JPH0533803Y2 - - Google Patents

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JPH0533803Y2
JPH0533803Y2 JP1986028826U JP2882686U JPH0533803Y2 JP H0533803 Y2 JPH0533803 Y2 JP H0533803Y2 JP 1986028826 U JP1986028826 U JP 1986028826U JP 2882686 U JP2882686 U JP 2882686U JP H0533803 Y2 JPH0533803 Y2 JP H0533803Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、動力伝達用無端ベルトに関し、更に
詳しくは、自動車等車両の変速機として用いるこ
とが出来るベルト式無段変速機において、V溝を
有するプーリ間に掛け渡されてこれらプーリ間の
動力伝達を行う動力伝達用無端ベルトに係るもの
である。
〔従来の技術〕
最近、自動車等車両の変速機としてベルト式無
段変速機が多数提案されている。
ベルト式無段変速機は、一方の回転軸と他方の
回転軸に、V溝を有するプーリが設けられてお
り、このプーリに動力伝達用無端ベルトが掛け渡
されている。そして、プーリの上記V溝の幅寸法
が変えられることにより、一方の回転軸から他方
の回転軸に回転動力が無段階に変速されて伝達さ
れるようになつている。
従来、このベルト式無段変速機に使用される動
力伝達用無端ベルトの一つとして、V溝を有する
プーリ間に掛け渡される無端キヤリアと、この無
端キヤリアの周方向に沿つて摺動可能に互いに隣
接して取り付けられ、両端面にてV溝に摩擦係合
すると共にキヤリア係合面にて無端キヤリアに摩
擦係合する複数個の動力伝達用Vブロツクとを備
えた無端ベルトが知られている。(例えは、特公
昭55−6783号公報、特開昭55−100443号公報)。
この種の無端ベルトにおいては、各動力伝達用
Vブロツクが入力プーリ(駆動プーリ)から動力
を伝達された動力伝達用Vブロツクによりこれら
と摩擦係合する無端キヤリアと共に互いに当接し
た状態にて出力プーリ(従動プーリ)へ向けて順
次押し進められ、出力プーリにおいてこれに動力
を伝達することにより入力プーリより出力プーリ
へ動力が伝達される。
ところで、上記従来の動力伝達用無端ベルトに
おいては、各動力伝達用Vブロツクは無端ベルト
がプーリに円弧状に巻き掛けられた領域ではキヤ
リア係合面より半径方向内方の位置にて互いに当
接するようになつている。従つて、上記Vブロツ
クの回転半径、すなわち、各Vブロツクの互いに
他に対する当接部を連ねた円弧の半径よりも無端
キヤリアの回転半径が大きいので、無端キヤリア
と動力伝達Vブロツクのキヤリア係合面との間に
おいて滑りが発生し、それらの間における摩擦に
よつて入力プーリに入力された動力の一部が消費
されることにより動力伝達用無端ベルトの伝達効
率が悪化する。
そこで本出願人は、先に、互いに隣接した対向
する各動力伝達用Vブロツクのベルト進行方向前
面と後面のいずれか一面に窪みを、他面にそれに
隣接する他のVブロツクの窪みに嵌入する円筒面
を備えた突起を設け、無端ベルトがプーリに円弧
状に巻き掛けられた領域では、動力伝達用Vブロ
ツクがキヤリア係合面と実質的に同一の半径方向
位置にて前記突起の先端円筒面と前記窪みの底面
とが当接するように構成した動力伝達用無端ベル
トを提案した(特開昭59−190540号、実開昭60−
21054号公報)。この無端ベルトにあつては、無端
ベルトの直線状移行領域と円弧線に沿つて移行す
る領域との間の遷移領域においても、各Vブロツ
クのキヤリア係合面が設けられた部分の間の間隔
が大きく変化することがなく、これにより無端キ
ヤリアと動力伝達用Vブロツク間の滑りを低減す
ることが出来るので、従来の動力伝達用無端ベル
トに比して動力伝達効率を向上させることが出
来、また上記Vブロツクと無端キヤリア間の摩擦
を低減出来るので、従来の動力伝達用無端ベルト
