JPH05334659A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
- Publication number
- JPH05334659A JPH05334659A JP14022792A JP14022792A JPH05334659A JP H05334659 A JPH05334659 A JP H05334659A JP 14022792 A JP14022792 A JP 14022792A JP 14022792 A JP14022792 A JP 14022792A JP H05334659 A JPH05334659 A JP H05334659A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- elaidic acid
- oleic acid
- elaidic
- floppy disk
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Lubricants (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
- Magnetic Record Carriers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、走行耐久性を向上させたフロッピ
ーディスクを提供することを目的とする。 【構成】 磁性塗料に、常温で固体でありかつ分子の形
状が細長い平板状である枝分かれのない高級脂肪酸とし
てのエライジン酸を添加し、磁性層にこのエライジン酸
を含有させることにより、優れた走行耐久性を実現した
フロッピーディスクを作製することができる。
ーディスクを提供することを目的とする。 【構成】 磁性塗料に、常温で固体でありかつ分子の形
状が細長い平板状である枝分かれのない高級脂肪酸とし
てのエライジン酸を添加し、磁性層にこのエライジン酸
を含有させることにより、優れた走行耐久性を実現した
フロッピーディスクを作製することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体に関する
ものであり、とりわけ優れた走行耐久性を有するフロッ
ピーディスクに関するものである。
ものであり、とりわけ優れた走行耐久性を有するフロッ
ピーディスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フロッピーディスク(以下、FD
と略記)の開発は長足の進歩を遂げ、益々の高記録密度
化と大容量化が求められている。しかしながら、走行耐
久性の向上は常に求められている課題であり、この走行
耐久性の向上には潤滑剤が重要な役割を果たしている。
これらの潤滑剤に関して開示された従来技術は枚挙にい
とまがないが、その多くは汎用の潤滑剤、およびその組
合せの場合がほとんどである。しかし、価格的に高い潤
滑剤でも少量でその効果が著しいものもあるが、それら
の潤滑剤に関する報告はほとんどないのが実状であっ
た。
と略記)の開発は長足の進歩を遂げ、益々の高記録密度
化と大容量化が求められている。しかしながら、走行耐
久性の向上は常に求められている課題であり、この走行
耐久性の向上には潤滑剤が重要な役割を果たしている。
これらの潤滑剤に関して開示された従来技術は枚挙にい
とまがないが、その多くは汎用の潤滑剤、およびその組
合せの場合がほとんどである。しかし、価格的に高い潤
滑剤でも少量でその効果が著しいものもあるが、それら
の潤滑剤に関する報告はほとんどないのが実状であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、潤滑剤
の物性と分子構造との関係を検討し、潤滑剤としての望
ましい物性を実現するような分子構造を有する潤滑剤を
選定すれば、少量でも潤滑剤としての効果は顕著とな
る。本発明では、このような物性と分子構造の潤滑剤を
具体的に見出し、磁性層に含有させ、走行耐久性に優れ
たフロッピーディスクを作製することを目的とする。
の物性と分子構造との関係を検討し、潤滑剤としての望
ましい物性を実現するような分子構造を有する潤滑剤を
選定すれば、少量でも潤滑剤としての効果は顕著とな
る。本発明では、このような物性と分子構造の潤滑剤を
具体的に見出し、磁性層に含有させ、走行耐久性に優れ
たフロッピーディスクを作製することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】常温で固体状態であり、
分子の構造が全体として細長い平面状で潤滑剤分子間で
の滑性が生じるようであれば、固体潤滑剤としての効果
が著しく向上することになる。また、枝分かれのない高
級脂肪酸であれば、磁性層中で滑り性も更に向上する。
その上、実用耐久性からは高温側としては45℃まで固
体状態であればよく、分子量が小さい(融点も対応して
一般に低くなる)ことは、量的な関係から潤滑剤として
の効率は添加量からみて良いことになる。以上の観点か
