JPH05334722A - 光吸収または光発光パタ−ン表示媒体 - Google Patents

光吸収または光発光パタ−ン表示媒体

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JPH05334722A
JPH05334722A JP4163638A JP16363892A JPH05334722A JP H05334722 A JPH05334722 A JP H05334722A JP 4163638 A JP4163638 A JP 4163638A JP 16363892 A JP16363892 A JP 16363892A JP H05334722 A JPH05334722 A JP H05334722A
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layer
light
display
absorption
pattern
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Application number
JP4163638A
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English (en)
Inventor
Akio Shimizu
明夫 清水
Seiichi Asada
誠一 朝田
Ryuzo Fukao
隆三 深尾
Tsutomu Yamaguchi
務 山口
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一枚一枚異なったパターンを印字する場合に
も適し、かつ印字パターンが肉眼では目立ちにくく、し
かも最低パターン幅が狭くても読取装置で正確に読み取
ることができる光吸収または光発光パターン表示媒体を
提供する。 【構成】 基体1上に、400〜700nmの波長に主
たる吸収を持たない吸収体を含有する光吸収層または4
00〜700nmの波長に主たる吸収を持たない蛍光体
を含有する光発光層からなる表示層2を形成し、該表示
層2上または透明な基体1の上記表示層2の形成面とは
反対側の面に、加熱、電圧印加、光照射などによって光
の透過度が可逆的または非可逆的に変化する光透過度可
変層3を形成することにより、光吸収または光発光パタ
ーン表示媒体を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、追記型または可逆記録
型の光吸収または光発光パターン表示媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、FA用ラベル(生産工程の管理上
に用いられるラベル)、商品ラベルなどに代表されるラ
ベル、シート、ロール、カードなどのバーコードは、黒
や茶色の印刷または印字によってなされていた。しか
し、黒や茶色の印刷または印字は、目立ちすぎて、商品
イメージを損なったり、印刷のデザインを制限する原因
になるという問題があった。
【0003】そこで、この問題を解決する方法として、
赤外線吸収色素などを含有するバーコードパターンをス
クリーン印刷したり、インクリボンで印字する方法が提
案されている(例えば、特開平1−305484号公
報、特開平2−39288号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする問題】しかし、スクリーン印
刷法は、同じパターンを大量に印刷するのには向いてい
るものの、一枚一枚異なったパターンを印刷するのには
不向きである。またインクリボン印字法は、一枚一枚異
なったパターンを印字するのに適しているものの、材料
の利用効率が悪いという問題や、印字不良、地汚れ、不
均一印字(インクリボンの赤外線吸収色素などが一部し
か印字されない場合には赤外線吸収能力が低下する)、
インクリボンの印字紙への粘着など、印字上の問題があ
る。
【0005】また、インクリボンによる印字の場合は、
インクリボンのインク層の均一膜厚形成や印字可能な膜
厚を考えると、インクリボンのインク層の膜厚は通常1
〜2.5μmに制限される。そのため、ピッチが粗いバ
ーコードなどのパターン印字の場合には過剰品質にな
り、逆にピッチが細かいパターン印字の場合にはS/N
〔信号(S)とノイズ(N)の比で、このS/Nが大き
いほど、読み取り時の誤りが少ない〕不足になり、正確
な読み取りが困難であるという問題がある。
【0006】したがって、本発明は、インクリボンによ
ることなく、目立たない(つまり、肉眼では見えにく
い)特定パターン(例えば、バーコードなど)を一枚一
枚異なったパターンで印字できる表示媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、基体上に形成
した光吸収層または光発光層からなる表示層上または透
明な基体の表示層の形成面とは反対側の面に、加熱、電
圧印加、光照射などにより光の透過度が可逆的または非
可逆的に変化する光透過度可変層を形成することによっ
て、上記目的を達成したものである。
【0008】すなわち、本発明では、ラベル、シート、
ロール、カードなどの発行時に特定パターン(例えば、
バーコード)を光透過度可変層に形成し、この光透過度
可変層によって、光吸収または光発光パターンを表示し
たラベル、シート、ロール、カードを発行できるように
したのである。
【0009】上記光透過度可変層としては、Sn
(錫)、Al(アルミニウム)などの低融点金属からな
る感熱溶融膜、感熱溶融色素層、感熱分解色素層、感熱
発色層、低分子の脂肪酸を含む高分子からなる層(特開
昭55−154198号公報)、液晶高分子層、ホトク
ロミック層などがあげられる。これらは加熱、電圧印
加、光照射などにより溶融、変色、脱色して可逆的また
は非可逆的に光の透過度を変化させる。
【0010】このような光の透過度を変化させる光透過
度可変層を設けたラベル、シート、ロール、カードで
は、それらの発行時に、光透過度可変層に特定パターン
(例えば、バーコード)を印字しておくと、例えば下記
に示すメカニズムでパターン表示をすることができる。
【0011】例えば、Sn、Alなどの低融点金属から
なる感熱溶融膜を光透過度可変層として設けている場
