JPH05332855A - 超音波トルクデバイスおよび超音波トルク測定装置 - Google Patents

超音波トルクデバイスおよび超音波トルク測定装置

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JPH05332855A
JPH05332855A JP16843392A JP16843392A JPH05332855A JP H05332855 A JPH05332855 A JP H05332855A JP 16843392 A JP16843392 A JP 16843392A JP 16843392 A JP16843392 A JP 16843392A JP H05332855 A JPH05332855 A JP H05332855A
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ultrasonic
torque
piezoelectric substrate
power transmission
interdigital
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JP16843392A
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Koji Toda
耕司 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電基板の変位に対応して超音波の伝搬時間
が変化する超音波トルクデバイスと、回転軸のトルクを
測定する超音波トルク測定装置を提供する。 【構成】 すだれ状電極2,4間、および3,5間にそ
れぞれ遅延線発振器を構成すると、すだれ状電極2,4
間、および3,5間にラム波が励振される。動力伝達体
6を回転軸7と8の間に装着し、回転軸7と8を回転さ
せると、動力伝達体6に設けられている圧電基板1には
回転軸7と8のトルク差に比例したねじれが生じる。こ
のねじれによる変位は、それぞれの遅延線発振器の発振
周波数の差に相関する。従って、この発振周波数の差か
ら回転軸7および8のトルク差を算出できる。 【効果】 感度が良く、微少なものから大きなものまで
広範囲のトルク測定が可能な超音波トルク測定装置と、
それに用いられるデバイスを構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電基板の一方の板面
上に少なくとも4組のすだれ状電極A1,A2,B1,
B2を設けて成り、前記圧電基板のねじれによる変位に
対応して、前記すだれ状電極A1とA2との間を伝搬す
る超音波の伝搬時間T1と、B1とB2との間を伝搬す
る超音波の伝搬時間T2との間に差異が生じる超音波ト
ルクデバイスと、該超音波トルクデバイスを遅延素子ま
たは共振子とする発振器を構成し、該発振器の発振周波
数から被検体としての回転軸のトルクを算出する超音波
トルク測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のトルク測定装置としては、吸収動
力計、反動動力計、ねじれトルク計等が挙げられる。吸
収動力計は、原動機の発生する動力を特殊な吸収装置で
吸収し、そこに作用するトルクを測定するものであり、
プロニーブレーキを利用したもの、水抵抗を利用したも
の等がある。反動動力計は、動力供給装置に作用する反
動トルクを測定するものであり、電気動力計等がある。
吸収動力計や反動動力計は原動機のトルク、または負荷
の消費トルクを測定するもので、特殊な測定装置が必要
なので実働状態で用いるには困難である。ねじれトルク
計は、動力伝達軸のねじれからトルクを測定するもので
あり、実働状態のトルクを測定するには最も適してい
る。動力伝達軸にはトルクに比例したねじれが発生して
いることから、そのねじれを測定すれば、トルクを求め
ることができる。ねじれを測定するには機械的、光学
