JPH05332365A - ドライベアリングおよびその製造方法 - Google Patents
ドライベアリングおよびその製造方法Info
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- JPH05332365A JPH05332365A JP15612692A JP15612692A JPH05332365A JP H05332365 A JPH05332365 A JP H05332365A JP 15612692 A JP15612692 A JP 15612692A JP 15612692 A JP15612692 A JP 15612692A JP H05332365 A JPH05332365 A JP H05332365A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 フッ素樹脂を主成分とするドライベアリング
は摺動材料の厚さを厚くすると裏金から簡単に剥離して
しまうが、摺動材料の厚さを厚くしても剥離しないよう
にするとともに寿命を長くする。 【構成】 厚さが0.1〜1.0mmのフッ素樹脂を主
成分とするシート状の摺動材料9が金属帯状材13から
成る裏金に接着剤12で接着されているドライベアリン
グ。フッ素樹脂を主成分とする摺動材料を圧延して長尺
にし、それを接着剤で長尺の金属帯状材に接着して複合
材料を作り、そして該複合材料を短冊状に切断した後、
該短冊状の複合材料を丸め、さらに丸めた内側を切削加
工することによりドライベアリングを得る。
は摺動材料の厚さを厚くすると裏金から簡単に剥離して
しまうが、摺動材料の厚さを厚くしても剥離しないよう
にするとともに寿命を長くする。 【構成】 厚さが0.1〜1.0mmのフッ素樹脂を主
成分とするシート状の摺動材料9が金属帯状材13から
成る裏金に接着剤12で接着されているドライベアリン
グ。フッ素樹脂を主成分とする摺動材料を圧延して長尺
にし、それを接着剤で長尺の金属帯状材に接着して複合
材料を作り、そして該複合材料を短冊状に切断した後、
該短冊状の複合材料を丸め、さらに丸めた内側を切削加
工することによりドライベアリングを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子の樹脂を主成分
とするドライベアリングおよびその製造方法に関する。
とするドライベアリングおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、コンピュータや
ワードプロセッサーのプリンター等の事務機には、紙の
送り装置、ライトの移動装置、印字装置等に多数の摺動
部分があり、ここには軸受が設置されている。
ワードプロセッサーのプリンター等の事務機には、紙の
送り装置、ライトの移動装置、印字装置等に多数の摺動
部分があり、ここには軸受が設置されている。
【0003】事務機では被写体や紙が汚れるのを嫌うた
め、ここに用いる軸受には潤滑油を全く使用しないこと
が条件となっている。潤滑油を使用しない軸受とは、摺
動面に高分子樹脂を用いたもので、ドライベアリングと
呼ばれている。この高分子樹脂を用いたドライベアリン
グの製造方法としては、一般に謝出成形法と含浸法とが
ある。
め、ここに用いる軸受には潤滑油を全く使用しないこと
が条件となっている。潤滑油を使用しない軸受とは、摺
動面に高分子樹脂を用いたもので、ドライベアリングと
呼ばれている。この高分子樹脂を用いたドライベアリン
グの製造方法としては、一般に謝出成形法と含浸法とが
ある。
【0004】謝出成形法とは、溶融したナイロンやフェ
ノール樹脂を謝出成形機で型に流し込んで円筒形の軸受
形状にしたり、多数のアンカー溝のある円筒形の金属材
料の内側に謝出成形機で打ち張りしてドライベアリング
にする方法である。
ノール樹脂を謝出成形機で型に流し込んで円筒形の軸受
形状にしたり、多数のアンカー溝のある円筒形の金属材
料の内側に謝出成形機で打ち張りしてドライベアリング
にする方法である。
【0005】含浸法とは、鉄板で裏打ちされた多孔質の
焼結金属にポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素
樹脂を主成分として、それに酸化鉛や鉛粉のような固体
潤滑剤が少量添加された摺動材料を含浸させる方法であ
る。
焼結金属にポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素
樹脂を主成分として、それに酸化鉛や鉛粉のような固体