合、感熱溶融膜が加熱、電圧印加などによって溶融した
部分では、その下に光吸収層または光発光層からなる表
示層があるので、光を照射すれば感熱溶融膜の溶融部分
のみ光吸収または光発光する。
【0012】感熱発色層を光透過度可変層として設けた
場合は、感熱発色層が発色していない部分のみ光吸収ま
たは光発光する。
【0013】また、低分子の脂肪酸を含む高分子からな
る層を光透過度可変層として設けた場合は、サーマルヘ
ッドなどで加熱された部分が不透明になり、その部分の
下にある表示層は光を吸収または発光せず、加熱されて
いない部分は透明なので、その部分の下にある表示層が
光を吸収または発光する。
【0014】これらのラベル、シート、ロール、カード
では、光吸収または光発光パターンを発行時に一枚毎に
異ならせて印字することができる。それに加え、光透過
度可変層、光吸収層または光発光層からなる表示層を白
色や薄い色にすれば、特定パターンを印字しても、色が
目立たないので好ましい。具体的には、表示層に赤外線
吸収色素(波長が700nm以上の光を吸収する色
素)、蛍光体〔これには、通常の螢光体(紫外線を吸収
して可視光線を発光する螢光体)と赤外線螢光体(赤外
線を吸収して赤外線を発光する螢光体)がある〕を用
い、光透過度可変層にSn、Alのような低融点金属、
有機相変化層(低分子の脂肪酸を含む高分子からなる
層)を使用すれば、特定パターン(例えば、バーコー
ド)を印字しても、その印字パターンは目立たない。
【0015】また、赤外線吸収色素、赤外線螢光体を使
用したものは、油汚れ(700nm以上の吸収はほとん
どない)などによるS/N低下や、カード、ラベル、シ
ート、ロール上の印刷(通常、400〜700nmの波
長の吸収はあるが、700nm以上の吸収はほとんどな
い)によるS/N低下がほとんどないので、より好まし
い。このようなタイプのラベル、カード、シート、ロー
ルなどでは、赤、黄色、青、緑などの400〜700n
mの波長の光を吸収する染料や補色吸収タイプの黒染料
で印刷してもS/Nの低下がほとんど生じないので、商
品デザインがやりやすい。
【0016】そして、高温で使用するFA用ラベルなど
では、セラミックスなどからなる高融点基体、無機螢光
体薄膜などからなる高融点光発光層、放電破壊による印
字が可能な高融点金属などからなる光透過度可変層の使
用が好まれる。
【0017】なお、ラベル、カード、シート、ロールな
どの全体が上記のような表示媒体としての機能を持った
構造であっても良いし、また特定パターンを表示する部
分のみが上記の構造を持つものでも良い。
【0018】この表示媒体に使用する光吸収層または光
発光層としては、シアニン系、ポリメチン系、アントラ
キノン系、フタロシアニン系、ジチオール金属錯塩系の
赤外線吸収色素、BaMg2 Al1627:Eu3+、Zn
S:Ag、Sr10(PO4 6 Cl2 :Eu2+(以上、
青色発光螢光体)、CaMgAl1119:Tb3+、Zn
SiO2 :Mn2+、(Zn,Cd)S:Ag、(Zn,
Cd)S:Cu,Al、ZnS:Au,Cu,Al、Z
nS:Cu,Al、Y2 SiO5 :Ce3+,Tb3+、Y
2 3 ・Al2 3 :Tb3+(以上、緑色発光螢光
体)、Y2 2 S:Eu3+、Zn3 (PO4 2 :Mn
2+、YVO4 :Eu3+、Y(P,V)O4 :Eu3+、Y
2 2 S:Eu3+、3.5MgO0.5MgF2 ・Ge
2 :Mn4+、Y2 3 :Eu3+(以上、赤色発光螢光
体)、(Sr,Mg) 3 (PO4 2:Sn2+(橙色発
光螢光体)、Y3 Al5 12:Tb3+(黄緑色発光螢光
体)、(Sr,Mg)3 (PO4 2 :Cu+ 、BaM
2 Al1627:Eu2+,Mn2+、Sr2 Si3 8
2SrCl2 :Eu2+(青緑色発光螢光体)のような可
視光線発光螢光体、LiY1-x-y NdX Yby Mo4
12(x=0.1〜0.9)、LiY1-x-y NdX Yby
4 12(x=0.1〜0.9)のような赤外線発光螢
光体、さらには、それらの赤外線発光蛍光体のNd、Y
をほかの希土類元素に置換した赤外線発光螢光体などの
粉末を樹脂中に分散させて塗布したものや、それらの薄
膜などが使用される。そして、上記の薄膜形成法として
は、蒸着法、スパッタリング法などが考えられるが、複
雑な組成の膜を形成しやすいスパッタリング法が好まれ
る。
【0019】これらの光吸収層または光発光層からなる
表示層は、その厚みに関して特に限定されるものではな
いが、光吸収層は通常0.1〜5μmの厚さに形成する
のが好ましく、光発光層は紫外吸収−可視光発光タイプ
の場合、通常0.1〜5μmの厚さに形成するのが好ま
しく、赤外吸収−赤外発光タイプの場合、通常0.5〜
20μmの厚さに形成するのが好ましい。
【0020】光透過度可変層として感熱溶融膜を形成す
る場合には、Sn(スズ)、Al(アルミニウム)、Z
n(亜鉛)、Sb(アンチモン)、Tl(タリウム)、
Te(テルル)、Pb(鉛)、Bi(ビスマス)などの
低融点金属または半金属およびこれらの合金が使用され
るが、価格、膜形成の容易さ、毒性、安定性などから、
Sn、Alが特に好ましい。そして、光透過度可変層と
してこれらの感熱溶融膜を形成する場合、厚みは特に限
定されるものではないが、300〜3000Å(30〜
300nm)程度の厚さが好ましい。
【0021】また、耐熱性の高い無機系螢光体を光発光
層に使用する場合には、光透過度可変層として感熱発色
層や感熱溶融色素層、感熱分解色素層も使用することが
できる。使用される感熱溶融色素、感熱分解色素として
は、シアニン系、ポリメチン系、アントラキノン系、フ
タロシアニン系、ジチオール金属錯塩系などの色素があ
り、これらは200〜700℃で溶融または分解して加
熱部分は光に対して透明になる。
【0022】さらに、Sn、Alなどの感熱溶融膜を光
透過度可変層として形成している場合には、その溶融時
の凝集をよくして、パターンを記録しやすくしたり、あ
るいは光透過度可変層を保護するため、光透過度可変層
の一方の面または両面に、例えばアクリルシリコン樹
脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂などの流動化温度が
感熱溶融膜より若干低い(通常10〜30℃低い)樹脂
の中間層を形成することが好ましい。
【0023】また、光発光層の下側(つまり、光発光層
と基体との間)または基体が透明な場合は該透明な基体
の光発光層の形成面とは反対側の面に、光反射率の高い
層を形成すれば、光の検知効率が高くなるので好まし
い。このような光反射層には、通常、金属が使用され
る。例えば、感熱溶融膜をSnなどの低融点の金属で形
成する場合には、光反射層の形成にはIr(イリジウ
ム)、Zr(ジルコニウム)、W(タングステン)、T
a(タンタル)、Ti(チタン)、Cu(銅)、Pt
(白金)、Pd(パラジウム)、Mo(モリブデン)、
Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Ni(ニッケ
ル)、Fe(鉄)、Ag(銀)、Au(金)、ステンレ
ス鋼のような感熱溶融膜の金属よりも高融点の金属また
は合金や白色のポリエステル樹脂のような反射率の高い
樹脂、白色顔料などが用いられる。また、このような光
反射層は基体を兼ねることができる。
【0024】上記のように光反射層を光発光層の下側に
形成する理由は、ステンレス鋼のような高融点の金属ま
たは合金からなる光反射層が、光発光層の反対側に出る
光を反射して光の受光効率を良くしたり、Snのような
低融点金属からなる感熱溶融膜を溶融した場合の反射率
の変化を小さくして、印字パターンの目視判別をより困
難にするためである。
【0025】このような光反射層は、金属で形成する場
合、通常100〜1000Åの厚さに形成するのが好ま
しく、白色顔料で形成する場合は通常1〜20μmの厚
さに形成するのが好ましい。そして、光反射層が基体を
兼ねている場合には通常30〜300μmの厚さに形成
するのが好ましい。
【0026】また、上記のように、ステンレス鋼のよう
な高融点の金属または合金からなる光反射層を光発光層
の下側に形成する場合には、光反射層の上にポリウレタ
ン樹脂のような樹脂層を形成することが好ましい。この
ような樹脂層は光反射層と光発光層との接着性を向上さ
せる効果がある。なお、感熱溶融膜にSnのように融点
が非常に低い金属を使用する場合には、光反射層にAl
などの融点が比較的低い金属も使用することができる。
【0027】さらに、光吸収層または光発光層として赤
外線吸収色素または赤外線発光体を使用する場合には、
上記の光透過度可変層の上に、マジェンダ、イエロー、
レッド、ブラック染料(補色を吸収するタイプのブラッ
ク染料は赤外線を吸収しない)のような赤外線を吸収し
ない染料を塗布するか、またはこれらの染料を含有する
樹脂層を迷彩層として形成しても良い。これは、光吸収
材または光発光材が薄く着色している場合があるので、
光吸収層または光発光層からなる表示層のパターンを目
立たなくするためである。
【0028】また、迷彩層は光透過度可変層に特定パタ
ーンを印字した後、形成してもよい。たとえば青色顔料
(日本化薬社製、PC cyan 2P)1%または黄
色染料(BASF社製、Zapon Fast Yel
low GR)3%を含むポリウレタン樹脂層を0.2
〜0.3mm幅の帯状に0.2〜0.3mmのピッチ
で、光発光層のパターンが形成される部分に設けるとよ
い。
【0029】さらに、光透過度可変層などを保護するた
めに、最上層に紫外線硬化型エポキシアクリレート樹
脂、アクリル−シリコン樹脂などで保護層を形成しても
よい。
【0030】これらの迷彩層や保護層は、その厚みに関
して特に限定されるものではないが、迷彩層は通常0.
05〜2μmの厚みに形成するのが好ましく、保護層は
通常100Å〜5μmの厚さに形成するのが好ましい。
【0031】基体には、ポリエステルフィルム、塩化ビ
ニル樹脂フィルム、ポリアセテートフィルムなどの樹脂
フィルムや、合成紙、紙、アルミニウム板、ステンレス
鋼板などが用いられる。また、樹脂フィルム、合成紙や
紙を使用する場合には、これらに光吸収色素または光発
光螢光体を含浸するなどして基体と光吸収層または光発
光層からなる表示層を一体にしてもよい。
【0032】つぎに、本発明の光吸収または光発光パタ
ーン表示媒体を図1〜10を参照しつつ説明する。これ
ら図1〜図10に示す光吸収または光発光パターン表示
媒体は、いずれも、ラベルとして仕上げたものである。
なお、上記光吸収または光発光パターン表示媒体を構成
する要素のうち、光吸収層または光発光層からなる表示
層、光透過度可変層および基体は必須の構成要素である
が、これら以外のものは省略することができる。また、
光吸収層または光発光層からなる表示層と基体などは一
体化していてもよい。
【0033】図1に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、基体1の上に光吸収層または光発光層からな
る表示層2を形成し、その光吸収層または光発光層から
なる表示層2上に光透過度可変層3を形成したものであ
る。
【0034】図2に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、透明な基体1の一方の面に光吸収層または光
発光層からなる表示層2を形成し、該透明な基体1の他
方の面、すなわち透明な基体1の表示層2の形成面とは
反対側の面に光透過度可変層3を形成したものである。
【0035】図3に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、基体1の上に光吸収層または光発光層からな
る表示層2を形成し、その光吸収層または光発光層から
なる表示層2上に光透過度可変層3を形成し、該光透過
度可変層3上に保護層4を形成したものである。
【0036】図4に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、図1に示す光吸収または光発光パターン表示
媒体の表示層2の下側、つまり上記表示層2と基体1と
の間に光反射層6を設け、かつ光透過度可変層3と上記
表示層2との間に中間層5を設けたものに相当し、基体
1の上に光反射層6、光吸収層または光発光層からなる
表示層2、中間層5、光透過度可変層3を順次形成した
ものである。
【0037】図5に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、透明な基体1の一方の面に光吸収層または光