的、電気的方法その他いろいろな方法がある。たとえ
ば、抵抗線ひずみ計型トルク計、磁わい型トルク計、磁
気誘導型トルク計、パルス式トルク計等が挙げられる。
これら従来のトルク測定装置は、概して大型で、微少な
トルクを測定することができなかった。また、構造上の
制約から実働状態で用いることができなかったり、電磁
干渉やノイズによる誤差を生じることが多かった。ま
た、測定対象のトルクの大きさに応じて別々の装置を必
要とした。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のトルク測定装置
は、概して大型で、微少なトルクの測定が不可能で、電
磁干渉やノイズによる誤差が多く、トルクの大きさに応
じたそれぞれの装置を必要とした。
【0004】本発明の目的は、圧電基板の変位に対応し
て該圧電基板を伝搬する超音波の伝搬時間が変化し、超
音波トルク測定装置やその他の装置に応用される超音波
トルクデバイスを提供することにある。
【0005】本発明のもう一つの目的は、感度が良く、
微少なものから大きなものまで広範囲のトルク測定が可
能で、電磁的影響下でも使用でき、静トルクおよび動ト
ルクの両方の測定が可能で、操作が簡単で、応答速度が
速く(測定時間が短く)、小型軽量な超音波トルク測定
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
トルクデバイスは、圧電基板の一方の板面上に少なくと
も4組のすだれ状電極A1,A2,B1,B2を設けて
成る超音波トルクデバイスにおいて、前記すだれ状電極
A1,A2,B1,B2は、電極指が円弧状でそれぞれ
の曲率中心が一致する円弧状すだれ状電極か、または電
極指が直線状である直線状すだれ状電極であって、前記
すだれ状電極A1またはB1を入力用、A2またはB2
を出力用とし、前記すだれ状電極A1とB1との中心点
と、A2とB2との中心点とを結ぶ直線に対し、前記す
だれ状電極A1とB1、およびA2とB2とが互いに線
対称であって、前記すだれ状電極A1とA2との間の超
音波の伝搬路と、B1とB2との間の超音波の伝搬路と
が互いに交差していて、前記すだれ状電極A1とA2と
の離間距離、およびB1とB2との離間距離が等しく、
前記圧電基板のねじれによる変位に対応して、前記すだ
れ状電極A1とA2との間を伝搬する超音波の伝搬時間
T1と、B1とB2との間を伝搬する超音波の伝搬時間
T2との間に差異が生じることを特徴とする。
【0007】請求項2に記載の超音波トルクデバイス
は、前記超音波が弾性表面波で成り、前記圧電基板の厚
さが前記すだれ状電極A1,A2,B1またはB2の電
極周期長の3倍以上であることを特徴とする。
【0008】請求項3に記載の超音波トルクデバイス
は、前記超音波がラム波で成り、前記圧電基板の厚さが
前記すだれ状電極A1,A2,B1またはB2の電極周
期長以下であることを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の超音波トルクデバイス
は、前記圧電基板がPVDFその他の高分子圧電フィル
ムで成ることを特徴とする。
【0010】請求項5に記載の超音波トルク測定装置
は、請求項1,2,3または4に記載の超音波トルクデ
バイスを動力伝達体に設けて成る超音波トルク測定装置
であって、前記超音波トルクデバイスにおける前記すだ
れ状電極A1,A2間を超音波伝搬路とする遅延素子ま
たは共振子から成る第1の発振器と、前記すだれ状電極
B1,B2間を超音波伝搬路とする遅延素子または共振
子から成る第2の発振器とを構成し、前記超音波トルク
デバイスの前記圧電基板を前記動力伝達体に固着し、前
記動力伝達体を少なくとも1つの回転軸に固着し、前記
超音波トルクデバイスの前記圧電基板に前記回転軸のト
ルクに比例したねじれを生じさせ、前記超音波トルクデ
バイスにおける前記すだれ状電極A1とB1との中心点
と、A2とB2との中心点とを結ぶ直線は、前記回転軸
の軸方向と平行であって、前記伝搬時間T1およびT2
