JP3099485B2 - 応力測定装置用超音波送受波器 - Google Patents

応力測定装置用超音波送受波器

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JP3099485B2 JP03360015A JP36001591A JP3099485B2 JP 3099485 B2 JP3099485 B2 JP 3099485B2 JP 03360015 A JP03360015 A JP 03360015A JP 36001591 A JP36001591 A JP 36001591A JP 3099485 B2 JP3099485 B2 JP 3099485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、応力測定装置用超音波
送受波器に係り、更に詳しくは、金属,樹脂その他の超
音波の伝搬する材料で作られた細い棒あるいはワイヤに
作用する引張応力等の計測用として好適な応力測定装置
用超音波送受波器に関する。
【0002】
【背景技術】一般に、ボルト等に作用する軸方向応力の
測定には、図5に示すような超音波応力測定装置が用い
られている。ここで、この応力測定装置によるボルト軸
力の測定について説明する。計測開始に先立ち、温度セ
ンサ59を測定対称物であるボルト60の一部に接触さ
せる。この状態で、ボルト軸力の計測を開始すると、時
刻t1 で時間計測部55から時間計測スタート信号がパ
ルサ回路51に出力され、パルサ回路51では、この時
間計測スタート信号の入力により超音波トランスデュー
サ駆動用パルスを発生する。この駆動用パルスが超音波
トランスデューサ52に送られ、当該超音波トランスデ
ューサ52では、パルサ回路51から出力されたパルス
を電気音響変換し縦波超音波として出力する。この縦波
超音波が図中符号Eで示すように伝播し再び超音波トラ
ンスデューサ52に入力し、電気信号に再変換される。
次いで、この受信信号が、広帯域増幅器53で十分な振
幅に増幅された後、コンパレータ54にて所定の基準電
圧と比較され方形波パルスに波形整形されて後、時刻t
2 に時間計測部55に入力する。時間計測部55では、
1 からt2 までの時間Δt=t2 −t1 を測定し、そ
の結果をコンピュータ56に送る。
【0003】ところで、上記Δtの中には、電気信号が
電気回路中を伝播するのに要する時間te が誤差として
含まれているので、これを差し引いて正味の超音波の伝
播時間Δtu を求める必要がある。
【0004】 Δtu =Δt−te =t2 −t1 −te ………………
【0005】また、超音波を用いて応力の測定を行なう
場合、超音波の伝播時間は音弾性効果と測定対称物の応
力方向の縦歪との双方の影響により変化し、この変化量
が応力に比例することが知られている。このため、応力
が作用しない場合の超音波の伝播時間Δtubと応力が作
用した状態の超音波の伝播時間Δtuaとの差Δtudを求
めれば、このΔtudは応力に比例する。このため、Δt
udに予め実験等によって求められた比例係数kを掛ける
ことによって、応力uが求められることになる。
【0006】 u=k・Δtud=k(Δtua−Δtub) ………………
【0007】上記式中の比例係数kは、温度による影
響を受けるので、予め実験によって求めた温度係数αを
用いると、次式のようにあらわせる。
【0008】 k=k25{1+α(T−25)} ……………… ここで、Tは測定対象物の温度〔℃〕,k25は25℃に
おける比例係数である。
【0009】以上より最終的に応力uは、次式により計
算される。
【0010】 u=k(Δtua−Δtub )=k25{1+α(T−25)}(Δtua−Δtub ) ……………………
【0011】従って、コンピュータ56では、予めボル
ト60に応力が作用しない状態で式によりΔtubを求
めてこれをメモリ内に記憶し、応力測定時にΔt=t2
−t1 が時間計測部55から送られて来た時に式によ
