JPH0521863A - 強磁性磁気抵抗素子 - Google Patents
強磁性磁気抵抗素子Info
- Publication number
- JPH0521863A JPH0521863A JP3173712A JP17371291A JPH0521863A JP H0521863 A JPH0521863 A JP H0521863A JP 3173712 A JP3173712 A JP 3173712A JP 17371291 A JP17371291 A JP 17371291A JP H0521863 A JPH0521863 A JP H0521863A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- thin film
- protective film
- ferromagnetoresistance
- substrate
- ferromagnetic
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Measuring Magnetic Variables (AREA)
- Hall/Mr Elements (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 強磁性磁気抵抗素子に於いて、200℃にて
3000時間以上の連続使用を可能にし、抗折強度が大
きく、保護膜の密着強度が大きい信頼性の高い素子を提
供するものである。 【構成】 単結晶サファイア基板11表面に形成された
ニッケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜2と、この強磁性磁
気抵抗薄膜2を覆う保護膜3とを備えたものである。 【効果】 200℃での連続使用に於いて、中点電位の
ドリフトが全く無く、抵抗値の変化も無くなる。その上
保護膜の密着性が大きく、素子の抗折強度も上がり、素
子の信頼性が著しく向上する。
3000時間以上の連続使用を可能にし、抗折強度が大
きく、保護膜の密着強度が大きい信頼性の高い素子を提
供するものである。 【構成】 単結晶サファイア基板11表面に形成された
ニッケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜2と、この強磁性磁
気抵抗薄膜2を覆う保護膜3とを備えたものである。 【効果】 200℃での連続使用に於いて、中点電位の
ドリフトが全く無く、抵抗値の変化も無くなる。その上
保護膜の密着性が大きく、素子の抗折強度も上がり、素
子の信頼性が著しく向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニッケル合金の強磁性
薄膜を用いた強磁性磁気抵抗素子に関するものである。
薄膜を用いた強磁性磁気抵抗素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在主に用いられている回転検出装置の
中で、光半導体を用いた光式回転検出装置や、ホールI
Cを用いた磁気式回転検出装置は、耐熱温度が125℃
以下であり、産業機器に対して使用する際には大きな障
害となっているのが現状である。そこで200℃以上の
耐熱温度のある強磁性磁気抵抗素子の産業機器への利用
がますます高まってきている。特に電装品分野では、1
80℃以上の耐熱性を要求される電子部品が多く、検出
体の物性から見て、強磁性磁気抵抗素子以外の回転検出
装置は使用できないことは明らかであり、その期待度は
高まる一方である。
中で、光半導体を用いた光式回転検出装置や、ホールI
Cを用いた磁気式回転検出装置は、耐熱温度が125℃
以下であり、産業機器に対して使用する際には大きな障
害となっているのが現状である。そこで200℃以上の
耐熱温度のある強磁性磁気抵抗素子の産業機器への利用
がますます高まってきている。特に電装品分野では、1
80℃以上の耐熱性を要求される電子部品が多く、検出
体の物性から見て、強磁性磁気抵抗素子以外の回転検出
装置は使用できないことは明らかであり、その期待度は
高まる一方である。
【0003】一方、強磁性磁気抵抗素子はガラスまたは
セラミック基板上にニッケル合金からなる膜厚約500
Åの強磁性薄膜をパターニングし、その上に保護膜Si
Nなどをコーティングすることによって構成される。強
磁性薄膜は、あらゆる方向に対し強い形状異方性を示す
ため、パターンの長手方向に異方性を生じせしめて使用
する磁気抵抗素子の場合、その基板の表面状態は鏡面に
せねばならない。
セラミック基板上にニッケル合金からなる膜厚約500
Åの強磁性薄膜をパターニングし、その上に保護膜Si
Nなどをコーティングすることによって構成される。強
磁性薄膜は、あらゆる方向に対し強い形状異方性を示す
ため、パターンの長手方向に異方性を生じせしめて使用
する磁気抵抗素子の場合、その基板の表面状態は鏡面に
せねばならない。
【0004】また、強磁性磁気抵抗素子を磁気センサと
して使用する場合、連続使用に於いて、抵抗値変化率で
2%以下、中点電位変化量で1mV以下に抑えなければ使
用することが極めて困難である。従来は、図6に示すご
とくニッケル合金からなる強磁性磁気抵抗薄膜を形成す
る基板に、例えばアルカリガラス,ほう珪酸ガラス,グ
レーズドアルミナを用いていた。
して使用する場合、連続使用に於いて、抵抗値変化率で
2%以下、中点電位変化量で1mV以下に抑えなければ使
用することが極めて困難である。従来は、図6に示すご
とくニッケル合金からなる強磁性磁気抵抗薄膜を形成す
る基板に、例えばアルカリガラス,ほう珪酸ガラス,グ
レーズドアルミナを用いていた。
【0005】ここで、2は強磁性磁気抵抗薄膜、3は保
護膜、4は基板である。
護膜、4は基板である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来強磁性磁
気抵抗素子について、200℃での連続使用による中点
