JPH053376Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は手元操作部によつて変速機の変速操
作を行なう車両用変速操作装置の改良に関する。

〔考案の技術的背景〕

一般に、自動車等の車両では車体に装着された
変速機、例えば歯車機構式の変速機の変速ギアの
切換え操作を行なうチエンジレバー（手元操作
部）は車室内の所定の取付け位置に固定状態で設
置されている。そのため、例えば運転席のシート
の位置調整を行なう場合に運転者の身長（腕の長
さ）に応じてチエンジレバーとの間の距離を考慮
に入れて位置調整を行なわなければならないの
で、運転席のシート位置の調整作業が面倒なもの
になる問題があつた。さらに、チエンジレバーの
取付け位置が固定されているので、チエンジレバ
ーとの間の距離に応じて運転席のシート位置の調
整範囲が制限され易く、最適なドライビングポジ
シヨンとなるように運転席のシート位置調整を行
なうことが難しい問題もあつた。

〔考案の目的〕

この考案は変速機の変速操作を行なう手元操作
部の取付け位置を運転席のシートの移動動作に連
動させて調整することができ、運転席のシート位
置の調整作業の容易化を図ることができるととも
に、最適なドライビングポジシヨンとなるように
運転席のシート位置を調整する調整作業を簡単に
行なうことができる車両用変速操作装置を提供す
ることを目的とするものである。

〔考案の概要〕

この考案は空気供給源から供給される作動用空
気を空気通路の切換え用の切換え機構部を介して
変速機側に供給する空気流通路および前記変速機
の変速位置を指定する手元操作部から出力された
出力信号にもとずいて前記切換え機構の制御用の
電気信号を出力する制御部を備え、前記手元操作
部からの出力信号に応じて前記制御部によつて前
記切換え機構を切換え制御して変速機側に供給す
る空気流通路を変化させ、この制御空気の変化に
ともない前記変速機のアクチユエータを操作して
前記変速機の変速操作を行なうものにおいて、車
室内に配設された運転席のシートに固着され同シ
ートの側方へ延設された支持ブラケツトと、下端
縁が上記支持ブラケツトに軸支され上端縁が上記
手元操作部に軸支されて同手元操作部を上記シー
トに対して上記下端縁を中心に車両前後方向に回
動可能に支持した支持脚と、一端が上記シートに
枢支され他端が固定部材に連結され収縮可能な操
作ロツドと、一端が上記操作ロツドの中間部に連
結され他端が上記支持脚の中間部に連結された連
結ロツドとを備えたものである。

〔考案の実施例〕

図面はこの考案の一実施例を示すものである。
第１図は例えば自動車等の車両内に装着された車
両用変速操作装置全体の概略構成を示すもので、
１は例えば歯車機構式のトランスミツシヨン（変
速機）、２はトランスミツシヨン１内の変速ギヤ
の切換え操作を行なうチエンジレバーユニツト
（手元操作部）である。この場合、トランスミツ
シヨン１は例えばソレノイドバルブおよびエアシ
リンダ等が内蔵されたギヤシフトユニツト（切換
え機構部）３を介してエアタンク（空気供給源）
４に連結されている。また、チエンジレバーユニ
ツト２にはユニツト本体５およびこのユニツト本
体５に取付けられたチエンジレバー６がそれぞれ
設けられている。さらに、このチエンジレバーユ
ニツト２のユニツト本体５はフレキシブルな電気
配線７を介してコントロールボツクス（制御部）
８に接続されている。このコントロールボツクス
８には電気配線９を介して前記ギヤシフトユニツ
ト３が接続されている。そして、チエンジレバー
ユニツト２のチエンジレバー６を操作して変速指
示を行なうとチエンジレバー６の操作に応じた電
気信号がユニツト本体５からコントロールボツク
ス８に送られ、さらにこのコントロールボツクス
８から出力される電気信号によつてギヤシフトユ
ニツト３のソレノイドバルブ等が駆動されてエア
タンク４側からトランスミツシヨン１側に作動用
空気が供給され、その作動用空気によつてエアシ
リンダ等のアクチユエータを駆動してトランスミ
ツシヨン１の各変速ギヤをチエンジレバー６によ
る変速指示に応じて切換え操作するようになつて
いる。