潤滑剤が少量添加された摺動材料を含浸させる方法であ
る。
【0006】ここで含浸法についてさらに詳細に説明す
る。含浸法では、フッ素樹脂が溶剤と懸濁したディスパ
ージョンを用いているため、フッ素樹脂から成る摺動材
料を裏金に直接接着することができず、多孔質の焼結金
属に含浸させなければならなかった。そのため、焼結金
属としては、焼結が容易な銅合金粉末を用い、また焼結
金属だけでは強度が充分でないため、補強材として銅合
金粉末が拡散接合しやすい鉄板を用いていた。
る。含浸法では、フッ素樹脂が溶剤と懸濁したディスパ
ージョンを用いているため、フッ素樹脂から成る摺動材
料を裏金に直接接着することができず、多孔質の焼結金
属に含浸させなければならなかった。そのため、焼結金
属としては、焼結が容易な銅合金粉末を用い、また焼結
金属だけでは強度が充分でないため、補強材として銅合
金粉末が拡散接合しやすい鉄板を用いていた。
【0007】つまり含浸法は、鉄板上に銅合金粉末を均
一厚さに散布し、それを活性雰囲気の熱処理炉で銅合金
粉末の溶融温度以下(約800℃)に加熱して鉄板と銅
合金粉末、および銅合金粉末同志を拡散現象により焼結
した後、この焼結した上にフッ素樹脂と固体潤滑剤を混
練してペースト状にした摺動材料を置き、ロールやプレ
スで圧力をかけて多孔質の焼結金属に含浸させ、これを
適宜な大きさに切断して丸めていた。
一厚さに散布し、それを活性雰囲気の熱処理炉で銅合金
粉末の溶融温度以下(約800℃)に加熱して鉄板と銅
合金粉末、および銅合金粉末同志を拡散現象により焼結
した後、この焼結した上にフッ素樹脂と固体潤滑剤を混
練してペースト状にした摺動材料を置き、ロールやプレ
スで圧力をかけて多孔質の焼結金属に含浸させ、これを
適宜な大きさに切断して丸めていた。
【0008】図3は含浸法で得られたドライベアリング
の拡大断面図である。裏金の鉄板Sに銅合金粉末Cが焼
結されて多孔質となっている。該多孔質の空隙に摺動材
料Bが含浸されている。この摺動材料Bはフッ素樹脂を
主成分とし、その中に鉛や酸化鉛等の固体潤滑剤Jが少
量分布している。摺動材料Bの厚さTは約0.03mm
である。
の拡大断面図である。裏金の鉄板Sに銅合金粉末Cが焼
結されて多孔質となっている。該多孔質の空隙に摺動材
料Bが含浸されている。この摺動材料Bはフッ素樹脂を
主成分とし、その中に鉛や酸化鉛等の固体潤滑剤Jが少
量分布している。摺動材料Bの厚さTは約0.03mm
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】謝出成形法で得られる
ドライベアリングは、材料費や製造費は安価であるが、
材質が軟らか過ぎて事務機で要求されるような高い精度
の加工ができず、しかも材料のナイロンやフェノールは
潤滑性が充分ではないため長期安定性に欠けるという問
題があった。
ドライベアリングは、材料費や製造費は安価であるが、
材質が軟らか過ぎて事務機で要求されるような高い精度
の加工ができず、しかも材料のナイロンやフェノールは
潤滑性が充分ではないため長期安定性に欠けるという問
題があった。
【0010】含浸法で得られるドライベアリングは、謝
出成形法のドライベアリングに比べ潤滑性に優れている
が、摺動材料を含浸させるための焼結用銅合金粉末が高
価であり、しかもこれを焼結するために熱処理炉や活性
雰囲気用のガスが必要であることから、材料費や製造費
が高価となり、さらには製造工程も多くて手間のかかる
ものであった。
出成形法のドライベアリングに比べ潤滑性に優れている
が、摺動材料を含浸させるための焼結用銅合金粉末が高
価であり、しかもこれを焼結するために熱処理炉や活性
雰囲気用のガスが必要であることから、材料費や製造費
が高価となり、さらには製造工程も多くて手間のかかる
ものであった。
【0011】また含浸法に用いられていた摺動材料は、
焼結した金属に含浸させなければならないため、固体潤
滑材のような含浸しにくい材料は多量に入れることがで
きなかった。つまり、この摺動材料は焼結金属への含浸
が比較的容易なフッ素樹脂を60重量%以上含んでいな
ければならず、その分固体潤滑剤が少ないことから充分
な潤滑性が得られなかった。しかもフッ素樹脂を多量に
含んだ摺動材料は軟らかく変形しやすいため、この摺動
材料を焼結金属に厚く含浸させたものでは、摺動部に大
きな荷重がかかると軸に押された部分が凹み、それが回
復して元にもどる時に含浸した部分を剥離させてしま
う。従って、この摺動材料は厚さを大きくすることがで
きず、最大厚さが大きな荷重を受けても剥離しない0.
