JPH05331824A - 水路の制水装置 - Google Patents

水路の制水装置

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JPH05331824A
JPH05331824A JP16195192A JP16195192A JPH05331824A JP H05331824 A JPH05331824 A JP H05331824A JP 16195192 A JP16195192 A JP 16195192A JP 16195192 A JP16195192 A JP 16195192A JP H05331824 A JPH05331824 A JP H05331824A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 水路の水位が計画水位になってフロートが浮
上したならば、扉体を速やかに作動させて水路を閉じた
り開いたりできる手段。 【構成】 水路1の水位が計画水位まで上昇してフロー
ト12が浮上すると、まず第2のロック手段22のロッ
ク状態が解除されて増力手段30が動作し、この増力手
段30により得られる大きな力により、第1のロック手
段16,32のロック状態が解除され、扉体2は速やか
に作動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水路の制水装置に係り、
詳しくは、水路の水位の上昇にともなってフロートが浮
上したならば、水路に設けられた扉体を感度よく作動さ
せるようにした水路の制水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】農業用水路などの各種水路に設けられる
制水装置として、水路の水位が上昇して水位検知用フロ
ートが浮上すると、ロック手段のロック状態を解除し
て、水路に設けられた扉体を自重により転倒させたり、
あるいは下降させるようにしたものが広く実施されてい
る。
【0003】例えば、特開昭60−238508号公報
に開示されたものは、水路の水位が上昇して浮子(フロ
ート)25(符号は同公報援用)が浮上すると、ストッ
パー5が爪歯車3から離脱し、爪歯車3はフリー状態と
なって、扉体1は自重と背水圧により回転軸2を中心に
回転し、河床上に倒伏して水路を開くようになってい
る。すなわち爪歯車3とストッパー5が扉体1が転倒
(作動)するのを阻止するロック手段となっており、水
路の水位が計画水位まで上昇すると、浮子5の浮力によ
りロック状態を解除して扉体1を転倒させるようになっ
ている。
【0004】また本出願人が提案した特開昭62−11
1014号公報に開示されたものは、ロック手段として
バンドブレーキ12(符号は同公報援用)を採用してお
り、水路の水位の上昇にともなってフロート21が浮上
すると、バンド32が緩んでロック状態が解除され、扉
体1を下端ヒンジ部3を中心に回転させて底盤2上に転
倒させるようになっている。
【0005】さらには本出願人が提案した特開平1−3
18611号公報のものは、ロック手段として、爪車と
ストッパから成る一方向クラッチ機構と、クラッチ板等
から成る多段クラッチ機構を採用しており、水路の水位
が上昇すると、これらのクラッチ機構によるロック状態
を解除して扉体を自重により下降させるようになってい
る。あるいは又、防潮ゲートなどに多用されているフロ
ート付扉体を備えた制水装置は、通常は倒伏状態でロッ
クしておき、水位が高くなったらロック状態を解除し
て、フロートの浮力により扉体を起立させるようになっ
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、水路の
水をセキ止める制水装置は、通常はロック手段により扉
体が作動するのを阻止しておき、水路の水位が上昇して
フロートが浮上すると、その浮力によりロック手段のロ
ック状態を解除し、扉体を作動(転倒、下降、起立)さ
せるようになっている。
【0007】ところで水路の水位の上昇はきわめてゆっ
くりしたものであり、したがってフロートの浮上速度も
遅いものである。すなわち前記特開昭60−23850
8号公報に開示されたものにおいては、フロート25は
ゆっくり浮上するため、ストッパー5は爪歯車3から瞬
間的に完全に離脱せず、しばらくの間ストッパー5の下
面は扉体転倒方向に回転する爪歯車3の周面に摺接この
ためしばらくの間、不快な摩擦音を発生するだけでな
く、ストッパー5の下面や爪歯車3の周面が摺接摩擦に
より摩耗するという問題点があった。また、ストッパー
5が爪歯車3から離脱して爪歯車3が回転を開始するタ
イミング(すなわち扉体1が転倒を開始するタイミン
グ)が安定しないという問題点があった。
【0008】このような問題点は、前記特開平1−31
8611号公報のものにも同様に生じるものであり、ま
た前記特開昭62−111014号公報のものも、フロ
ート21の浮上にともなう扉体1の転倒開始タイミング
が一定しないという問題点があった。したがって本発明
は上記従来手段の問題点を解消し、水路の水位が計画水
位まで上昇してフロートが浮上したならば、扉体を瞬間
