JPH05337558A - コルゲート成形機およびハニカム構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 第１に、掻き出しロールを配することによ
り、コルゲートギアへの材料たる箔や得られた波板の噛
み込みが防止されて、ラインストップは解消され、もっ
て生産性が向上しコスト面に優れると共に、第２に、同
様に噛み込みが防止されると共に、コルゲートギアと同
調し、ほぼ同じ波形で同一ピッチの掻き出しロールを配
したことにより、波板の形状が安定しコルゲート形状が
変化せず、もって品質面にも優れた、コルゲート成形機
およびハニカム構造体を提案する。 【構成】 このコルゲート成形機は、コルゲートギア
６，７の下流側に掻き出しロール８，９を配してなり、
掻き出しロール８，９は、コルゲートギア６，７と同調
して回転駆動されると共に、ほぼ同じ波形の凹凸が同一
ピッチで形成されている。そしてハニカム構造体は、こ
のような波板Ｂと平板とを組み付けて製造され、全体が
ロール状や積層ブロック状をなすと共にハニカム構造体
をなす。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、コルゲート成形機およ
びハニカム構造体に関する。すなわち、波板の成形に用
いられるコルゲート成形機、および、このようなコルゲ
ート成形機にて得られた波板等を用いて製造されたハニ
カム構造体、に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の波板は、一般に、次のようなコ
ルゲート成形機を用いて、成形されていた。すなわち、
上下対をなして回転駆動されると共に、外周に同一波形
の凹凸が所定ピッチで形成されたコルゲートギアが用い
られ、帯状の箔を供給して通すことにより、波形の凹凸
が連続的に折曲形成された帯状の波板を得ていた。そし
て、このようなコルゲート成形機にて得られた波板と、
平板とが多層に組み付けられ、全体がロール状や積層ブ
ロック状等をなすと共に、ハニカム構造をなすハニカム
構造体が製造されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来例にあっては、次の問題が指摘されていた。すなわ
ち第１に、コルゲート成形機のコルゲートギアに、材料
たる箔や得られた波板が噛み込まれてしまうことが多々
あり、ラインストップがその都度発生するので、生産個
数が上がらず歩留まりが悪い等、波板およびハニカム構
造体の生産性そしてコスト面に問題を生じていた。第２
に、同様にコルゲートギアへの噛み込みにより、波板の
形状が不安定化しコルゲート形状が変化してしまう等、
波板およびハニカム構造体の品質面にも問題を生じてい
た。

【０００４】本発明は、このような実情に鑑み、上記従
来例の問題点を解決すべくなされたものであって、コル
ゲートギアと同調して回転駆動されると共に、ほぼ同じ
波形の凹凸が同一ピッチで形成された掻き出しロールを
配したことにより、第１に、コルゲートギアへの噛み込
みが防止され、生産性が向上しコスト面に優れると共
に、第２に、波板の形状が安定し品質面にも優れた、コ
ルゲート成形機およびハニカム構造体を提案することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明の技術的手段は、次のとおりである。まず請求項１に
ついては次のとおり。すなわち、このコルゲート成形機
は、上下対をなして回転駆動されると共に、各々外周に
同一波形の凹凸が所定ピッチで形成されたコルゲートギ
アが用いられ、材料の帯状の箔を供給して通すことによ
り、波形の凹凸が連続的に折曲形成された帯状の波板を
得るものである。そして、該コルゲートギアの下流側に
隣接して掻き出しロールが配され、該掻き出しロール
は、上下対をなし該コルゲートギアと同調して回転駆動
されると共に、各々外周に該コルゲートギアの波形の凹
凸とほぼ同じ波形の凹凸が同一の所定ピッチで形成され
ており、該コルゲートギアから上記波板を掻き出して通
すようになっている。請求項２については次のとおり。
すなわち、このハニカム構造体は、このようなコルゲー
ト成形機にて得られた上記波板と、平坦な平板とが多層
に組み付けられ、全体がロール状や積層ブロック状の所
定形状をなすと共にハニカム構造をなしている。

