JPH05335651A - 強磁性磁気抵抗素子 - Google Patents

強磁性磁気抵抗素子

Info

Publication number
JPH05335651A
JPH05335651A JP4142325A JP14232592A JPH05335651A JP H05335651 A JPH05335651 A JP H05335651A JP 4142325 A JP4142325 A JP 4142325A JP 14232592 A JP14232592 A JP 14232592A JP H05335651 A JPH05335651 A JP H05335651A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
thin film
alumina sintered
ferromagnetic
magnetic resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4142325A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Onaka
和弘 尾中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP4142325A priority Critical patent/JPH05335651A/ja
Publication of JPH05335651A publication Critical patent/JPH05335651A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Hall/Mr Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 強磁性磁気抵抗素子において、200℃にて
3000時間以上の連続使用を可能にし、抗折強度が大
きく、保護膜の密着強度が大きい信頼性の高く、スルー
ホール電極を備えることにより出力を向上させ、製造歩
留まりを向上させた素子を安価に提供するものである。 【構成】 アルミナ焼結体基板1表面に形成されたニッ
ケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜2と、この強磁性磁気抵
抗薄膜2を覆う保護膜3とを備え、さらに厚膜スルーホ
ール電極4にて裏面電極と導通させ、基板の表面研磨プ
ロセスを最後にすることに依って製造歩留まりを向上さ
せたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル合金の強磁性
薄膜を用いた強磁性磁気抵抗素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在主に用いられている回転検出装置の
中で、光半導体を用いた光式回転検出装置や、ホールI
Cを用いた磁気式回転検出装置は、耐熱温度が125℃
以下であり、産業機器に対して使用する際には大きな障
害となっているのが現状である。そこで200℃以上の
耐熱温度のある強磁性磁気抵抗素子の産業機器への利用
がますます高まってきている。特に電装品分野では、1
80℃以上の耐熱性を要求される電子部品が多く、検出
体の物性から見て、強磁性磁気抵抗素子以外の回転検出
装置は使用できないことは明らかであり、その期待度は
高まる一方である。
【0003】一方、強磁性磁気抵抗素子はガラスまたは
セラミック基板上にニッケル合金からなる膜厚約500
Åの強磁性薄膜をパターニングし、その上に保護膜Si
Nなどをコーティングすることによって構成される。強
磁性薄膜は、あらゆる方向に対し強い形状異方性を示す
ため、パターンの長手方向に異方性を生じせしめて使用
する磁気抵抗素子の場合、その基板の表面状態は表面粗
度でRa0.01μm以下の鏡面にせねばならない。
【0004】さらに強磁性磁気抵抗素子は出力を大きく
取るためには検出素子と被検出体とのエアギャップをで
きるだけ小さくする必要があるために、電極を感知面に
対して裏側に形成する構造がとられてきた。これらの条
件を満たすために現在アルミナ基板の上に高温焼成ガラ
スグレーズを形成し、次に厚膜スルーホール印刷を行っ
ている。しかし表面粗度をRaで0.01μm以下にす
るためには1200℃以上の焼成温度のガラスグレーズ
を使用する必要があり、焼成温度850℃の厚膜電極は
ガラスグレーズ焼成後に形成するほかはなかった。これ
には次のような問題点があった。
【0005】1.スルーホール厚膜電極形成時のガラス
グレーズ面上への電極材料の飛散による強磁性磁気抵抗
薄膜ファインパターンの歩留りの低下。
【0006】2.厚膜グレーズ焼成後の基板の反りの発
生 特に下地基板のアルミナは1200℃付近の温度で焼成
した後は□2.5cm2で100μm以上反るために、こ
れらの材料を用いた基板上での5μm以下のファインパ
ターン形成は不可能であった。
【0007】また、強磁性磁気抵抗素子を磁気センサと
して使用する場合、連続使用において、抵抗値変化率で
2%以下、中点電位変化量で1mV以下に抑えなければ
使用することが極めて困難である。従来は、図7に示す
ようにニッケル合金からなる強磁性磁気抵抗薄膜を形成
する基板に、例えばアルカリガラス、ほう珪酸ガラス、
グレーズドアルミナを用いていた。
【0008】ここで、2は強磁性磁気抵抗薄膜、3は保
護膜、4は基板、5はAg−Pd厚膜スルーホール電
極、6はガラスグレーズ、7はAg−Pd裏面電極であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来強磁性磁
気抵抗素子について、200℃での連続使用による中点
電位変化量を図2に示すが、どの方式も20mV以上マ
イナス側にずれていることが判る。図において従来例
1,2,3はそれぞれグレーズドアルミナ基板、アルカ
リガラス基板、無アルカリガラス基板を用いた場合を示
している。
【0010】また200℃での連続使用による抵抗値変
化率を図3に示すが、いずれの方式も10%以上増大し
ていることがわかる。
【0011】以上のような従来使用していた基板の有す
る問題点の原因として以下のものが考えられる。
【0012】1.基板中に含まれるアルカリ成分または
ハロゲン分子の、電気泳動によるニッケル合金中への拡
散。
【0013】2.基板材料とニッケル合金薄膜の界面の
熱による移動。 3.基板材料とニッケル合金薄膜の密着強度不足。
【0014】4.SiN保護膜との密着力不足。 これらの問題を解決するために、現在では単結晶サファ