を前記第1の発振器の発振周波数f1および前記第2の
発振器の発振周波数f2でそれぞれ表し、該発振周波数
の差(f2−f1)から前記回転軸のトルクを算出する
ことを特徴とする。
【0011】請求項6に記載の超音波トルク測定装置
は、前記動力伝達体が柱状で、前記動力伝達体の側面に
前記超音波トルクデバイスの前記圧電基板を固着し、前
記動力伝達体の一方の端を固定物に固定するかまたは回
転軸Cの片方の端に固定し、前記動力伝達体のもう一方
の端を回転軸Dの片方の端に固定し、前記回転軸Dのト
ルク、または前記回転軸Cと前記回転軸Dとの間のトル
ク差を算出することを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明の超音波トルクデバイスは、圧電基板
と、少なくとも4組のすだれ状電極A1,A2,B1,
B2とから成る簡単な構造を有する。前記すだれ状電極
A1,A2,B1,B2は、電極指が円弧状でそれぞれ
の曲率中心が一致する円弧状すだれ状電極か、または電
極指が直線状である直線状すだれ状電極で成る。前記す
だれ状電極A1またはB1は入力用、A2またはB2は
出力用として使用される。前記すだれ状電極A1とB1
との中心点と、A2とB2との中心点とを結ぶ直線に対
し、前記すだれ状電極A1とB1、およびA2とB2は
互いに線対称になるように配置されている。しかも、前
記すだれ状電極A1とA2との間の超音波の伝搬路と、
B1とB2との間の超音波の伝搬路とが互いに交差する
ように配置され、前記すだれ状電極A1とA2との離間
距離、およびB1とB2との離間距離が等しくなるよう
に配置されている。このようにして、前記すだれ状電極
A1とA2との間を伝搬する超音波の伝搬時間T1と、
B1とB2との間を伝搬する超音波の伝搬時間T2とが
同等になるようなデバイスが構成されている。従って、
前記圧電基板のねじれによる変位が生じた場合、前記変
位に対応して前記T1と、前記T2との間に差異が生じ
る。前記すだれ状電極A1とA2との間の超音波の伝搬
路と、B1とB2との間の超音波の伝搬路とが互いに交
差するように配置されていることから、この(T2−T
1)の値は位相差レベルで検出することが可能となる。
このようにして、本発明の超音波トルクデバイスは、小
型軽量で、前記圧電基板の微少な変位から大きな変位ま
で検出することができ、しかも応答速度が速いので、検
出感度の優れた変位センサを構成することが可能であ
る。
【0013】前記超音波として弾性表面波を用い、その
ときの前記圧電基板の厚さが前記すだれ状電極A1,A
2,B1またはB2の電極周期長の3倍以上であること
により、前記圧電基板のより微少な変位も検出すること
が可能となり、また、検出感度を向上させることができ
る。
【0014】前記超音波としてラム波を用い、そのとき
の前記圧電基板の厚さが前記すだれ状電極A1,A2,
B1またはB2の電極周期長以下であることにより、前
記圧電基板のより微少な変位も検出することが可能とな
り、また、検出感度を向上させることができる。また、
前記圧電基板としては、圧電セラミックなどの他、PV
DFその他の高分子圧電フィルムを使用することができ
る。該高分子圧電フィルムを用いることにより、該圧電
基板を湾曲した面に取り付けることも可能となる。
【0015】本発明の超音波トルク測定装置は、動力伝
達体に検出素子としての前記超音波トルクデバイスを設
けることにより形成される。本装置においては、前記超
音波トルクデバイスの前記すだれ状電極A1,A2間を
超音波伝搬路とする遅延素子または共振子から成る第1
の発振器と、前記すだれ状電極B1,B2間を超音波伝
搬路とする遅延素子または共振子から成る第2の発振器
とが構成されている。前記超音波トルクデバイスの前記
圧電基板を前記動力伝達体に固着し、前記動力伝達体を
回転軸に固着することにより、前記超音波トルクデバイ
スの前記圧電基板に前記回転軸のトルクに比例したねじ
れを生じさせている。前記超音波トルクデバイスは、前
