JPH0533223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はパイプ切断機の駆動機構室に係り、駆
動室内で、駆動機構の摩擦熱などにより温度上昇
した高圧空気を大気側に逃すと共に、外気側から
の汚染空気の侵入を可及的に防止するものであ
る。

（従来の技術） ケースフレームのソー取付杆を通す誘導溝を透
設した障壁部の内方に、ソー取付杆を往復動させ
る駆動機構室を設けてなる手持ち用等のパイプ切
断機においては、駆動機構室に室外のモータによ
り駆動される小傘歯車を臨ませて大傘歯を車連動
し、さらにソー取付杆の往復運動に変換する駆動
機構を設けているものであるから、歯車等の摩擦
熱により室温が上がり且つ高圧になり、駆動機構
に塗布したグリースが温度変化により軟化して流
動する傾向をもつ、然るに従来はこれに対する対
策構造がなく、ケースフレーム２を早期に分解し
かつグリース等を補給しているもので、これがパ
イプ切断機の耐久性にも直接の影響を及ぼしてい
る。

（本考案が解決しようとする問題点） 前記に述べた従来機の欠点は、ケースフレーム
の駆動機構室を密閉状にしないで外気に連通する
通気孔等を設けることにより解決ができるが、特
に手持ち用のパイプ切断機などでは、外気が埃つ
ぽく汚染した環境で使用することが多く、前記の
通気孔等から汚染空気を侵入させて、グリースの
劣化、駆動機構の摩耗等の欠点を生じ易く、この
欠点を除かなければならない。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前項に述べた問題点を解決することを
目的とするもので、ケースフレームにソー取付杆
を通す誘導溝を透設した壁部の内方に、ソー取付
杆を往復動させる駆動機構室を設けてなるパイプ
切断機において、該駆動機構室の側壁部に空気流
通孔を設けると共に、ケースフレームの外周を被
覆して固定したカバーの内面に前記の流通孔に通
ずる狭い空気抜き通路を設け、その通路をカバー
の一端で外気に向かつて開放したことを特徴とす
るものである。本考案によれば駆動機構室へのみ
だりな外気侵入を防いで、機構内部及び駆動機構
に埃などが付着するのを防止できる。

本考案の好適な実施例を次項に説明する。

（実施例） 添付図面は本考案の一実施例を示したものであ
つて、パイプの切断機１のケースフレーム２に密
閉状の駆動機構室３と、開放口部４とを形成し、
駆動機構室３には公知のようにモータ５の駆動軸
に連結した小傘歯車６を突出し、これに噛合う大
径の傘歯車７によつて回転する偏心ピン８を往復
動のソー取付杆９に設けたカム板１０に形成した
横方向のカム溝１１に遊嵌し、ソー取付杆９には
前記の駆動機構室３において両側を挟む一対の案
内ローラ１２を接触させ、開放口部４の境界を構
成するケースフレーム２の部分にソー取付杆９を
通す誘導溝１３を設け、開放口部４内に臨むソー
取付杆９の先端にソー１４を交換自由に設け、誘
導溝１３にソー取付杆９を取り囲む１個のスクレ
ーパ１５を設ける。

以上は従来の手持ち用パイプ切断機の一例であ
つて、符号６〜８は駆動機構１６を示すものであ
る。

本考案は駆動機構室３の側壁に空気流通孔２１
を設け、ケースフレーム２の側部全周に密着させ
た硬質ゴム製等の適宜材質のカバー２２を嵌め
る。該カバー２２は、駆動機構室３の外壁部分か
らモータ５のモータ筐２３に設ける冷却口２４に
ほぼ接する長さとし、該カバー２２の内面に第
２，３図に示すように前記した空気流通孔２１に
合致する細巾の狭い空気抜き通路２５を冷却口２
４の付近で終わるカバー２２の一端まで設ける。

本考案においては、ケースフレーム２の駆動機
構室３内に設置される駆動機構１６の摩擦熱等に
より加熱されて高圧になつた空気は空気流通孔２
１からすぐには外気中に放出されずカバー２２の
内面の空気抜き通路２５を通つてカバー２２の一
端から外気中に放出されるものであつて、該通路
２５の出口がモータ筐２３の冷却口２４の付近に
あれば、冷却口２４から噴き出す空気のアウトジ
エクト作用により排出をより促進することができ
る。

（効果） 本考案はパイプ切断機１のケースフレーム２の
外周を被覆して固定したカバー２２の内面に、前
記フレームのほぼ密閉の駆動機構室３の側壁に設
けた空気流通孔２１に通ずる狭い空気抜き通路２
５をカバー２２の一端で外気に向かつて開放して
設けた構成をもち、密閉状の駆動機構室３の内部
でソー取付杆９を往復駆動するための駆動機構１
６の機械運動により摩擦熱を生じて該室３内から
高圧になつて外気との圧力差を生ずる傾向になつ
ても、空気流通孔２１からカバー２２の空気抜き
通路２５を通つて外気中に排出され、外気圧力を
均衡するものであると共に、空気流通孔２１は直
接に外気に向かつて開放されたものではないの
で、パイプ切断機１を不使用中、或るいは使用中
に汚染した外気が該流通孔２１から駆動機構室３
に侵入して埃を該機構室３の内壁、若しくは駆動
機構１６に付着して、使用中の摩耗を早めるおそ
れがなく、パイプ切断機の管理を良好に保つこと
ができ、しかも頭記のようなグリース類の高温高
圧による溶触流動等をよく防止できる効果をも
つ。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案を例示したもので、第１図は
一部切欠側面図、第２図は空気抜き通路２５を内
面に設けたカバー２２の一部の斜視図、第３図は
第１図のＡ−Ａ線切断面図、第４図はカバー２２
の一部を切欠した側面図である。 １……パイプ切断機、２……ケースフレーム、
３……駆動機構室、９……ソー取付杆、１４……
ソー、１６……駆動機構、２１……空気流通孔、
２２……カバー、２３……モータ筐、２４……冷
却口、２５……空気抜き通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースフレームにソー取付杆を通す誘導溝を透
   設した壁部の内方に、ソー取付杆を往復動させる
   駆動機構室を設けてなるパイプ切断機において、
   該駆動機構室の側壁部に空気流通孔を設けると共
   に、ケースフレームの外周を被覆して固定したカ
   バーの内面に前記の流通孔に通ずる狭い空気抜き
   通路を設け、その通路をカバーの一端で外気に向
   かつて開放したことを特徴とするパイプ切断機の
   駆動機構室。