03mm程度までであった。
焼結した金属に含浸させなければならないため、固体潤
滑材のような含浸しにくい材料は多量に入れることがで
きなかった。つまり、この摺動材料は焼結金属への含浸
が比較的容易なフッ素樹脂を60重量%以上含んでいな
ければならず、その分固体潤滑剤が少ないことから充分
な潤滑性が得られなかった。しかもフッ素樹脂を多量に
含んだ摺動材料は軟らかく変形しやすいため、この摺動
材料を焼結金属に厚く含浸させたものでは、摺動部に大
きな荷重がかかると軸に押された部分が凹み、それが回
復して元にもどる時に含浸した部分を剥離させてしま
う。従って、この摺動材料は厚さを大きくすることがで
きず、最大厚さが大きな荷重を受けても剥離しない0.
03mm程度までであった。
【0012】ところで、摺動材料の厚さが0.03mm
しかないドライベアリングの内径を精密に仕上げること
は非常に困難である。つまり、ドライベアリングの内径
を精密に仕上げるには、丸め加工後、摺動部を切削加工
することが最良法であるが、摺動材料の厚さが0.03
mmしかないものでは切削加工を行うと摺動材料が削ら
れてなくなるため切削加工が行えなかった。従って、含
浸法で得たドライベアリングは、丸め加工時に精密仕上
げを行うようにしているが、裏金に鉄板を用いてあるた
め、丸め加工時の加工硬化で裏金のバックテンションが
強くなり、如何に丸め加工を寸法通りに行っても所定の
内径には仕上がらなかった。
しかないドライベアリングの内径を精密に仕上げること
は非常に困難である。つまり、ドライベアリングの内径
を精密に仕上げるには、丸め加工後、摺動部を切削加工
することが最良法であるが、摺動材料の厚さが0.03
mmしかないものでは切削加工を行うと摺動材料が削ら
れてなくなるため切削加工が行えなかった。従って、含
浸法で得たドライベアリングは、丸め加工時に精密仕上
げを行うようにしているが、裏金に鉄板を用いてあるた
め、丸め加工時の加工硬化で裏金のバックテンションが
強くなり、如何に丸め加工を寸法通りに行っても所定の
内径には仕上がらなかった。
【0013】ドライベアリングでは、摺動材料の厚さは
或る程度厚い方が寿命の点で好ましいものであるが、含
浸法で得られるドライベアリングは寿命が短いという欠
点もあった。つまり厚さが0.03mmしかないドライ
ベアリングでは少しの摩耗が起きても直ぐに含浸用の焼
結金属が現れてしまい、これが軸に接触して軸を傷つけ
ることになる。しかしながら含浸法で得られるドライベ
アリングは前述の如く、摺動材料を厚くすることによる
剥離の問題があるため摺動材料を厚くすることができな
かったものである。
或る程度厚い方が寿命の点で好ましいものであるが、含
浸法で得られるドライベアリングは寿命が短いという欠
点もあった。つまり厚さが0.03mmしかないドライ
ベアリングでは少しの摩耗が起きても直ぐに含浸用の焼
結金属が現れてしまい、これが軸に接触して軸を傷つけ
ることになる。しかしながら含浸法で得られるドライベ
アリングは前述の如く、摺動材料を厚くすることによる
剥離の問題があるため摺動材料を厚くすることができな
かったものである。
【0014】本発明は、フッ素樹脂を用いるにもかかわ
らず、製造が従来の含浸法よりも容易であり、しかも摺
動材料の厚さを含浸法のドライベアリングよりもかなり
厚くして寿命を長くすることができるというドライベア
リングおよびその製造方法を提供することにある。
らず、製造が従来の含浸法よりも容易であり、しかも摺
動材料の厚さを含浸法のドライベアリングよりもかなり
厚くして寿命を長くすることができるというドライベア
リングおよびその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】従来より微粉末のフッ素
樹脂を懸濁したディスパージョンをドライベアリングに