記超音波トルクデバイスにおける前記すだれ状電極A1
とB1との中心点と、A2とB2との中心点とを結ぶ直
線が、前記回転軸の軸方向と平行になるよう配置されて
いる。従って、前記超音波トルクデバイスの前記圧電基
板に前記回転軸のトルクに比例したねじれを生じた場
合、前記すだれ状電極A1とA2との間を伝搬する超音
波の伝搬時間T1と、B1とB2との間を伝搬する超音
波の伝搬時間T2との間に差異が生じる。前記伝搬時間
T1およびT2を前記第1の発振器の発振周波数f1お
よび前記第2の発振器の発振周波数f2でそれぞれ表
し、該発振周波数の差(f2−f1)から前記回転軸の
トルクを算出することができる。このようにして、本発
明の超音波トルク測定装置によりトルクの検出が可能と
なる。
【0016】前記動力伝達体が柱状であって、前記動力
伝達体の側面に前記超音波トルクデバイスの前記圧電基
板を固着し、前記動力伝達体の一方の端を固定物に固定
し、前記動力伝達体のもう一方の端を回転軸Dの片方の
端に固定することにより、該回転軸Dのトルクを検出す
ることができる。たとえば、ボルトを締めるレンチに前
記超音波トルクデバイスを設けることにより、どのよう
な値のトルクでボルトを締めたらよいのかが判断できる
ようになる。ただしこの場合、回転軸Dを固定しておい
てレンチ自身(動力伝達体に相当)を回転させることに
なる。また、柱状の前記動力伝達体の一方の端を回転軸
Cの片方の端に固定し、前記動力伝達体のもう一方の端
を回転軸Dの片方の端に固定することにより、前記回転
軸Cと前記回転軸Dとの間のトルク差を検出することが
できる。たとえば、自動車の車輪のシャフトに前記超音
波トルクデバイスを設けることにより、両車輪のトルク
差が検出することができる。このとき、前記シャフトは
前記動力伝達体に相当する。
【0017】本発明の超音波トルク測定装置は、ボルト
を締めるレンチや、自動車の車輪のシャフトなどのよう
に、部品の中に超音波トルクデバイスを取入れ該超音波
トルクデバイスを前記部品の一部として応用するものの
他に、本装置自身を被検体に取り付けることによって前
記被検体の測定を可能にすることもできる。従って、様
々な静トルクや動トルクの測定が可能となる。また、微
少なものから大きなものまで広範囲のトルク測定が可能
で、電磁的影響下でも使用でき、応答速度が速いことか
ら測定時間も短くて済む。
【0018】
【実施例】図1は本発明の超音波トルクデバイスの一実
施例を示す平面図である。本実施例は圧電基板1と、す
だれ状電極2と、すだれ状電極3と、すだれ状電極4
と、すだれ状電極5とから成る。圧電基板1は、直径1
4mm、厚さ220μmの円板状の圧電セラミックNE
PEC−6(東北金属製)で成り、圧電基板1の分極軸
の方向は圧電基板1の厚さ方向と平行である。すだれ状
電極2,3,4および5はアルミニウム薄膜で成り、圧
電基板1上においてそれぞれが2.5対の電極指を有す
る4分割形の円弧状を成し、それぞれの電極周期長は4
30μm、開口角は45゜、中心周波数は12.7MH
zである。
【0019】図2は図1の超音波トルクデバイスを用い
て形成した超音波トルク測定装置を示す平面図である。
本実施例は図1の超音波トルクデバイスが動力伝達体6
の側面に設けられたものである。すだれ状電極2,3は
入力用に、すだれ状電極4,5は出力用に用いられ、す
だれ状電極2,4間および3,5間にそれぞれ遅延線発
振器が構成されている。動力伝達体6は円柱状であり、
図1の超音波トルクデバイスは、すだれ状電極2および
3の中心点とすだれ状電極4および5の中心点とを結ぶ
直線が動力伝達体6の軸方向と平行になるように配置さ
れている。動力伝達体6の側面は圧電基板1との固着部
分において平面状を成し、動力伝達体6の両端は回転軸
7および8にそれぞれ固定されている。本実施例の使用
時、すだれ状電極2,4間および3,5間にはラム波が
励振される。
【0020】図3は図2の超音波トルク測定装置の側面