に比してその耐久性を向上させることが出来ると
いつた優れた性能が得られた。
〔考案が解決しようとする課題〕
上述した先の動力伝達用無端ベルトにおいて
は、動力伝達用Vブロツクに形成される突起は、
先端面が円筒面とされており、その外周側および
内周側の面がそれぞれベルト進行方向前面に対し
て或る角度をなす傾斜面として形成されている。
また、窪みの底面はベルト進行方向後面に平行な
平面とされ、その外周側および内周側の面が突起
と対応する傾斜面として形成されている。
そして、第10図に示すように、動力伝達用無
端ベルト010が直線状に延在する領域では、各
動力伝達用Vブロツク012における突起024
と窪み026との嵌合隙間、すなわち、突起の外
周側傾斜面035と窪みの外周側傾斜面038と
の間および突起の内周側傾斜面036と窪みの内
周側傾斜面039との間の隙間S3が小さく保たれ
ており、各Vブロツク012の半径方向(図の上
下方向)の動きは小さい範囲に規制されている。
しかしながら、動力伝達用無端ベルト010が
プーリに噛み込むか又は吐き出される位置(ベル
ト直線部分と巻き掛け部分の遷移領域)において
は、第11図に示す如くプーリに噛み込まれるV
ブロツク012およびプーリから吐き出される
(離脱する)Vブロツク012は、突起の外周側
傾斜面035と窪みの外周側傾斜面038との間
の嵌合隙間S4がベルト直線部分に比べて増大し、
Vブロツク012の半径方向(図の上下方向)の
動きを十分に規制することができない。
それ故、動力伝達用Vブロツク012のプーリ
への噛み込み、吐き出し(離脱)が円滑に行われ
なくなる。そして、この不円滑な作動は、動力伝
達用無端ベルト010の上記Vブロツクの突起0
24と窪み026との間の嵌合隙間が大きい場合
に、特に顕著であることが実験により確認されて
いる。なお、011は無端キヤリアを、021は
キヤリア係合面を、022は無端キヤリアの内周
面をそれぞれ示す。
この結果、動力伝達用Vブロツク012がプー
リに噛み込まれる時および吐き出される時に、V
ブロツク012の動きが滑らかに直線運動→回転
運動、又は回転運動→直線運動へ移行せず、噛み
込むVブロツク012および吐き出されるVブロ
ツク012が前後のVブロツク012との間およ
びプーリとの間で摩擦損失を生じ、伝達効率が低
下する。このため、伝達効率の上からこの点の改
善が望まれていたものである。
従つて、本考案の目的は、先の動力伝達用無端
ベルトにおける上述の如き不具合に鑑み、動力伝
達用Vブロツクのプーリへの噛み込み、吐き出し
位置での動きを円滑にすることにより、無端ベル
トの伝達効率の向上を図ることにある。
〔課題を解決するための手段〕
そこで本考案は、上述の問題点を解決するため
の手段として、次のような構成を採用したもので
ある。
すなわち、本考案の動力伝達用無端ベルトは、
V溝を有するプーリ間に掛け渡される無端キヤリ
アと、この無端キヤリアの周方向に沿つて摺動可
能に互いに隣接して取り付けられ、両端面にて前
記V溝に摩擦係合すると共にキヤリア係合面にて
前記無端キヤリアに摩擦係合する複数個の動力伝
達用Vブロツクとを備え、前記各Vブロツクはベ
ルト進行方向前面と後面のいずれか一面に突起を
他面に該突起の高さ寸法よりも浅い窪みを有し、
前記キヤリア係合面は前記Vブロツクが前記プー
リに円弧状に巻き掛けられた領域での前記突起の
先端面と前記窪みの底面との当接位置と実質的に
同一の半径方向位置に形成された動力伝達用無端
ベルトであつて、 前記Vブロツクにおける前記突起および窪みの
外周側の面を前記ベルト進行方向前面および後面
に対して垂直とすると共に、前記突起および窪み
の内周側の面を前記ベルト進行方向前面および後
面の垂直面に対してなす角度が突起側よりも窪み
側が大きな傾斜面としたことを特徴としている。
具体的には第1図および第4図を例にとつて説
明すると、動力伝達用無端ベルト10は、V溝2
を有するプーリ1間に掛け渡される無端キヤリア
11と、この無端キヤリア11の周方向に沿つて
摺動可能に互いに隣接して取り付けられ、両端面
20にてV溝2に摩擦係合すると共にキヤリア係