電位変化量を図2に示すが、どの方式も20mV以上マイ
ナス側にずれていることが判る。図において従来例1,
2,3はそれぞれグレーズドアルミナ基板,アルカリガ
ラス基板,無アルカリガラス基板を用いた場合を示して
いる。
気抵抗素子について、200℃での連続使用による中点
電位変化量を図2に示すが、どの方式も20mV以上マイ
ナス側にずれていることが判る。図において従来例1,
2,3はそれぞれグレーズドアルミナ基板,アルカリガ
ラス基板,無アルカリガラス基板を用いた場合を示して
いる。
【0007】また200℃での連続使用による抵抗値変
化率を図3に示すが、いずれの方式も10%以上減少し
ていることがわかる。
化率を図3に示すが、いずれの方式も10%以上減少し
ていることがわかる。
【0008】以上のような従来使用していた基板の有す
る問題点の原因としては以下のものが考えられる。
る問題点の原因としては以下のものが考えられる。
【0009】1.基板中に含まれるアルカリ成分または
ハロゲン分子の、電気泳動によるニッケル合金中への拡
散。
ハロゲン分子の、電気泳動によるニッケル合金中への拡
散。
【0010】2.基板材料とニッケル合金薄膜の界面の
熱による移動。 3.基板材料とニッケル合金薄膜の密着強度不足。
熱による移動。 3.基板材料とニッケル合金薄膜の密着強度不足。
【0011】4.SiN保護膜との密着力不足。 以上の問題を鑑みて、200℃で3000時間以上の使
用に於いて中点電位変化量1mV以下、抵抗値変化率0.
5%以下、出力特性の変化率0.5%以下の強磁性磁気
抵抗素子を提供することを目的とする。
用に於いて中点電位変化量1mV以下、抵抗値変化率0.
5%以下、出力特性の変化率0.5%以下の強磁性磁気
抵抗素子を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、単結晶サファイアからなる基板の表面に形
成されたニッケル合金の強磁性薄膜と、この強磁性薄膜
を覆う保護膜とを備えたものである。
に本発明は、単結晶サファイアからなる基板の表面に形
成されたニッケル合金の強磁性薄膜と、この強磁性薄膜
を覆う保護膜とを備えたものである。
【0013】
【作用】本発明によれば、単結晶サファイアからなる基
板を用いることで熱によるニッケル合金薄膜内へのNa
+,Ka+,Cl-などの拡散をなくすことができる。こ
れは99.99%以上の高純度の原料を用い、また熱的
に安定なアルミナを用いて、熱的に非常に安定な単結晶
構造を有した単結晶サファイア基板を形成することによ
るもので、200℃で3000時間以上に於いてニッケ
ル合金の強磁性薄膜に全く変化を起こさないものであ
る。
板を用いることで熱によるニッケル合金薄膜内へのNa
+,Ka+,Cl-などの拡散をなくすことができる。こ
れは99.99%以上の高純度の原料を用い、また熱的
に安定なアルミナを用いて、熱的に非常に安定な単結晶
構造を有した単結晶サファイア基板を形成することによ
るもので、200℃で3000時間以上に於いてニッケ
ル合金の強磁性薄膜に全く変化を起こさないものであ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例の強磁性磁気抵抗素
子について説明する。図1において1は単結晶サファイ
ア基板、2はニッケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜、3は
SiNからなる保護膜である。ここで使用した単結晶サ
ファイアは、基板表面の結晶方位をR面にして、鏡面研
磨を行っている。
子について説明する。図1において1は単結晶サファイ
ア基板、2はニッケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜、3は
SiNからなる保護膜である。ここで使用した単結晶サ
ファイアは、基板表面の結晶方位をR面にして、鏡面研
磨を行っている。
【0015】図2は本実施例の素子を用いて200℃で
の連続使用を行った後の中点電位ドリフト量の結果であ
り、横軸は時間、縦軸は中点電位のドリフト量を示して
いる。これによると、従来例のアルカリガラス,無アル
カリガラス,グレーズドセラミックと比較して全く中点
がドリフトしていないことが判る。これはサファイアが
熱的に非常に安定であり、しかも原材料にアルミナ以外
の不純物をほとんど含んでいないことによるものであ
る。
の連続使用を行った後の中点電位ドリフト量の結果であ
り、横軸は時間、縦軸は中点電位のドリフト量を示して
いる。これによると、従来例のアルカリガラス,無アル
カリガラス,グレーズドセラミックと比較して全く中点
がドリフトしていないことが判る。これはサファイアが
熱的に非常に安定であり、しかも原材料にアルミナ以外
の不純物をほとんど含んでいないことによるものであ
る。
【0016】図3は本実施例の素子を用いて200℃で
の連続使用した後の抵抗値変化率の結果であり、横軸は
時間、縦軸は抵抗値の変化率を示している。これによる
と、抵抗値の変化は全く無いことがわかる。
の連続使用した後の抵抗値変化率の結果であり、横軸は
時間、縦軸は抵抗値の変化率を示している。これによる
と、抵抗値の変化は全く無いことがわかる。
【0017】このことはサファイアと強磁性薄膜との密
着強度が非常に大きいことを示している。(表1)は同
一の基板厚に於ける各素子の抗折強度及び保護膜として
使用するSiNと基板との密着強度を測定したものであ
るが、これによるとサファイアが最も優れていることが
わかる。
着強度が非常に大きいことを示している。(表1)は同
一の基板厚に於ける各素子の抗折強度及び保護膜として
使用するSiNと基板との密着強度を測定したものであ
るが、これによるとサファイアが最も優れていることが
わかる。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、次のよう
な効果が得られる。
な効果が得られる。
【0020】1.200℃での連続使用に於いて、中点
