JPH05339212A - (1s,2s,4r)−ノルボルニルフタル酸エステルの製造方法 - Google Patents

(1s,2s,4r)−ノルボルニルフタル酸エステルの製造方法

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JPH05339212A
JPH05339212A JP17369392A JP17369392A JPH05339212A JP H05339212 A JPH05339212 A JP H05339212A JP 17369392 A JP17369392 A JP 17369392A JP 17369392 A JP17369392 A JP 17369392A JP H05339212 A JPH05339212 A JP H05339212A
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JP
Japan
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salt
ester
norbornyl
exo
phthalate
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JP17369392A
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Hiroaki Ono
博昭 大野
Junichiro Tomaru
淳一郎 都丸
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】(1S,2S,4R)ーノルボルニルフタル酸
エステルの効率的な製造方法の提供。 【構成】アセトニトリル中、2〜25%の水の存在下、
(±)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エステルに
(S)−(−)ーαーメチルベンジルアミンを作用さ
せ、生ずる2種のジアステレオマー塩を溶解度差を利用
して分離し、次いで得られる塩を鉱酸により分解するこ
とを特徴とする式2の(1S,2S,4R)ーノルボル
ニルフタル酸エステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬品等の中間体に関す
る。更に詳しくは、本発明は(1S,2S,4R)ーノ
ルボルニルフタル酸エステルの効率的な製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】(1S,2S,4R)ーノルボルニルフ
タル酸エステルを加水分解して得られる(1S,2S,
4R)ーノルボルナノールは医薬品の原料として有用で
ある。例えば酸化して得られる(1S,4R)ー2ーノ
ルボルナノンは抗喘息薬、抗血栓薬の有用な原料であり
(特開昭63ー139161)、また(1S,4R)ー
2ーノルボルナノンを水素化ホウ素ナトリウムなどで還
元して得られる(1S,2R,4R)ーノルボルナノー
ルも抗喘息薬の原料となることが知られている(特開平
3ー173871)。(±)エキソー2ーノルボルニル
フタル酸エステルの光学分割はシンコニジン、ブルシン
による方法(S.Winsteinら J.Am.Chem.Soc. 74巻、11
47〜1160頁、1952年)、光学活性αーメチルベンジルア
ミンによる方法(Anthony J. Irwinら J.Am.Chem.Soc.
98 巻、8476頁〜、1976年)が知られている。いずれの
文献の方法も溶媒としてはアセトンを使用しており、そ
して5〜10回の再結晶を繰り返して高純度の光学活性
体を得ている。このように既知の方法は操作が大変煩雑
であるため、収率もかなり低く、工業的に問題であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】後記式(1)で表され
る(±)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エステルか
ら後記式(2)で表される(1S,2S,4R)ーノル
ボルニルフタル酸エステルを効率よく製造する方法を確
立すること。
【0004】
【課題を解決するための手段】少量の水を含むアセトニ
トリル溶媒中で(±)エキソー2ーノルボルニルフタル
酸エステルと(S)−(−)−αーメチルベンジルアミ
ンとから生ずる2種のジアステレオマー塩を再結晶する
ことにより効率的に(1S,2S,4R)ーノルボルニ
ルフタル酸エステルが得られてくることを見いだし、本
発明を完成させた。
【0005】即ち、本発明は、アセトニトリル中、2〜
25%の水の存在下、式(1)で表される(±)エキソ
ー2ーノルボルニルフタル酸エステルに(S)−(−)
−αーメチルベンジルアミンを作用させ、生ずる2種の
ジアステレオマー塩を溶解度差を利用して分離し、次い
で得られる塩を鉱酸により分解することを特徴とする式
(2)で表される(1S,2S,4R)ーノルボルニル
フタル酸エステルの製造方法に関する。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】原料として使用する式(1)の(±)エキ
ソー2ーノルボルニルフタル酸エステルは(±)エキソ
ー2ーノルボルナノールと無水フタル酸との反応で得ら
れる。また本発明に於いて、ジアステレオマー塩の分離
溶媒として使用される含水アセトニトリルは原料(1)
に対し3〜15倍使用し、好ましくは5〜10倍使用す
る。またアセトニトリル中に存在する水の量は通常0.
