JPH0533158U - コロナ帯電装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】コロナ放電ワイヤの汚れを確実に検出して除去
し、安定したコロナ放電を得る。 【構成】コロナ放電ワイヤ５に定電流の高電圧を供給し
ながら電圧変動検出手段３でコロナ放電ワイヤの電圧変
動を検出する。検出した電圧変動があらかじめ定めた基
準値を超えたときにコロナ放電ワイヤの汚れが著しくな
ったとして、コロナ放電ワイヤ５の汚れた部分を巻取手
段４で巻取り、常に汚れのないコロナ放電ワイヤ５でコ
ロナ放電を行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、例えば複写機やレ−ザプリンタ等に使用するコロナ放電装置、特 にコロナ放電の安定化に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば複写機等の感光体の表面を帯電するコロナ帯電装置において繰返しコロ ナ放電を行なっているとコロナ放電ワイヤに異物が付着する。この異物の付着量 が多くなると、放電むらが発生して画像品質の劣化やコロナ放電ワイヤに大きな 振動が発生する。コロナ放電ワイヤに大きな振動が生じると漏電の危険性もある 。このような危険性を除くためにコロナ放電ワイヤに付着した異物を除去しなが らコロナ放電を行うコロナ帯電装置が、例えば特開昭60−47388号公報や特開昭6 2−250464号公報に開示されている。

【０００３】 特開昭60−47388号公報に示されたコロナ帯電装置は、コロナ放電ワイヤを内 蔵したケ-シングの一部分に透明部を設け、この透明部の汚れ方をフォトセンサ で検出し、透明部の汚れがある値以上のときにコロナ放電ワイヤも同じ位に汚れ ているものとして、コロナ放電ワイヤやグリッド線に対して振動を与え付着して いる異物を振り落している。

【０００４】 また、特開昭62−250464号公報に示されたコロナ帯電装置は、２つの支持体に 放電に必要な長さの数倍のコロナ放電ワイヤをリ−ル状に巻き付け、同期回転さ せることにより、一方の支持体に異物の付着したコロナ放電ワイヤを巻き取り、 他方から新鮮な表面をもつコロナ放電ワイヤを供給するものである。また、巻き 取り側の支持体の近くにコロナ放電ワイヤを清掃する部材を設け、巻取られるコ ロナ放電ワイヤを清掃することにより、巻取ったコロナ放電ワイヤを再使用する ようにしている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、コロナ放電ワイヤの汚れをケ−シングの透明部の汚れにより推 定する場合、透明部とコロナ放電ワイヤの汚れ方は必ずしも同じではなく、コロ ナ放電ワイヤの汚れ検出の信頼性が低かった。

【０００６】 また、コロナ放電ワイヤの汚れを振動により振り落しても、コロナ放電ワイヤ に付着した異物はかなり強固であり、確実に振り落とすことは困難である。

【０００７】 また、コロナ放電ワイヤをリ−ル状に巻き付けた支持体を同期回転させること により異物の付着したコロナ放電ワイヤを巻き取り、他方から新鮮なコロナ放電 ワイヤを供給する場合は、コロナ放電ワイヤをある周期で巻き取るため、その周 期以前にコロナ放電ワイヤが汚れてしまう危険性がある。

【０００８】 この考案はかかる短所を解決するためになされたものであり、コロナ放電ワイ ヤの汚れを確実に検出して除去し、メンテナンスフリ−に近ずけた状態で安定し たコロナ放電を得ることができるコロナ帯電装置を得ることを目的とするもので ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案に係るコロナ帯電装置は、コロナ放電ワイヤと高圧電源装置と電圧変 動検出手段と巻取手段とを有するコロナ帯電装置であって、コロナ放電ワイヤは 感光体に向けてコロナ放電を行なうものであり、感光体に近接対向して設けられ 、高圧電源装置はコロナ放電ワイヤに定電流の高電圧を供給するものであり、コ ロナ放電ワイヤに電圧変動検出手段を介して接続され、電圧変動検出手段はコロ ナ放電ワイヤの電圧変動を検出するものであり、高圧電源装置から印加される電 圧を検出する電圧検出手段と検出した電圧があらかじめ定められた基準値を超え たときに巻取信号を送り出す比較判断手段とを有し、巻取手段はコロナ放電ワイ ヤを巻き取るものであり、コロナ放電ワイヤを巻回した１対の巻取プ−リと電圧 変動検出手段からの巻取信号を受けるたびに巻取プ−リを回転する巻取モ−タと を有することを特徴とする。

