JPH0533282Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、箱状に枠組みされる板材の組み子、
即ち端部の加工を、NCルータにより加工できる
ようにしたNCルータ用板材取付け治具に関する
ものである。

（従来の技術） 例えば、引出し用板材の端部をダブテール加工
するものとして、従来は、多数のカツタを上向き
にして所定のピツチで配列し、また、板材を下面
基準でテーブル上に載置し、各カツタにより板材
の一端部全域を一括して加工するようにしてなる
専用機があつた。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来のものは、専用機を要するため設備費
が嵩む欠点があつた。

また、各カツタの形状誤差、取付け誤差あるい
は切削性能のバラツキ等により、各切削部のピツ
チあるいは形状等に誤差が発生し、他工程の加工
物との互換性が乏しくなる。このため、互いに組
み合う雌形・雄形のダブテールを組立てまでペア
で搬送する必要があり、管理が煩わしくなる欠点
があつた。

これを解消するために、汎用性の高いNCルー
タを活用しようとすると、このNCルータはカツ
タを上向きにすることができず、そのままでは上
記ダブテール加工ができなかつた。

そこで、本考案は、板材を上面基準で取付けで
きる板材取付け治具を設け、これによりNCルー
タによるダブテールの加工を可能にすることを目
的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は、上記目的を達成するために、以下の
如く構成したものである。

即ち、テーブルに板材の両端部を支持する一対
の板材取付け治具を設け、各板材取付け治具は、
テーブルの上面に載置される座台と、座台から起
立する支柱の上端部に固定され、かつ下面がテー
ブルの上面と平行する板受け面に形成されたアー
ムと、座台に取付けられかつ板受け面に向かつて
伸縮作動する加圧機構と、座台をテーブルに締め
付けおよび解除する締結具とを有する構成にした
ものである。

（作用） 本考案は上記構成にしたものであるから、板材
の両端部を各板材取付け治具の加圧機構の上面に
載置し、各加圧機構を伸長作動させると、板材の
両端が各アームの板受け面に押圧固定され、上記
板材は上面基準でテーブルに取付けられることに
なる。

また、各板材取付け治具は、締結具を緩めるこ
とにより、両者の間隔を板材の長さに対応する任
意の間隔に調節することができる。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基いて説明する。

図面において、第１図は本考案の実施例を示す
正面図、第２図はその要部断面側面図、第３図は
ダブテール加工された板材の要部斜視図である。

第１図および第２図において、１はNCルータ
のテーブルであり、このテーブル１は図示省略の
Ｘ軸モータおよびＹ軸モータにより、Ｘ軸方向
（第１図において左右方向）およびＹ軸方向（第
２図において左右方向）に移動可能となつてい
る。

上記テーブル１には、第１図に示すように、板
材Ｗの両端を挟持支持する一対の板材取付け治具
Ａ，Ｂを左右（Ｘ軸）方向に離間配置して取付け
る。

各板材取付け治具Ａ，Ｂは、ともに略同構造と
なつており、左部の板材取付け治具Ａを代表して
第２図により詳細に説明する。

２はテーブル１の上面に摺動可能に支持される
座台であり、この座台の上部側には、その左部か
ら上方に向かつて起立する支柱３と、支柱の上端
に右方に向かつて突出するアーム４とをそれぞれ
一体に形成する。

上記アーム４は、座台２に対面させるととも
に、このアーム４の下面をテーブル１の上面と平
行する平滑な板受け面４ａに形成してなる。

また、座台２に加圧機構５を取付ける。

この加圧機構５は、作動軸６の下半部を座台２
の中心部に上下方向に累進可能にねじ嵌合させ、
作動軸６の上半部を座台２から上方に突出させ、
この突出端に加圧板７を回転自在に嵌合させると
ともに、この加圧板７の下動を作動軸６の上部に
固定した大径の固定リング８により阻止し、固定
リング８の外周に操作レバー９をねじ込み固定し
てなる。

上記加圧板７は、第１図に示すように、Ｘ軸方
向外方の側部をアーム４から側方に突出させる。
また、左部の板取付け治具Ａの加圧板７には、そ
の左端に横定規１０を取付ける。

