JPH05338195A - インクジェット記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 色素に顔料を使用したインクのように放置に
よって物性が変化し、攪はんを必要とするインクを用い
たインクジェット記録装置に、圧力差、流速差の少ない
インクの攪はんを実現することを目的とする。 【構成】 インクジェットヘッドとインクを貯蔵するイ
ンクタンクとこれらを連結するインク経路を備えたイン
クジェット記録装置において、インクタンク動力伝達ギ
アまたは動力連結機構を設けて駆動モータにより揺動あ
るいは反転あるいは回転させる機構を構成し、インクタ
ンクを揺動あるいは反転あるいは回転させインクを攪は
んする。また、前記駆動モータを専用モータとするか、
あるいはインクジェット記録装置に他目的で使用されて
いるモータを併用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクの色素として顔料を使用した場合
には、放置によって顔料がインクタンクの底部に沈降し
てインク濃度が変化し不均一になる。このような放置に
よって濃度や温度、比重などの物性が変化するインクを
用いて、インクジェット記録を行う場合には、インクを
攪はんするが必要が生じる。

【０００３】従来のインクジェット記録装置において
は、図８に示すように特公昭第６０ー２３２９６２にあ
るように、インクタンク１０１にインク供給チューブ１
０２と排出チューブ１０３を設け、該供給チューブより
インクをインクタンク内に流入させ、該排出チューブよ
り流出させるという機構を設けて、インクタンク内のイ
ンクを循環させて同時にインクを攪はんするものがあっ
た。

【０００４】さらに、モーターで回転駆動される攪はん
棒をインクタンク内に設けて、攪はん棒の先端に取り付
けられた攪はん部材、たとえば、ファンをまわしたり、
また、図９に示す特公昭第６０ー１１０４５８にあるよ
うに、マグネットスタラ１１０を用いて回転子１０９を
インクの中で回転させて、機械的に渦巻のインク流を発
生させ攪はんするものがあった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の攪はん
方法では、一定方向のインク流を発生させるためインク
タンク内のインクに流速差と圧力差を発生させやすい。
その結果、インクの流れにくい部分が生じたり、沈降を
しやすいインクの場合には攪はんによりインク濃度の極
端に高い部分を生じさせる場合もあり、インクタンク内
のインクを常に均一に攪はんすることは難しい。

【０００６】また、インク流の慣性によって攪はんを停
止しても、流速差や圧力差がインクタンク内に残りやす
く、即座にインクジェットヘッドへインクを供給した場
合、インクジェットヘッドより吐出されるインクドット
に悪影響を及ぼすことになる。この影響を回避するため
に、攪はん後インクをしばらくの間放置した場合には、
結果としてプリントスピードを遅くすることになる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の問題を
解決し、さらにインク全体の濃度を均一に攪はん、保持
するために、インクタンク自体を動作させる動力を設
け、該動力によりインクタンクを揺動あるいは反転ある
いは回転させることにより、インクにおける重力方向を
相対的に変化させて攪はんを行うものである。

【０００８】

【実施例】本発明の実施例について、以下図面を用いて
説明する。

【０００９】図１は、インクタンクを揺動させて攪はん
を行う場合の実施例を示すインクタンクの斜視図であ
る。

【００１０】インクタンク１には、相対する２側面に揺
動軸４がそれぞれ設けられており、インクタンク支持台
３に形成された揺動軸受け５に揺動軸４を係合させるこ
とにより、揺動軸４を中心として回転可能なように固定
される。

【００１１】また、インクタンク１には、図示されてい
ないインクカートリッジからのインクを、インクタンク
１に供給するための供給口２と図示されていないインク
ジェットヘッドへインクを供給する供給口７と、インク
タンク１とインクジェットヘッドを含むインク経路で循
環されるインクの流入口８が取り付けられている。支持
台３には、供給口７と流入口８がインクタンク１の揺動
で動きうる範囲よりも少し広い逃げ穴６を形成し、供給
口７と流入口８が支持台３と干渉してインクタンク１の
揺動を妨げたり、供給口７と流入口８が破損するのを防
いでいる。

【００１２】供給口２、供給口７および流入口８は、弾
性を有する部材、たとえばゴム材で作られてあり、イン
クタンク１の揺動に対応して容易に変形することができ
る。したがって、供給口２、供給口７および流入口８と
インクタンク１との接点においては、特別な機構を必要
とせずに接合することができるため気密性を保つのが容
易である。