ら潤滑剤の具体的な物質としては、エライジン酸(Elai
dic Acid)が選定される。本発明のフロッピーディスク
は上記課題を解決するために、常温で固体でありかつ分
子の形状が全体として細長い平面状であるような枝分か
れのない高級脂肪酸の中のエライジン酸を、磁性層中に
含有するという構成を有している。
分子の構造が全体として細長い平面状で潤滑剤分子間で
の滑性が生じるようであれば、固体潤滑剤としての効果
が著しく向上することになる。また、枝分かれのない高
級脂肪酸であれば、磁性層中で滑り性も更に向上する。
その上、実用耐久性からは高温側としては45℃まで固
体状態であればよく、分子量が小さい(融点も対応して
一般に低くなる)ことは、量的な関係から潤滑剤として
の効率は添加量からみて良いことになる。以上の観点か
ら潤滑剤の具体的な物質としては、エライジン酸(Elai
dic Acid)が選定される。本発明のフロッピーディスク
は上記課題を解決するために、常温で固体でありかつ分
子の形状が全体として細長い平面状であるような枝分か
れのない高級脂肪酸の中のエライジン酸を、磁性層中に
含有するという構成を有している。
【0005】
【作用】本発明では、上記の物性と分子構造を有する潤
滑剤を磁性層に含有させることにより、優れた走行耐久
性を実現できる。即ち、エライジン酸を磁性層に含有し
た本発明のフロッピーディスクは、優れた走行耐久性を
有することができる。このエライジン酸はオレイン酸の
幾何異性体でありトランス型の構造である。このことに
より、エライジン酸の物性は汎用の潤滑剤であるオレイ
ン酸とは異なってくる。即ち、分子量は282と同じで
あるが、常温では無色の鱗片状の固体(融点は44.5
℃)であり滑性がある。また、分子の立体障害は小さく
内部潤滑剤として優れている。試薬としての価格はオレ
イン酸と比較してかなり高いが、熱的な安定性はオレイ
ン酸より優れている。
滑剤を磁性層に含有させることにより、優れた走行耐久
性を実現できる。即ち、エライジン酸を磁性層に含有し
た本発明のフロッピーディスクは、優れた走行耐久性を
有することができる。このエライジン酸はオレイン酸の
幾何異性体でありトランス型の構造である。このことに
より、エライジン酸の物性は汎用の潤滑剤であるオレイ
ン酸とは異なってくる。即ち、分子量は282と同じで
あるが、常温では無色の鱗片状の固体(融点は44.5
℃)であり滑性がある。また、分子の立体障害は小さく
内部潤滑剤として優れている。試薬としての価格はオレ
イン酸と比較してかなり高いが、熱的な安定性はオレイ
ン酸より優れている。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を、フロッピーディス
クについて説明する。
クについて説明する。
【0007】 Baフェライト磁性粉(東芝(株)製、品番;BF−5AR)……5000g 塩ビ系共重合体樹脂(日本ゼオン(株)製の品番;MR−110)……600g ポリウレタン樹脂(東洋紡績(株)製の品番;UR−8300)……400g の上記組成物をニーダーで混練した後に、サンドミルで
分散し、更にアルミナペースト、およびカーボンペース
トを添加する。但し、アルミナペースト中のアルミナは
250gになるように添加し、カーボンペースト中のカ
ーボンも同様に200gになるように添加する。
分散し、更にアルミナペースト、およびカーボンペース
トを添加する。但し、アルミナペースト中のアルミナは
250gになるように添加し、カーボンペースト中のカ
ーボンも同様に200gになるように添加する。
【0008】アルミナペーストは、α−アルミナ(住友
化学(株)製の品番;AKP−20)と、上記のポリウ
レタン樹脂の固形分の比率がアルミナ/樹脂=7/1に
なるようにして、サンドミルを用いてあらかじめ分散し
調製しておく。
化学(株)製の品番;AKP−20)と、上記のポリウ
レタン樹脂の固形分の比率がアルミナ/樹脂=7/1に
なるようにして、サンドミルを用いてあらかじめ分散し
調製しておく。
【0009】同様にカーボンペーストも、カーボンブラ
ック(三菱化成(株)製の品番;#3250B)と上記
のポリウレタン樹脂の固形分の比率がカーボンブラック
/樹脂=1/1になるようにして、ニーダーとサンドミ
ルを用いてあらかじめ分散し調製しておく。
ック(三菱化成(株)製の品番;#3250B)と上記
のポリウレタン樹脂の固形分の比率がカーボンブラック
/樹脂=1/1になるようにして、ニーダーとサンドミ
ルを用いてあらかじめ分散し調製しておく。
【0010】これらの混合物をサンドミルで更に分散さ
せ、潤滑剤、および硬化剤として下記の材料を所定の量
だけ添加する。
せ、潤滑剤、および硬化剤として下記の材料を所定の量
だけ添加する。
【0011】 脂肪酸:エライジン酸……………………………………表1に記載 脂肪酸:ステアリン酸……………………………………30g 脂肪酸エステル:オレイルオレート………………………30g 脂肪酸エステル:ブトキシエチルステアレート…………30g 硬化剤:日本ポリウレタン(株)製の品番;H−101(固形分換算)200 g 更に、容剤を添加して、MEK/トルエン/シクロヘキ
