JPH05331069A - 腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤 - Google Patents
腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤Info
- Publication number
- JPH05331069A JPH05331069A JP4142447A JP14244792A JPH05331069A JP H05331069 A JPH05331069 A JP H05331069A JP 4142447 A JP4142447 A JP 4142447A JP 14244792 A JP14244792 A JP 14244792A JP H05331069 A JPH05331069 A JP H05331069A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tnf
- necrosis factor
- tumor necrosis
- pharmaceutical preparation
- freeze
- Prior art date
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- Withdrawn
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 マルトシルーβ−シクロデキストリンを含む
ことを特徴とする腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤。 【効果】 この製剤は、保存安定性にすぐれており、ま
た凍結乾燥による失活も少ない。
ことを特徴とする腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤。 【効果】 この製剤は、保存安定性にすぐれており、ま
た凍結乾燥による失活も少ない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、G2−β−CyDを含
む、安定性に優れたTNFの凍結乾燥製剤に関する。
む、安定性に優れたTNFの凍結乾燥製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、バイオテクノロジーの発展に伴
い、多くの生理活性物質が医薬品として開発されるよう
になり注目を集めているが、腫瘍壊死因子(以下、TN
Fという)は155個のアミノ酸からなる分子量170
00の蛋白質で強い抗癌作用を有するサイトカインの1
種である。
い、多くの生理活性物質が医薬品として開発されるよう
になり注目を集めているが、腫瘍壊死因子(以下、TN
Fという)は155個のアミノ酸からなる分子量170
00の蛋白質で強い抗癌作用を有するサイトカインの1
種である。
【0003】この様な蛋白質を代表とした生理活性物質
は、一般的に不安定な物質が多く、製剤化の上で種々の
工夫がなされている。実際、TNFは水溶液状態で非常
に不安定で速やかに失活するため、その解決策として凍
結乾燥を行なっているが、TNF単独ではその安定性は
十分ではなく、良好な安定性を得るためにはアルブミン
やゼラチンなどの高分子を添加しなければならない。
は、一般的に不安定な物質が多く、製剤化の上で種々の
工夫がなされている。実際、TNFは水溶液状態で非常
に不安定で速やかに失活するため、その解決策として凍
結乾燥を行なっているが、TNF単独ではその安定性は
十分ではなく、良好な安定性を得るためにはアルブミン
やゼラチンなどの高分子を添加しなければならない。
【0004】しかし、これらの高分子安定化剤は、供給
上の問題や安全性など種々の問題点も指摘されている。
上の問題や安全性など種々の問題点も指摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、主薬
安定性に優れた、TNFの凍結乾燥製剤を提供すること
を目的とするものである。
安定性に優れた、TNFの凍結乾燥製剤を提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、マルトシルーβ−シクロ
デキストリン(以下、G2−β−CyDという)を含む
ことを特徴とするTNFの凍結乾燥製剤に関する。
点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、本発明は、マルトシルーβ−シクロ
デキストリン(以下、G2−β−CyDという)を含む
ことを特徴とするTNFの凍結乾燥製剤に関する。
【0007】本発明において、G2−β−CyDは、T
NF 1万単位に対し0.01mg以上配合できるが、
0.1mg以上配合することが好ましい。本発明の製剤
にはこれら主成分の他、pH調整剤、等張化剤、賦形剤
等を配合する事ができる。pH調整剤により、pH4〜
10、さらにはpH5〜9に調整する事が好ましい。p
H調整剤としては医薬品として使用できる酸、アルカ
リ、塩など全て使用できるが、例えば塩酸、水酸化ナト
リウム、リン酸塩、トリスなどがある。
NF 1万単位に対し0.01mg以上配合できるが、
0.1mg以上配合することが好ましい。本発明の製剤
にはこれら主成分の他、pH調整剤、等張化剤、賦形剤
等を配合する事ができる。pH調整剤により、pH4〜
10、さらにはpH5〜9に調整する事が好ましい。p
H調整剤としては医薬品として使用できる酸、アルカ
リ、塩など全て使用できるが、例えば塩酸、水酸化ナト
リウム、リン酸塩、トリスなどがある。
【0008】等張化剤、もしくは賦形剤としてはブドウ
糖やマンニトール等の糖類や、塩化ナトリウム等の塩類
等一般に用いられる物は全て使用できる。生理活性物質
であるTNFは高次構造を有する蛋白質で非常に不安定
な物質である。このTNFを安定化させるためにはアル
ブミンやゼラチンなどの高分子安定化剤を添加する必要
があり、一般に蛋白の安定化作用を有するといわれる糖
類やアミノ酸類では十分な安定化を達成できないとされ
ていた。しかし、本発明においては、マルトオリゴ糖の
一種であるシクロデキストリンの誘導体、即ち、G2−
β−CyDが優れた安定化作用を有するため、凍結乾燥
による失活も少なく、保存安定性も良好である。またそ