【００１３】図２は、インクタンク１を揺動する機構の
１例を示したものである。

【００１４】底部９は、図１に示したインクタンク１の
底部の断面図である。底部９には、揺動溝１０が設けら
れており、該揺動溝１０には回転盤１３の腕１４の先端
に形成された連結部材１１が、該揺動溝１０の溝方向に
スライド可能なように連結されている。また、インクタ
ンクの揺動によって揺動溝１０と回転盤１３、および腕
１４との距離が変化するため連結部材１１と腕１４の間
にはバネ１２が取り付けられている。回転盤１３の周囲
にはギア歯が形成され、駆動モータ１６に取り付けられ
たギア１５とかみ合うことにより、駆動モータ１６の動
力を得て回転する。回転盤１３が回転することによっ
て、連結部材１１が揺動溝１０を溝方向に往復動作し、
結果、インクタンク１は揺動軸４を中心とした揺動動作
をすることになる。

【００１５】図３は、インクタンクを反転させて攪はん
を行う場合の実施例である。

【００１６】インクタンク１７には、相対する２側面に
反転軸２７ａが設けられてあり、該反転軸２７ａにはバ
ネ２１が取り付けられている。インクタンク１７は、該
反転軸２７ａとバネ２１を、支持台１９に形成された反
転溝２０に係合させることにより、反転可能なように固
定される。さらに、バネ２１は、インクタンクが反転し
た場合に常に元の位置に戻そうとする力を発生するよう
になっている。

【００１７】また、インクタンク１７には、図示されて
いないインクカートリッジからのインクをインクタンク
１７に供給するための供給口１８と図示されていないイ
ンクジェットヘッドへインクを供給する供給口２３と、
インクタンク１７とインクジェットヘッドを含むインク
経路で循環されるインクの流入口２４が取り付けられて
いる。供給口１８、供給口２３および流入口２４は、弾
性を有する部材で作られてあり、インクタンク１７の揺
動に対応して容易に変形することができる。したがっ
て、供給口１８、供給口２３および流入口２４とインク
タンク１７との接点においては、特別な機構を必要とせ
ず、気密性を保つのが容易である。

【００１８】図４は、図３に示した実施例の側面図であ
る。

【００１９】インクタンク１７に半円状の反転盤２２が
形成されており、該反転盤２２の円弧上にはギア歯が形
成され、駆動モータ２６に取り付けられたギア２５とか
み合うことにより駆動モータ２６の動力を得てインクタ
ンク１７を反転させる。

【００２０】反転盤２２は、必要最低限のギア歯しか形
成されておらず反転する範囲が規制されるため、駆動モ
ータ２６の回転ムラによって反転角の位置がずれるのを
防いでる、また、ギア２５が反転盤２２のギア歯から外
れた場合には、反転軸１７ａに取り付けられたバネ２１
によって再びかみ合う方向に力を受けるため、インクタ
ンク１７は一定の反転動作を維持することができる。

【００２１】図５は、インクタンクを回転させて攪はん
を行う場合の実施例である。

【００２２】インクタンク２７の相対する２側面のほぼ
中心部にそれぞれ供給口３１ａと流入口３１ｂが取り付
けられている。該供給口３１ａは、インクタンク２７に
貯蔵されているインクを図示されていないインクジェッ
トヘッドに供給し、流入口３１ｂは、インクタンク２７
とインクジェットヘッドを含むインク経路で循環される
インクをインクタンク２７へ導くものである。

【００２３】また、インクタンク２７の側面にはそれぞ
れ軸受け部３０ａ、３０ｂが形成されており、該供給口
３１ａ、該流入口３１ｂはそれぞれ軸受け部３０ａ、３
０ｂの中心を貫通して固定されている。さらに、支持台
２８に形成された回転溝２９ａ、２９ｂに供給口３１
ａ、３１ｂをそれぞれ係合することにより、インクタン
ク２７は回転可能なように支持台２８に固定されてい
る。固定機構を有する２側面の一方には回転ギア３２が
取り付けられており、該回転ギア３２の周囲に形成され
たギア歯によって、駆動モータ３４のギア３３と噛み合
い、駆動モータ３４の動力を得てインクタンク２７を回
転させることができる。

【００２４】図６は、図５で示した実施例の断面図であ
る。

【００２５】供給口３１ａと流入口３１ｂは、インクタ
ンク２７の内部のほぼ中央付近で下方に折れ曲がりそれ
ぞれ先端部３９、４０を形成して、インクタンク２７内
のインクに常に浸るようになっている。また、軸受け部
３０ａ、３０ｂの内部には、シールドをしうる軸受け３
８が組み付けられている。該軸受けにはオーリングやシ
ールドベアリングなどを用いることができる。