サノン=3/3/1(重量比)とし、NV(塗料中の不
揮発成分の重量%)=37.0に、すべての塗料を調製
した。
サノン=3/3/1(重量比)とし、NV(塗料中の不
揮発成分の重量%)=37.0に、すべての塗料を調製
した。
【0012】得られた磁性塗料を75μm厚のPETベ
ースフィルム上に塗工し乾燥した後に、反対面にも塗布
し乾燥する。両面をカレンダー処理して表面を平滑化し
た後に、60℃−24hの熱硬化処理を行う。更に、得
られたフィルムをディスク状に打ち抜き、表面を研磨し
てシェルに装着し、磁性層の厚みが2.5μmの3.5
インチFDとして作製した。
ースフィルム上に塗工し乾燥した後に、反対面にも塗布
し乾燥する。両面をカレンダー処理して表面を平滑化し
た後に、60℃−24hの熱硬化処理を行う。更に、得
られたフィルムをディスク状に打ち抜き、表面を研磨し
てシェルに装着し、磁性層の厚みが2.5μmの3.5
インチFDとして作製した。
【0013】エライジン酸の添加重量を、各実施例の番
号に対応して10〜70gの範囲で10g刻みに添加し
たものを(実施例1〜7)とした。また、エライジン酸
の代わりにオレイン酸を10,40,70gを添加した
FDを3枚作製し、各々(比較例1〜3)とした。
号に対応して10〜70gの範囲で10g刻みに添加し
たものを(実施例1〜7)とした。また、エライジン酸
の代わりにオレイン酸を10,40,70gを添加した
FDを3枚作製し、各々(比較例1〜3)とした。
【0014】この10枚の試料FDの走行性の評価を行
うために、ランニングトルクを測定した。内製したトル
クメーターを用いて、ヘッドの位置はトラック16と
し、回転数は300rpmで、23℃−50%RHの一
定条件下での初期トルク、および30分後のトルクを測
定した。この結果を表1に示す。
うために、ランニングトルクを測定した。内製したトル
クメーターを用いて、ヘッドの位置はトラック16と
し、回転数は300rpmで、23℃−50%RHの一
定条件下での初期トルク、および30分後のトルクを測
定した。この結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】更に、この10枚の試料を用いて耐久性に
評価を行った。測定には松下通信工業(株)のフロッピ
ーディスクドライバー(以下、FDDと略記)の品番;
JU−253A3を10台用いた。FDDのヘッドの位
置はトラック16とし、回転数は300rpmで、23
℃−50%RHの一定条件下で1000万パスまで走行
した。その後、トラック品質を測定し、判定基準に従っ
て判定した。FDの片面の合計トラック数=80の内、
MPレベルのスライスレベルを60%とした際に、欠陥
となるトラック数が0個のものを判定A、1〜3個のも
のを判定B、10個以内のものを判定C、11個以上の
ものを判定Dとした。この結果を表2に示す。
評価を行った。測定には松下通信工業(株)のフロッピ
ーディスクドライバー(以下、FDDと略記)の品番;
JU−253A3を10台用いた。FDDのヘッドの位
置はトラック16とし、回転数は300rpmで、23
℃−50%RHの一定条件下で1000万パスまで走行
した。その後、トラック品質を測定し、判定基準に従っ
て判定した。FDの片面の合計トラック数=80の内、
MPレベルのスライスレベルを60%とした際に、欠陥
となるトラック数が0個のものを判定A、1〜3個のも
のを判定B、10個以内のものを判定C、11個以上の
ものを判定Dとした。この結果を表2に示す。
【0017】
【表2】
【0018】以上の結果から、エライジン酸を添加して
作製したFDは、走行性の向上(ランニングトルクの低
減)、および耐久性の向上に効果があることが判る。な
お、エライジン酸の添加量については高価な試薬でもあ
るので、所定の特性が得られる範囲内でできるだけ少な
いことが望ましい。ただし、エライジン酸はオレイン酸
の微量の亜硝酸を添加して放置するだけで簡単に生成す
る。従って、試薬としての価格は高いが、エライジン酸
は内製すれば極めて安く作れることになる。
作製したFDは、走行性の向上(ランニングトルクの低
減)、および耐久性の向上に効果があることが判る。な
お、エライジン酸の添加量については高価な試薬でもあ
るので、所定の特性が得られる範囲内でできるだけ少な
いことが望ましい。ただし、エライジン酸はオレイン酸
の微量の亜硝酸を添加して放置するだけで簡単に生成す
る。従って、試薬としての価格は高いが、エライジン酸
は内製すれば極めて安く作れることになる。
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、エライ
ジン酸の添加により、優れた走行耐久性を実現したフロ
ッピーディスクを作製することができる。なお、本発明
はFDに限らず、ビデオテープやオーディオテープなど
の、広い範囲の磁気記録媒体にも利用できることは言う
