン酸類、酢酸エチル等のエステル類、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサ
ン、オクタン等の飽和炭化水素類等を好ましい反応溶剤
として挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではなく、通常の水添反応に用いられる溶剤であれば、
如何なるものでもよい。しかし、上記したうちでは、特
に、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が反応溶剤と
して好ましく用いられる。
ては、一般に、メタノール、エタノール等のアルコール
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
酢酸等のカルボン酸類、酢酸エチル等のエステル類、ト
ルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサ
ン、オクタン等の飽和炭化水素類等を好ましい反応溶剤
として挙げることができるが、これらに限定されるもの
ではなく、通常の水添反応に用いられる溶剤であれば、
如何なるものでもよい。しかし、上記したうちでは、特
に、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類が反応溶剤と
して好ましく用いられる。
【0010】かかる反応溶剤は、ケト酸の溶剤に対する
溶解度にもよるが、通常、ケト酸1重量部に対して、1
〜20重量部、好ましくは、1.5〜10重量部の範囲に
て用いられる。また、水添反応は、通常、常圧乃至10
Kg/cm2 の水素圧下、20〜150℃の温度にて行なわ
れ、反応時間は0.1〜10時間の範囲にわたつてよい
が、水添条件を厳しくすれば、ケト酸自身の水添反応も
併発するので、好ましくは、反応温度は20〜80℃、
水素圧は常圧乃至5Kg/cm2 の範囲である。
溶解度にもよるが、通常、ケト酸1重量部に対して、1
〜20重量部、好ましくは、1.5〜10重量部の範囲に
て用いられる。また、水添反応は、通常、常圧乃至10
Kg/cm2 の水素圧下、20〜150℃の温度にて行なわ
れ、反応時間は0.1〜10時間の範囲にわたつてよい
が、水添条件を厳しくすれば、ケト酸自身の水添反応も
併発するので、好ましくは、反応温度は20〜80℃、
水素圧は常圧乃至5Kg/cm2 の範囲である。
【0011】本発明において用いる水添触媒は、均一
系、不均一系いずれの触媒でもよいが、水添後の触媒分
離の容易性等を考慮すると、不均一系触媒が好ましい。
なかでも、白金/カーボン(Pt/C)等の白金系担持
触媒、パラジウム/カーボン(Pd/C)等のパラジウ
ム系担持触媒、ラネーニツケル等を好ましい触媒として
挙げることができる。かかる水添触媒は、その活性、水
添反応の温度、水素圧等によつて、その最適の使用量が
適宜に決められるが、通常、ケト酸に対して、0.001
〜10重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲で用
いられる。
系、不均一系いずれの触媒でもよいが、水添後の触媒分
離の容易性等を考慮すると、不均一系触媒が好ましい。
なかでも、白金/カーボン(Pt/C)等の白金系担持
触媒、パラジウム/カーボン(Pd/C)等のパラジウ
ム系担持触媒、ラネーニツケル等を好ましい触媒として
挙げることができる。かかる水添触媒は、その活性、水
添反応の温度、水素圧等によつて、その最適の使用量が
適宜に決められるが、通常、ケト酸に対して、0.001
〜10重量%、好ましくは0.01〜2重量%の範囲で用
いられる。
【0012】本発明によれば、上述したような水添反応
の後、得られた反応液から触媒を濾別し、そのままケト
酸を晶析させるか、又は反応液中の溶剤を、例えば、ト
ルエン、キシレン等のような芳香族炭化水素類やイソプ
ロピルエーテル、ブチルエーテル等のような嵩高いエー
テル類のような晶析溶剤に交換した後、晶析を行なうこ
とによつて、反応液からケト酸を回収するのが好まし
い。しかし、別の方法として、水添反応の後、反応液か
ら触媒を濾別し、溶剤交換を行なうことなく、ケト酸に
対する貧溶剤を反応液に添加し、ケト酸を晶析すること
によつても、ケト酸を回収することができる。
の後、得られた反応液から触媒を濾別し、そのままケト
酸を晶析させるか、又は反応液中の溶剤を、例えば、ト
ルエン、キシレン等のような芳香族炭化水素類やイソプ
ロピルエーテル、ブチルエーテル等のような嵩高いエー
テル類のような晶析溶剤に交換した後、晶析を行なうこ
とによつて、反応液からケト酸を回収するのが好まし
い。しかし、別の方法として、水添反応の後、反応液か
ら触媒を濾別し、溶剤交換を行なうことなく、ケト酸に
対する貧溶剤を反応液に添加し、ケト酸を晶析すること
によつても、ケト酸を回収することができる。