発光層からなる表示層2および光反射層6を順次形成
し、透明な基体1の他方の面に光透過度可変層3および
保護層4を順次形成したものである。
【0038】図6に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、基体1の上に光反射層6、光吸収層または光
発光層からなる表示層2、中間層5、光透過度可変層3
および保護層4を順次形成したものである。
【0039】図7に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、透明な基体1の一方の面に光吸収層または光
発光層からなる表示層2および光反射層6を順次形成
し、透明な基体1の他方の面に、中間層5、光透過度可
変層3、中間層5、迷彩層7および保護層4を順次形成
したものである。
【0040】図8に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、基体1の上に光反射層6、光吸収層または光
発光層からなる表示層2、中間層5、光透過度可変層
3、中間層5、迷彩層7および保護層4を順次形成した
ものである。
【0041】図9に示す光吸収または光発光パターン表
示媒体は、基体1の上に光吸収層または光発光層からな
る表示層2、中間層5、光透過度可変層3、中間層5、
迷彩層7および保護層4を順次形成したものである。
【0042】図10に示す光吸収または光発光パターン
表示媒体は、基体1の上に光反射層6、光吸収層または
光発光層からなる表示層2、中間層5、光透過度可変層
3、中間層5および保護層4を順次形成したものであ
る。
【0043】上記のようにラベルとして作製された光吸
収または光発光パターン表示媒体は、そのラベル発行時
に光透過度可変層の光透過度を加熱などの手段で変化さ
せてバーコードなどのパターンが印字される。
【0044】光吸収層または光発光層からなる表示層2
に赤外線吸収色素や螢光体を使用している場合には、そ
のパターンはほとんど肉眼では見えないが、読取装置を
使用すればパターンを読み取ることができる。
【0045】また、この表示媒体上には、必要に応じ
て、保護層4、基体1、光反射層6、光吸収層または光
発光層からなる表示層2、光透過度可変層3上などに、
例えば発行番号、発行日、商品名、発行店、価格、デザ
インなどの必要可視情報をインクリボン、印刷、転写な
どの手段で印字することができる。通常、この可視情報
はバーコードパターン以外の部分に印字されるが、光吸
収層または光発光層からなる表示層2の材料に赤外線吸
収材料や赤外線発光材料を使用し、印字用のインクに赤
外線を吸収しない材料を使用すれば、バーコードパター
ン上に重ね印字することができる。
【0046】すなわち、光透過度可変層にSnを使用
し、バーコードパターンなどを加熱印字し、可視情報を
インクリボンで加熱印字しても、可視情報部分の下のS
nは溶融しないので重ね書きが可能である。ただし、こ
のような場合には光透過度可変層に高融点のAlなどを
使用することが好ましい。なお、印刷や転写などの手段
で印字する場合には光透過度可変層の材質を自由に選択
することができる。
【0047】つぎに、光透過度可変層を可逆的に光透過
度が変化する構成にする場合について説明すると、この
ような可逆的に光透過度が変化する光透過度可変層とし
ては、例えば、加熱によって可逆的に光透過度が変化す
る膜、電圧印加によって可逆的に光透過度が変化する
膜、光照射によって可逆的に光透過度が変化する膜など
があげられる。
【0048】上記加熱によって可逆的に光透過度が変化
する膜としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体
とステアリン酸とからなる膜などがあげられ、電圧印加
によって可逆的に光透過度が変化する膜としては、例え
ば導電性高分子膜などがあげられる。また、光照射によ
って可逆的に光透過度が変化する膜としては、例えばチ
オ−スチルペンからなる膜などがあげられる。
【0049】これらの可逆的に光透過度が変化する光透
過度可変層によってラベル上にパターンを表示する場合
の具体的手段は、前記の非可逆的に光透過度が変化する
光透過度可変層による場合と同じである。
【0050】この可逆的に光透過度が変化する光透過度
可変層による場合は、可視情報を書き換える必要がない
場合には、パターンのみを書き換えて繰り返し使用でき
るという大きな利点がある。
【0051】これを表示層の光発光層として赤外線発光
層を形成し、その上にスチレン−ブタジエン共重合体と
ステアリン酸とからなる膜を形成したものについて具体
例を説明する。所望パターンをスチレン−ブタジエン共
重合体とステアリン酸とからなる膜に形成しておくと、
この膜は65℃以上に加熱された部分のみが赤外線に対
して透明になるので、スチレン−ブタジエン共重合体と
ステアリン酸とからなる膜に形成されたパターンに対応
した透明部分からのみ赤外線が発光する。このパターン
を消去する場合にはラベル全体を約80℃に加熱すれば
全体が白色になり赤外線は発光しなくなる。
【0052】すなわち、スチレン−ブタジエン共重合体
とステアリン酸とからなる膜は、65℃以上に加熱され
ると透明になり、常温に戻しても透明を保ち得る。した
がって、この膜上に形成されたパターンに対応した透明
部分から赤外線が発光する。そして、再度80℃に加熱
すると常温に戻したときに白濁し、赤外線が発光し得な
くなり、さらに65℃に加熱すると透明になるので、可
逆的に光透過度を変化させることができる。
【0053】このように、光透過度可変層を可逆的に光
透過度が変化する態様にする場合、その厚みは特に限定
されるものではないが、通常2〜30μm程度の厚さに
形成するのが好ましい。
【0054】上記の二つの手段(つまり、非可逆的に光
透過度が変化する光透過度可変層によるパターン表示付
与手段と可逆的に光透過度が変化する光透過度可変層に
よるパターン表示付与手段)を併用しても良いし、また
光吸収層または光発光層からなる表示層の一部を赤外線
吸収材料や螢光体で形成し、その部分に目立ちにくいバ
ーコードなどのパターンを印字し、それ以外の部分の光