図である。圧電基板1は動力伝達体6の片側に設けられ
ているが、動力伝達体6の中心を点対称とする位置に圧
電基板1と同等なもう1つの圧電基板を設けることも可
能である。また、圧電基板としてPVDFの高分子膜を
使用すれば、動力伝達体の湾曲した側面にそのまま圧電
基板を設けることも可能である。
【0021】図4は図2の超音波トルク測定装置におい
て、すだれ状電極2,4間および3,5間にそれぞれ構
成されている遅延線発振器9または10の回路図であ
る。前記回路は、出力信号を増幅して入力側に帰還する
ための増幅器(733C)を含む。
【0022】図5は圧電基板1の厚さ/波長(d/λ)
と、ラム波の位相速度との関係を示す特性図である。A
は反対称モード、Sは対称モード、それらの添字はモー
ド次数を示す。このように、ラム波には多数のモードが
存在し、それぞれの速度分散特性を有していることが分
かる。また、本図における○印はすだれ状電極の電極周
期長が240μm,360μmおよび480μmのとき
の測定値を示すものである。
【0023】図2に示す超音波トルク測定装置の駆動
時、すだれ状電極2,4および3,5にそれぞれの遅延
線発振器9および10を介して電気信号を入力すると、
その電気信号の周波数のうちすだれ状電極2および3の
示す中心周波数とその近傍の周波数の電気信号のみがラ
ム波に変換されて圧電基板1の伝搬経路上を伝搬しすだ
れ状電極4および5に至る。すだれ状電極4および5に
おいては、このようにして伝搬したラム波が再び電気信
号に変換されてそれぞれの増幅器(733C)に送りも
どされる。それぞれの増幅器(733C)では伝搬経路
上におけるラム波の消耗分とすだれ状電極の変換効率の
損失分の電気信号が増幅されて再びすだれ状電極2およ
び3に送られ、このようにして遅延線発振器9および1
0が構成される。周波数カウンタを設置することによ
り、この遅延線発振器9および10が駆動しているとき
の発振周波数、つまり伝搬経路上を伝搬するラム波の周
波数に等しい発振周波数f1およびf2を測定できる。
図2に示す超音波トルク測定装置を回転軸7および8に
固定し、回転軸7および8を回転させると、動力伝達体
6には回転軸7および8のトルク差に比例したねじれが
生じる。前記ねじれは圧電基板1に伝達され、圧電基板
1には前記ねじれによる変位が生じる。圧電基板1に変
位が生じることにより前記発振周波数f1およびf2が
変化することから、前記発振周波数の差(f2−f1)
から回転軸7および8のトルク差を算出することができ
る。
【0024】図6は前記発振周波数の差(f2−f1)
と、動力伝達体6のねじりモーメントとの関係を示す特
性図である。本図において、Δf1はねじりモーメント
に対するf1の変化分、Δf2はねじりモーメントに対
するf2の変化分、ΔfはΔf1とΔf2との差を表
す。圧電基板1には、動力伝達体6のねじりモーメント
に相関したねじれが生じている。一般に、ラム波の発振
周波数は温度に相関しているが、2つのラム波の発振周
波数の差(f2−f1)をとることにより、温度の影響
を排除できる。このようにして、前記発振周波数の差
(f2−f1)と前記ねじりモーメントとの間に温度差
の影響を排除した形で良好な比例関係が見られることが
分かる。
【0025】図7は本発明の超音波トルクデバイスのも
う1つの実施例を示す平面図である。本実施例は圧電基
板11と、すだれ状電極12と、すだれ状電極13と、
すだれ状電極14と、すだれ状電極15とから成る。圧
電基板11は、1辺が14mm、厚さ220μmの矩形
状の圧電セラミックNEPEC−6(東北金属製)で成
り、圧電基板11の分極軸の方向は圧電基板11の厚さ
方向と平行である。すだれ状電極12,13,14およ
び15はアルミニウム薄膜で成り、すだれ状電極12,
13は入力用に、すだれ状電極14,15は出力用に用
いられる。すだれ状電極12および13の中心点とすだ
れ状電極14および15の中心点とを結ぶ直線は、圧電
基板11の1辺に平行であって、すだれ状電極12と1