【0013】例えば、本発明によれば、水添反応の溶剤
として、メタノール、エタノール等の低級アルコール
類、酢酸等の低級カルボン酸類、又はテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の水可溶性溶剤を用いた場合は、水添
反応の終了後、反応混合物に水を投入し、直ちにケト酸
を再沈又は晶析させることによつて、極めて色相の良好
なケト酸を容易に得ることができる。
として、メタノール、エタノール等の低級アルコール
類、酢酸等の低級カルボン酸類、又はテトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等の水可溶性溶剤を用いた場合は、水添
反応の終了後、反応混合物に水を投入し、直ちにケト酸
を再沈又は晶析させることによつて、極めて色相の良好
なケト酸を容易に得ることができる。
【0014】このように、本発明によれば、ケト酸中に
含まれるローダミン系化合物等の着色物質を水添反応に
よつて脱色した後、例えば、晶析することによって、ア
ルカリ等を用いることなく、従って、中和排水等を生じ
ることなく、工業的に有利に極めて色相の良好なケト酸
を容易に得ることができる。
含まれるローダミン系化合物等の着色物質を水添反応に
よつて脱色した後、例えば、晶析することによって、ア
ルカリ等を用いることなく、従って、中和排水等を生じ
ることなく、工業的に有利に極めて色相の良好なケト酸
を容易に得ることができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。
【0016】実施例1 ローダミンに由来する550nmの吸光度が0.31(1
g/メタノール100ml)である4−N,N−ジ−エチル
アミノ−2−ヒドロキシ−2'−カルボキシベンゾフェノ
ン(ジエチルケト酸)5gをテトラヒドロフラン45g
に溶解させた後、これに水添触媒としてPt/C(Pt
2%担持)0.4gを加えた。かかるジエチルケト酸に水
素下、密閉系にて、温度35℃で0.5時間、水添反応を
行なつた。反応液の色は、当初は薄桃色であつたが、水
添反応の終了後には、鶯色であつた。窒素下に触媒を濾
別した後、窒素下、反応液を50℃まで加熱し、これに
水40mlを加えた後、冷却して再結晶を行なつた結果、
鶯色のジエチルケト酸を92%の回収率で得た。このジ
エチルケト酸の550nmにおける吸光度は0.01であ
つた。
g/メタノール100ml)である4−N,N−ジ−エチル
アミノ−2−ヒドロキシ−2'−カルボキシベンゾフェノ
ン(ジエチルケト酸)5gをテトラヒドロフラン45g
に溶解させた後、これに水添触媒としてPt/C(Pt
2%担持)0.4gを加えた。かかるジエチルケト酸に水
素下、密閉系にて、温度35℃で0.5時間、水添反応を
行なつた。反応液の色は、当初は薄桃色であつたが、水
添反応の終了後には、鶯色であつた。窒素下に触媒を濾
別した後、窒素下、反応液を50℃まで加熱し、これに
水40mlを加えた後、冷却して再結晶を行なつた結果、
鶯色のジエチルケト酸を92%の回収率で得た。このジ
エチルケト酸の550nmにおける吸光度は0.01であ
つた。
【0017】実施例2 ローダミンに由来する550nmの吸光度が0.17(1
g/メタノール100ml)である4−N−エチル−N−
イソアミル−2−ヒドロキシ−2'−カルボキシベンゾフ
ェノン(エチルイソアミルケト酸)5gをメタノール1
5gに溶解させた後、これに水添触媒としてPt/C
(Pt2%担持)0.4gを加えた。かかるエチルイソア
ミルケト酸に水素下、密閉系にて、温度35℃で0.5時
間、水添反応を行なつた。反応液の色は、当初は薄桃色
であつたが、水添反応の終了後には、鶯色であつた。窒
素下に触媒を濾別した後、反応液に水7mlを加え、その
まま室温で攪拌し、種晶を添加して、結晶化させ、窒素
下にケト酸をろ過した。その結果、550nmにおける
吸光度が0.025であるエチルイソアミルケト酸を回収
率88%にて得た。
g/メタノール100ml)である4−N−エチル−N−
イソアミル−2−ヒドロキシ−2'−カルボキシベンゾフ
ェノン(エチルイソアミルケト酸)5gをメタノール1
5gに溶解させた後、これに水添触媒としてPt/C
(Pt2%担持)0.4gを加えた。かかるエチルイソア
ミルケト酸に水素下、密閉系にて、温度35℃で0.5時
間、水添反応を行なつた。反応液の色は、当初は薄桃色
であつたが、水添反応の終了後には、鶯色であつた。窒
素下に触媒を濾別した後、反応液に水7mlを加え、その
まま室温で攪拌し、種晶を添加して、結晶化させ、窒素
下にケト酸をろ過した。その結果、550nmにおける
吸光度が0.025であるエチルイソアミルケト酸を回収
率88%にて得た。
【0018】実施例3 実施例2において、原料の吸光度が0.37のものを用い
た以外は、実施例2と全く同様に行なつた。その結果、