【０００６】

【作用】本発明は、このような手段よりなるので次のよ
うに作用する。このコルゲート成形機は、コルゲートギ
アの下流側に掻き出しロールを配してなり、材料の帯状
の箔をコルゲートギアに供給することにより波板が得ら
れ、得られた波板は、掻き出しロールにて掻き出され
る。そして、このような波板と平板とを組み付けること
により、ハニカム構造体が製造される。そこで第１に、
このように、コルゲートギアで得られた波板は、直ちに
掻き出しロールにて掻き出されるので、コルゲートギア
への箔や波板の噛み込みが防止され、ラインストップは
解消される。第２に、同様に噛み込みが防止されると共
に、掻き出しロールは、コルゲートギアと同調しほぼ同
じ波形の同一ピッチで形成されているので、波板の形状
が安定しコルゲート形状が変化しなくなる。

【０００７】

【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて詳細に説明する。図１は、本発明に係るコルゲート
成形機の実施例を示し、（１）図は要部の正面図、
（２）図は要部の平面図、（３）図はコルゲートギアと
掻き出しロールとの波形の比較に供する拡大図である。
図２は、同実施例のコルゲート成形機の全体正面図であ
り、図３は、ハニカム構造体の斜視図であり、（１）図
はロール状のもの、（２）図は積層ブロック状のものを
示す。

【０００８】まず図２により、このコルゲート成形機の
概要について述べる。図２において１はアンコイラであ
り、このアンワインダーとも称されるアンコイラ１に
は、材料の帯状で平坦な金属製の薄板材、例えばアルミ
箔，ステンレス箔等の箔Ａが巻かれて保持されると共
に、巻き戻されて送り出される。そして、アンコイラ１
から送り出された箔Ａは、図示のダンサバー２やテンシ
ョナー等により一定のテンションを与えられ、テンショ
ンコントロールが実施されると共に、必要に応じ左右の
ぶれ等をなくすエッジコントロールが実施される。この
ようにして箔Ａは、コルゲート成形ユニット３に供給さ
れて波板Ｂとされると共に、得られた波板Ｂは、掻き出
し成形ユニット４にて掻き出された後、所定量送られ、
必要に応じプレスシャー５にて先端を位置決め用にプレ
スされ、所定長さ毎にカッターにて切断するシャーリン
グが実施される。なお図示例では、コルゲート成形ユニ
ット３と掻き出し成形ユニット４とは別々に設けられて
いるが、これによらず、両者を一体的な１つのユニット
としてもよい。図中Ｈは、コルゲート成形ユニット３，
掻き出し成形ユニット４等の基台である。

【０００９】次に図１により、このようなコルゲート成
形機のコルゲート成形ユニット３と掻き出し成形ユニッ
ト４について詳述する。まず、コルゲート成形ユニット
３にはコルゲートギア６，７が設けられており、コルゲ
ートギア６，７は、上下対をなして回転駆動されると共
に、各々外周に同一波形の凹凸が所定ピッチで形成さ
れ、材料の帯状の箔Ａを供給して通すことにより、波形
の凹凸が連続的に折曲形成された帯状の波板Ｂが得られ
る。図示例では、下側のコルゲートギア７が駆動機構
（図示せず）にて駆動され、上側のコルゲートギア６が
これに従動するようになっている。そしてコルゲートギ
ア６，７には、その外周面に波形の凹凸、例えば三角
形，半六角形，台形，その他の波形の凹凸が、等間隔の
所定ピッチと高さで形成されており、両コルゲートギア
６，７は、箔Ａを挟み込む僅かな間隔で上下に配されて
いる。波板Ｂは、このようなコルゲートギア６，７を回
転駆動させ、その間に帯状の箔Ａを通すことにより得ら
れ、所定ピッチと高さの波形の凹凸、例えば三角形，半
六角形，台形，その他の波形の凹凸が、長手方向に連続
的に折曲形成された帯状をなす。

【００１０】次に、掻き出し成形ユニット４には、掻き
出しロール８，９が設けられている。この掻き出しロー
ル８，９は、上述したコルゲートギア６，７の下流側に
隣接して配されており、上下対をなし、コルゲートギア
６，７と同調して回転駆動されると共に、各々外周にコ
ルゲートギア６，７の上述した波形の凹凸とほぼ同じ波
形の凹凸が、コルゲートギア６，７の所定ピッチと同一
ピッチで形成されており、コルゲートギア６，７から波
板Ｂを掻き出して通すようになっている。図示例では、
下側の掻き出しロール９が駆動機構（図示せず）にて駆
動され、上側の掻き出しロール８がこれに従動するよう
になっている。そして掻き出しロール８，９は、コルゲ
ートギア６，７と同調して回転駆動され、両者のコルゲ
ート速度と掻き出し速度が一致し、駆動開始，終了等が
同期しており、このような同調方式としては、相互の駆
動機構を電気的に同調させる方式や、チェーン，ギア，
タイミングベルト等を用い機械的に同調させる方式、等
々が考えられる。