吸収層または光発光層からなる表示層にカーボンブラッ
クなどを使用して、その部分に可視情報を印字してもよ
い。
【0055】読取装置としては、本発明の光吸収または
光発光パターン表示媒体に、例えば約800nmの近赤
外線を照射して赤外線発光層から出てくる約950nm
の赤外線のパターンを検知・判別できる装置や、約36
5nmの紫外線を照射して螢光体層から出てくる可視光
線のパターンを検知・判別できる装置、約950nmの
近赤外線を照射して赤外線吸収層で吸収された赤外線の
パターンを検知・判別できる装置、などが使用される。
【0056】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、そ
れらの実施例は本発明に何らの制限を加えるものではな
い。なお、以下において濃度を示す%は特別な付記がな
いかぎり重量%である。
【0057】実施例1 まず、厚さ188μmの透明ポリエステルフィルム上に
厚さ0.1μmのAl(アルミニウム)膜を蒸着により
形成した。
【0058】つぎに、ポリウレタン樹脂をシクロヘキサ
ノン/トルエンの1/1(容量比)の混合溶媒に5%の
濃度で溶解したポリウレタン樹脂液を上記Al膜上に乾
燥後の厚さが500Å(50nm)になるように塗布し
た。
【0059】ついで、その上に下記組成の塗料を塗布
し、乾燥して、表示層となる厚さ4μmの赤外線発光層
を形成した。
【0060】 LiNd0.9 Yb0.1 Mo4 12粉末 30重量部 (平均粒径:0.5μm) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20重量部 (ユニオンカーバイド社製、VAGF) ポリウレタン樹脂 10重量部 (大日本インキ化学工業社製、パンデックスT5201) イソシアネート架橋剤 1重量部 (日本ポリウレタン社製、コロネートL) トルエン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部
【0061】この赤外線発光層上に、下記組成の塗料を
塗布し、乾燥して、下層側の中間層となる厚さ2μmの
アクリルシリコン樹脂層を形成した。
【0062】 アクリルシリコン樹脂 40重量部 (チッソ社製、サイラコート) キシレン 60重量部
【0063】このアクリルシリコン樹脂層上に真空蒸着
法で厚さ約500Å(50nm)のSn(錫)膜を形成
した。
【0064】さらに、このSn膜上に上記のアクリルシ
リコン樹脂層と同じ塗料を塗布し、乾燥して、上層側の
中間層となる厚さ2μmのアクリルシリコン樹脂層を形
成した。
【0065】この上層側の中間層としてのアクリルシリ
コン樹脂層上に、迷彩層として700nm以上の赤外線
を吸収しない青色染料(日本化薬社製、PC cyan
2P)を1%含むポリウレタン樹脂層を約1μmの厚
さに形成した後、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹
脂(大日本インキ化学工業社製、V5510)を塗布
し、乾燥、硬化して厚さ約1μmの紫外線硬化型エポキ
シアクリレート樹脂からなる保護層を形成し、ついで、
これを所定のサイズに裁断して光発光パターン表示ラベ
ルを作製した。
【0066】上記のようにして作製された光発光パター
ン表示ラベルは図8に示す構造のものであり、この実施
例1の光発光パターン表示ラベルを図8を用いて説明す
ると次の通りである。
【0067】基体1は厚さ188μmの透明ポリエステ
ルフィルムからなり、この基体1上にはAl膜からなる
光反射層6が形成されている。
【0068】ただし、この実施例1に示す光発光パター
ン表示ラベルでは、図示していないが、上記Al膜から
なる光反射層6上に厚さ500Åのポリウレタン樹脂層
を形成し、その上に赤外線発光層からなる表示層2を4
μmの厚さに形成して、上記ポリウレタン樹脂層により
光反射層6としてのAl膜と表示層2としての赤外線発
光層との接着が良好になるようにしている。
【0069】上記赤外線発光層からなる表示層2上に
は、赤外線の透過度を可変するために厚さ約500Åの
Sn膜からなる光透過度可変層3が形成され、その光透
過度可変層3上に700nm以上の赤外線を吸収しない
青色染料を含有する厚さ約1μmのポリウレタン樹脂層
からなる迷彩層7が形成され、さらにその迷彩層7上に
紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂からなる保護層
4が形成されている。
【0070】ただし、この実施例1の光発光パターン表
示ラベルでは、Sn膜からなる光透過度可変層3の機能
を向上させるために、その光透過度可変層3の下側、つ
まり赤外線発光層からなる表示層2上に厚さ2μmのア
クリルシリコン樹脂層を下層側の中間層5として形成
し、またSn膜からなる光透過度可変層3の形成後、そ
の上に厚さ2μmのアクリルシリコン樹脂層を上層側の
中間層5として形成している。ただし、これらのアクリ
ルシリコン樹脂層からなる中間層は、両者とも、なくて
もよい。
【0071】同様に、光反射層6、迷彩層7、保護層5
なども、光発光パターン表示ラベルの機能(光発光パタ
ーン表示媒体としての機能および印字パターンを肉眼で
は目立ちにくくして、ラベルのデザイン性を高める機
能)をよりよく発揮させるためのものであり、必ず必要
とされるものではない。
【0072】つまり、光反射層6は発光赤外線の検知能
力を高めるためのものであり、迷彩層7は表示層2の赤
外線発光層の発光パターンを目立ちにくくするためのも
のであり、保護層4は光透過度可変層3などを保護する
ためのものであって、これらがなくても、本発明におけ
る光発光パターン表示ラベルの本質的機能(つまり、光
発光パターン表示媒体としての機能および印字パターン
を肉眼では目立ちにくくして、ラベルのデザイン性を高
める機能)は発揮することができる。
【0073】実施例2 光反射層6として、Al膜に代えて非磁性のステンレス
鋼膜を形成し、光透過度可変層3として、Sn膜に代え
てAl膜を形成したことを除き、実施例1と同様にして
光発光パターン表示ラベルを作製した。この実施例2の
光発光パターン表示ラベルは、上記実施例1の光発光パ
ターン表示ラベルと同様に、図8に示す構造のものであ
る。