3、および14と15は前記直線に対し線対称をなして
いて、すだれ状電極12と13との離間距離、および1
4と15との離間距離は互いに等しい。本実施例におけ
る超音波トルクデバイスを用いることによっても、図2
と同様な効力を示す超音波トルク測定装置を形成するこ
とができる。
【0026】また、上記に示すように、ラム波を利用す
るだけでなく弾性表面波によるトルクの算出も可能であ
る。この場合には圧電基板の厚さはすだれ状電極の電極
周期長の3倍以上にする必要がある。
【0027】
【発明の効果】本発明の超音波トルクデバイスは、圧電
基板にねじれによる変位が生じた場合、その圧電基板上
に設けられたすだれ状電極A1とA2との間を伝搬する
超音波の伝搬時間T1と、B1とB2との間を伝搬する
超音波の伝搬時間T2との間に差異が生じる。このと
き、圧電基板の変位は伝搬時間差(T2−T1)に相関
する。(T2−T1)の値は、すだれ状電極A1,A2
間の超音波伝搬路L1と、B1,B2間の超音波伝搬路
L2とを交差させることにより、超音波伝搬路L1とL
2とを平行に配置する場合に比べてほぼ2倍の感度を有
する。従って、(T2−T1)の値は位相差レベルでの
検出が可能であって、しかも応答速度が速いので、本発
明の超音波トルクデバイスを用いれば検出感度の優れた
実時間応答での変位センサを構成することができる。し
かも、T1およびT2の個々の値はそれ自身ある程度の
温度の影響を受けるが、(T2−T1)という差によっ
て表していることから、温度による影響を排除できる。
このようにして、本発明の超音波トルクデバイスは、小
型軽量で、感度に優れ、圧電基板の微少な変位から大き
な変位まで広範囲にわたって検出することができる。ま
た、圧電基板に設けられるすだれ状電極は4組に限るも
のではない。2組(a,b)のうちa組を2分割してそ
の両方を入力用a1,a2としb組を2分割してその両
方を出力用b1,b2とする方法、3組(a,b,c)
のうちa組を2分割してその両方を入力用a1,a2と
しb,c組をそれぞれ出力用とする方法、同時に数組の
すだれ状電極の組み合せにより伝搬時間差を求める方法
が挙げられる。
【0028】本発明の超音波トルクデバイスにおいて
は、超音波として弾性表面波またはラム波を採用するこ
とにより、圧電基板のより微少な変位も検出することが
可能となるばかりでなく、検出感度を向上させることが
できる。圧電基板としては、PZT系での圧電セラミッ
クやLiNbO3 のような圧電単結晶が挙げられる。ラ
ム波を採用する場合には圧電基板としてPVDFその他
の高分子圧電フィルムを使用することができ、圧電基板
を湾曲した面に取り付けることも可能となる。
【0029】本発明の超音波トルク測定装置は、超音波
トルクデバイスを検出素子として動力伝達体に備えるこ
とにより形成される。回転軸に動力伝達体を固着するこ
とにより、その回転軸のトルクを求めることができる。
但し、超音波トルクデバイスは、超音波トルクデバイス
におけるすだれ状電極A1とB1との中心点と、A2と
B2との中心点とを結ぶ直線が、回転軸の軸方向と平行
になるよう配置されているものとする。動力伝達体に固
着している超音波デバイスの圧電基板にはその回転軸の
トルクに比例したねじれが生じる。この圧電基板のねじ
れによる変位は、超音波トルクデバイスのすだれ状電極
A1,A2間の超音波伝搬時間T1と、B1,B2間の
超音波伝搬時間T2との差(T2−T1)に相関する。
従って、超音波トルクデバイスにおいてすだれ状電極A
1,A2間を超音波伝搬路とする遅延素子または共振子
から成る第1の発振器と、B1,B2間を超音波伝搬路
とする遅延素子または共振子から成る第2の発振器とを
構成することにより、伝搬時間T1およびT2を第1の
発振器の発振周波数f1および第2の発振器の発振周波
数f2でそれぞれ表すことができる。この発振周波数の
差(f2−f1)から回転軸のトルクを算出することが
できる。このとき、(f2−f1)の値は、すだれ状電