【００１１】又、このような掻き出しロール８，９に
は、外周面に波形の凹凸が形成されているが、この波形
の凹凸は、前述したコルゲートギア６，７のものとほぼ
同じ形状で、同一ピッチと高さにて形成されている。図
示例では図１の（３）図に示したように、波形の上面の
わん曲がより大きく形成された近似した形状よりなる
が、全く同一の形状のものであってもよい。そして図１
の（２）図に示したように、この掻き出しロール８，９
は、コルゲートギア６，７より軸方向の長さが短く幅が
狭いと共に、コルゲートギア６，７に対し、軸方向とは
直角の中心線をそろえて配されている。１０はガイドレ
ールであり、このガイドレール１０は、掻き出しロール
８，９の両側に沿って配され、コルゲートギア６，７か
ら掻き出される波板Ｂの両側縁を、基台Ｈとの間で緩や
かに挟み込むべく位置している。そして、このようなガ
イドレール１０により、掻き出しロール８，９への波板
Ｂの再噛み込みが防止されている。

【００１２】さてハニカム構造体Ｃは、このようなコル
ゲート成形機にて得られた波板Ｂと、同様に金属製で帯
状をなす平坦な平板Ｄとが多層に組み付けられ、全体が
ロール状や積層ブロック状の所定形状をなすと共に、ハ
ニカム構造体をなす。図３の（１）図に示したハニカム
構造体Ｃは、このような各１枚ずつの波板Ｂと平板Ｄと
が、一定中心点から交互に位置するように重ね合わせつ
つ巻き取られると共に、両者の当接部分の全部又は一部
が、ろう付けやレーザー溶接等にて接合され、もって、
全体の断面形状が真円のロール状をなしている。又、図
３の（２）図に示したハニカム構造体Ｃは、所定長さ毎
にそろえられプレート状をなす複数枚の波板Ｂと平板Ｄ
が、順次交互に位置するように上下多層に重積されると
共に接合され、もって、全体が積層ブロック状をなして
いる。

【００１３】なお、これらの各図示例では、各１枚ずつ
の波板Ｂと平板Ｄとが用いられていたが、勿論、これら
の枚数は図示例に限定されるものではなく、例えば、１
枚の波板Ｂと２枚の平板Ｄを用いるようにしてもよい。
又、重ねられた各１枚ずつの波板Ｂと平板Ｄとをそれぞ
れ１組とし、これら複数組の波板Ｂと平板Ｄを同時に重
ねて巻き取ると共に接合し、もって、全体の断面形状が
真円のロール状としたものも可能であり、更に、全体の
断面形状が略楕円のトラックフィールド状をなすものも
可能である等々、各種パターンのハニカム構造体Ｃが考
えられる。

【００１４】そして、ハニカム構造体Ｃはハニカム構造
をなす。すなわち、波板Ｂと平板Ｄがセル壁を形成し、
略三角形，略四角形，略台形，略半六角形，その他の各
種形状をなし、各々独立空間に区画された多数の中空柱
状のセルＥの平面的集合体よりなる。もって、このハニ
カム構造体Ｃは、重量比強度に優れ、軽量性と共に高い
剛性・強度を備え、又、整流効果，平面精度，保温性，
遮音性等にも優れ、成形が容易でコスト面にも優れる、
等々の特性が知られている。そして更に、単位容積当り
の表面積が大、つまりセル壁たる波板Ｂと平板Ｄの表面
積が大である等により、例えば、自動車エンジン等の排
気ガスを清浄化する触媒コンバータに用いられ、担持母
体としてセル壁たる波板Ｂと平板Ｄの表面に触媒物質
が、被履・付着せしめられる。その他、このハニカム構
造体Ｃは、各種の構造体等の用途に広く使用される。図
中Ｆはケースであり、この外筒たるケースＦは真円，楕
円，その他の筒状をなし、内部にハニカム構造体Ｃが収
納保持され、両者はろう付け等にて接合される。