5〜25%であるが、好ましくは2〜20%である。
【0009】ジアステレオマ−を溶解し塩を形成せしめ
る際の温度としては、室温から溶媒の沸点までの範囲で
行うことができるが、塩の形成を容易に行うこと及び溶
解度差により一方のジアステレオマー塩を優先的に析出
させ易くすることから、溶媒の沸点近くまで加温し、塩
を完溶させることが好ましい。完溶後徐々に冷却しジア
ステレオマー塩を析出させるが、塩の沈澱の起こる温度
は溶媒中の水の分量で異なるが通常5〜35゜C好まし
くは10〜30゜Cで塩の沈澱が生じるように前記した
ような水の量が採用される。
【0010】分割剤としての(S)−(−)ーαーメチ
ルベンジルアミンの使用量は、基質に対して0.5〜
2.0等量、好ましくは1等量前後が適当である。アミ
ンを作用させる温度については特に制限はないが、通常
20〜50℃で作用させるのが好ましい。(R)−
(+)−αーメチルベンジルアミンを分割剤として使用
すると生成するジアステレオマー塩の溶解度が高く結晶
が析出しにくい。なお、予め用意しておいた光学純度の
高い塩を結晶化時に接種することにより更に光学純度の
高い塩を得ることも可能である。また得られた結晶を、
先に挙げた溶媒中で再結晶することにより光学純度をよ
り向上させることも可能である。
【0011】これらの方法で得られたジアステレオマー
塩は通常の塩分解法を経て(1S,2S,4R)ーノル
ボルニルフタル酸エステルを単離する事が出来る。即
ち、例えばジアステレオマー塩を酸により中和し、
(S)−(−)ーαーメチルベンジルアミンは酸との塩
として水層に移行させ、(1S,2S,4R)ーノルボ
ルニルフタル酸エステルを水分離する適当な有機溶媒、
例えばジクロロメタン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチ
ル、エーテル等で抽出することにより、これを分離し、
単離することが出来る。酸としては塩酸、硫酸等の鉱酸
が用いられる。ジアステレオマー塩の分解は通常水又は
水と有機溶媒(ジクロロメタン、トルエン、ヘキサン
等)との混合溶媒中で、塩酸又は硫酸等の鉱酸を用い常
温付近で分解する。その後濾過、抽出等の方法を経て目
的とするエステルを得る。
【0012】以下に、本発明を実施例に基づき更に詳細
に説明するが、本発明が、これらに限定されるものでは
ない。
【0013】
【実施例】
実施例1 7.8gの(±)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エ
ステルを100mlの20%含水アセトニトリルに添加
した。次いで25゜Cに於て(S)−(ー)ーαーメチ
ルベンジルアミン3.6gを加えると、発熱し28゜C
となるが更に加熱し35゜Cで完溶させた。完溶後同温
度で30分撹拌したのち冷却した。20゜Cで(+)エ
キソー2ーノルボルニルフタル酸エステルと(S)−α
ーフェネチルアミンの塩を接種し更に冷却した。15゜
Cで結晶析出し、5゜Cとなったら同温度で2時間撹拌
した。析出晶を濾取しアセトニトリル10mlで洗浄
後、減圧乾燥して塩3.8g(収率=34.0%)を得
た。 〔α〕D =+0.0゜ (C1.6 CHCl3 ) 次にこの塩3.8gをジクロロメタン30mlに溶解
し、ここに2N塩酸を加え室温下、激しく撹拌すること
により塩を分解した。靜置後ジクロロメタン層を分液し
無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し(+)エキ
ソー2ーノルボルニルフタル酸エステル2.3g(収率
29.5%)を得た。 〔α〕D =+5.45゜ (C10 CHCl3
【0014】参考例1 7.8gの(±)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エ
ステルを100mlの無水アセトニトリルに溶解した。
次いで25゜Cに於て(S)−αーフェネチルアミン
3.6gを加えた。直ちに結晶が析出し、同時に発熱し
30゜Cとなるが更に加熱し還流下に2時間撹拌した
が、塩は完溶しない。その後ゆっくり冷却し、25゜C
となったら析出晶を濾取し無水アセトニトリル10ml
で洗浄後、減圧乾燥して塩9.9g(収率=87.1
%)を得た。 〔α〕D =ー4.35゜ (C1.6 CHCl3 ) 次にこの塩9.9gをジクロロメタン30mlに溶解
し、ここに2N塩酸を加え室温下、激しく撹拌すること
により塩を分解した。靜置後ジクロロメタン層を分液し
無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し(+)エキ
ソー2ーノルボルニルフタル酸エステル6.2g(収率
79.7%)を得た。 〔α〕D =+0.60゜ (C10 CHCl3
【0014】実施例2 7.8gの(±)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エ