的に感度よく作動させることができる制水装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このために本発明は、水
路1の水をセキ止める扉体2と、この扉体2の自重によ
る作動を阻止する第1のロック手段16,32と、水路
1の水位を検知するフロート12と、第1のロック手段
16,32とこのフロート12の間に設けられ且つフロ
ート12の浮上によりロック状態を解除する第2のロッ
ク手段22と、第1のロック手段16,32とこの第2
のロック手段22の間に設けられた増力手段30とを設
け水路1の水位が上昇して前記フロート12が浮上する
ことによりまず第2のロック手段22による増力手段3
0のロック状態を解除し、次にこの増力手段30により
第1のロック手段16,32のロック状態を解除して扉
体2を作動させるようにしたものである。
【0010】
【作用】上記構成によれば、水路1の水位が計画水位ま
で上昇してフロート12が浮上すると、まず第2のロッ
ク手段22のロック状態が解除されて増力手段30が動
作し、この増力手段30により得られる大きな力によ
り、第1のロック手段16,32のロック状態が解除さ
れ、扉体2は自重により速やかに作動する。
【0011】
【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。図1は起伏式の制水装置の正面図である。水
路1には、扉体2が下端ヒンジ部3を中心に回転自在に
設置されている。扉体2の上部には補強用ドラム4が設
けられている。このドラム4の側部にはシーブ5が軸着
されており(図2も参照)、シーブ5にはワイヤ6が調
帯されている。なおワイヤ以外にもチェンやロープなど
の紐状体も使用できる。ワイヤ6の先端部は水路の側壁
に設けられた止具7に取着されており、他端部はドラム
8に巻回されている。
【0012】図1において、水路1の側壁10にはフロ
ート室11が形成されており、その内部にはフロート1
2が設けられている。側壁10の上面にはボックス13
が設けられており、このボックス13の内部には前記ド
ラム8の回転軸14が設けられている。回転軸14の端
部には操作ハンドル15が取り付けられており、また回
転軸14には爪車16が装着されている。17は回転軸
14の軸受である。
【0013】フロート室11の上方には空間21が形成
されており、この空間21の内部には、バンドブレーキ
22や重り30が収納されている。図2はこの制水装置
の構造を理解しやすいように各構成部品を分解して図示
したものである。フロート室11の下部には水路1の水
が出入りするための導水孔17が形成されている。また
フロート12には細いシャフト18が立設されている。
【0014】バンドブレーキ22は前記特開昭62−1
11014号公報に開示されたものと同構造であって、
ドラム23と、ドラム23に巻回されたバンド24と、
カバー体25から成っており、カバー体25からはアー
ム26が延出している。前記シャフト18の上端部はア
ーム26の先端部に結合されており、またバンド24の
端部は止具27に取着されている。
【0015】ドラム23の回転軸28にはスプロケット
29が取り付けられている。スプロケット29にはチェ
ン31が調帯されており、チェン31の端部に前記重り
30が取着されている。また前記爪車16の爪16aに
はストッパー32の先端部が係合している。ストッパー
32は杆状体であって、ピン33を中心に上下方向に回
転自在であり、コイルばね34のばね力により時計方
向、すなわちその先端部が爪車16の爪16aに係合す
る方向に弾発されている。前記チェン31はスプロケッ
ト35,36を周回し、ストッパー32の後端部に取着
されている。
【0016】バンド24がドラム23に緊締されている
状態で、ドラム23は回転できず、したがってドラム2
3と同一回転軸28に装着されたスプロケット29も回
転できず、重り30は自重による下降を阻止されてい
る。フロート12が浮上してアーム26が矢印c方向に
回動すると、バンド24は緩められてバンドブレーキ2
2のロック状態は解除され、ドラム23はフリーとなっ
て、重り30は自重により下降する。すなわちこのバン
ドブレーキ22は、重り30が自重により下降するのを
阻止する第2のロック手段となっている。
【0017】またストッパー32の先端部が爪車16の
爪16aに係合している状態で、爪車16がa方向すな
わち扉体2が転倒する方向に回転するのは阻止されてい
る。扉体2は自重とこれに作用する背水圧のために、常
時ヒンジ部3を中心に右方へ回転して転倒しようとして
いるが、爪車16がストッパー32によりロックされて
いることにより、ワイヤ6はe方向へ導出できず、扉体
2の転倒は阻止されている。すなわち爪車16とストッ
パー32は、扉体2の転倒を阻止する第1のロック手段
を構成している。このような扉体2のロック手段として
は、前記特開平1−318611号公報に記載された多
段クラッチも適用できる。爪車16は、ストッパー32
が係合している状態でも、b方向には自由に回転でき
る。したがってハンドル15を同方向に回転操作するこ
とにより、ワイヤ6をドラム8に巻き上げて、河床上に