りΔtuaを求めて、式により最終的に、ボルト60に
作用する軸力を算出し、この結果を表示部58に送出す
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術にあっては、測定対象物がボルト等の場合には、
超音波トランスデューサをカプラント剤(水,油,グリ
セリン等)を介して測定対象物に接触させるだけで良
く、手軽に応力の測定ができるが、ワイヤ等の引張応力
を測定しようとする場合には、応力が加わっているワイ
ヤの端面に超音波トランスデューサを取り付けることが
事実上不可能であり、このため超音波によるワイヤ等の
引張応力測定を行なうことができないという不都合があ
った。また、上記従来技術では、温度補正のため、熱電
対,半導体温度センサ,サーミスタ等の温度センサが必
要不可欠であり、また、温度センサ駆動回路(この駆動
回路は図5では図示されていない。)やA/D変換器な
ど温度測定用回路も併せて必要であり、このため、装置
の大型化,コストアップ,消費電力の増大等を招くとい
う問題点もあった。
【0013】
【発明の目的】本発明は、かかる従来技術の有する問題
点に鑑みてなされたもので、その目的は、超音波を用い
てワイヤ等の引張応力を手軽に且正確に測定し得るとと
もに、温度センサ等の温度測定用回路を不要にする応力
測定装置用超音波送受波器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の応力測定装置用超音波送受波器は、樹脂部
と,当該樹脂部に該樹脂部と測定対象物との境界面に表
面波が生じる場合の超音波の入射角と一致する一定の取
付角度をもって取り付けられた圧電素子とをそれぞれ含
んで構成された送信側及び受信側の超音波トランスデュ
ーサを備え、当該両超音波トランスデューサが、それぞ
れの樹脂部の底面が同一平面上に位置するように一定距
離を隔てて且それぞれの圧電素子の法線が一点で交差す
るようにして配置されるとともにフレームにより一体化
され、送信側超音波トランスデューサの樹脂部の底面に
圧電素子に対向する平行な反射面をもつ切り欠きが形成
されていることを特徴として構成されている。
【0015】
【作用】本発明の超音波送受波器を応力測定装置に組み
込み、送信側と受信側の超音波トランスデューサを構成
する両樹脂部の底面が測定対象物であるワイヤ等の側面
に当接するように配置し、計測を開始すると、送信側超
音波トランスデューサを構成する圧電素子から縦波超音
波が出力され、この出力された縦波超音波が樹脂部を介
して測定対象物に向かって伝播し、樹脂部と測定対象物
の境界面で伝播モードが変換されて、表面波が発生す
る。この時、圧電素子から出力された縦波超音波の一部
が樹脂部底面に形成された切り欠きの反射面で反射さ
れ、圧電素子に伝播し、電気信号に変換されて応力測定
装置の受信部で受信される。一方、表面波は測定対象物
の表面に沿って伝播後受信側トランスデューサを構成す
る樹脂部と測定対象物との境界面で再び伝播モードが変
換され縦波超音波となり、この縦波超音波が樹脂部を介
して圧電素子に伝播し電気信号に変換され、応力測定装
置の受信部で受信される。そして、応力測定装置の演算
部では、受信部で受信された前記二つの電気信号の受信
時間,既知の圧電素子と反射面までの距離,圧電素子と
境界面までの距離, 及び基準温度における樹脂中の超音
波の伝播速度並びにその温度特性とに基づき、所定の演
算を行なって表面波の伝播時間及び測定時の温度等を算
出し、最終的に測定対象物に作用する応力を算出する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図1ないし図
4に基づいて説明する。
【0017】図1には、本発明の一実施例に係る超音波
送受波器10の構成が示されている。この図1の実施例
は、樹脂部1Aと,この樹脂部1Aに一定の取り付け角
度(その法線が当該樹脂部1Aの底面に直交する軸に対
して成す角を意味する。)θをもって取り付けられた圧
電素子1Bとを含んで構成された送信側超音波トランス