【００１０】 また、巻取手段に巻取られるコロナ放電ワイヤを清掃する清掃手段を設けるこ とが好ましい。

【００１１】

【作用】

この考案においては、コロナ放電ワイヤに定電流の高電圧を供給している場合 、コロナ放電ワイヤが汚れるとコロナ放電ワイヤに加えている電圧が変動する。 そこでコロナ放電ワイヤに定電流の高電圧を供給しながら電圧変動検出手段でコ ロナ放電ワイヤの電圧変動を検出し、電圧変動があらかじめ定めた基準値を超え たときにコロナ放電ワイヤの汚れが著しくなったとして、コロナ放電ワイヤの汚 れた部分を巻取手段で巻取り、汚れのないコロナ放電ワイヤでコロナ放電を行う 。

【００１２】 また、コロナ放電ワイヤの汚れた部分を巻取るときに清掃手段で清掃すること により巻取ったコロナ放電ワイヤを再使用できるようにする。

【００１３】

【実施例】

図１はこの考案の一実施例を示す構成図である。図に示すように、コロナ帯電 装置は、帯電器１と直流高圧電源装置２と電圧変動検出手段３と巻取手段４とを 有する。帯電器１はコロナ放電ワイヤ５とグリッドワイヤ６とケ−シング７で構 成され、感光体８の表面近傍に設置されている。コロナ放電ワイヤ５は感光体に 向けてコロナ放電を行なうものであり、電圧変動検出手段３を介して直流高圧電 源装置２に接続されている。グリッドワイヤ７はグリッド電圧を所定の値に制御 することにより、感光体１上の表面電位を制御するものであり、グリッド電源９ に接続されている。ケ−シング７はコロナ放電ワイヤ５のコロナ放電を安定化さ せるための対向電極であり、ア−スに接続されている。なお、ケ−シング７はア −スに接続せず、グリッドワイヤ６と同じようにグリッド電源９に接続しても良 い。

【００１４】 直流高圧電源装置２はコロナ放電ワイヤ５に定電流の高電圧を供給する。電圧 変動検出手段３はコロナ放電ワイヤ５の電圧変動を検出するものであり、直流高 圧電源装置２から加えられる電圧を検出する電圧検出手段１０と、検出した電圧 があらかじめ定められた基準値を超えたときに巻取信号を送り出す比較判断手段 １１とを有する。

【００１５】 巻取手段４はコロナ放電ワイヤ５を巻き取るものであり、巻取モ−タ１２と駆 動部１３とを有する。駆動部１３は、図２の側面断面図に示すように、ケ−シン グ７内に配置された１対の巻取プ−リ１４，１５と、ケ−シング７の外部に配置 され各巻取プ−リ１４，１５に連結された駆動プ−リ１６，１７と、駆動プ−リ １６，１７に巻回された駆動ベルト５とを有する。巻取プ−リ１４，１５は導電 性部材より形成され、巻取プ−リ１４には直流電圧の印加部１９が接続されてい る。この巻取プ−リ１４にはコロナ放電ワイヤ５が巻回され、その端部は巻取プ −リ１５に取り付けられている。駆動プ−リ１６，１７は絶縁性部材で形成され 、一方の駆動プ−リ１６に巻取モ−タ１２が連結されている。

【００１６】 上記のように構成されたコロナ放電装置の動作を説明するにあたり、まずコロ ナ放電ワイヤ５の汚れ検出の原理を説明する。コロナ帯電器１でコロナ放電を長 時間行なうと、コロナ放電ワイヤ５には異物が付着する。この異物の付着量が多 くなると放電むらが発生してコロナ放電ワイヤ５の振動幅が大きくなる。この発 コロナ放電ワイヤ５の振動幅は図３に示すように印加電圧とほぼ直線的な関係が 有り、コロナ放電ワイヤ５の振動幅が大きくなればなるほど印加電圧も大きくな る。これは、コロナ放電を行なわせるための直流高圧電源装置２が定電流の電力 を供給するためである。したがつてコロナ放電ワイヤ５の印加電圧の変動を検出 することにより、コロナ放電ワイヤ５の汚れを検出することができる。