【００２６】インクタンク２７の内部には、フィン４１
が形成されてあり、長期放置後や沈降しやすいインクを
用いた場合に短時間に均一な攪はんを実現することがで
きる。

【００２７】図１から図６で示した実施例は、それぞれ
インクタンクを動作させるための専用モータを用いて駆
動した場合であるが、インクジェット記録装置に用いら
れる他の動力、たとえば、キャリッジ駆動モータ、紙送
りモータの動力をクラッチ機構などを利用して併用する
こともできる。

【００２８】図７は、図５、図６に示した、インクタン
クを回転させて攪はんを行う場合にキャリッジの動力を
利用した実施例をである。

【００２９】キャリッジ４７には、インクジェットヘッ
ド４３とインクタンク４４が乗っており、供給パイプ４
５と流入パイプ４６によってインクが循環すべく連結さ
れている。また、流入パイプ４６の一部には、弁５３と
インク補充パイプ５４が連結されており、弁５３の開閉
によって、図示されていないインクカートリッジからの
インクをインクタンク４４に補充することができる。

【００３０】インクタンク４４は、支持盤５８、５９に
よって回転可能なように固定され、さらに、１側面に設
けられた回転ギア６０によって、キャリッジ４７に動作
方向に形成されたギア盤５２と噛み合い、キャリッジ４
７の動作によってインクタンク４４を回転させることが
できる。

【００３１】キャリッジ４７には、プーリー４９、５０
によって支持された駆動ベルト４８が取り付けられてあ
り、一方のプーリー４９をキャリッジモータ５１で回転
させることにより、プラテン４２に平行な方向にキャリ
ッジ４７を移動させるものである。

【００３２】

【発明の効果】本発明は、攪はんを必要とするインクジ
ェット記録装置において、流速差や圧力差を発生させず
にインクタンク内にインクを均一に攪はんする機構を提
供する。

【００３３】さらに、揺動、反転、回転の動作方法を変
化させたり、インクタンク内にフィンを形成するなどイ
ンクタンクの形状を変えることにより、攪はんの必要な
種種のインクに対応することが容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】インクタンクを揺動して攪はんする実施例の斜
視図。

【図２】インクタンクを揺動する機構の説明図。

【図３】インクタンクを反転して攪はんする実施例の斜
視図。

【図４】インクタンクを反転する機構の説明図。

【図５】インクタンクを回転して攪はんする実施例の斜
視図。

【図６】インクタンクを回転して攪はんする実施例の断
面図。

【図７】キャリッジの動力を利用して回転攪はんする場
合の実施例の斜視図。

【図８】循環を用いたインクジェトヘッドの従来例の斜
視図。

【図９】マグネトットスタラを用いて攪はんを行うイン
クタンクの従来例の斜視図。

【符号の説明】

１、１７、２７、３７、４４、１０１、１０６ インク
タンク ２、７、１８、２３、３１ａ 供給口 ３、１９、２８ 支持台 ４ 揺動軸 ５ 揺動軸受け ６ 逃げ穴 ８、２４、３１ｂ 流入口 １０ 揺動溝 １１ 連結部材 １３、回転盤 １５、２５、３２、３３ ギア １６、２６、３４ 駆動モータ １７ａ、反転軸 ２０、反転溝 ２２、反転盤 ２９ａ、回転溝 ２９ｂ、回転溝 ３０ａ、軸受け部 ３０ｂ、軸受け部 ３８、軸受け（オーリング） ４３、インクジェットヘッド ４５、供給パイプ ４６、流入パイプ ５２、ギア盤 ６０、回転ギア １０５、インク流路 １０９、回転子 １１０、マグネチックスタラ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インク滴を吐出し、記録ドットを形成す
   るインクジェットヘッドと、前記ヘッドに供給されるイ
   ンクを貯蔵するインクタンクと、前記ヘッドと前記タン
   クを結ぶインク流路を備えたインクジェック記録装置に
   おいて、前記インクタンクが揺動あるいは反転あるいは
   回転して、前記インクタンクに貯蔵されたインクを攪は
   んするインク攪はん機能を備えたことを特徴とするイン
   クジェット記録装置。
2. 【請求項２】 前記インクタンクを揺動あるいは反転あ
   るいは回転などの動作をさせることのみに用いる前記イ
   ンクタンクを駆動する動力を、前記インクジェット記録
   装置内に備えていることを特徴とする請求項１記載のイ
   ンクジェット記録装置。
3. 【請求項３】 インクタンクを駆動する動力を、インク
   ジェット記録装置内に備え、前記動力は他目的の動力と
   併用していることを特徴とする請求項１記載のインクジ
   ェット記録装置。