JPH05330895A - 滑止めタイルの製造方法 - Google Patents
滑止めタイルの製造方法Info
- Publication number
- JPH05330895A JPH05330895A JP16850492A JP16850492A JPH05330895A JP H05330895 A JPH05330895 A JP H05330895A JP 16850492 A JP16850492 A JP 16850492A JP 16850492 A JP16850492 A JP 16850492A JP H05330895 A JPH05330895 A JP H05330895A
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- Japan
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- pts
- tile
- glaze
- admixture
- slip
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 滑止めタイルにおける滑り止め効果を高める
ことを目的とする。 【構成】 タイル素地とその上側の釉薬層とを有する滑
止めタイルを製造するに際して、CaO,Al2O3,S
iO2成分を含み且つ8重量部以下のタルクを含むよう
に釉薬調合物を調製し、該釉薬調合物をタイル素地表面
に施してこれを焼成する。
ことを目的とする。 【構成】 タイル素地とその上側の釉薬層とを有する滑
止めタイルを製造するに際して、CaO,Al2O3,S
iO2成分を含み且つ8重量部以下のタルクを含むよう
に釉薬調合物を調製し、該釉薬調合物をタイル素地表面
に施してこれを焼成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は滑止めタイルの製造方
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り風呂場,厨房等の床に、表面に凹凸付与して滑止め効
果を持たせた滑止めタイルが用いられている。
り風呂場,厨房等の床に、表面に凹凸付与して滑止め効
果を持たせた滑止めタイルが用いられている。
【0003】従来この滑止めタイルは、タイル素地の表
面に釉薬をボタ掛け、即ち液状の釉薬をスプレーにてタ
イル素地表面に施す際にエア圧力を低くする等して釉薬
を大きな液滴状態で素地表面に落とし、そしてこれをあ
る程度乾燥させた状態で同じ操作を繰り返してタイル素
地表面に釉薬を凹凸状に施すことにより製造していた。
面に釉薬をボタ掛け、即ち液状の釉薬をスプレーにてタ
イル素地表面に施す際にエア圧力を低くする等して釉薬
を大きな液滴状態で素地表面に落とし、そしてこれをあ
る程度乾燥させた状態で同じ操作を繰り返してタイル素
地表面に釉薬を凹凸状に施すことにより製造していた。
【0004】しかしながらこのようにして製造した滑止
めタイルは、滑止め効果の点で十分と言い難く、特に表
面が水で濡れた場合に滑止め効果が大きく低下するとい
った問題があった。
めタイルは、滑止め効果の点で十分と言い難く、特に表
面が水で濡れた場合に滑止め効果が大きく低下するとい
った問題があった。
【0005】またこの種滑止めタイルを製造するには、
液状の釉薬を何回か繰り返してタイル素地表面に施すこ
とが必要であり、施釉工程が非常に面倒であるといった
問題があった。
液状の釉薬を何回か繰り返してタイル素地表面に施すこ
とが必要であり、施釉工程が非常に面倒であるといった
問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するためになされたものであり、その要旨は、タ
イル素地とその上側の釉薬層とを有する滑止めタイルを
製造するに際して、CaO,Al2O3,SiO2成分を
含み且つ8重量部以下のタルクを含むように釉薬調合物
を調製し、該釉薬調合物を該タイル素地表面に施してこ
れを焼成することにある。
を解決するためになされたものであり、その要旨は、タ
イル素地とその上側の釉薬層とを有する滑止めタイルを
製造するに際して、CaO,Al2O3,SiO2成分を
含み且つ8重量部以下のタルクを含むように釉薬調合物
を調製し、該釉薬調合物を該タイル素地表面に施してこ
れを焼成することにある。
【0007】
【作用及び発明の効果】本発明に従ってタイルを製造し
た場合、釉薬中に微細なアノーサイト(CaO・Al2
O3・2SiO2)結晶が多量に晶出する。そしてこの微