デューサ(以下、この実施例の説明では、「送信側トラ
ンスデューサ」と略述する。)1と、樹脂部2Aとこの
樹脂部2Aに一定の取り付け角度θをもって取り付けら
れた圧電素子2Bとを含んで構成された受信側超音波ト
ランスデューサ(以下、この実施例の説明では、「受信
側トランスデューサ」と略述する。)2とを備えてい
る。なお、取り付け角度θについては、更に後述する。
【0018】送信側トランスデューサ1と受信側トラン
スデューサ2は、それぞれの樹脂部1A,2Aの底面が
同一平面上に位置するように一定距離を隔てて配置さ
れ、且それぞれの圧電素子1B,2Bの法線が一点Oで
交差するように対向して配置され、更にフレーム3によ
り一体化されている。フレーム3の中央部には、長孔3
Aが形成されており、この長孔3Aに指をかけて超音波
送受波器10の全体を容易に持ち運びできるようになっ
ている。
【0019】更に、送信側トランスデューサ1を構成す
る樹脂部1Aの底面には、図2に拡大して示すように、
圧電素子1Bに対向する平行な反射面5Aをもつ切り欠
き5が形成されている。このため、本実施例では、送信
側の圧電素子1Bから縦波超音波が出力されると(図1
ないし図2中符号B参照)、この縦波超音波は、樹脂部
1A中を伝播し、測定対称物としてのワイヤ4との境界
面に達し、該境界面において反射,屈折,超音波の伝播
モードの変換が行なわれるが、この際に、縦波超音波B
の一部が、反射面5Aで反射し、この反射波が樹脂部1
A中を伝播し圧電素子1Bで受信されるようになってい
る。
【0020】図1において、符号1C,2Cは、樹脂部
1A,2Aとワイヤ4との境界面で反射した余計な縦波
超音波を吸収するための吸音材を示す。また、送信側ト
ランスデューサ1と受信側トランスデューサ2とは、切
り欠き5の有無を除けば全く同一の構成となっているも
のとする。
【0021】ここで、前述した取り付け角θの設定の仕
方を説明するために、一般的な物質Xと物質Yの境界面
における超音波の動作特性を図3に基づいて説明するこ
とにする。超音波がある入射角θi をもって物質Xと物
質Yの境界面に入射した場合、その一部は境界面で反射
角θr で反射し、残りは屈折角θt をもって物質Yに伝
播する。この時、入射角θi に対する反射角θr 及び屈
折角θt は、スネルの法則により、それぞれの超音波の
音速Ci ,Cr 及びCt との間に次式のような関係を満
足する。
【0022】 sinθi /Ci =sinθr /Cr =sinθt /Ct ……………
【0023】ここで、物質Yの音速Ct が物質Xの音速
i よりも大きい場合、次式の関係を満足する入射角θ
i が必ず存在する。
【0024】 sinθi =Ci /Ct ・sinθt =Ci /Ct ……………
【0025】即ち、sinθt =1〔θt =90度(d
eg)〕となるθi が存在し、θiがこれ以上では物質
Yへの透過波の発生がなくなり、このθi を臨界角とい
う。ここで、物質Xとして樹脂材料であるポリスチロー
ルを使用し、物質Yとして金属材料であるアルミニウム
あるいは鋼を使用すると、それぞれ音速は2340m/
s,6300m/s,5900m/sであるから、各材
料の臨界角は、それぞれ、θCAl =21.80deg,
θCFe =23.37degとなる。これ以上の入射角で
は、物質Yには縦波は発生せず、横波のみが発生する。
【0026】次に、θi を更に大きくし、発生する横波
(表面波)の屈折角が90degになるようにすること
によって表面波(図1,図2中符号C参照)が得られ
る。ここで、軟鋼,アルミニウムの表面波の音速は、そ
れぞれ2980m/s,2975m/sであるから、物
質Xが樹脂材料であるポリスチロールであれば、入射角
θi =sin-1(2340/2980)≒sin-1(2
340/2975)≒51degの時、表面波が発生す
ることになる。従って、本実施例においても、ワイヤ4
が鋼製で、樹脂部1A,2Aがポリスチロールで形成さ
