JPH05330065A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH05330065A
JPH05330065A JP14143692A JP14143692A JPH05330065A JP H05330065 A JPH05330065 A JP H05330065A JP 14143692 A JP14143692 A JP 14143692A JP 14143692 A JP14143692 A JP 14143692A JP H05330065 A JPH05330065 A JP H05330065A
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JP
Japan
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substrate
adhesive
ink
recording head
jet recording
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JP14143692A
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Masahiro Fujii
正寛 藤井
Shigeo Sugimura
繁夫 杉村
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、オンデマンド型インクジェット記録
ヘッドにおいて、印刷品位がよくて、インク封入性等の
品質に優れ、安価で量産性に優れたインクジェット記録
ヘッドを得ることを目的とする。 【構成】ノズルと、インク供給路等を有するインク流路
とが形成された第1の基板と、前記インク流路を閉溝す
る第2の基板とを有するインクジェット記録ヘッドの製
造方法であり、工程Cで前記第1の基板の接着面へ接着
剤を転写させた後、工程Dで前記第2の基板を前記第1
の基板に押圧して仮接着し、工程Fで接着剤を乾燥・硬
化させることによりインクジェット記録ヘッドを得るこ
とを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主にインクジェット記録
装置に関し、詳しくはインクジェット記録ヘッドの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録法は記録時の騒音が
殆ど無いこと、高速記録が可能であること、普通紙記録
が行えること、多色化が比較的容易なこと等大きな利点
を有している。インクジェット記録法は近年多くのプリ
ンタのノンインパクト記録法として研究・開発そして商
品化が特に活発となっている。
【0003】しかしながら、高品位な印刷結果を得るた
めに、インクジェット記録ヘッドには高精度で高品位な
製造方法が求められてきた。特に、流路基板を接着によ
り接合してインクジェット記録ヘッドを製造する場合に
は、高精度で高品位な接着技術あるいは接着剤を適用し
たインクジェット記録ヘッドの製造方法が求められてき
た。
【0004】従来この種の技術として、特開昭63−1
22551や実公平3−49881に開示されるような
形式のものがあった。
【0005】前者は、インクへの濡れ性が第2の基板と
同等以上の濡れ性を有する接着剤を用いたインクジェッ
ト記録ヘッドであった。
【0006】また、後者は3次元網目構造を有する接着
剤を用いて接合されたインクジェット記録ヘッドであっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の技術では何れも接着剤の組成や物性に関するもの
が主であった。従来の技術では接着剤の塗布方法ならび
に接着方法等の接着技術に関して考慮されておらず、イ
ンクジェット記録ヘッドの接着剤層の厚みを均一にか
つ、薄くすることが困難であった。このため接着工程に
おいて、接着剤がインクジェット記録ヘッドの流路内に
流れ込んで硬化する不良が多発し、流路寸法が変化して
ばらつきを生じ、しいては特性のばらつきや液滴飛行方
向の不均一を生じた。結果として印刷品位におけるアラ
イメント不良や尾引き、ドット異形状に至り、印刷品位
を確保するための製造上の課題が多々あった。
【0008】また、従来技術によれば接着剤を第2の基
板もしくは第1の基板の全面に渡って塗布する必要があ
り、第1の基板または第2の基板のいずれかの面精度
(平面度や平行度等)が良くない場合には、良好な接着
品質、特にインクジェット記録ヘッドにとって重要なシ
ール性が確保されず、記録媒体液であるインクの漏れを
生ずるといった製造品質上の課題があった。
【0009】加えて、接着剤の取り扱いが複雑であり、
接着剤の保存性や硬化条件等に配慮した工程にて製造さ
れる必要があり、従来の技術では製造し易く品質の高い
インクジェット記録ヘッドの作製が行えないといった課
題を有していた。
【0010】本発明は、これらの課題を解決し、インク
ジェット記録ヘッドのインク吐出特性がインク流路間・
ヘッド間でばらつかず、印刷品位が優れて、品質が良
く、容易にインクジェット記録装置を得ることが可能な
インクジェット記録ヘッドの製造方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録ヘッドの製造方法は、ノズルと、該ノズルに連通す
るインク供給路とからなる複数の溝状のインク流路と、
連続した接着面とが設けられた第1の基板と、該第1の
基板上に接合されて前記インク流路を閉溝する第2の基
板とを有するインクジェット記録ヘッドにおいて、前記
第1の基板の接着面へ接着剤を転写させた後に、前記第
2の基板を前記第1の基板に押圧して乾燥させることに
よりインクジェット記録ヘッドを得ることを特徴とす
る。
【0012】
【作用】フィルム状担体に均一に塗布形成された接着剤
を第1の基板に設けられた接着面に選択的に転写して第
2の基板を接着するので、接着層は薄く、均一となり、
流路への接着剤のはみだしがなくなり、部品精度に依ら
ず必要な部分だけが確実に接着され、シールされるよう