【0074】実施例3 Al膜からなる光反射層6を形成せず、かつ基体1とし
て、透明ポリエステルフィルムに代えて白色ポリエステ
ルフィルムを使用したことを除き、実施例1と同様にし
て光発光パターン表示ラベルを作製した。この実施例3
の光発光パターン表示ラベルは図9に示す構造のもので
ある。
【0075】実施例4 700nm以上の赤外線を吸収しない青色染料を含有す
るポリウレタン樹脂からなる迷彩層7を形成しなかった
ことを除き、実施例1と同様にして光発光パターン表示
ラベルを作製した。この実施例5の光発光パターン表示
ラベルは図10に示す構造のものである。
【0076】実施例5 まず、厚さ188μmの透明ポリエステルフィルム上に
厚さ0.1μmのAl(アルミニウム)膜を蒸着により
形成した。
【0077】つぎに、ポリウレタン樹脂をシクロヘキサ
ノン/トルエンの1/1(容量比)の混合溶媒に5%の
濃度で溶解したポリウレタン樹脂液を上記Al膜上に乾
燥後の厚さが500Å(50nm)になるように塗布し
た。
【0078】ついで、その上に下記組成の塗料を塗布
し、乾燥して、表示層となる厚さ2μmの赤外線吸収層
を形成した。
【0079】 赤外線吸収剤 12重量部 (三井東圧化学社製、PA−1006) 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 50重量部 (ユニオンカーバイト社製、VAGF) ポリウレタン樹脂 30重量部 (東洋紡績社製、UR8310) イソシアネート架橋剤 1重量部 (日本ポリウレタン社製、コロネートL) トルエン 100重量部 シクロヘキサノン 100重量部
【0080】この赤外線吸収層上に、下記組成の塗料を
塗布し、乾燥して、下層側の中間層となる厚さ2μmの
アクリルシリコン樹脂層を形成した。
【0081】 アクリルシリコン樹脂 40重量部 (チッソ社製、サイラコート) キシレン 60重量部
【0082】このアクリルシリコン樹脂層上に真空蒸着
法で厚さ約500Å(50nm)のSn(錫)膜を形成
した。
【0083】さらに、このSn膜上に上記のアクリルシ
リコン樹脂層と同じ塗料を塗布し、乾燥して、上層側の
中間層となる厚さ2μmのアクリルシリコン樹脂層を形
成した。
【0084】この上層側のアクリルシリコン樹脂層上
に、迷彩層として700nm以上の赤外線を吸収しない
青色染料(日本化薬社製、PC cyan 2P)を1
%含むポリウレタン樹脂層を約1μmの厚さに形成した
後、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂(大日本イ
ンキ化学工業社製、V5510)を塗布し、乾燥、硬化
して厚さ約1μmの紫外線硬化型エポキシアクリレート
樹脂からなる保護層を形成し、ついで、これを所定のサ
イズに裁断して光吸収パターン表示ラベルを作製した。
【0085】上記のようにして作製された光吸収パター
ン表示ラベルは図8に示す構造のものであり、この実施
例1の光吸収パターン表示ラベルを図8を用いて説明す
ると次の通りである。
【0086】基体1は厚さ188μmの透明ポリエステ
ルフィルムからなり、この基体1上にはAl膜からなる
光反射層6が形成されている。
【0087】ただし、この実施例5に示す光吸収パター
ン表示ラベルでは、図示していないが、上記Al膜から
なる光反射層6上に厚さ500Åのポリウレタン樹脂層
を形成し、その上に赤外線吸収層からなる表示層2を2
μmの厚さに形成して、上記ポリウレタン樹脂層により
光反射層6としてのAl膜と表示層2としての赤外線吸
収層との接着が良好になるようにしている。
【0088】上記赤外線吸収層からなる表示層2上に
は、赤外線の透過度を可変するために厚さ約500Åの
Sn膜からなる光透過度可変層3が形成され、その光透
過度可変層3上に700nm以上の赤外線を吸収しない
青色染料を含有する厚さ約1μmのポリウレタン樹脂層
からなる迷彩層7が形成され、さらにその迷彩層7上に
紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂からなる保護層
4が形成されている。
【0089】ただし、この実施例5の光吸収パターン表
示ラベルでは、Sn膜からなる光透過度可変層3の保護
のために、その光透過度可変層3の下側、つまり赤外線
吸収層からなる表示層2上に厚さ2μmのアクリルシリ
コン樹脂層を下層側の中間層5として形成し、またSn
膜からなる光透過度可変層3の形成後、その上に厚さ2
μmのアクリルシリコン樹脂層を上層側の中間層5とし
て形成している。ただし、これらのアクリルシリコン樹
脂層からなる中間層は、両者とも、なくてもよい。
【0090】同様に、光反射層6、迷彩層7、保護層4
なども、上記の光吸収パターン表示ラベルの機能(光吸
収パターン表示媒体としての機能および印字パターンを
肉眼では目立ちにくくして、ラベルのデザイン性を高め
る機能)をよりよく発揮させるためのものであり、必ず
必要とされるものではない。
【0091】つまり、光反射層6は印字したパターンを
より目立ちにくくするためのものであり、迷彩層7も表
示層2としての赤外線吸収層の吸収パターンをさらに目
立ちにくくするためのものであり、保護層4は光透過度
可変層3などを保護するためのものであって、これらが
なくても、本発明における光吸収パターン表示ラベルの
本質的機能は発揮することができる。
【0092】実施例6 まず、厚さ約200μmのガラス板(コーニング社製7
059ガラス)上にNi膜をスパッタ法で形成した。
【0093】ついで、スパッタ法でZnS:Mn2+(9
9.2%+0.8%)膜を4μmの厚さに形成した後、
SiO2 膜を100nmの厚さに形成した。
【0094】この上にAl膜を100nmの厚さに形成
して光発光パターン表示ラベルを作製した。
【0095】この光発光パターン表示ラベルは放電破壊
によってパターンを表示するもので、400℃程度の高
温で使用するFA用ラベルの一例である。
【0096】上記のようにして作製された光発光パター
ン表示ラベルは図4に示す構造のものであり、この実施
例6の光発光パターン表示ラベルを図4を用いて説明す
ると次の通りである。
【0097】基体1は厚さ約200μmのガラス板から
なり、この基体1にNi膜からなる光反射層6が形成さ