極A1,A2間の超音波伝搬路L1と、B1,B2間の
超音波伝搬路L2とを交差させることにより、超音波伝
搬路L1とL2とを平行に配置する場合に比べてほぼ2
倍の感度を有する。また、f1およびf2の個々の値は
それ自身ある程度の温度の影響を受けるが、(f2−f
1)という差によって表していることから、温度による
影響を排除できる。このようにして、本発明の超音波ト
ルク測定装置は、感度がよく、実時間応答が可能で、温
度による影響も排除でき、また、電磁的影響下でも使用
でき、トルクの微少な変化から大きな変化まで広範囲に
わたって検出することができる。
【0030】超音波トルク測定装置の動力伝達体として
柱状構造を用い、動力伝達体の側面に超音波トルクデバ
イスの圧電基板を固着し、動力伝達体の一方の端を固定
物に固定し、動力伝達体のもう一方の端を回転軸Dの片
方の端に固定する構造を採用することにより、回転軸D
のトルクを検出することができる。たとえば、ボルトを
締めるレンチを動力伝達体とし、そこに直接超音波トル
クデバイスを設けることにより、どのような値のトルク
でボルトを締めたらよいのかが判断できるようになる。
ただしこの場合、回転軸Dを固定しておいてレンチ自身
を回転させることになる。また、動力伝達体の一方の端
を回転軸Cの片方の端に固定し、動力伝達体のもう一方
の端を回転軸Dの片方の端に固定する構造を採用するこ
とにより、回転軸Cと回転軸Dとの間のトルク差を検出
することができる。たとえば、自動車の車輪のシャフト
を動力伝達体とし、そこに超音波トルクデバイスを設け
ることにより、両車輪のトルク差を検出することができ
る。
【0031】本発明の超音波トルクデバイスは、ボルト
を締めるレンチや、自動車の車輪のシャフトなどへ直接
取り付けることによりトルクを算出することができる
が、その他、超音波トルクデバイスを動力伝達体に取り
付けた構造を有する超音波トルク測定装置へも応用され
る。これは、超音波トルク測定装置自身を被検体に取り
付けることによって被検体のトルクを測定するものであ
る。このようにして、様々な静トルクや動トルクの測定
が可能となる。また、微少なものから大きなものまで広
範囲のトルク測定が可能で、電磁的影響下でも使用で
き、応答速度が速いことから実時間レベルでの測定がで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波トルクデバイスの一実施例を示
す平面図。
【図2】図1の超音波トルクデバイスを用いて形成した
超音波トルク測定装置を示す平面図。
【図3】図2の超音波トルク測定装置の側面図。
【図4】図2の超音波トルク測定装置において構成され
ている遅延線発振器9または10の回路図。
【図5】圧電基板1の厚さ/波長(d/λ)と、ラム波
の位相速度との関係を示す特性図。
【図6】発振周波数の差(f2−f1)と、動力伝達体
6のねじりモーメントとの関係を示す特性図。
【図7】本発明の超音波トルクデバイスのもう1つの実
施例を示す平面図。
【符号の説明】
1 圧電基板 2 すだれ状電極 3 すだれ状電極 4 すだれ状電極 5 すだれ状電極 6 動力伝達体 7 回転軸 8 回転軸 9 遅延線発振器 10 遅延線発振器 11 圧電基板 12 すだれ状電極 13 すだれ状電極 14 すだれ状電極 15 すだれ状電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板の一方の板面上に少なくとも4
    組のすだれ状電極A1,A2,B1,B2を設けて成る
    超音波トルクデバイスにおいて、 前記すだれ状電極A1,A2,B1,B2は、電極指が
    円弧状でそれぞれの曲率中心が一致する円弧状すだれ状
    電極か、または電極指が直線状である直線状すだれ状電
    極であって、 前記すだれ状電極A1またはB1を入力用、A2または
    B2を出力用とし、前記すだれ状電極A1とB1との中
    心点と、A2とB2との中心点とを結ぶ直線に対し、前