【００１５】本発明は、以上のように構成されている。
そこで以下のようになる。このコルゲート成形機は、コ
ルゲート成形ユニット３のコルゲートギア６，７の下流
側に、掻き出し成形ユニット４の掻き出しロール８，９
を配してなり、掻き出しロール８，９は、コルゲートギ
ア６，７と同調して回転駆動されると共に、ほぼ同じ波
形の凹凸が同一ピッチで形成されている。そこで、この
コルゲート成形機では、材料の帯状の箔Ａをコルゲート
ギア６，７に供給することにより、波板Ｂが得らると共
に、得られた波板Ｂは、直ちに掻き出しロール８，９に
て掻き出され、次の工程へと送り出される。そして、こ
のようなコルゲート成形機にて得られた波板Ｂと、平板
Ｄとを組み付けることにより、ロール状や積層ブロック
状のハニカム構造体Ｃが製造される。従って、次の第
１，第２のようになる。

【００１６】第１に、このようにコルゲートギア６，７
で成形された波板Ｂは、直ちに掻き出しロール８，９に
て掻き出される。そこで、コルゲートギア６，７への材
料たる箔Ａや得られた波板Ｂの噛み込みが防止され、ラ
インストップは解消される。なお、掻き出しロール８，
９への波板Ｂの噛み込みは、両側のガイドレール１０に
て防止されている。第２に、同様にしてコルゲートギア
６，７への噛み込みが防止されると共に、掻き出しロー
ル８，９はコルゲートギア６，７と同調し、ほぼ同じ波
形の同一ピッチで形成されている。そこで、得られた波
板Ｂの形状が安定しコルゲート形状が変化しなくなる。

【００１７】

【発明の効果】本発明に係るコルゲート成形機そしてハ
ニカム構造体は、以上説明したように、コルゲートギア
と同調して回転駆動されると共に、ほぼ同じ波形の凹凸
が同一ピッチで形成された掻き出しロールを配したこと
により、次の効果を発揮する。

【００１８】第１に、生産性が向上し、コスト面に優れ
ている。すなわち、コルゲートギアへの箔や波板の噛み
込みが防止されるので、ラインストップは解消され、生
産個数が向上し歩留まりが良くなる等、波板そしてハニ
カム構造体の生産性が向上し、コスト面に優れている。
第２に、同様にコルゲートギアへの噛み込みが防止され
ると共に、コルゲートギアと同調し、ほぼ同じ波形で同
一ピッチの掻き出しロールを配してなるので、得られた
波板の形状が安定しコルゲート形状が変化しない等、波
板そしてハニカム構造体の品質面にも優れている。この
ように、この種従来例に存した問題点が一掃される等、
本発明の発揮する効果は、顕著にして大なるものがあ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るコルゲート成形機の実施例を示
し、（１）図は要部の正面図、（２）図は要部の平面
図、（３）図は、コルゲートギアと掻き出しロールとの
波形の比較に供する拡大図である。

【図２】同実施例のコルゲート成形機の全体正面図であ
る。

【図３】ハニカム構造体の斜視図であり、（１）図はロ
ール状のもの、（２）図は積層ブロック状のものを示
す。

【符号の説明】

１ アンコイラ ２ ダンサバー ３ コルゲート成形ユニット ４ 掻き出し成形ユニット ５ プレスシャー ６ コルゲートギア ７ コルゲートギア ８ 掻き出しロール ９ 掻き出しロール １０ ガイドレール Ａ 箔 Ｂ 波板 Ｃ ハニカム構造体 Ｄ 平板 Ｅ セル Ｆ ケース Ｈ 基台

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下対をなして回転駆動されると共に、
   各々外周に同一波形の凹凸が所定ピッチで形成されたコ
   ルゲートギアが用いられ、材料の帯状の箔を供給して通
   すことにより、波形の凹凸が連続的に折曲形成された帯
   状の波板を得る、コルゲート成形機において、 該コルゲートギアの下流側に隣接して掻き出しロールが
   配され、該掻き出しロールは、上下対をなし該コルゲー
   トギアと同調して回転駆動されると共に、各々外周に該
   コルゲートギアの波形の凹凸とほぼ同じ波形の凹凸が同
   一の所定ピッチで形成されており、該コルゲートギアか
   ら上記波板を掻き出して通すこと、を特徴とするコルゲ
   ート成形機。
2. 【請求項２】 このようなコルゲート成形機にて得られ
   た上記波板と、平坦な平板とが多層に組み付けられ、全
   体がロール状や積層ブロック状の所定形状をなすと共に
   ハニカム構造をなすこと、を特徴とするハニカム構造
   体。