倒伏した扉体2(図2鎖線参照)をヒンジ部2を中心に
左方へ回転させて起立させることができる。
【0018】この制水装置は上記のような構成より成
り、次に動作の説明を行う。図2実線に示すように、扉
体2が起立している状態で、水路1の水位が計画水位ま
で上昇すると、水路1の水は導水孔17からフロート室
11に流入し、フロート12は浮上する。するとアーム
26はシャフト18に押し上げられてc方向に回転し、
バンド24は緩む。すると重り30は下降し、チェン3
1は矢印d方向に引かれる。するとストッパー32はコ
イルばね34のばね力に抗して直ちに反時計方向に回転
し、その先端部は爪車16の爪16aから離脱する。す
ると爪車16はロック状態が解除され、扉体2は自重と
背水圧によりヒンジ部3を中心に回転して河床上に倒伏
する。倒伏した扉体2は、ハンドル15を操作してワイ
ヤ16をドラム8に巻き上げれば起立する。
【0019】フロート12は極力体積を小さくしてコン
パクト構成することが望ましく、その浮力はそれ程大き
いものではない。しかしフロート12が浮上してアーム
26がc方向に回転してバンド24が緩むと、ハンドブ
レーキ22によるロック状態は解除されて直ちに重り3
0は下降し、その重量により、ストッパー32を直ちに
回転させて爪車16の爪16aから瞬間的に完全に離脱
させることができる。換言すれば、重り30はフロート
12の小さな浮力を増力して、大きな力でストッパー3
2を爪車16の爪16aから一気に離脱させるものであ
り、フロート12からストッパー32へ伝達される力の
増力手段となっている。このようにストッパー32を瞬
間的に爪車16の爪16aから離脱させることにより、
先に述べた従来手段の問題点を解消できる。
【0020】図3及び図4は本発明の他の実施例を示す
ものであって、このものは昇降式制水装置である。なお
実施例1と同一構成部品には同一符号を付すことにより
詳細な説明は省略する。
【0021】50は本体ブロックであり、その内部に昇
降式扉体51が設置されている。扉体51上には、ピン
53を備えたラック杆52が立設されており、ピン53
にはピニヨン54が係合している。このピニヨン54の
回転軸55には、前記爪車16が装着されており、また
回転軸55の他端部にはハンドル15が装着されてい
る。56は回転軸55の軸受である。また本体ブロック
50には、フロート室11と空間21が形成されてお
り、フロート室11及び空間21には、上記実施例1と
同様に、フロート12、バンドブレーキ22、重り30
等が収納されている。
【0022】次に動作を説明する。扉体51は常時は上
昇位置にあって水路1を開いている。水路1の水位が上
昇してフロート12が浮上すると、バンドブレーキ22
によるロック状態が解除されて重り30は下降し、これ
によりチェン31が引かれてストッパー32は爪車16
の爪16aから離脱し、扉体51のロック状態は解除さ
れて、扉体51は鎖線位置まで下降する。またハンドル
15を回転操作することにより、下降した扉体51を上
昇させる。このように本発明は、起伏式制水装置や昇降
式制水装置に適用できるものであり、更には防潮ゲート
などに多用されているフロート付扉体を備えた制水装置
などの他の方式の制水装置にも適用できる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、水
路1の水位が上昇してフロート12が浮上したならば、
増力手段30の大きな力により扉体2のロック状態を瞬
間的に解除し、感度良く扉体2を作動させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る水路の制水装置の正面図
【図2】本発明の実施例に係る水路の制水装置の分解図
【図3】本発明の他の実施例に係る水路の制水装置の正
面図
【図4】本発明の他の実施例に係る水路の制水装置の部
分側面図
【符号の説明】
1 水路 2 扉体 12 フロート 16,32 第1のロック手段 22 第2のロック手段 30 増力手段 51 扉体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水路1の水をセキ止める扉体2と、この
    扉体2の作動を阻止する第1のロック手段16,32
    と、水路1の水位を検知するフロート12と、前記第1
    のロック手段16,32とこのフロート12の間に設け
    られ且つこのフロート12の浮上によりロック状態を解
    除する第2のロック手段22と、前記第1のロック手段
    16,32とこの第2のロック手段22の間に設けられ
    た増力手段30とを備え、 前記水路1の水位が上昇して前記フロート12が浮上す
    ることにより前記第2のロック手段22による前記増力
    手段30のロック状態を解除し、ロック状態が解除され
    たこの増力手段30により前記第1のロック手段16,
    32のロック状態を解除して前記扉体2を作動させるよ
    うにしたことを目的とする水路の制水装置。
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