細な晶出結晶に起因して釉薬表面に微細な多数の凹凸が
生成し、この微細な凹凸によってタイル表面に滑止め効
果が付与される。
た場合、釉薬中に微細なアノーサイト(CaO・Al2
O3・2SiO2)結晶が多量に晶出する。そしてこの微
細な晶出結晶に起因して釉薬表面に微細な多数の凹凸が
生成し、この微細な凹凸によってタイル表面に滑止め効
果が付与される。
【0008】かかる本発明に従いタイルを製造した場合
において微細なアノーサイト結晶が多量に晶出すること
の詳細な理由は不明であるが、釉薬調合物中に含有させ
たCaO,Al2O3,SiO2成分のアノーサイト化反
応に対し、タルクないしMgO成分が同反応を助長する
働きをなしていることが考えられる。
において微細なアノーサイト結晶が多量に晶出すること
の詳細な理由は不明であるが、釉薬調合物中に含有させ
たCaO,Al2O3,SiO2成分のアノーサイト化反
応に対し、タルクないしMgO成分が同反応を助長する
働きをなしていることが考えられる。
【0009】何れにしろCaO,Al2O3,SiO2成
分を含む釉薬調合物中に所定量のタルクを含有させるこ
とによって、初めて多量のアノーサイトを晶出させ得る
ことが実験的に確認されており、そしてこのようなアノ
ーサイト結晶の晶出によってタイル表面に滑止め効果が
与えられ、且つその滑止め効果はタイル表面に水が付着
した場合においても良好に保持されることが確認されて
いる。
分を含む釉薬調合物中に所定量のタルクを含有させるこ
とによって、初めて多量のアノーサイトを晶出させ得る
ことが実験的に確認されており、そしてこのようなアノ
ーサイト結晶の晶出によってタイル表面に滑止め効果が
与えられ、且つその滑止め効果はタイル表面に水が付着
した場合においても良好に保持されることが確認されて
いる。
【0010】かかる本発明によれば、後に詳述する表面
光沢度(入射角60°)が4.0〜10.0%,表面粗
さ0.06以上,滑り抵抗値0.75〜0.9の優れた
表面特性を有する滑止めタイルを得ることができる。
光沢度(入射角60°)が4.0〜10.0%,表面粗
さ0.06以上,滑り抵抗値0.75〜0.9の優れた
表面特性を有する滑止めタイルを得ることができる。
【0011】本発明においてタルクの必要含有量は8重
量部以下であるが、望ましい範囲は3〜8重量部であ
り、より望ましくは4〜8重量部である。
量部以下であるが、望ましい範囲は3〜8重量部であ
り、より望ましくは4〜8重量部である。
【0012】本発明においては釉薬調合物中にCaO,
Al2O3,SiO2成分を含有させることが必須である
が、このうちAl2O3については少なくともその一部を
酸化アルミニウム単体の形で含有させるのが良い。
Al2O3,SiO2成分を含有させることが必須である
が、このうちAl2O3については少なくともその一部を
酸化アルミニウム単体の形で含有させるのが良い。
【0013】単体の酸化アルミニウムは、SiO2等他
成分と化学結合した形で釉薬調合物中に含有されている
Al2O3成分に比べて反応性が高く、アノーサイト結晶
の晶出反応が良好に促進される。
成分と化学結合した形で釉薬調合物中に含有されている
Al2O3成分に比べて反応性が高く、アノーサイト結晶
の晶出反応が良好に促進される。
【0014】一方CaO成分についてはCaCO3の形
で含有させるのが良い。またアノーサイトの成分である
SiO2は、他の成分と化学結合した形で含まれていて
も十分にアノーサイト晶出反応に利用され、従ってこれ
を単体の形で釉薬調合物中に含有させておく必要は必ず
しもない。
で含有させるのが良い。またアノーサイトの成分である
SiO2は、他の成分と化学結合した形で含まれていて
も十分にアノーサイト晶出反応に利用され、従ってこれ
を単体の形で釉薬調合物中に含有させておく必要は必ず
しもない。
【0015】本発明において望ましい調合例は以下のご
とくである。 [素地調合] 長石 45〜65重量部 陶石 0〜15 〃 粘土 30〜50 〃 [釉薬調合] 長石 30〜40重量部 炭酸カルシウム 10〜17 〃 亜鉛華 0〜5 〃 珪砂 5〜15 〃 蛙目粘土 5〜15 〃 酸化アルミニウム 10〜20 〃 ジルコニット 0〜20 〃 炭酸バリウム 0〜10 〃 タルク 〜8 〃
とくである。 [素地調合] 長石 45〜65重量部 陶石 0〜15 〃 粘土 30〜50 〃 [釉薬調合] 長石 30〜40重量部 炭酸カルシウム 10〜17 〃 亜鉛華 0〜5 〃 珪砂 5〜15 〃 蛙目粘土 5〜15 〃 酸化アルミニウム 10〜20 〃 ジルコニット 0〜20 〃 炭酸バリウム 0〜10 〃 タルク 〜8 〃