用いるには、焼結金属に含浸させるしかないと考えられ
ていたが、本発明者らは、微粉末のフッ素樹脂を懸濁し
たディスパージョンは、溶剤を少なくしてペースト状態
にしてから加熱すると塊状に焼成でき、しかもこの焼成
した塊状のものは塑性加工ができることを見いだし本発
明を完成させた。
樹脂を懸濁したディスパージョンをドライベアリングに
用いるには、焼結金属に含浸させるしかないと考えられ
ていたが、本発明者らは、微粉末のフッ素樹脂を懸濁し
たディスパージョンは、溶剤を少なくしてペースト状態
にしてから加熱すると塊状に焼成でき、しかもこの焼成
した塊状のものは塑性加工ができることを見いだし本発
明を完成させた。
【0016】本発明は、銅合金粉末、固体潤滑材および
フッ素樹脂から成る厚さ0.1〜1.0mmのシート状
の摺動材料を裏金に接着剤で接着してあることを特徴と
するドライベアリングであり、また銅合金粉末30〜7
0重量%、二硫化モリブデン1〜10重量%、残部フッ
素樹脂から成る厚さ0.1〜1.0mmのシート状の摺
動材料を裏金に接着剤で接着してあることを特徴とする
ドライベアリングであり、さらにまた金属粉末、固体潤
滑材およびフッ素樹脂を混練してペースト状にする工
程;ペースト状の摺動材料を加熱して焼成する工程;焼
成した摺動材料をロールで圧延してシート状にする工
程;シート状の摺動材料の片面をエッチング溶液で粗面
にする工程;シート状の摺動材料の粗面に熱硬化性の接
着剤を塗布し、該塗布面を長尺の金属帯状材に合わせた
後、この合わせた長尺材を温度が徐々に高くなっている
複数の熱間ロールに通して接着剤を硬化させることによ
りシート状摺動材料と金属帯状材の複合材を製造する工
程;該複合材を短冊状に切断する工程;短冊状の複合材
を摺動材料が内側となるようにして丸めて円筒体にする
工程;および円筒体の内径を切削加工して所定の内径に
仕上げる工程;から成ることを特徴とするドライベアリ
ングの製造方法である。
フッ素樹脂から成る厚さ0.1〜1.0mmのシート状
の摺動材料を裏金に接着剤で接着してあることを特徴と
するドライベアリングであり、また銅合金粉末30〜7
0重量%、二硫化モリブデン1〜10重量%、残部フッ
素樹脂から成る厚さ0.1〜1.0mmのシート状の摺
動材料を裏金に接着剤で接着してあることを特徴とする
ドライベアリングであり、さらにまた金属粉末、固体潤
滑材およびフッ素樹脂を混練してペースト状にする工
程;ペースト状の摺動材料を加熱して焼成する工程;焼
成した摺動材料をロールで圧延してシート状にする工
程;シート状の摺動材料の片面をエッチング溶液で粗面
にする工程;シート状の摺動材料の粗面に熱硬化性の接
着剤を塗布し、該塗布面を長尺の金属帯状材に合わせた
後、この合わせた長尺材を温度が徐々に高くなっている
複数の熱間ロールに通して接着剤を硬化させることによ
りシート状摺動材料と金属帯状材の複合材を製造する工
程;該複合材を短冊状に切断する工程;短冊状の複合材
を摺動材料が内側となるようにして丸めて円筒体にする
工程;および円筒体の内径を切削加工して所定の内径に
仕上げる工程;から成ることを特徴とするドライベアリ
ングの製造方法である。
【0017】銅合金粉末は軟らかいフッ素樹脂を補強し
て耐高荷重性をもたせるために添加するものであり、こ
の添加量が30重量%より少ないと耐高荷重性を発揮す
ることができず、しかるに70重量%を越えると摺動面
に多数の銅合金が露出して潤滑性を損なうようになって
しまう。本発明に使用する銅合金粉末としては、摺動
性、および摺動面に露出したときでも軸を傷付けにくい
鉛青銅が適している。
て耐高荷重性をもたせるために添加するものであり、こ
の添加量が30重量%より少ないと耐高荷重性を発揮す
ることができず、しかるに70重量%を越えると摺動面
に多数の銅合金が露出して潤滑性を損なうようになって