れ、該光反射層6上に、紫外線を照射すると可視光線が
発光するZnS:Mn2+膜からなる表示層2が4μmの
厚さに形成されている。
【0098】そして、上記ZnS:Mn膜からなる表示
層2上に厚さ100nmのSiO2膜からなる中間層5
とAl膜からなる光透過度可変層3が順次形成されてい
る。
【0099】上記SiO2 膜からなる中間層5は、Zn
S:Mn2+膜からなる表示層2を保護するためのもので
あるが、この中間層5はなくてもよい。
【0100】同様に、光反射層6も、上記光発光パター
ン表示ラベルの読み取りS/Nをより高くするためのも
のであり、必ず必要とされるものではない。つまり、光
反射層6はその反対側に出る光を反射して印字したパタ
ーンからの信号(S)を高くするためのものである。
【0101】また、この光反射層6はパターンをさらに
目立ちにくくする効果もある。しかし、この光反射層6
がなくても、本発明の光発光パターン表示ラベルの本質
的機能(つまり、光発光パターン表示媒体としての機能
および印字パターンを目立ちにくくして、ラベルのデザ
イン性を高める機能など)は発揮することができる。
【0102】試験例1 実施例1の光発光パターン表示ラベルに加熱印字用ヘッ
ド(印加エネルギー;35mj/mm2 、1ドットの大
きさ;120μm×120μm)を使用してバーコード
(最低バーコード幅;0.3mm)印字を行なった。印
字バーコードは肉眼ではほとんど目立たなかった。ま
た、このラベルのバーコードを、800nmの近赤外線
を照射して表示層2として形成されている赤外線発光層
から出てくる950nmの赤外線のパターンを検知・判
別できる装置で読み取ったところ、最低バーコード幅が
0.3mmと狭いにもかかわらず、正確に読み取ること
ができた。
【0103】また、このバーコード上に、補色吸収タイ
プの黒色染料(BASF社製、ビスアゾ系色素Sude
n Deep Black BB)で印字を行なった
が、バーコードを正確に読み取ることができた。
【0104】実施例2の光発光パターン表示ラベルに放
電破壊印字用ヘッド(印加電圧;50V、印字速度;5
0mm/sec、1ドットの大きさ;100μm×10
0μm)を使用してバーコード(最低バーコード幅;
0.25mm)印字を行なった。印字バーコードは肉眼
ではほとんど目立たなかった。また、このラベルのバー
コードを、800nmの近赤外線を照射して表示層2と
して形成されている赤外線発光層から出てくる950n
mの赤外線のパターンを検知・判別できる装置で読み取
ったところ、最低バーコード幅が0.25mmと狭いに
もかかわらず、正確に読み取ることができた。
【0105】実施例3の光発光パターン表示ラベルに加
熱印字用ヘッド(印加エネルギー;35mj/mm2
1ドットの大きさ;120μm×120μm)を使用し
てバーコード(最低バーコード幅;0.4mm)印字を
行なった。印字バーコードは肉眼ではほとんど目立たな
かった。また、このラベルのバーコードを、800nm
の近赤外線を照射して表示層2として形成されている赤
外線発光層から出てくる950nmの赤外線のパターン
を検知・判別できる装置で読み取ったところ、最低バー
コード幅が0.4mmと狭いにもかかわらず、正確に読
み取ることができた。
【0106】実施例4の光発光パターン表示ラベルに加
熱印字用ヘッド(印加エネルギー;35mj/mm2
1ドットの大きさ;120μm×120μm)を使用し
てバーコード(最低バーコード幅;0.25mm)印字
を行なった。印字バーコードの印字自体は注意深く観測
すると肉眼でも見ることができたが、ほとんど目立たな
かった。また、このラベルのバーコードを、800nm
の近赤外線を照射して表示層2として形成されている赤
外線発光層から出てくる950nmの赤外線のパターン
を検知・判別できる装置で読み取ったところ、最低バー
コード幅が0.25mmと狭いにもかかわらず、正確に
読み取ることができた。
【0107】試験例2 実施例5の光吸収パターン表示ラベルに加熱印字用ヘッ
ド(印加エネルギー;35mj/mm2 、1ドットの大
きさ;120μm×120μm)を使用してバーコード
(最低バーコード幅;0.3mm)印字を行なった。印
字バーコードは肉眼ではほとんど目立たなかった。ま
た、このラベルのバーコードを、1000nmの近赤外
線を照射して1000nmの赤外線吸収のパターンを検
知・判別できる装置で読み取ったところ、最低バーコー
ド幅が0.3mmと狭いにもかかわらず、正確に読み取
ることができた。
【0108】試験例3 実施例6の光吸収パターン表示ラベルに放電破壊印字用
ヘッド(印加電圧;50V、印字速度;50mm/se
c、1ドットの大きさ;100μm×100μm)を使
用してバーコード(最低バーコード幅;0.25mm)
印字を行なった。印字バーコードは肉眼でも見えるが、
目立つほどではなかった。また、このラベルのバーコー
ドを、紫外線を照射して約590nmの可視光線の発光
のパターンを検知・判別できる装置で読み取ったとこ
ろ、最低バーコード幅が0.25mmと狭いにもかかわ
らず、正確に読み取ることができた。
【0109】上記試験例1〜3に示すように、本発明の
光吸収または光発光パターン表示ラベルはパターンを印
字しても目立ちにくく、かつ最低バーコード幅が狭くて
も読取装置(バーコードリーダ)で読み取ることができ
る。
【0110】本明細書では、実施例を含め、説明はすべ
てラベルについて行ったが、カードはラベルに比べて基
体が若干厚く、自己形状保持性が若干高いだけで本質的
にラベルと構成が異なるものではなく、また本明細書に
おいて、シートとはラベルやカードにするために所定サ
イズに裁断する前の状態のものをいい、ロールとは上記
シートをロール状に巻いたものであって、これらシート
やロールは、ラベルやカードとは形状が異なるだけで、
本質的に構成が異なるものではない。したがって、ラベ
ルについて説明した構成や効果はそのままカード、シー
ト、ロールについても当てはまるものであり、本発明は
ラベルのみならず、カード、シート、ロールの形態をと
る表示媒体のいずれにも適用できるものである。
【0111】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果がある。