ステルを100mlの5%含水アセトニトリルに溶解し
た。次いで25゜Cで(S)−αーフェネチルアミン
3.6gを加えた。直ちに結晶が析出し、同時に発熱し
30゜Cとなるが更に加熱し42゜Cで完溶した。完溶
後同温度で30分撹拌したのち冷却した。32゜Cで
(+)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エステルと
(S)−αーフェネチルアミンの塩を接種し更に冷却し
た。28゜Cで結晶が析出し、20゜Cとなったら同温
度で2時間撹拌した。析出晶を濾取しアセトニトリル1
0mlで洗浄後、減圧乾燥して塩6.6g(収率=5
8.5%)を得た。 〔α〕D =−2.15゜ (C1.6 CHCl3 ) 次にこの塩6.6gをジクロロメタン30mlに溶解
し、ここに2N塩酸を加え室温下、激しく撹拌すること
により塩を分解した。靜置後ジクロロメタン層を分液し
無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し(+)エキ
ソー2ーノルボルニルフタル酸エステル4.1g(収率
53.1%)を得た。 〔α〕D =+3.34゜ (C10 CHCl3
【0015】参考例2 7.8gの(±)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エ
ステルを150mlの無水アセトンに溶解した。次いで
(S)−αーフェネチルアミン3.6gを25゜Cで加
えた。発熱し28゜Cとなり直ちに結晶が析出した。更
に加熱し48゜Cで完溶した。そのまま1時間還流下加
熱撹拌後冷却した。42゜Cで(+)エキソー2ーノル
ボルニルフタル酸エステルと(S)−αーフェネチルア
ミンの塩を接種した。40゜Cで結晶析出が始まる。2
2゜Cとなったら同温度で2時間撹拌した。析出晶を同
温度で濾取しアセトン10mlで洗浄し、減圧乾燥して
塩6.3g(収率=55.3%)を得た。 〔α〕D =ー2.31゜ (C1.6 CHCl3 ) 次にこの塩6.3gをジクロロメタン30mlに溶解
し、ここに2N塩酸を加え室温下、激しく撹拌すること
により塩を分解した。靜置後ジクロロメタン層を分液し
無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し(+)エキ
ソー2ーノルボルニルフタル酸エステル3.9g(収率
50.0%)を得た。 〔α〕D =+2.72゜ (C10 CHCl3
【0016】実施例3 7.8gの(±)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エ
ステルを100mlの10%含水アセトニトリルに添加
した。次いで25゜Cで(S)−αーフェネチルアミン
3.6gを加えた。直ちに結晶が析出し、同時に発熱し
28゜Cとなるが更に加熱し35゜Cで完溶させた。完
溶後同温度で30分撹拌したのち冷却した。22゜Cで
(+)エキソー2ーノルボルニルフタル酸エステルと
(S)−αーフェネチルアミンの塩を接種し更に冷却し
た。20゜Cで結晶が析出し、10゜Cとなったら同温
度で2時間撹拌した。析出晶を濾取しアセトニトリル1
0mlで洗浄したのち減圧乾燥して塩5.3g(収率=
47.0%)を得た。 〔α〕D =−1.31゜ (C1.6 CHCl3 ) 次にこの塩5.3gをジクロロメタン30mlに溶解
し、ここに2N塩酸を加え室温下、激しく撹拌すること
により塩を分解した。靜置後ジクロロメタン層を分液し
無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶媒を留去し(+)エキ
ソー2ーノルボルニルフタル酸エステル3.4g(収率
43.6%)を得た。 〔α〕D =+4.27゜ (C10 CHCl3
【0019】
【発明の効果】光学活性エキソー2ーノルボルニルフタ
ル酸エステルを効率よく製造することが可能になった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセトニトリル中、2〜25%の水の存在
    下、式(1)で表される(±)エキソー2ーノルボルニ
    ルフタル酸エステルに(S)−(−)ーαーメチルベン
    ジルアミンを作用させ、生ずる2種のジアステレオマー
    塩を溶解度差を利用して分離し、次いで得られる塩を鉱
    酸により分解することを特徴とする式(2)で表される
    (1S,2S,4R)ーノルボルニルフタル酸エステル
    の製造方法。 【化1】 【化2】
JP17369392A 1992-06-09 1992-06-09 (1s,2s,4r)−ノルボルニルフタル酸エステルの製造方法 Pending JPH05339212A (ja)

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