550nmにおける吸光度が0.028であるエチルイソ
アミルケト酸を92%の回収率で得た。
た以外は、実施例2と全く同様に行なつた。その結果、
550nmにおける吸光度が0.028であるエチルイソ
アミルケト酸を92%の回収率で得た。
【0019】実施例4 実施例2において、水添触媒として、Pt/Cの代わり
に、Pd/C(Pd5%含有)を0.08g用いた以外
は、実施例2と全く同様に行なつた。その結果、550
nmにおける吸光度が0.006であるエチルイソアミル
ケト酸を91%の回収率で得た。
に、Pd/C(Pd5%含有)を0.08g用いた以外
は、実施例2と全く同様に行なつた。その結果、550
nmにおける吸光度が0.006であるエチルイソアミル
ケト酸を91%の回収率で得た。
【0020】実施例5 実施例2において、Pt/Cの代わりに、ラネーニツケ
ル(川研ファインケミカル製ラネーNDT−65)のメ
タノール懸濁液約5mlを用いた以外は、実施例1と全く
同様に行なつた。その結果、550nmにおける吸光度
が0.025であるエチルイソアミルケト酸を87%の回
収率で得た。
ル(川研ファインケミカル製ラネーNDT−65)のメ
タノール懸濁液約5mlを用いた以外は、実施例1と全く
同様に行なつた。その結果、550nmにおける吸光度
が0.025であるエチルイソアミルケト酸を87%の回
収率で得た。
【0021】実施例6 実施例5において、ケト酸の吸光度が2.3のものを用い
た以外は、実施例5と全く同様に行なつた。その結果、
550nmにおける吸光度が0.02であるエチルイソア
ミルケト酸を88%の回収率で得た。
た以外は、実施例5と全く同様に行なつた。その結果、
550nmにおける吸光度が0.02であるエチルイソア
ミルケト酸を88%の回収率で得た。
【0022】実施例7 実施例2において、Pt/Cに代えて、亜鉛末200mg
を用いると共に、反応溶剤として、メタノールに代え
て、酢酸を用いた以外は、実施例1と同様に行なつた。
その結果、550nmにおける吸光度が0.048のエチ
ルイソアミルケト酸を85%の回収率で得た。
を用いると共に、反応溶剤として、メタノールに代え
て、酢酸を用いた以外は、実施例1と同様に行なつた。
その結果、550nmにおける吸光度が0.048のエチ
ルイソアミルケト酸を85%の回収率で得た。
【0023】実施例8 N−エチル−N−イソアミル−m−アミノフェノール
(10.35g)と無水フタル酸(14.8g)を酢酸溶剤
5ml中、80℃で9時間反応させた後、メタノールを5
0g、Pt/Cを1.5g添加し、45℃で5時間、水添
反応を行なつた。この後、窒素下で触媒を濾別した後、
反応液に水30mlを加え、窒素下で60℃まで加熱した
後、冷却して、エチルイソアミルケト酸を析出させ、こ
れを窒素下に濾過した。その結果、550nmにおける
吸光度が0.05のケト酸を原料アミノフェノール基準に
て75%の収率で得ることができた。
(10.35g)と無水フタル酸(14.8g)を酢酸溶剤
5ml中、80℃で9時間反応させた後、メタノールを5
0g、Pt/Cを1.5g添加し、45℃で5時間、水添
反応を行なつた。この後、窒素下で触媒を濾別した後、
反応液に水30mlを加え、窒素下で60℃まで加熱した
後、冷却して、エチルイソアミルケト酸を析出させ、こ
れを窒素下に濾過した。その結果、550nmにおける
吸光度が0.05のケト酸を原料アミノフェノール基準に
て75%の収率で得ることができた。
【0024】実施例9 実施例2において、550nmの吸光度が0.75のジブ
チルケト酸を用いた以外は、実施例2と全く同様に行な
つた。その結果、550nmにおける吸光度が0.034
のジブチルケト酸を89%の回収率で得た。
チルケト酸を用いた以外は、実施例2と全く同様に行な
つた。その結果、550nmにおける吸光度が0.034
のジブチルケト酸を89%の回収率で得た。
【0025】実施例10 ローダミンに由来する550nmの吸光度が4.5である
エチルイソアミルケト酸5gをトルエン15gに溶解さ
せた後、これに水添触媒としてラネーニッケル1.2gを
加え、70℃まで加温した後、水添反応を行なつた。反
応終了後、触媒を熱時濾過し、得られた濾液をそのま
ま、冷却して、ケト酸を晶析させ、濾過した。その結
果、550nmにおける吸光度が0.005であるケト酸
を回収率95%にて得た。
エチルイソアミルケト酸5gをトルエン15gに溶解さ
せた後、これに水添触媒としてラネーニッケル1.2gを
加え、70℃まで加温した後、水添反応を行なつた。反
応終了後、触媒を熱時濾過し、得られた濾液をそのま
ま、冷却して、ケト酸を晶析させ、濾過した。その結
果、550nmにおける吸光度が0.005であるケト酸
を回収率95%にて得た。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の方法によれば、
ローダミン等の着色物質を含有するケト酸を水添処理す