れているものとすれば、上述した圧電素子1B,2Bの
取り付け角度(圧電素子1B,2Bの法線が樹脂部1
A,2Aの底面に直交する軸に対して成す一定角度)θ
は51degに予め設定される。(他の材質のものを使
用する場合には、それぞれの材質における音速に応じて
圧電素子の取り付け角度を定めれば良い。)
【0027】図4には、上述のようにして構成された超
音波送受波器10を組み込んだ応力測定装置の構成が示
されている。ここで、前述した図5の従来例と同一もし
くは同等の構成部分については同一の符号を付すものと
する。
【0028】この図4の応力測定装置は、時間計測部5
5から時間計測スタート信号を受け超音波トランスデュ
ーサ駆動用パルスを出力するパルサ回路51と、超音波
送受波器10を構成する送信側トランスデューサ1及び
受信側トランスデューサ2からの受信信号を十分な振幅
に増幅する広帯域増幅器53と、この広帯域増幅器53
で増幅された受信信号を方形波パルスに波形整形するコ
ンパレータ54と、このコンパレータ54から方形波パ
ルスを入力するとともに時間計測スタート信号出力から
当該方形波パルス入力までの時間を計測する時間計測部
55と、時間計測部55からの出力信号を受け所定の演
算を行なってワイヤ4に作用する応力を算出するコンピ
ュータ56と、該コンピュータ56に併設された計測結
果表示用の表示部58とを備えている。
【0029】次に、この応力測定装置を用いて、ワイヤ
4の軸方向の引張応力(図2中符号u参照)を測定する
場合の動作について説明する。
【0030】まず、操作者(測定者)は、測定に先立
ち、フレーム3部分を前述したようにして持ち超音波送
受波器10の送信側,受信側の樹脂部1A,2Aの底面
をワイヤ4の側面に当接させる(図1ないし図2参
照)。そして、測定を開始し、時刻t1 で時間計測部5
5から時間計測スタート信号がパルサ回路51に出力さ
れると、前述した従来例の項で説明したのと同様にし
て、送信側トランスデューサ1の圧電素子1Bでは、縦
波超音波(図1,図2中符号B参照)を出力する。そし
て、この出力された縦波超音波Bは樹脂部1A中を伝播
し、その一部は切り欠き5の反射面5Aで反射され、そ
の反射波(図1,図2中符号R参照)は圧電素子1Bで
受波され電気信号に変換されるが、出力された縦波超音
波Bの大部分は樹脂部1Aを伝播後、ワイヤ4との境界
面に達し、当該境界面でその一部は反射されて吸音材1
Cに吸収され、残りは伝播モードが変換されて横波であ
る表面波(図1,図2中符号C参照)となる。
【0031】圧電素子1Bで、電気信号に変換された受
信信号は、広帯域増幅器53で十分な振幅に増幅された
後、コンパレータ54にて所定の基準電圧と比較され方
形波パルスに波形整形されて後、時刻t3 に時間計測部
55に入力する。時間計測部55では、t1 からt3
での時間ΔtR =t3 −t1 を測定し、その結果をコン
ピュータ56に送る。ところで、ΔtR の中には、電気
信号が電気回路中を伝播するのに要する時間te が誤差
として含まれているので、これを差し引いて正味の圧電
素子に反射波が戻る時間ΔtuRを求める必要がある。コ
ンピュータ56では、時間ΔtR に基づき次式の演算を
行なってΔtuRを求め、図示しない内部メモリにその結
果を保存する。
【0032】 ΔtuR=ΔtR −te =t3 −t1 −te ………………
【0033】一方、表面波Cは、ワイヤ4の表面に沿っ
て図1中矢印F方向に伝播後、受信側の樹脂部2Aとワ
イヤ4との境界面で伝播モードが再変換されて縦波超音
波(図2中符号D参照)として受信側トランスデューサ
2の樹脂部2Aを介して圧電素子2Bにより受信され、
パルス信号に変換される。このパルス信号がコンパレー
タ54により方形波に波形整形されて時刻t2 に時間計
測部55に入力する。時間計測部55では、t1 からt
2 までの時間Δtを測定し、その結果をコンピュータ5
6に送る。コンピュータ56では、この時間Δtに基づ
き次式の演算を行なって正味の表面波の伝播時間を算出
する。