イア基板が用いられているが、無アルカリガラス基板の
30倍以上のコストがかかるために、ごく一部の高付加
価値製品にしか適応されていないのが現状である。また
アルミナ焼結体を研磨して基板に使用する試みも行われ
てきたが、以下の理由により使用が不可能であった。
【0015】1.結晶の粒度が100Å〜10μmまで
ばらついており、このため基板の表面粗度がRaで0.
2μm以上になるため強磁性磁気抵抗薄膜の形状異方性
が損なわれ、磁気抵抗特性が著しく劣化する。
【0016】2.Na+やKa+等の不純物が多く含まれ
ており、高温時での連続使用が困難である。
【0017】以上の問題を鑑みて、200℃で3000
時間以上の使用において中点電位変化量1mV以下、抵
抗値変化率0.5%以下、出力特性の変化率0.5%以
下で、しかも安価で歩留まりが良好で高出力の強磁性磁
気抵抗素子を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、結晶の粒径を1〜10μm以内に抑えて研
磨したアルミナ焼結体からなる基板の表面に形成された
ニッケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜と、この強磁性薄膜
を覆う保護膜と、基板の裏面に形成した電極と、この裏
面の電極と表面の電極とを導通させるスルーホールとを
備えたものである。
【0019】
【作用】本発明によれば、アルミナ焼結体からなる基板
を用いることで熱によるニッケル合金薄膜内へのN
+,Ka+,C1-などの拡散をなくすことができる。
これは99.9%以上の高純度の原料を用い、また熱的
に安定なアルミナを用いて、アルミナ焼結体基板を形成
することによるもので、200℃で3000時間以上に
おいてニッケル合金の強磁性薄膜に全く変化を起こさな
いものである。さらにアルミナの結晶粒径を1〜10μ
m以内にすることにより、基板の表面粗度をRa0.0
1μm以下に抑えて磁気抵抗特性が劣化しない。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例の強磁性磁気抵抗素
子について説明する。図1において1はアルミナ焼結体
基板、2はニッケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜、3はS
iNからなる保護膜、5はAg−Pd厚膜スルーホール
電極、7はAg−Pd裏面電極である。ここで使用した
アルミナ焼結体基板は、図6に示すように前記Ag−P
d厚膜スルーホール電極形成後に鏡面研磨を行ってい
る。
【0021】なお、図6は本発明の強磁性磁気抵抗素子
の製造プロセスを示す図である。すなわち、図6の工程
によれば、厚膜導体の基板表面への飛散物が研磨工程に
よって除去され、異物によるファインパターン切れなど
の歩留まり低下要因をなくすことができる。さらに厚膜
ガラスグレーズを印刷焼成しないため、基板の反りを□
2.5cm2あたり5μm以下に抑えることが可能にな
る。
【0022】図2は本実施例の素子を用いて200℃で
の連続使用を行った後の中点電位ドリフト量の結果であ
り、横軸は時間、縦軸は中点電位のドリフト量を示して
いる。これによると、従来例のアルカリガラス、無アル
カリガラス、グレーズドセラミックと比較して全く中点
がドリフトしていないことが判る。これはアルミナが熱
的に非常に安定であり、しかも原材料に不純物をほとん
ど含んでいないことによるものである。
【0023】図3は本実施例の素子を用いて200℃で
の連続使用した後の抵抗値変化率の結果であり、横軸は
時間、縦軸は抵抗値の変化率を示している。これによる
と、抵抗値の変化は全く無いことがわかる。
【0024】このことはアルミナ焼結体と強磁性薄膜と
の密着強度が非常に大きいことを示している。(表1)
は同一の基板厚に於ける各素子の抗折強度及び保護膜と
して使用するSiNと基板との密着強度を測定したもの
であるが、これによるとアルミナ焼結体が最も優れてい
ることがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】図4(a),(b)はそれぞれ本実施例と
従来例の素子の磁気抵抗効果を表す抵抗値変化率Δρ/
ρを示す特性図であるが、ここで横軸は磁界強度、縦軸
は抵抗値変化率を示している。これによると従来例のグ
レーズドセラミックと比較してヒステリシスが大幅に減
少していることが判る。これは基板の表面粗度を1/2
0以下にすることにより、磁気抵抗効果を確保したこと
によるものである。
【0027】また基板に係るコストは単結晶サファイア
基板の1/30以下、無アルカリガラス基板とほぼ同じ
であった。
【0028】図5は本実施例の素子を用いて生産したも
のの歩留まりを調べた結果であり、横軸は各ロットを示
し、縦軸は歩留まりを示している。これによると従来例
のアルミナ基板上にガラスグレーズを印刷焼成したもの
と比較して2倍以上向上しているのが判る。
【0029】なお、スルーホール部については、図1の
右側部のように集合基板を1つずつの素子に分割する際
に穴のまま残してもよいし、左側部のようにスルーホー
ルを半分に分割して素子の一部と成してもよい。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、次のよう
な効果が得られる。
【0031】1.200℃での連続使用において、中点
電位のドリフトが非常に少なく、無視できる程度であ
る。
【0032】2.200℃での連続使用において、抵抗
値変化が非常に少なく無視できる程度である。
【0033】3.素子の機械的強度が大きくなる。 4.保護膜の密着性が大きいため、信頼性を確保でき
る。
【0034】5.上記の特性を備えた素子を従来の無ア
ルカリガラスを用いた素子とほぼ同じコストで供給でき
る。
【0035】6.生産歩留まりが2倍以上向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による強磁性磁気抵抗素子の
断面図
【図2】同実施例及び従来例の中点電位の変化量を示し
た特性図
【図3】同実施例及び従来例の抵抗値変化率を示した特
性図
【図4】(a),(b)は同実施例及び従来例の磁気抵
抗特性を示した特性図
【図5】同実施例及び従来例の生産歩留まりを示した特
性図
【図6】同実施例の素子の製造プロセスを示す工程図
【図7】従来の強磁性磁気抵抗素子の断面図
【符号の説明】
1 アルミナ焼結体基板 2 強磁性磁気抵抗薄膜 3 保護膜 5 Ag−Pd厚膜スルーホール電極 7 Ag−Pd裏面電極