また、上記固定リング８には、操作レバー９が
ねじ嵌合するねじ孔を周方向に４箇所形成し、こ
のねじ孔に、操作レバー９を選択的にねじ込み固
定する。

前述した座台２に、座台２をテーブル１に着脱
可能に締結する締結具１１を設ける。

この締結具１１は、第２図に示すように、座台
２にその左端から下方に垂下した後、テーブル１
の下面に沿つて右方に屈曲するコ字状のクランプ
アーム１２を一体に形成し、このクランプアーム
１２の下辺にねじ軸１３を上下方向に累進可能に
ねじ嵌合させ、下端部に回転用のハンドル１４を
取付けてなる。

また、座台２の右端にブラケツト１５を右方に
向けて突出固定し、このブラケツト１５の右端部
にテーブル１に係脱可能の止めねじ１６を取付け
る。

なお、図中２０はNCルータのヘツドであり、
図示省略のＺ軸モータによつて上下動され、下部
に末広がりに形成されたダブテール加工用のカツ
タ２１を取付ける。

次に上記実施例の使用態様について説明する。

まず、各板材取付け治具Ａ，Ｂの間隔を板材Ｗ
の長さに対応する間隔に調節し、締結具１１のね
じ軸１３および止めねじ１６を締め付け操作して
両者をテーブル１に固定する。

次に、板材Ｗの両端部を各加圧機構５，５の加
圧板７，７に載置するとともに、その一端を横定
規１０に当接させる。

次いで各操作レバー９，９を操作して各作動軸
６，６を介して各加圧板７，７を上動させ、板材
Ｗ両端の上面Ｗ１を各アーム４，４の板受け面４
ａ，４ａに押圧して固定する。

これにより、上記板材Ｗはテーブル１に対して
上面基準で取付けられることになる。

この状態で、カツタ２１の下端が板材Ｗの下面
よりも若干高くなる如く、ヘツド２０の高さを調
節し、NCルータを起動、即ちカツタ２０を回転
させるとともに、テーブル１をプログラム信号に
よりＸ軸・Ｙ軸方向に移動制御し、第１図におい
て板材Ｗの左端部Ｗ２を、次いで板材Ｗの右端部
Ｗ３を加工し、第３図に示すように、雌形のダブ
テールアを形成する。

さすれば、、上記雌形のダブテールアは、組み
合わせ基準となる板材Ｗの上面Ｗ１を基準面と
し、一個のカツタ２０により所定の形状に加工さ
れることになる。

なお、雄形のダブテールを加工する際には、板
材Ｗの左端部Ｗ２および右端部Ｗ３を第１図にお
いてアーム４から右方および左方に突出させて加
圧機構５により板受け面４ａに押圧固定する。

そして、ヘツド２０を横向きに回動させてカツ
タ２１を板材Ｗの一方の端部、例えば左端部Ｗ２
に配置し、この状態でカツタ２０を回転させると
ともに、プログラム信号により、テーブル１を第
２図において左方（Ｘ軸方向）に移動させつつ、
ヘツド２０を上下（Ｚ軸）方向に移動制御する。

（考案の効果） 以上の説明から明らかな如く、本考案によれ
ば、板材を上面基準でテーブルに取付けることが
でき、カツタが上向きにできないNCルータであ
つても、板材のダブテール加工が容易かつ正確に
行える効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
はその要部断面側面図、第３図はダブテール加工
された板材の要部斜視図である。 １……テーブル、Ｗ……板材、Ｗ１……上面、
Ｗ２……左端部、Ｗ３……右端部、Ａ，Ｂ……板
材取付け治具、２……座台、３……支柱、４……
アーム、４ａ……板受け面、５……加圧機構、６
……作動軸、７……加圧板、８……固定リング、
９……操作レバー、１０……横定規、１１……締
結具、１２……クランブアーム、１３……ねじ
軸、１４……ハンドル、１５……ブラケツト、１
６……止めねじ、２０……ヘツド、２１……カツ
タ、ア……雌形ダブテール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. テーブルに板材の両端部を支持する一対の板材
   取付け治具を設け、各板材取付け治具は、テーブ
   ルの上面に載置される座台と、座台から起立する
   支柱の上端部に固定され、かつ下面がテーブルの
   上面と平行する板受け面に形成されたアームと、
   座台に取付けられかつ板受け面に向かつて伸縮作
   動する加圧機構と、座台をテーブルに締め付けお
   よび解除する締結具とを有してなることを特徴と
   するNCルータ用板材取付け治具。