合面21にて無端キヤリア11に摩擦係合する複
数個の動力伝達用Vブロツク12とを備えてい
る。
各動力伝達用Vブロツク12は、ベルト進行方
向前面23と後面25のいずれか一面に突起24
を他面に突起24の高さ寸法h1よりも浅い深さh2
の窪み26を有する。そして、キヤリア係合面2
1は、前記Vブロツク12がプーリ1に円弧状に
巻き掛けられた領域では、特記の先端面34と窪
みの底面37との当接位置と実質的に同一の半径
方向位置に形成されている。
更に、前記したVブロツク12における突起2
4の外周側の面35と窪み26の外周側の面38
とは、ベルト進行方向前面23および後面25に
対して垂直な面とされている。また、突起24の
内周側の面36および窪み26の内周側の面39
は、ベルト進行方向前面23および後面25の垂
直面に対して角度α1,α2をなす傾斜面とされてお
り、しかも、窪み側の傾斜面39の角度α2は、突
起側の傾斜面36の角度α1よりも大きく設定され
ている。
〔作用〕
上述の手段によれば、突起24の高さ寸法h1
りも窪み26の深さh2が浅いため、隣合うVブロ
ツク12は突起の先端面34と窪みの底面37で
当接し、しかも、窪み側の傾斜面39の角度α2
は、突起側の傾斜面36の角度α1よりも大きく設
定されているため、Vブロツク12がプーリ1に
円弧状に巻き掛けられた領域では、隣合うVブロ
ツク12の間隔がこの当接部を中心として外周側
で広がり、内周側で狭まつて、Vブロツクがプー
リの周りに放射状に並ぶ。換言すれば、当接部で
は隣合うVブロツク12の間隔は変化せず、当接
部と同一の半径方向位置に形成されたキヤリア係
合面21間の間隔もほとんど変化しない。従つ
て、キヤリア11とVブロツク12との滑りが低
減され、キヤリア11Vブロツク12との接触状
態が安定する。
また、上述のようにVブロツク12がプーリ1
に円弧状に巻き掛けられた領域では、隣合うVブ
ロツク12の間隔は当接部より外周部で広がるも
のの、突起24の先端面34と窪みの底面37と
の当接部を中心に回転することになるため、突起
24および窪み26自身の回転半径が小さくな
り、隣合うVブロツク12の突起24の窪み26
との間隔の変化量も小さくなる。
しかも、このような微小な回転の際の間隔の変
化は、ベルト進行方向に比べて上下方向(巻き掛
け状態での半径方向)の変化成分が小さいので、
上記の如く突起24の外周側の面35と窪み26
の外周側の面38とを、ベルト進行方向前面23
および後面25に対して略垂直な面としておく構
成にすれば、巻き掛け状態での突起24の外周側
の面35と窪み26の外周側の面38との隙間が
小さく維持される。即ち、第11図の如く外周側
の面035が傾斜している場合には、ベルト進行
方向の間隔拡大によつても外周側の面の上下方向
の間隔S4が拡大してしまうが、第7図の如く外周
側の面35,38が垂直方向(ベルト進行方向)
に形成されている場合には、外周側の面の上下方
向の間隔S2はベルト進行方向の間隔拡大による影
響をほとんど受けないので、Vブロツク12がプ
ーリ1の間に位置する状態(間隔S1)と大差な
く、小さく維持されることになる。
これらの結果、Vブロツク12がプーリ1に円
弧状に巻き掛けられた状態でも、キヤリア11と
Vブロツク12との接触状態は安定し、Vブロツ
ク12の半径方向の動きは、Vブロツク12がプ
ーリ1の間に位置する状態と大差ない小さな範囲
に規制される。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。
第1図は、本考案の第1実施例に係る動力伝達
用無端ベルトにおける動力伝達用Vブロツクの側
面図、第2図は第1図に示された動力伝達用Vブ
ロツクの正面図、第3図は本考案による動力伝達
用無端ベルトが一つのプーリに掛け渡されている
部分を示す縦断面図、第4図は第3図の−線
に沿つた拡大断面図、第5図は第1図に示された
動力伝達用Vブロツクを示す斜視図である。
これらの図において、1は一つのプーリ(駆動
プーリ又は従動プーリ)を示しており、このプー
リ1はその周囲にV溝2を有し、軸3を中心とし
て回転するようになつている。プーリ1のV溝2