【0034】 Δtu =Δt−te −tp =t2 −t1 −te −tp ……………… ここで、tp は、測定時の温度における樹脂中の縦波超
音波の伝播時間であり、コンピュータ56では、既知の
圧電素子から反射面までの距離l,圧電素子から境界面
までの距離L(図2参照)及び先にメモリに保存された
ΔtuRを用いて、次式よりtp の値を算出する。
【0035】 tp =2×(ΔtuR/2)×(L/l)=ΔtuR・L/l ………………
【0036】式中、ΔtuR/2は、測定時の温度にお
ける圧電素子1Bから反射面5Aまでの樹脂部1A中の
縦波超音波の伝播時間であり、従って(ΔtuR/2)×
(L/l)は、圧電素子1Bからワイヤ4との境界面ま
での樹脂部1A中の縦波超音波の伝播時間であり、2倍
しているのは、送信側と受信側とがあるからである。
【0037】そして、コンピュータ56では、従来例と
同様に、ワイヤ4に応力が作用しない場合の表面波の伝
播時間Δtubと応力が作用した状態の表面波の伝播時間
Δtuaとを式により算出し、予め実験等で求められ,
メモリに記憶された前述した式中の25℃における比
例係数k25,温度係数αを用いて前述した式によりワ
イヤ4に作用する引張応力uを算出し、その結果を表示
部58に出力する。
【0038】この際、ワイヤ4に作用する引張応力uを
算出する前提として、コンピュータ56では、縦波超音
波の樹脂中の伝播速度vu を次式により求め、
【0039】vu =l/ΔtuR
【0040】上式で求められた伝播速度vu と、実験等
で予め求められた基準温度における樹脂中の縦波超音波
の伝播速度及びその温度特性(これはマップとしてメモ
リに記憶されている。)とに基づいて測定時の温度Tを
求める。なお、マップの変わりに温度特性を示す近似式
を用いてTを算出するようにしてもよい。
【0041】本実施例の場合も、コンピュータ56で
は、予めワイヤ4に応力が作用しない状態で式により
Δtubを求めてこれをメモリ内に記憶し、応力測定時に
Δt=t2 −t1 が時間計測部55から送られて来た時
に式によりΔtuaを求めて、式により最終的に、ワ
イヤ4に作用する軸方向の引張応力uを算出すること
は、従来例の場合と同様である。
【0042】以上説明したように、本実施例によると、
超音波送受波器10を手で持って、当該超音波送受波器
10の送信側トランスデューサ1及び受信側トランスデ
ューサ2をそれぞれ構成する樹脂部1A,2A底面をワ
イヤ4の側面に当接せしめるだけで、表面波の伝播時間
によりワイヤ4に作用する引張応力の測定を簡単に行な
うことができ、表面波の伝播速度は縦波に比べ半分ある
いはそれ以下であるため、伝播時間が多くかかり、時間
計測分解能が同一とすれば、応力計測の分解能を縦波超
音波を用いるボルト軸力の計測等の場合より向上せしめ
ることができる。また、樹脂部1Aの底面に形成された
切り欠き5の反射面5Aで圧電素子1Bから出力された
縦波超音波の一部を反射して再び圧電素子1Bに入力せ
しめることができ、この反射波が戻る時間を用いて測定
時の樹脂中の縦波超音波の伝播時間を容易に算出するこ
とができ、このため該縦波超音波伝播時間の温度補正が
不要であり、これと同時に前記反射波が戻る時間を用い
て温度センサ等を用いることなく測定時温度を求めるこ
とができ、これに基づき温度補正を行なうことができ、
従って熱電対,半導体温度センサ,サーミスタ等の温度
センサやこれに伴う温度測定用回路が不要となり、これ
により装置の小型化,コストダウンン,消費電力の節減
を図ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
応力測定に表面波を使用するので、送信側,受信側双方
の超音波トランスデューサをワイヤ等の測定対象物の側
面に当接させることにより、これらに作用する応力を超
音波を用いて容易に測定することが可能となり、表面波
の伝播速度は縦波超音波に比し半分あるいはそれ以下で
あるので、時間計測分解能が同一であれば応力計測の分