一方、チエンジレバーユニツト２は第２図に示
す手元操作部位置調整機構１０によつて運転席側
のシート１１の移動動作、例えば前後方向のスラ
イド動作および昇降動作等に連動して設置位置が
自動的に調整可能な状態で保持されている。この
手元操作部位置調整機構１０にはチエンジレバー
ユニツト２の支持部材１２が設けられている。こ
の支持部材１２は平板状の支持板１３の離間対向
状態で略平行に配設された一対の支持脚１４，１
５とによつて形成されている。そして、支持板１
３の前端部に支持脚１４の上端部、支持板１３の
後端部に支持脚１５の上端部がそれぞれ回動可能
に取付けられている。さらに、支持脚１４，１５
の下端部は運転席側のシート１１のベースプレー
ト１６に固着されシート１１の横方向に延出され
た支持ブラケツト１７上にそれぞれ回動可能に取
付けられている。また、シート１１のベースプレ
ート１６の下面にはボールジヨイント１８を介し
て操作ロツド１９の上端部が止着されている。こ
の操作ロツド１９の下端部はボールジヨイント２
０を介して車体側のフロアパネル等の固定部に止
着されている、さらに、この操作ロツド１９には
スリツプジヨイント２１が設けられており、この
スリツプジヨイント２１によつて操作ロツド１９
が伸縮可能になつている。また、操作ロツド１９
の中間部にはアイジヨイント２２を介して連結ロ
ツド２３の後端部が取付けられている。この連結
ロツド２３の前端部はボールジヨイント２４を介
して支持板１３に取付けられている。したがつ
て、これらの支持脚１４，１５、操作ロツド１９
および連結ロツド２３等によつて第３図に示すよ
うなリンク機構が形成されており、運転席側のシ
ート１１の移動動作、例えば前後方向のスライド
動作および昇降動作等に連動してチエンジレバー
ユニツト２の設置位置が自動的に調整されるよう
になつている。なお、操作ロツド１９が最大長さ
に伸ばされた状態で連結ロツド２３が略水平に保
持されるようになつている。

そこで、上記構成のものにあつては運転席側の
シート１１のベースプレート１６に固着された支
持ブラケツト１７に取付けられた支持部材１２に
よつてチエンジレバーユニツト２が支持されてい
るので、運転席のシート１１の位置調整を行なう
場合にシート１１の移動動作にともないチエンジ
レバーユニツト２の設置位置を変化させることが
できる。さらに、手元操作部位置調整機構１０に
は支持脚１４，１５、操作ロツド１９および連結
ロツド２３等によつて形成されるリンク機構を設
け、このリンク機構によつてシート１１の前後方
向の移動量に応じてチエンジレバーユニツト２と
運転席のシート１１のヒツプポイント１１ａとの
間の距離Ａを可変制御して第４図に示すようにシ
ート１１の前後方向の移動量が比較的少ない場合
（運転者の身長が標準に比べて低い場合）にはチ
エンジレバーユニツト２と運転席のシート１１の
ヒツプポイント１１ａとの間の距離A₁を比較的
小さい状態で保持し、シート１１の前後方向の移
動量が比較的大きい場合（運転者の身長が標準に
比べて高い場合）には第５図に示すようにチエン
ジレバーユニツト２の運転席のシート１１のヒツ
プポイント１１ａとの間の距離A₂を比較的大き
い状態で保持するようにしたので、運転者の身長
が標準に比べて低く、腕が短い場合であつても、
また運転者の身長が標準に比べて高く、腕が長い
場合であつてもチエンジレバーユニツト２と運転
席のシート１１のヒツプポイント１１ａとの間の
距離A₁またはA₂を運転者に適した距離に自動的
に位置調整することができる。なお、一般にA₂
＞A₁であり、第５図に示すように A₁＋（Ｓ−Ｌ）＝A₂ の関係になつている。ここで、Ｓ：シートスライ
ド量、Ｌ：レバースライド量である。そのため、
従来のように運転席のシート１１の位置調整を行
なう場合に運転者の身長（腕の長さ）に応じてチ
エンジレバー６との間の距離を考慮に入れて位置
調整を行なう必要がないので、運転席のシート位
置の調整作業を容易に行なうことができる。さら
に、従来のようにチエンジレバー６との間の距離
に応じて運転席のシート１１位置の調整範囲が制
限されるおそれもないので、最適なドライビング
ポジシヨンとなるように運転席のシート１１位置
を調整する調整作業を簡単に行なうことができ
る。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではない。例えば、チエンジレバーユニツト２の
ユニツト本体５に送信アンテナを設けるととも
に、コントロールボツクス８に受信アンテナを設
け、チエンジレバーユニツト２とコントロールボ
ツクス８との間の電気信号を電波等の無線信号に
よつて送信する構成にしてもよい。さらに、その
他この考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実
施できることは勿論である。