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶の粒径を1〜10μmとしたアルミナ
    焼結体からなる基板の表面に形成されたニッケル合金の
    強磁性磁気抵抗薄膜と、この強磁性磁気抵抗薄膜と接続
    されかつ基板の裏面に形成した電極と、前記強磁性磁気
    抵抗薄膜と前記裏面の電極とを導通させるスルーホール
    と、前記磁気抵抗薄膜を覆う保護膜とを備えた強磁性磁
    気抵抗素子。
JP4142325A 1992-06-03 1992-06-03 強磁性磁気抵抗素子 Pending JPH05335651A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4142325A JPH05335651A (ja) 1992-06-03 1992-06-03 強磁性磁気抵抗素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4142325A JPH05335651A (ja) 1992-06-03 1992-06-03 強磁性磁気抵抗素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05335651A true JPH05335651A (ja) 1993-12-17

Family

ID=15312724

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4142325A Pending JPH05335651A (ja) 1992-06-03 1992-06-03 強磁性磁気抵抗素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05335651A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2441207C2 (ru) Емкостный датчик давления
JP3144830B2 (ja) 結晶化ガラス
US5612536A (en) Thin film sensor element and method of manufacturing the same
JP2006298755A (ja) チップ素子のグレーズ被覆構造及びその形成方法
EP0561397A2 (en) A pressure sensor
JPS5927595A (ja) 光検出器用小型冷却装置
JP2009020061A (ja) 力学量センサ素子
US20230150882A1 (en) Dielectric for electrostatic chuck
JPH05335651A (ja) 強磁性磁気抵抗素子
JP2007314812A (ja) スパッタリングターゲットおよび成膜方法
JP4582679B2 (ja) 陽極接合用結晶化ガラス
JP2001106545A (ja) ガラス基板、半導体センサの製造方法および半導体センサ
US6309695B1 (en) Process for the preparation of a thick film resistor useful for making strain gauge
JPH0521863A (ja) 強磁性磁気抵抗素子
JPH05145142A (ja) 磁気抵抗素子
CN1144029C (zh) 钢水测温用厚膜快速热电偶及其制造方法
JPH05335654A (ja) 強磁性磁気抵抗素子
CN107302347A (zh) 10MHz石英力敏谐振器集群
CN102117670A (zh) 电阻体材料、电阻薄膜形成用溅射靶、电阻薄膜、薄膜电阻器以及它们的制造方法
JP2641598B2 (ja) 薄膜抵抗体素子
JPH06137806A (ja) ひずみセンサ
JP3070193B2 (ja) 磁気抵抗素子の製造方法
JP2631118B2 (ja) セラミック配線基板の製造方法
JPWO2008143011A1 (ja) 薄膜センサ、薄膜センサモジュールおよび薄膜センサの製造方法
JP2001004654A (ja) 加速度センサ