解能を向上せしめることができ、また、樹脂部底面に圧
電素子に対向する平行な反射面を有する切り欠きを形成
されているので、該反射面により圧電素子から出力され
た縦波超音波の一部を反射して再び圧電素子に入力せし
め、該反射波が戻る時間を用いて測定時の樹脂中の縦波
超音波の伝播時間を容易に算出することができ、このた
め該縦波超音波伝播時間の温度補正が不要であると同時
に、前記反射波が戻る時間を用いて温度センサ等を用い
ることなく測定時温度を求めることができ、これに基づ
き温度補正を行なうことができ、これがため、温度セン
サやこれに伴う温度測定用回路が不要になる。従って、
超音波を用いてワイヤ等の引張応力を手軽に且正確に測
定することができるとともに、装置の小型化,コストダ
ウン,消費電力の節減等を図ることができるという従来
にない優れた応力測定装置用超音波送受波器を提供する
ことができる。
【0044】なお、本発明の応力測定装置用超音波送受
波器は、従来超音波による応力計測が困難であった金属
・樹脂その他の超音波の伝播する材料で作られた細い棒
の張力の測定,具体的には、オートバイ,自転車等のス
ポークの張力,架空電線,架空ワイヤ等の張力測定,ラ
ケットガットのテンション測定,クレーン等に使用され
るワイヤの張力測定等非常に広範な範囲に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略構成を示す図である。
【図2】図1の送信側トランスデューサ部分を拡大して
示す図である。
【図3】物質XとYの境界面における超音波の動作特性
を説明するための図である。
【図4】図1の超音波送受波器が組み込まれた応力測定
装置の構成を示すブロック図である。
【図5】ボルト軸力等の計測に用いられる従来の応力測
定装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 送信側超音波トランスデューサ 1A 送信側の樹脂部 1B 送信側の圧電素子 2 受信側超音波トランスデューサ 2A 受信側の樹脂部 2B 受信側の圧電素子 3 フレーム 4 測定対象物としてのワイヤ 5 切り欠き 5A 反射面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−145529(JP,A) 特開 昭63−304117(JP,A) 特開 昭63−47652(JP,A) 特開 平2−248824(JP,A) 特開 昭53−121675(JP,A) 特開 平3−26909(JP,A) 特開 昭59−65227(JP,A) 特開 昭62−294926(JP,A) 特開 昭61−254849(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 1/00 G01L 5/10 G01N 29/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂部と,当該樹脂部に該樹脂部と測定
    対象物との境界面に表面波が生じる場合の超音波の入射
    角と一致する一定の取付角度をもって取り付けられた圧
    電素子とをそれぞれ含んで構成された送信側及び受信側
    の超音波トランスデューサを備え、当該両超音波トラン
    スデューサが、それぞれの樹脂部の底面が同一平面上に
    位置するように一定距離を隔てて且それぞれの圧電素子
    の法線が一点で交差するようにして配置されるとともに
    フレームにより一体化され、前記送信側超音波トランス
    デューサの樹脂部の底面に圧電素子に対向する平行な反
    射面をもつ切り欠きが形成されていることを特徴とした
    応力測定装置用超音波送受波器。
JP03360015A 1991-12-27 1991-12-27 応力測定装置用超音波送受波器 Expired - Fee Related JP3099485B2 (ja)

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