しまう。本発明に使用する銅合金粉末としては、摺動
性、および摺動面に露出したときでも軸を傷付けにくい
鉛青銅が適している。
【0018】摺動材料としてフッ素樹脂だけでも或る程
度の潤滑性はあるが、これに二硫化モリブデンを添加す
るとさらに潤滑性が向上する。ここに二硫化モリブデン
の添加が1重量%より少ないと潤滑性向上に効果がな
く、10重量%を越える添加は材料費が高価となるばか
りで、それ以上の効果は期待できない。
度の潤滑性はあるが、これに二硫化モリブデンを添加す
るとさらに潤滑性が向上する。ここに二硫化モリブデン
の添加が1重量%より少ないと潤滑性向上に効果がな
く、10重量%を越える添加は材料費が高価となるばか
りで、それ以上の効果は期待できない。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明のドライベアリ
ングの製造方法について説明する。図1の〜は本発
明のドライベアリングの製造方法の各工程である。
ングの製造方法について説明する。図1の〜は本発
明のドライベアリングの製造方法の各工程である。
【0020】50重量%の鉛青銅合金粉末1と5重量
%の二硫化モリブデン粉末2、およびフッ素樹脂が残部
となるようなフッ素樹脂のディスパージョン3を攪拌機
4で混練してペースト状の摺動材料5にする。 ペースト状の摺動材料を加熱炉6で加熱焼成して塊状
の摺動材料7にする。 塊状の摺動材料7をロール8で圧延して厚さ0.4m
mの長尺のシート状摺動材料9にする。 シート状摺動材料9の片面10をエッチング液11で
粗面にする。 シート状摺動材料9の粗面となった片面10にエポキ
シ系の熱硬化性の接着剤12を塗布し、該塗布面を長尺
の金属帯状材13に合わせた後、5対の熱間ロール14
…に通して接着剤を硬化させることにより複合材15に
する。ここで使用する熱間ロールは、最初が40℃で順
次10℃づつ温度が高くなり、最終のロールが80℃と
なっている。最初のロールはシート状摺動材料9と金属
帯状材13間の接着剤12を均一に拡がらせるためベル
ト式となっている。 複合材15を切断して短冊状の複合材16にする。 短冊状の複合材16を摺動面が内側となるように丸め
て円筒体17を作る。このときの内径は所定の内径より
少し小さくなっている。 円筒体の内径を切削加工により所定の寸法に仕上げて
ドライベアリング18を得る。
%の二硫化モリブデン粉末2、およびフッ素樹脂が残部
となるようなフッ素樹脂のディスパージョン3を攪拌機
4で混練してペースト状の摺動材料5にする。 ペースト状の摺動材料を加熱炉6で加熱焼成して塊状
の摺動材料7にする。 塊状の摺動材料7をロール8で圧延して厚さ0.4m
mの長尺のシート状摺動材料9にする。 シート状摺動材料9の片面10をエッチング液11で
粗面にする。 シート状摺動材料9の粗面となった片面10にエポキ
シ系の熱硬化性の接着剤12を塗布し、該塗布面を長尺
の金属帯状材13に合わせた後、5対の熱間ロール14
…に通して接着剤を硬化させることにより複合材15に
する。ここで使用する熱間ロールは、最初が40℃で順
次10℃づつ温度が高くなり、最終のロールが80℃と
なっている。最初のロールはシート状摺動材料9と金属
帯状材13間の接着剤12を均一に拡がらせるためベル
ト式となっている。 複合材15を切断して短冊状の複合材16にする。 短冊状の複合材16を摺動面が内側となるように丸め
て円筒体17を作る。このときの内径は所定の内径より
少し小さくなっている。 円筒体の内径を切削加工により所定の寸法に仕上げて
ドライベアリング18を得る。
【0021】上記方法で得られた本発明のドライベアリ
ングの断面図を図2に示す。金属帯状材13から成る裏
金とシート状の摺動材料9は接着剤12で接着されてお
り、摺動材料の厚さTは0.3mmであった。摺動材料