【0112】 400〜700nmの波長に主たる吸
収を持たない吸収体または400〜700nmの波長に
主たる吸収を持たない螢光体を含む光吸収層または光発
光層からなる表示層上に光透過度可変層を形成して、光
吸収または光発光パターンの異なる表示媒体を作製する
ことにより、印字したパターンを目立ちにくくし、かつ
最低パターン幅が狭くても印字パターンを読取装置で読
み取ることができる。
【0113】 表示層が光発光層からなる場合、その
光発光層の下側に光反射層を設ければ、発光光線の読み
取り感度がより高くなる。
【0114】 光吸収層または光発光層からなる表示
層の下側に光反射層を設ければ、低融点金属からなる光
透過度可変層を溶融した場合にも、印字パターンがより
目立たなくなり、かつ読み取りS/Nがより高くなる。
【0115】 光吸収層または光発光層からなる表示
層の下側に光反射層を設け、さらに光透過度可変層上に
700nmより長波長の赤外線を吸収しない迷彩層を形
成すれば、低融点金属からなる光透過度可変層を溶融し
た場合にも、光吸収パターンまたは光発光パターンがよ
り目立たなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図2】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図3】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図4】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図5】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図6】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図7】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図8】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図9】本発明に係る光吸収または光発光パターン表示
媒体の要部拡大断面図である。
【図10】本発明に係る光吸収または光発光パターン表
示媒体の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 基体 2 光吸収層または光発光層からなる表示層 3 光透過度可変層 4 保護層 5 中間層 6 光反射層 7 迷彩層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 務 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、基体1と、光吸収層または
    光発光層からなる表示層2と、光透過度可変層3を有
    し、 上記表示層2は、基体1上に形成され、 上記光透過度可変層3は、上記表示層2上または透明な
    基体1の上記表示層2の形成面とは反対側の面に形成さ
    れており、 上記表示層2が、400〜700nmの波長に主たる吸
    収を持たない吸収体または400〜700nmの波長に
    主たる吸収を持たない蛍光体を含有することを特徴とす
    る、 光吸収または光発光パターン表示媒体。
  2. 【請求項2】 光透過度可変層3が、加熱、電圧印加、
    光照射などによって光の透過度が可逆的または非可逆的
    に変化することを特徴とする請求項1記載の光吸収また
    は光発光パターン表示媒体。
  3. 【請求項3】 光透過度可変層3とその上側に形成され
    る保護層4との間または光透過度可変層3の下側のいず
    れか一方または両方に、樹脂層からなる中間層5を設け
    たことを特徴とする請求項1または2記載の光吸収また
    は光発光パターン表示媒体。
  4. 【請求項4】 表示層2が光発光層からなり、該光発光
    層が、400nm以下または700nm以上の波長の光
    を吸収して、400nm以上の波長の光を発光すること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の光吸収または
    光発光パターン表示媒体。
  5. 【請求項5】 表示層2が光発光層からなり、該光発光
    層が、700nmより長波長の光を吸収して、吸収した
    波長とは異なる波長で、かつ700nmより長波長の光
    を発光することを特徴とする請求項1、2、3または4
    記載の光吸収または光発光パターン表示媒体。
  6. 【請求項6】 透明な基体1の光透過度可変層3の形成
    面とは反対側の面に形成されている表示層2の光発光層
    上に、光反射層6を設けたことを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5記載の光吸収または光発光パターン
    表示媒体。
  7. 【請求項7】 表示層2が光吸収層からなり、該光吸収
    層が700nmより長波長の光を吸収することを特徴と
    する請求項1、2または3記載の光吸収または光発光パ
    ターン表示媒体。
  8. 【請求項8】 光透過度可変層3が赤外線透過度可変層
    からなり、該赤外線透過度可変層上に、700nmより
    長波長の赤外線を吸収しない迷彩層7を設けたことを特
    徴とする請求項5、6または7記載の光吸収または光発
    光パターン表示媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005247389A (ja) * 2004-03-05 2005-09-15 Toyo Aluminium Kk 包装体
CN100449624C (zh) * 2003-11-07 2009-01-07 松下电器产业株式会社 光信息记录介质及其记录再现方法以及记录再现装置
JP2013001077A (ja) * 2011-06-21 2013-01-07 Kobayashi Create Co Ltd 光学読取帳票

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