ることによつて、極めて色相の良好なケト酸誘導体を容
易に得ることができる。このように、本発明の方法によ
れば、アルカリ等を用いることなく、従つて、中和排水
等を排出することなく、工業的に有利にケト酸を精製す
ることができる。
ローダミン等の着色物質を含有するケト酸を水添処理す
ることによつて、極めて色相の良好なケト酸誘導体を容
易に得ることができる。このように、本発明の方法によ
れば、アルカリ等を用いることなく、従つて、中和排水
等を排出することなく、工業的に有利にケト酸を精製す
ることができる。
【0027】更に、本発明の方法によれば、たとえば、
N,N−ジアルキル−m−アミノフェノールと無水フタル
酸との反応によつてケト酸誘導体を製造する場合、反応
によつて得られたケト酸を単離することなく、ケト酸を
含む反応液を直接に水添処理することによつて、簡単な
プロセスにて色相の良好なケト酸誘導体を得ることがで
きる。
N,N−ジアルキル−m−アミノフェノールと無水フタル
酸との反応によつてケト酸誘導体を製造する場合、反応
によつて得られたケト酸を単離することなく、ケト酸を
含む反応液を直接に水添処理することによつて、簡単な
プロセスにて色相の良好なケト酸誘導体を得ることがで
きる。
Claims (5)
- 【請求項1】N,N−ジアルキル−m−メタアミノフェノ
ールと無水フタル酸との反応によつて得られる一般式
(I) 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアル
キル基を示す。)で表わされるケト酸誘導体の精製方法
において、このケト酸誘導体を反応溶剤中にて水添触媒
の存在下に水添し、得られた反応液からケト酸誘導体を
回収することを特徴とするケト酸の精製方法。 - 【請求項2】ケト酸誘導体を水添した後、反応液からケ
ト酸誘導体を晶析によつて回収することを特徴とする請
求項1に記載のケト酸の精製方法。 - 【請求項3】ケト酸誘導体を水添した後、ケト酸誘導体
に対する貧溶剤を反応液に加え、ケト酸誘導体を晶析に
よつて回収することを特徴とする請求項1に記載のケト
酸の精製方法。 - 【請求項4】反応溶剤が水可溶性溶剤であることを特徴
とする請求項1に記載のケト酸誘導体の精製方法。 - 【請求項5】ケト酸誘導体を水添した後、反応液に水を
加えて、ケト酸誘導体を晶析によつて回収することを特
徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のケト酸の精
製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15250192A JP3204538B2 (ja) | 1992-06-11 | 1992-06-11 | ケト酸の精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15250192A JP3204538B2 (ja) | 1992-06-11 | 1992-06-11 | ケト酸の精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05339220A true JPH05339220A (ja) | 1993-12-21 |
JP3204538B2 JP3204538B2 (ja) | 2001-09-04 |
Family
ID=15541847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15250192A Expired - Lifetime JP3204538B2 (ja) | 1992-06-11 | 1992-06-11 | ケト酸の精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3204538B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106117239A (zh) * | 2016-06-29 | 2016-11-16 | 江苏傲伦达科技实业股份有限公司 | 一种荧烷类化合物的合成方法及其催化剂 |
-
1992
- 1992-06-11 JP JP15250192A patent/JP3204538B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106117239A (zh) * | 2016-06-29 | 2016-11-16 | 江苏傲伦达科技实业股份有限公司 | 一种荧烷类化合物的合成方法及其催化剂 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3204538B2 (ja) | 2001-09-04 |
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