電位のドリフトが全く無い。 2.200℃での連続使用に於いて、抵抗値変化が全く
無い。
電位のドリフトが全く無い。 2.200℃での連続使用に於いて、抵抗値変化が全く
無い。
【0021】3.素子の機械的強度が大きくなる。 4.保護膜の密着性が大きいため、信頼性を確保でき
る。
る。
【図1】本発明の一実施例の強磁性磁気抵抗素子の断面
図
図
【図2】同実施例及び従来例の中点電位の変化量を示し
た特性図
た特性図
【図3】同実施例及び従来例の抵抗値変化率を示した特
性図
性図
【図4】従来の強磁性磁気抵抗素子の断面図
1 単結晶サファイア基板 2 強磁性磁気抵抗薄膜 3 保護膜 4 基板
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】単結晶サファイアからなる基板の表面に形
成されたニッケル合金の強磁性磁気抵抗薄膜と、この強
磁性磁気抵抗薄膜を覆う保護膜とを備えた強磁性磁気抵
抗素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3173712A JPH0521863A (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 強磁性磁気抵抗素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3173712A JPH0521863A (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 強磁性磁気抵抗素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0521863A true JPH0521863A (ja) | 1993-01-29 |
Family
ID=15965736
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3173712A Pending JPH0521863A (ja) | 1991-07-15 | 1991-07-15 | 強磁性磁気抵抗素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0521863A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004025745A1 (ja) * | 2002-09-13 | 2004-03-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 磁気抵抗効果素子およびこの製造方法並びに使用方法 |
WO2022131060A1 (ja) * | 2020-12-18 | 2022-06-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 磁気センサ |
-
1991
- 1991-07-15 JP JP3173712A patent/JPH0521863A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004025745A1 (ja) * | 2002-09-13 | 2004-03-25 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | 磁気抵抗効果素子およびこの製造方法並びに使用方法 |
WO2022131060A1 (ja) * | 2020-12-18 | 2022-06-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 磁気センサ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4021767A (en) | Hall element and method of manufacturing same | |
JP3144830B2 (ja) | 結晶化ガラス | |
JPS5927595A (ja) | 光検出器用小型冷却装置 | |
JPH0521863A (ja) | 強磁性磁気抵抗素子 | |
JPH05145142A (ja) | 磁気抵抗素子 | |
GB995972A (en) | Electrical resistor and method of producing it | |
KR20050051655A (ko) | 자기 저항 효과 소자, 이 제조 방법 및 사용 방법 | |
JPH05335654A (ja) | 強磁性磁気抵抗素子 | |
JPS61181103A (ja) | 白金測温抵抗体 | |
JPS61181104A (ja) | 白金測温抵抗体 | |
JP3070193B2 (ja) | 磁気抵抗素子の製造方法 | |
JPH05335651A (ja) | 強磁性磁気抵抗素子 | |
JPH0784274A (ja) | 優先配向を有するito薄膜作成方法 | |
JPH0258304A (ja) | 薄膜白金温度センサ | |
JPS5845163B2 (ja) | 抵抗器の製造法 | |
JP3206104B2 (ja) | 磁気抵抗素子 | |
JPH02102472A (ja) | 薄膜磁気センサ | |
JPS58142585A (ja) | 磁気抵抗素子及びその製造方法 | |
JPH05304325A (ja) | 半導体薄膜磁気抵抗素子およびその製造方法 | |
JPS63263702A (ja) | 白金薄膜温度センサの製造方法 | |
CN117448620A (zh) | 热电合金薄膜材料及其制备方法和用途 | |
JPH0228576A (ja) | 磁気センサ | |
JPS59161885A (ja) | ホ−ル素子 | |
JPS6239001A (ja) | 電圧非直線抵抗素子 | |
JPS62105406A (ja) | 測温抵抗体の製造方法 |