までもない。
ジン酸の添加により、優れた走行耐久性を実現したフロ
ッピーディスクを作製することができる。なお、本発明
はFDに限らず、ビデオテープやオーディオテープなど
の、広い範囲の磁気記録媒体にも利用できることは言う
までもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 40:18 50:02
Claims (1)
- 【請求項1】非磁性支持体上に磁性塗料を塗工して磁性
層を形成してなる磁気記録媒体で、前記磁性層中にエラ
イジン酸を含有することを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14022792A JPH05334659A (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14022792A JPH05334659A (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05334659A true JPH05334659A (ja) | 1993-12-17 |
Family
ID=15263867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14022792A Pending JPH05334659A (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05334659A (ja) |
-
1992
- 1992-06-01 JP JP14022792A patent/JPH05334659A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3523086A (en) | Magnetic recording material | |
US5223342A (en) | Magnetic recording medium having a lubricating layer comprising a binder and specified perfluoro polyoxyalkyl lubricant | |
US5071715A (en) | Magnetic recording medium with a lubricant layer containing a perfluoro polyoxyalkyl compound | |
EP0138036A2 (en) | Magnetic recording medium | |
US4775595A (en) | Magnetic recording medium | |
JPH05334659A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS61123017A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0766517B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
EP0232162B1 (en) | Magnetic recording medium and process for producing the same | |
JPS61180927A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2867399B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0581646A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS6265235A (ja) | 磁気記録媒体の製造方法 | |
KR900004311B1 (ko) | 비디오용 자기기록매체에 사용되는 백코팅제 | |
KR0148754B1 (ko) | 자기기록 매체의 제조방법 | |
JP2635596B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS62180517A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS6115493B2 (ja) | ||
JP3313140B2 (ja) | 磁気記録媒体およびその製造方法 | |
JPH0581645A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0256722A (ja) | 磁気ディスク | |
JPS6139923A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPS63144418A (ja) | 磁気記録媒体 | |
JPH0792909B2 (ja) | 磁気記録媒体 | |
JP2005004910A (ja) | 磁気記録媒体 |