〔考案の効果〕

この考案によれば車室内に配設された運転席の
シートに固着され同シートの側方へ延設された支
持ブラケツトと、下端縁が上記支持ブラケツトに
軸支され上端縁が上記手元操作部に軸支されて同
手元操作部を上記シートに対して上記下端縁を中
心に車両前後方向に回動可能に支持した支持脚
と、一端が上記シートに枢支され他端が固定部材
に連結され収縮可能な操作ロツドと、一端が上記
操作ロツドの中間部に連結され他端が上記支持脚
の中間部に連結された連結ロツドとを設けたの
で、変速機の変速操作を行なう手元操作部の取付
け位置を運転席のシートの移動動作に連動させて
調整することができ、運転席のシート位置の調整
作業の容易化を図ることができるとともに、最適
なドライビングポジシヨンとなるように運転席の
シート位置を調整する調整作業を簡単に行なうこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は車両用変速操作装置全体の概略構成図、第２
図は要部を示す斜視図、第３図はリンク機構の概
略構成図、第４図はシートの前後方向の移動量が
比較的少ない場合の状態を示す側面図、第５図は
シートの前後方向の移動量が比較的大きい場合の
状態を示す側面図である。 １……トランスミツシヨン（変速機）、２……
チエンジレバーユニツト（手元操作部）、３……
ギヤシフトユニツト（切換え機構部）、４……エ
アタンク（空気供給源）、８……コントロールボ
ツクス（制御部）、１１……運転席側のシート、
１４，１５……支持脚、１７……支持ブラケツ
ト、１９……操作ロツド、２３……連結ロツド。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 空気供給源から供給される作動用空気を空気通
   路の切換え用の切換え機構部を介して変速機側に
   供給する空気流通路および前記変速機の変速位置
   を指定する手元操作部から出力された出力信号に
   もとづいて前記切換え機構の制御用の電気信号を
   出力する制御部を備え、前記手元操作部からの出
   力信号に応じて前記制御部によつて前記切換え機
   構を切換え制御して変速機側に供給する空気流通
   路を変化させ、この制御空気の変化にともない前
   記変速機のアクチユエータを操作して前記変速機
   の変速操作を行なう車両用変速操作装置におい
   て、 車室内に配設された運転席のシートに固着され
   同シートの側方へ延設された支持ブラケツトと、
   下端縁が上記支持ブラケツトに軸支され上端縁が
   上記手元操作部に軸支されて同手元操作部を上記
   シートに対して上記下端縁を中心に車両前後方向
   に回動可能に支持した支持脚と、一端が上記シー
   トに枢支され他端が固定部材に連結され収縮可能
   な操作ロツドと、一端が上記操作ロツドの中間部
   に連結され他端が上記支持脚の中間部に連結され
   た連結ロツドとを備えたことを特徴とする車両用
   変速操作装置。