には本考案による動力伝達用無端ベルト(以下、
無端ベルトと称する)10が掛け渡されている。
この無端ベルト10は、複数枚の金属ストリツプ
が積層されて環帯状に形成された無端キヤリア1
1と、この無端キヤリア11によりその周方向に
沿つて摺動可能に互いに隣接して支持された複数
個の金属製の動力伝達用Vブロツク(以下、Vブ
ロツクと称する)12とを備えている。
Vブロツク12は、第4図および第5図に詳細
に示されているように、上下を逆転された等脚台
形の形態をなす板状部13とこの板状部と一体に
形成され軸線14に沿つて板状部の両端部15,
15より上方へ突出する一対の柱状部16,16
とよりなるブロツク本体17と、軸線14に垂直
な軸線18の周りに回転可能に柱状部16,16
間に架設されたガイドローラ19とからなつてい
る。
ブロツク本体17は、軸線14に対し実質的に
等しい角度にて傾斜した両端面20,20にてプ
ーリ1のV溝2に摩擦係合し、軸線14に垂直に
延在しガイドローラ19に対向するキヤリア係合
面21にて無端キヤリア11の内周面22に摩擦
係合している。ブロツク本体17の一方のベルト
進行方向前面23には柱状部16,16の板状部
13との接続端に近接した位置にて軸線18に沿
つて延在し無端ベルト10の進行方向前方へ向け
て突出する一対の突起24,24が設けられてい
る。また、ブロツク本体17の他方のベルト10
の進行方向後面25には、無端ベルト10の進行
方向前方へ向けて凹状をなし、後方に位置するV
ブロツクの突起24,24がそれぞれ嵌入する一
対の窪み26,26が設けられている。
ガイドローラ19は、一端にて柱状部16に設
けられた貫通孔27に回転可能に挿通されるピン
28と、一端にてピン28の他端を軸線18に沿
つて往復動可能に受ける円筒体29と、中央部に
フランジ30を有し一端にて柱状部16に設けら
れた貫通孔31に回転可能に挿通され、他端にて
円筒体29の他端に圧入により固定されるピン3
2と、円筒体29内にてピン28の他端とピン3
2の他端との間に弾装される圧縮コイルばね33
とからなつている。ガイドローラ19の円筒体2
9はブロツク本体17のキヤリア係合面21から
所定距離だけ隔置されており、それらの間に無端
キヤリア11が挿通されている。なお、第4図に
示されているように、各ガイドローラ19は、そ
のフランジ30の軸線14に対する位置が隣接す
るVブロツク毎に第4図で見て左右反対になるよ
う交互に向きを逆転してVブロツク12に取り付
けられている。
さて、各Vブロツク12の突起24は、第6図
に詳細に示されているように、無端ベルト10の
進行方向前方へ向けて突出しており、その先端面
34は前面23と平行かつ軸線18に沿つて延在
する平面部分34aと、この平面部分34aと連
続してそれよりも内周側に位置する半径R1の円
筒面部分34bとからなつている。そして、突起
24の外周側の面、すなわち、先端面34の第1
図にて上方に位置する上方面35が、前面23
(換言すると突起の先端平面部分34a)に対し
て垂直をなす平面に形成されている。また、突起
24の内周側の面、すなわち、先端面34の第1
図にて下方に位置する下方面36が、前面23の
垂直面に対して角度α1をなす傾斜面として形成さ
れている。
一方、各Vブロツク12の窪み26は、その底
面37が第1図に示す如く後面25と平行に延在
する平面をなしており、その外周側および内周側
の面が上記突起24の形状に対応した形状とされ
ている。すなわち、窪み26の外周側の面である
底面37の第1図にて上方に位置する上方面38
が、後面25(換言すると窪みの底面37)に対
して垂直をなす平面に形成されている。また、窪
み26の内周側の面である底面37の第1図にて
下方に位置する下方面39が、後面25の垂直面
に対して角度α2をなす傾斜面として形成されてい
る。
そして、窪み側の傾斜面39の上記角度α2は、
突起側の傾斜面36の上記角度α1よりも大きいα1
<α2の関係に設定されている。なお、両角度α1
α2の差は、無端ベルト10の最小プーリ掛り径
(最小ベルト巻き付き径)によつて異なるもので