【００１７】 そこで、直流高圧電源装置５かた定電流，高電圧の電力をコロナ放電ワイヤ５ に印加してコロナ放電を行わせながら、電圧変動検出手段３の電圧検出手段１０ でコロナ放電ワイヤ５に印加している電圧を検出して比較判断手段１１に送る。 比較判断手段１１は送られた電圧と、あらかじめ設定された基準電圧とを比較し 、コロナ放電ワイヤ５に印加している電圧が基準電圧を超えたときに巻取信号を 一定時間巻取モ−タ１２に送る。巻取モ−タ１２は巻取信号が送られると駆動し て駆動プ−リ１６，１７を介して巻取プ−リ１４，１５を一定時間回転し、コロ ナ放電ワイヤ５の汚れた部分を巻取プ−リ１５に巻取り、巻取プ−リ１４から汚 れていないコロナ放電ワイヤ５を送り出す。そして送り出したコロナ放電ワイヤ ５の部分でコロナ放電を行う。以後引き続き上記動作を繰り返すことにより、コ ロナ放電ワイヤ５の汚れていない部分で常にコロナ放電を行うことができる。

【００１８】 なお、上記実施例においてはコロナ放電ワイヤ５の汚れた部分をそのまま巻取 プ−リ１５に巻取った場合について説明したが、図２に示すように、巻取プ−リ １５の近傍にワイヤ清掃部２０を設けておき、巻取モ−タ１２として正逆の回転 ができるモ−タを使用すると、巻取ったコロナ放電ワイヤ５も再使用することが でき、メンテナンスを不必要にすることができる。

【００１９】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように、コロナ放電ワイヤに定電流の高電圧を供給し ながらコロナ放電ワイヤの電圧変動を検出してコロナ放電ワイヤの汚れを検出す るようにしたから、コロナ放電ワイヤの汚れを精度良く検出することができる。

【００２０】 また、コロナ放電ワイヤの電圧変動があらかじめ定めた基準値を超えたときに コロナ放電ワイヤの汚れた部分を巻取り、常に汚れのないコロナ放電ワイヤでコ ロナ放電を行うようにしたから、長時間安定してコロナ放電を行うことができる 。

【００２１】 さらに、コロナ放電ワイヤの汚れた部分を巻取るときに清掃手段で清掃するこ とにより巻取ったコロナ放電ワイヤを再使用できるとともにメンテナンスを不要 にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す構成図である。

【図２】巻取手段の駆動部を示す側面断面図である。

【図３】コロナ放電ワイヤの振動幅と印加電圧の特性図
である。

【符号の説明】

１ 帯電器 ２ 直流高圧電源装置 ３ 電圧変動検出手段 ４ 巻取手段 ５ コロナ放電ワイヤ５ １０ 電圧検出手段 １１ 比較判断手段 １２ 巻取モ−タ １３ 駆動部 １４ 巻取プ−リ １５ 巻取プ−リ ２０ ワイヤ清掃部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コロナ放電ワイヤと高圧電源装置と電圧
   変動検出手段と巻取手段とを有するコロナ帯電装置であ
   って、コロナ放電ワイヤは感光体に向けてコロナ放電を
   行なうものであり、感光体に近接対向して設けられ、高
   圧電源装置はコロナ放電ワイヤに定電流の高電圧を供給
   するものであり、コロナ放電ワイヤに電圧変動検出手段
   を介して接続され、電圧変動検出手段はコロナ放電ワイ
   ヤの電圧変動を検出するものであり、高圧電源装置から
   印加される電圧を検出する電圧検出手段と検出した電圧
   があらかじめ定められた基準値を超えたときに巻取信号
   を送り出す比較判断手段とを有し、巻取手段はコロナ放
   電ワイヤを巻き取るものであり、コロナ放電ワイヤを巻
   回した１対の巻取プ−リと電圧変動検出手段からの巻取
   信号を受けるたびに巻取プ−リを回転する巻取モ−タと
   を有することを特徴とするコロナ帯電装置。
2. 【請求項２】 巻取手段に巻取られるコロナ放電ワイヤ
   を清掃する清掃手段を設けた請求項１記載のコロナ帯電
   装置。