【0016】また釉薬中のMgOとAl2O3,SiO2
の望ましい比率は以下の通りである。 Al2O3: 24〜26重量% SiO2 : 40〜42 〃 MgO :1.4〜1.6〃
の望ましい比率は以下の通りである。 Al2O3: 24〜26重量% SiO2 : 40〜42 〃 MgO :1.4〜1.6〃
【0017】釉薬調合を上記調合とした場合、磁器タイ
ルにおいても且つこれを迅速焼成して製造した場合にお
いても、釉薬中に多量の微細なアノーサイト結晶を晶出
させ得て、その微細結晶に起因する滑止め効果を付与す
ることができる。
ルにおいても且つこれを迅速焼成して製造した場合にお
いても、釉薬中に多量の微細なアノーサイト結晶を晶出
させ得て、その微細結晶に起因する滑止め効果を付与す
ることができる。
【0018】磁器タイルは高温(例えば1260℃)で
焼成され、しかも焼成条件が迅速焼成である場合、一般
的に釉薬中に多量の結晶を晶出させることは困難である
が、釉薬調合物を上記組成とした場合、釉薬中にアノー
サイトを多量に晶出させることができる。
焼成され、しかも焼成条件が迅速焼成である場合、一般
的に釉薬中に多量の結晶を晶出させることは困難である
が、釉薬調合物を上記組成とした場合、釉薬中にアノー
サイトを多量に晶出させることができる。
【0019】
【実施例】次に本発明の特徴を更に明確にすべく、以下
にその実施例を詳述する。以下の調合から成る素地の表
面に下記の調合から成る釉薬を施してこれを1260℃
で迅速焼成(焼成時間80分)した。
にその実施例を詳述する。以下の調合から成る素地の表
面に下記の調合から成る釉薬を施してこれを1260℃
で迅速焼成(焼成時間80分)した。
【0020】[素地調合] 長石 54重量部 陶石 7 〃 粘土 39 〃 [釉薬調合] 比較例 実施例 長石 33重量部 33重量部 炭酸カルシウム 16 〃 16 〃 亜鉛華 4 〃 4 〃 珪砂 11 〃 11 〃 蛙目粘土 10 〃 10 〃 酸化アルミニウム 16 〃 16 〃 ジルコニット 10 〃 10 〃 炭酸バリウム 5 〃 5 〃 タルク − 4 〃
【0021】そしてタイル素地の吸水率及び釉薬層の各
種特性を測定・評価した。結果が表1に示してある。
種特性を測定・評価した。結果が表1に示してある。
【0022】但し表中の表面(鏡面)光沢度,表面粗
さ,塗り目地処理における洗浄前後の色差,滑り抵抗値
は以下の条件で測定した。
さ,塗り目地処理における洗浄前後の色差,滑り抵抗値
は以下の条件で測定した。
【0023】鏡面光沢度(Gs(60)):JIS Z
8741に準拠し、入射角を60°として求めた。尚測
定装置は日本電色製「VGS−SENSOR」を用い
た。
8741に準拠し、入射角を60°として求めた。尚測
定装置は日本電色製「VGS−SENSOR」を用い
た。
【0024】表面粗さ(Rθa):触針式表面粗さ計
(東京精密「Surfcom1500A」:触針5μm
Rダイヤモンド)を用いて以下の条件で表面粗さを測定
した。 測定長さ :5mm カットオフ:0.25mm(アナログ処理)
(東京精密「Surfcom1500A」:触針5μm
Rダイヤモンド)を用いて以下の条件で表面粗さを測定
した。 測定長さ :5mm カットオフ:0.25mm(アナログ処理)
【0025】塗り目地処理における色差:タイル表面に
黒色の目地材を塗り、その後水洗い又は酸洗いして水洗
い又は酸洗い前後のタイル表面の色差ΔE abを下記
式[数1]に従って求めた。
黒色の目地材を塗り、その後水洗い又は酸洗いして水洗
い又は酸洗い前後のタイル表面の色差ΔE abを下記
式[数1]に従って求めた。
【0026】
【数1】
【0027】但しΔLは水洗い又は酸洗い前後の明度
差、Δa,Δbは同じく色相差である。
差、Δa,Δbは同じく色相差である。
【0028】滑り抵抗値(C.S.R−B) O−Y・PSMによる測定(媒介 水)
【0029】
【表1】
【0030】以上の結果より、釉薬調合物中にタルクを
所定量含有させてタイル製造を行った実施例の場合、釉
薬中にアノーサイト結晶が晶出し、これに起因してアノ
ーサイトが晶出しない比較例に比べて表面光沢度が低
く、塗り目地処理における色差が大きくなっているもの
の、表面粗さが比較例に比べて粗く、滑り抵抗値が高く
なっていることが分る。
所定量含有させてタイル製造を行った実施例の場合、釉
薬中にアノーサイト結晶が晶出し、これに起因してアノ
ーサイトが晶出しない比較例に比べて表面光沢度が低
く、塗り目地処理における色差が大きくなっているもの