ある。
また、各Vブロツクにおける突起24の円筒面
部分34bと傾斜面36により郭定される稜線部
40、および窪み26の底面37と傾斜面39と
の交差隅部41は、キヤリア係合面21を通る平
面内に位置している。
更に、突起24の高さ寸法h1は、窪み26の深
さ寸法h2よりも大きいh1>h2の関係に設定されて
いる。また、各Vブロツク12の厚さは、突起2
4および窪み26を挟んで内周側が外周側よりも
薄くされている。すなわち、この実施例において
は、各Vブロツクにおける板状部13の前面25
が削られてその板状部13の板厚t1が柱状部16
の板厚t2よりも薄いt1<t2の関係に設定されてい
る。
かくして各Vブロツク12の突起24の先端面
34と窪み26の底面37とは、第4図の−
線に沿つた断面、すなわち無端ベルト10の直線
状に延在する部分の軸線14に沿う中央断面を拡
大して示す第6図に示されているように、無端ベ
ルト10が直線状に延在する領域では、それらの
図にて上下方向中央よりも外周側に位置する突起
24の先端平面部分34aが窪み26の底面37
に常に当接する。また、第7図に示されているよ
うに、無端ベルト10がプーリ1に円弧状に巻き
掛けられた領域では、窪み26の交差隅部41と
上下方向中央との間の部分と、突起24の稜線部
40と上下方向中央との間の部分、すなわち、円
筒面部分34bとが接触線Pに沿つて互いに係合
する状態にて互いに当接するようになつている。
また、各Vブロツク12の前面23におけるキ
ヤリア係合面21との交差部には、窪み26の傾
斜面39と同一の角度にて傾斜する傾斜面42を
有して無端ベルト10の進行方向前方へ向けて突
出し、軸線18に沿つて延在するオーバハング部
43が設けられている。更に、これに対応して各
Vブロツク12の後面25にはオーバハング部4
3を受ける傾斜面44が設けられている。
こうして、板状部13の前面23は、第6図に
示されている如く無端ベルト10の直線状に延在
する部分においては隣接する前方のVブロツク後
面25から距離lだけ隔置されるようになつてお
り、また無端ベルト10がプーリ1に円弧状に巻
き掛けられた領域においても前面23と後面25
とが互いに干渉することがないようになつてい
る。
上記のように構成された動力伝達用無端ベルト
によれば、第7図に示す無端ベルト10がプーリ
1に円弧状に巻き掛けられた領域では、各Vブロ
ツク12の突起24の先端円筒面部分34bと窪
み26の底面37とがキヤリア係合面21と実質
的に同一の半径方向位置にて互いに当接し、Vブ
ロツク12のピツチ円半径Rと無端キヤリア11
の内周面22の回転半径rとが実質的に一致する
ので、各Vブロツクのキヤリア係合面21と無端
キヤリアの内周面22との間の相対滑りが低減さ
れる。すなわち、無端ベルト10の直線状移行領
域と円弧状に移行する領域との間の遷移領域にお
いては、各Vブロツク12は突起24の稜線部4
0又はそれに近い位置を中心にして隣接するVブ
ロツクに対して相対的に回転し、各Vブロツクの
キヤリア係合面21が設けられた部分は互いに離
れる方向へ変位されるが、キヤリア係合面21は
この回転中心とほぼ同じ半径方向位置に設けられ
ているので、この変位量は極めて小さい。それ
故、各Vブロツクのキヤリア係合面21と無端キ
ヤリアの内周面22との間において相対滑りが生
じることが回避される。
しかも、このような微小回転の際の変位量は、
ベルト進行方向に比べて上下方向(巻き掛け領域
でのプーリの半径方向)の変位成分が小さいの
で、本実施例の如く外周側の突起上方面35と窪
み上方面38とをそれぞれ前面23および後面2
5に対して垂直な平面に形成しておけば、無端ベ
ルト10が円弧状に巻き掛けられた領域において
も、突起上方面35と窪み上方面38との間の半
径方向の隙間S2が、第6図に示した直線部分での
隙間S1に比べて殆ど増加しない。なぜなら、第1
図の如く外周側の面035が傾斜している場合に
は、ベルト進行方向の変位成分によつても外周側
の面の上下方向の隙間S4が拡大してしまうが、本
実施例では、面35と面38がベルト進行方向と
略同方向に延在しているので、Vブロツク12が