の中には二硫化モリブデン2と多数の鉛青銅合金粉末1
が混在している。
ングの断面図を図2に示す。金属帯状材13から成る裏
金とシート状の摺動材料9は接着剤12で接着されてお
り、摺動材料の厚さTは0.3mmであった。摺動材料
の中には二硫化モリブデン2と多数の鉛青銅合金粉末1
が混在している。
【0022】上記方法で得られた本発明のドライベアリ
ング、従来の含浸法で得られたドライベアリングおよび
射出成形法で得られたドライベアリングをコンピュータ
ーのプリンターの印字装置に設置して摩耗試験を行っ
た。その結果を図4に示す。
ング、従来の含浸法で得られたドライベアリングおよび
射出成形法で得られたドライベアリングをコンピュータ
ーのプリンターの印字装置に設置して摩耗試験を行っ
た。その結果を図4に示す。
【0023】図4から明らかなように、射出成形法のド
ライベアリングは摩耗量が多い。また含浸法のドライベ
アリングは射出成形法のドライベアリングよりも摩耗量
は少ないが、500時間で焼結金属が現れて軸を傷付け
てしまった。本発明のドライベアリングは、1000時
間以後も摩耗量があまり変わっていない。
ライベアリングは摩耗量が多い。また含浸法のドライベ
アリングは射出成形法のドライベアリングよりも摩耗量
は少ないが、500時間で焼結金属が現れて軸を傷付け
てしまった。本発明のドライベアリングは、1000時
間以後も摩耗量があまり変わっていない。
【0024】なお含浸法では銅合金粉末を焼結するため
裏金としては銅合金粉末と金属的接合ができる鉄板を使
用しなければならなかった。従って、含浸法で得られた
ドライベアリングは裏金が錆びて錆片が電子回路や摺動
部に付着して機能劣化を起こすことがあった。しかしな
がら、本発明のドライベアリングは金属粉を焼結する必
要がないため、いかなる裏金、たとえば銅合金と焼結し
にくいアルミニュームのようなものも使用できる。ドラ
イベアリングの裏金にアルミニュームを使用した場合は
錆びの心配がなく、また軽量化も可能となる。
裏金としては銅合金粉末と金属的接合ができる鉄板を使
用しなければならなかった。従って、含浸法で得られた
ドライベアリングは裏金が錆びて錆片が電子回路や摺動
部に付着して機能劣化を起こすことがあった。しかしな
がら、本発明のドライベアリングは金属粉を焼結する必
要がないため、いかなる裏金、たとえば銅合金と焼結し
にくいアルミニュームのようなものも使用できる。ドラ
イベアリングの裏金にアルミニュームを使用した場合は
錆びの心配がなく、また軽量化も可能となる。
【0025】
【発明の効果】本発明のドライベアリングは、フッ素樹
脂を主成分とする摺動材料が厚くなっおり、しかも固体
潤滑剤や金属粉末が従来の含浸法で得られるドライベア
リングよりも多量に添加されているため長寿命性と耐高
荷重性に優れている。また本発明のドライベアリングの
製造方法によれば、高価な銅合金粉末を使用しなくとも
摺動材料を裏金に直接接着できるため、従来の含浸法の
ように活性雰囲気用のガスや熱処理炉を必要とせず極め
て容易に製造できるという優れた効果を奏することがで
きる。
脂を主成分とする摺動材料が厚くなっおり、しかも固体
潤滑剤や金属粉末が従来の含浸法で得られるドライベア
リングよりも多量に添加されているため長寿命性と耐高
荷重性に優れている。また本発明のドライベアリングの
製造方法によれば、高価な銅合金粉末を使用しなくとも
摺動材料を裏金に直接接着できるため、従来の含浸法の
ように活性雰囲気用のガスや熱処理炉を必要とせず極め
て容易に製造できるという優れた効果を奏することがで
きる。
【図1】本発明のドライベアリング製造方法の各工程を
説明する図である。
説明する図である。
【図2】本発明のドライベアリングの拡大断面図であ
る。
る。
【図3】従来の含浸法で得られたドライベアリングの拡