の、表面粗さが比較例に比べて粗く、滑り抵抗値が高く
なっていることが分る。
【0031】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
態様で実施可能である。
くまで一例示であり、本発明はその主旨を逸脱しない範
囲において、当業者の知識に基づき様々な変更を加えた
態様で実施可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 タイル素地とその上側の釉薬層とを有す
る滑止めタイルを製造するに際して、CaO,Al
2O3,SiO2成分を含み且つ8重量部以下のタルクを
含むように釉薬調合物を調製し、該釉薬調合物を該タイ
ル素地表面に施してこれを焼成することを特徴とする滑
止めタイルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16850492A JPH05330895A (ja) | 1992-06-03 | 1992-06-03 | 滑止めタイルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16850492A JPH05330895A (ja) | 1992-06-03 | 1992-06-03 | 滑止めタイルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05330895A true JPH05330895A (ja) | 1993-12-14 |
Family
ID=15869294
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16850492A Pending JPH05330895A (ja) | 1992-06-03 | 1992-06-03 | 滑止めタイルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05330895A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012046364A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Toto Ltd | 防汚性マット調表面を有した衛生陶器 |
CN103360115A (zh) * | 2012-03-27 | 2013-10-23 | 郑国明 | 一种金酱釉料及其产品的制作方法 |
CN109467459A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-03-15 | 佛山科学技术学院 | 一种抗静电渗花陶瓷釉料及其应用 |
CN111233333A (zh) * | 2020-03-13 | 2020-06-05 | 东莞市唯美陶瓷工业园有限公司 | 一种止滑釉料与止滑陶瓷砖及其制备方法 |
CN117164331A (zh) * | 2023-08-31 | 2023-12-05 | 广东昊晟陶瓷有限公司 | 一种镜面防滑陶瓷砖及其生产工艺 |
-
1992
- 1992-06-03 JP JP16850492A patent/JPH05330895A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012046364A (ja) * | 2010-08-25 | 2012-03-08 | Toto Ltd | 防汚性マット調表面を有した衛生陶器 |
CN103360115A (zh) * | 2012-03-27 | 2013-10-23 | 郑国明 | 一种金酱釉料及其产品的制作方法 |
CN109467459A (zh) * | 2018-12-25 | 2019-03-15 | 佛山科学技术学院 | 一种抗静电渗花陶瓷釉料及其应用 |
CN111233333A (zh) * | 2020-03-13 | 2020-06-05 | 东莞市唯美陶瓷工业园有限公司 | 一种止滑釉料与止滑陶瓷砖及其制备方法 |
CN117164331A (zh) * | 2023-08-31 | 2023-12-05 | 广东昊晟陶瓷有限公司 | 一种镜面防滑陶瓷砖及其生产工艺 |
CN117164331B (zh) * | 2023-08-31 | 2024-03-12 | 广东昊晟陶瓷有限公司 | 一种镜面防滑陶瓷砖及其生产工艺 |
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