ベルト進行方向に変位しても面38と面35との
間隔は実質的には変化しないからである。それ
故、Vブロツク12の半径方向の動きは、隙間S1
と大差ない小さい範囲S2に規制される。従つて、
Vブロツク12は、プーリ1間にあるかプーリ1
に巻き掛けられた領域にあるかにかかわらず、キ
ヤリア11に対して滑りの少ない安定した保持状
態に維持され、しかも、半径方向の動きも大差な
い隙間S1,S2によつて規制されることになり、大
きな上下動や不規則な動きによるプーリ1との摩
擦増大や隣合うVブロツクとの過度の干渉が制限
される、Vブロツク12のプーリ1への円滑な噛
み込み、吐き出しが達成され、Vブロツク12間
およびVブロツク12とプーリ1との摩擦損失が
低減される。
この結果、従来の動力伝達用無端ベルトに比し
て動力伝達効率を向上させることが出来る。ま
た、Vブロツクのキヤリア係合面21および無端
キヤリアの内周面22の摩耗が低減すると共に、
更に、Vブロツク12のプーリ1への噛み込み、
吐き出し位置での無端キヤリア11に作用する曲
げ応力を、第8図に実線Aにて示した従来の動力
伝達用無端ベルトの場合に比べて破線Bにて示す
如く減少させることが出来、無端ベルト10の耐
久性向上を図ることが出来る。
また、無端ベルト10が直線状に延在する状態
(プーリ間に位置する状態)では、第6図に示す
ように各Vブロツクの突起24の先端平面部分3
4aで常に押し合うため、各Vブロツク12間の
押圧力による曲げモーメントがVブロツク12に
発生せず、振動が生じない。
第9図は、本考案の第2実施例に係る動力伝達
用無端ベルトのVブロツクを示している。
なお、第9図において前記第1図に対応する部
分は、第1図と同一の符号により示されている。
この実施例は、Vブロツク12の内周側、すな
わち、板状部13の後面25を削ることにより、
板状部13の板厚t1を柱状部16の板厚t2よりも
薄くしたものである。
以上、本考案を特定の実施例について詳細に説
明したが、本考案は、この実施例に限定されるも
のではなく、実用新案登録請求の範囲に記載の範
囲で種々の実施態様が包含されるものであり、例
えば、ガイドローラに代えてスプリングピンを用
いたり、無端キヤリアやVブロツクの形状変更も
可能である。
〔考案の効果〕 以上のように本考案によれば、Vブロツクは、
プーリ間の領域にあるかプーリに巻き掛けられた
領域にあるかにかかわらず、キヤリアに対して滑
りの少ない安定した保持状態に維持され、しか
も、Vブロツクの上下動を規制する突起と窪みと
の隙間が、小さく且つ変化の少ない状態に維持さ
れるので、Vブロツクの不規則な動きや大きな上
下動が抑制され、Vブロツクとプーリとの摩擦増
大や隣合うVブロツクの過度の干渉が制限され
る。
この結果、Vブロツクのプーリへの円滑な噛み
込み、吐き出しが達成され、Vブロツク間および
Vブロツクとプーリとの摩擦損失が低減されるの
で、従来の動力伝達用無端ベルトに比して動力伝
達効率が向上し、Vブロツクのキヤリア係合面お
よび無端キヤリアの内周面の摩耗が低減されると
共に、Vブロツクのプーリへの噛み込み、吐き出
し位置での無端キヤリアに作用する曲げ応力が減
少し、無端ベルトの耐久性が向上するという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の第1実施例に係る動力伝達
用無端ベルトにおける動力伝達用Vブロツクの側
面図、第2図は第1図に示された動力伝達用Vブ
ロツクの正面図、第3図は本考案による動力伝達
用無端ベルトが一つのプーリに掛け渡されている
部分を示す縦断面図、第4図は第3図の−線
に沿つた拡大断面図、第5図は第1図に示された
動力伝達用Vブロツクを示す斜視図、第6図は動
力伝達用無端ベルトの直線状に延在する部分の中
央断面(第4図の−線に沿つた断面)を拡大
して示す要部断面図、第7図は動力伝達用無端ベ
ルトのプーリに円弧状に巻き掛けられた部分にお
ける中央断面を拡大して示す要部断面図、第8図
は本考案の動力伝達用無端ベルトがプーリに巻き
掛けられた領域における無端キヤリアに作用する