大断面図である。
大断面図である。
【図4】本発明のドライベアリング、含浸法のドライベ
アリングおよび射出成形法のドライベアリングの摩耗量
の測定結果のグラフである。
アリングおよび射出成形法のドライベアリングの摩耗量
の測定結果のグラフである。
1 鉛青銅合金粉末 2 二硫化モリブデン 3 フッ素樹脂のディスパージョン 4 攪拌機 5 ペーストの摺動材料 6 加熱炉 7 塊状の摺動材料 8 ロール 9 シート状の摺動材料 10 シート状の摺動材料の片面 11 エッチング液 12 接着剤 13 金属帯状材 14 熱間ロール 15 複合材 16 短冊状の複合材 17 円筒体 18 ドライベアリング
Claims (3)
- 【請求項1】 銅合金粉末、固体潤滑材およびフッ素樹
脂から成る厚さ0.1〜1.0mmのシート状の摺動材
料を裏金に接着剤で接着してあることを特徴とするドラ
イベアリング。 - 【請求項2】 銅合金粉末30〜70重量%、二硫化モ
リブデン1〜10重量%、残部フッ素樹脂から成る厚さ
0.1〜1.0mmのシート状の摺動材料を裏金に接着
剤で接着してあることを特徴とするドライベアリング。 - 【請求項3】 金属粉末、固体潤滑材およびフッ素樹脂
を混練してペースト状にする工程;ペースト状の摺動材
料を加熱して焼成する工程;焼成した摺動材料をロール
で圧延してシート状にする工程;シート状の摺動材料の
片面をエッチング溶液で粗面にする工程;シート状の摺
動材料の粗面に熱硬化性の接着剤を塗布し、該塗布面を
長尺の金属帯状材に合わせた後、この合わせた長尺材を
温度が徐々に高くなっている複数の熱間ロールに通して
接着剤を硬化させることによりシート状摺動材料と金属
帯状材の複合材を製造する工程;該複合材を短冊状に切
断する工程;短冊状の複合材を摺動材料が内側となるよ
うに丸めて円筒体にする工程;円筒体の内径を切削加工
して所定の内径に仕上げる工程;から成ることを特徴と
するドライベアリングの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15612692A JPH05332365A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | ドライベアリングおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15612692A JPH05332365A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | ドライベアリングおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05332365A true JPH05332365A (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=15620898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15612692A Pending JPH05332365A (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | ドライベアリングおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05332365A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1992
- 1992-05-25 JP JP15612692A patent/JPH05332365A/ja active Pending
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