    記すだれ状電極A1とB1、およびA2とB2とが互い
    に線対称であって、 前記すだれ状電極A1とA2との間の超音波の伝搬路
    と、B1とB2との間の超音波の伝搬路とが互いに交差
    していて、前記すだれ状電極A1とA2との離間距離、
    およびB1とB2との離間距離が等しく、 前記圧電基板のねじれによる変位に対応して、前記すだ
    れ状電極A1とA2との間を伝搬する超音波の伝搬時間
    T1と、B1とB2との間を伝搬する超音波の伝搬時間
    T2との間に差異が生じることを特徴とする超音波トル
    クデバイス。
  2. 【請求項2】 前記超音波が弾性表面波で成り、前記圧
    電基板の厚さが前記すだれ状電極A1,A2,B1また
    はB2の電極周期長の3倍以上であることを特徴とする
    請求項1に記載の超音波トルクデバイス。
  3. 【請求項3】 前記超音波がラム波で成り、前記圧電基
    板の厚さが前記すだれ状電極A1,A2,B1またはB
    2の電極周期長以下であることを特徴とする請求項1に
    記載の超音波トルクデバイス。
  4. 【請求項4】 前記圧電基板がPVDFその他の高分子
    圧電フィルムで成ることを特徴とする請求項3に記載の
    超音波トルクデバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4に記載の超音
    波トルクデバイスを動力伝達体に設けて成る超音波トル
    ク測定装置であって、 前記超音波トルクデバイスにおける前記すだれ状電極A
    1,A2間を超音波伝搬路とする遅延素子または共振子
    から成る第1の発振器と、前記すだれ状電極B1,B2
    間を超音波伝搬路とする遅延素子または共振子から成る
    第2の発振器とを構成し、 前記超音波トルクデバイスの前記圧電基板を前記動力伝
    達体に固着し、前記動力伝達体を少なくとも1つの回転
    軸に固着し、前記超音波トルクデバイスの前記圧電基板
    に前記回転軸のトルクに比例したねじれを生じさせ、 前記超音波トルクデバイスにおける前記すだれ状電極A
    1とB1との中心点と、A2とB2との中心点とを結ぶ
    直線は、前記回転軸の軸方向と平行であって、 前記伝搬時間T1およびT2を前記第1の発振器の発振
    周波数f1および前記第2の発振器の発振周波数f2で
    それぞれ表し、該発振周波数の差(f2−f1)から前
    記回転軸のトルクを算出することを特徴とする超音波ト
    ルク測定装置。
  6. 【請求項6】 前記動力伝達体は柱状で、 前記動力伝達体の側面に前記超音波トルクデバイスの前
    記圧電基板を固着し、 前記動力伝達体の一方の端を固定物に固定するかまたは
    回転軸Cの片方の端に固定し、前記動力伝達体のもう一
    方の端を回転軸Dの片方の端に固定し、前記回転軸Dの
    トルク、または前記回転軸Cと前記回転軸Dとの間のト
    ルク差を算出することを特徴とする請求項5に記載の超
    音波トルク測定装置。
JP16843392A 1992-06-02 1992-06-02 超音波トルクデバイスおよび超音波トルク測定装置 Pending JPH05332855A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6442812B1 (en) * 2000-03-02 2002-09-03 Eaton Corporation Method of manufacturing a piezoelectric torque sensor
JP2017067649A (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 株式会社デンソー 物理量センサ

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