の効果は、アルブミン添加時と同等以上の作用を示す。
糖やマンニトール等の糖類や、塩化ナトリウム等の塩類
等一般に用いられる物は全て使用できる。生理活性物質
であるTNFは高次構造を有する蛋白質で非常に不安定
な物質である。このTNFを安定化させるためにはアル
ブミンやゼラチンなどの高分子安定化剤を添加する必要
があり、一般に蛋白の安定化作用を有するといわれる糖
類やアミノ酸類では十分な安定化を達成できないとされ
ていた。しかし、本発明においては、マルトオリゴ糖の
一種であるシクロデキストリンの誘導体、即ち、G2−
β−CyDが優れた安定化作用を有するため、凍結乾燥
による失活も少なく、保存安定性も良好である。またそ
の効果は、アルブミン添加時と同等以上の作用を示す。
【0009】一般に凍結乾燥による主薬活性の低下は、
凍結時の氷晶形成よる水和水との疎水結合の破壊や、乾
燥時の水和水消失に基づく蛋白質の立体構造の変化およ
び活性サイトの変性に起因すると言われている。即ち、
G2−β−CyDによるTNF凍結乾燥製剤の安定化作
用は、このG2−β−CyDとTNFとの強い分子間相
互作用によって、G2−β−CyDが疑似水和層を形成
してTNF周囲の環境を安定化した結果、凍結乾燥時お
よび保存時のTNF蛋白の変性を抑制するためと思われ
る。
凍結時の氷晶形成よる水和水との疎水結合の破壊や、乾
燥時の水和水消失に基づく蛋白質の立体構造の変化およ
び活性サイトの変性に起因すると言われている。即ち、
G2−β−CyDによるTNF凍結乾燥製剤の安定化作
用は、このG2−β−CyDとTNFとの強い分子間相
互作用によって、G2−β−CyDが疑似水和層を形成
してTNF周囲の環境を安定化した結果、凍結乾燥時お
よび保存時のTNF蛋白の変性を抑制するためと思われ
る。
【0010】かくして、本発明の凍結乾燥製剤は安全
で、かつ安定性に優れたTNFの凍結乾燥製剤である。
で、かつ安定性に優れたTNFの凍結乾燥製剤である。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明する。
明する。
【0012】
【実施例1】注射用蒸留水100mlにTNF5000
万単位とG2−β−CyD 10gを溶かす。本溶液を
バイアル瓶に1mlづつ分注した後、凍結乾燥をおこな
い、目的の製剤を得る。
万単位とG2−β−CyD 10gを溶かす。本溶液を
バイアル瓶に1mlづつ分注した後、凍結乾燥をおこな
い、目的の製剤を得る。
【0013】
【実施例2】注射用蒸留水100mlにTNF5000
万単位とG2−β−CyD 2gを溶かす。本溶液をバ
イアル瓶に1mlづつ分注した後、凍結乾燥をおこな
い、目的の製剤を得る。
万単位とG2−β−CyD 2gを溶かす。本溶液をバ
イアル瓶に1mlづつ分注した後、凍結乾燥をおこな
い、目的の製剤を得る。
【0014】
【実施例3】G2−β−CyDのTNF凍結乾燥製剤の
安定化効果を確認する目的で、代表的な他の添加剤との
効果の比較を行なった。 <被験製剤> TNF単独 TNF+マンニトール TNF+G2−β−CyD TNF+アルブミン <製剤の試作>TNF50万単位と各種添加剤100m
gを1mlの注射用蒸留水に溶解し、凍結乾燥を行なっ
た後、窒素置換を行なった。 <試験法>凍結乾燥直後のTNF活性と、60℃1週間
後のTNF活性を測定した。 <結 果>結果を表1に示す。マンニトール添加系で
は、調整直後で失活が認められ、60℃保存後において
もTNF単独とほぼ同等で安定化効果は認められなかっ
た。これに対し、G2−β−CyD添加系では凍結乾燥
による失活も小さく、60℃保存後もアルブミンと同等
以上の効果を示し、その安定化効果を確認する事が出来
た。
安定化効果を確認する目的で、代表的な他の添加剤との
効果の比較を行なった。 <被験製剤> TNF単独 TNF+マンニトール TNF+G2−β−CyD TNF+アルブミン <製剤の試作>TNF50万単位と各種添加剤100m
gを1mlの注射用蒸留水に溶解し、凍結乾燥を行なっ
た後、窒素置換を行なった。 <試験法>凍結乾燥直後のTNF活性と、60℃1週間
後のTNF活性を測定した。 <結 果>結果を表1に示す。マンニトール添加系で
は、調整直後で失活が認められ、60℃保存後において
もTNF単独とほぼ同等で安定化効果は認められなかっ
た。これに対し、G2−β−CyD添加系では凍結乾燥
による失活も小さく、60℃保存後もアルブミンと同等
以上の効果を示し、その安定化効果を確認する事が出来
た。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明の製剤は、保存安定性にすぐれて
おり、また凍結乾燥による失活も少ない。
おり、また凍結乾燥による失活も少ない。
Claims (1)
- 【請求項1】 マルトシルーβ−シクロデキストリンを
含むことを特徴とする腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4142447A JPH05331069A (ja) | 1992-06-03 | 1992-06-03 | 腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4142447A JPH05331069A (ja) | 1992-06-03 | 1992-06-03 | 腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05331069A true JPH05331069A (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=15315527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4142447A Withdrawn JPH05331069A (ja) | 1992-06-03 | 1992-06-03 | 腫瘍壊死因子の凍結乾燥製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05331069A (ja) |
-
1992
- 1992-06-03 JP JP4142447A patent/JPH05331069A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990803 |