曲げ応力を従来例とを比較して示す図、第9図は
本考案の第2実施例に係る動力伝達用無端ベルト
における動力伝達用Vブロツクの側面図、第10
図は従来の動力伝達用無端ベルトを示す第6図に
相当する図、第11図は従来の動力伝達用無端ベ
ルトを示す第7図に相当する図である。 符号の説明、1……プーリ、2……V溝、10
……動力伝達用無端ベルト、11……無端キヤリ
ア、12……動力伝達用Vブロツク、20……端
面、21……キヤリア係合面、23……ベルト進
行方向前面、24……突起、25……ベルト進行
方向後面、26……窪み、34……突起の先端
面、34a……平面部分、34b……円筒面部
分、35……突起の外周側の面、36……突起の
内周側の面(傾斜面)、37……窪みの底面、3
8……窪みの外周側の面、39……窪みの内周側
の面(傾斜面)、α1……突起の内周側の面(傾斜
面)と前面の垂直面とのなす角度、α2……窪みの
内周側の面(傾斜面)と後面の垂直面とのなす角
度、h1……突起の高さ寸法、h2……窪みの深さ寸
法、t1……Vブロツクの外周側の板厚(柱状部の
板厚)、t2……Vブロツクの内周側の板厚(板状
部の板厚)。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) V溝を有するプーリ間に掛け渡される無端キ
    ヤリアと、この無端キヤリアの周方向に沿つて
    摺動可能に互いに隣接して取り付けられ、両端
    面にて前記V溝に摩擦係合すると共にキヤリア
    係合面にて前記無端キヤリアに摩擦係合する複
    数個の動力伝達用Vブロツクとを備え、前記各
    Vブロツクはベルト進行方向前面と後面のいず
    れか一面に突起を他面に該突起の高さ寸法より
    も浅い窪みを有し、前記キヤリア係合面は前記
    Vブロツクが前記プーリに円弧状に巻き掛けら
    れた領域での前記突起の先端面と前記窪みの底
    面との当接位置と実質的に同一の半径方向位置
    に形成された動力伝達用無端ベルトであつて、 前記Vブロツクにおける前記突起および窪み
    の外周側の面をベルト進行方向前面および後面
    に対して垂直とすると共に、前記突起および窪
    みの内周側の面を前記ベルト進行方向前面およ
    び後面の垂直面に対してなす角度が突起側より
    も窪み側が大きな傾斜面としたことを特徴とす
    る動力伝達用無端ベルト。 (2) 前記突起の先端面が外周側の平面部分とそれ
    より内周側に位置する円筒面部分とからなる連
    続した形状とされていることを特徴とする実用
    新案登録請求の範囲第1項記載の動力伝達用無
    端ベルト。 (3) 前記突起がベルト進行方向前面に形成され、
    前記窪みがベルト進行方向後面に形成されてい
    ることを特徴とする実用新案登録請求の範囲第
    1項記載の動力伝達用無端ベルト。 (4) 前記Vブロツクの板厚が前記突起および窪み
    を挟んで外周側よりも内周側が薄くされている
    ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第1
    項記載の動力伝達用無端ベルト。 (5) 前記Vブロツクの内周側のベルト進行方向前
    面が削られて板厚が薄くされていることを特徴
    とする実用新案登録請求の範囲第4項記載の動
    力伝達用無端ベルト。 (6) 前記Vブロツクの内周側のベルト進行方向後
    面が削られて板厚が薄くされていることを特徴
    とする実用新案登録請求の範囲第4項記載の動
    力伝達用無端ベルト。
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JPS589547B2 (ja) * 1975-08-12 1983-02-21 シチズン時計株式会社 デンチ
JPS58149437A (ja) * 1982-03-02 1983-09-05 Nissan Motor Co Ltd Vベルト

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