になる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。いずれの図面も同一符号は同一の構成要素を示
す。
【0014】図1は本発明によるインクジェット記録ヘ
ッドの製造工程の例を説明する流れ図である。Aは第1
の基板を洗浄し、異物を除去するための工程であり、B
は被着体であるところの第1の基板を加温する工程であ
る。Cは工程Bで加温された第1の基板の接着面へ接着
剤を転写する工程である。接着剤は予めフィルム状の担
体に薄く均一な厚みにて塗布されている。フィルム状の
担体上の接着剤は加温された被着体に接触し、加熱もし
くは加温されることにより、粘着化して被着体すなわち
第1の基板の接着面に転写される。本実施例では工程B
で第1の基板が加温されているので被着体自体の熱によ
り接着剤は粘着化・転写される。この他接着剤の転写方
法としては、フィルム状の接着剤担体をヒータ等の加熱
手段により加熱し、接着剤を粘着化させて被着体に転写
してもよい。更に、複数の発熱抵抗体を具備したサーマ
ルヘッドを用いてフィルム状の接着剤担体を加熱し、接
着剤の必要な部分を粘着化させて被着体に転写してもよ
い。Eは第2の基板に付着した異物を除去する洗浄工程
であり、工程A同様に純水や洗剤にて第2の基板を洗浄
する工程である。Dは工程Cで接着剤が接着面に転写さ
れた第1の基板に、工程Eで洗浄された第2の基板を対
向させて押圧し、仮接着する工程である。工程Dでは第
1の基板は第2の基板と接着されて一体となり流路基板
となる。この際、第1の基板に形成された複数の溝状の
流路は第2の基板により閉溝されて、管状の流路が形成
される。Fは工程Dで仮接着された接着剤を加熱して乾
燥・硬化させ、第1の基板と第2の基板を固着するため
の乾燥工程である。工程Fで接着層を乾燥・硬化させる
ことにより、流路は完成する。工程Fでの加熱温度は接
着剤のガラス転移温度以上で、第1の基板または第2の
基板の材料の軟化温度以下の温度であれば何度でも良
い。本実施例では接着剤のガラス転移温度が110℃で
あり、第1の基板材質がポリサルフォン樹脂であり、本
材料の軟化温度が170℃であることより、工程Fでの
乾燥温度を125〜150℃としている。また、工程F
の乾燥時間は接着剤の硬化反応が十分に進行し、終了す
るに必要な時間としている。工程Fの乾燥時間はアーレ
ニウスの反応速度理論により乾燥温度により一意に決め
られ、乾燥温度に対応して設定している。工程Fでは接
着剤は一旦軟化した後、反応して硬化する。この乾燥工
程Fにおいて、流路基板の接着剤層を均一に且つ薄くす
るために、流路基板全体を加圧・押圧して乾燥する。流
路基板全体を加圧・押圧して乾燥することにより厚く塗
布された接着層の接着剤が接着層の薄い部分に流れ込ん
で、接着層全体は更に薄く均一とすることができる。
【0015】図2は図1で説明した工程Cでの第1の基
板の断面と接着剤の転写の様子を示した図である。11
は第1の基板、20は接着剤、21は接着剤20が均一
に塗布されたフィルムである。1は第1の基板11に形
成された溝状のインク流路であり、図2はその断面を示
している。13は第1の基板11上のインク流路1の縁
に設けられた接着面である。接着面13はすべて同一平
面にて連続して設けられていて、第2の基板接着後はノ
ズル部と供給口部のみが開孔した閉空間となってインク
がインク流路1内に封入されるようになっている。17
は第1の基板11上で接着面13とは異なる平面上に設
けられた非接着面であり、接着剤に触れないようにイン
ク流路1の底面方向に低く設けられている。
【0016】接着剤の第1の基板11への転写工程で
は、第1の基板11は接着剤が粘着化して転写するよう
に加温されている。図2に示されるように、フィルム2
1上に均一に薄く接着剤20が塗布された接着フィルム
を第1の基板11上に乗せ、数秒間後にフィルム21を
引き剥してゆくと、接着面13上の接着剤20aのみが
基板11側に転写する。
【0017】図3は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの実施例の断面図である。12は第1の基板11上に
接着層20を介して接着された第2の基板である。ま
た、6は第2の基板12上の流路1上に積層されて接着
された金属板で、7は更に金属板6上に積層されて接着
された圧電素子である。
【0018】図3に示される実施例のように、本発明に
より製造されたインクジェット記録ヘッドでは、第1の
基板11の接着面13上に接着層20が形成されてお
り、非接着面17では接着されていない。これにより、
流路縁部の接着面13は第1の基板11あるいは第2の
基板12の面精度に関係なく、接合面中で最も高く相互
に接し易い部位となって完全に接着されて、流路の断面
形状が全ての流路に渡って等しくなると同時に、流路内
部にインクを完全に封入させることが可能となり、流路
でのインク漏れ等の不良は無くなるのである。
【0019】図4は本発明により製造されたオンデマン
ド型のインクジェット記録ヘッドの実施例の断面図であ
る。図4は図2及び図3の断面と直交する断面での断面
図を示し、本発明によるインクジェット記録ヘッドの構
成と作用について説明している。
【0020】2はノズル、3は供給口、4は圧力室、5
は共通インク室である。また、14は供給管、8は圧電
素子7及び金属板6に導通しているリード線である。ノ
ズル2、圧力室4、供給口3は連通して溝状のインク流
路1を構成し、第1の基板11上の複数のこれらインク
流路1は共通インク室5に通じている。これら複数の溝
状のインク流路1および共通インク室5は基板11上に
一体となって形成されている。104はノズル2より吐
出されたインク滴であり、105はインク滴のメイン液
滴、106はサテライト液滴である。
【0021】第1の基板11の材料としてはインクによ
り特性が変化せず且つ、インクを変質させないものであ
れば何でも良く、ホウ硅酸ガラス・樹脂・セラミクス等
やこれらの複合体よりなる。また、基板1は射出成形・
エッチング・レーザ加工・光硬化樹脂によるリソグラフ
ィにより形成される。第2の基板12は第1の基板11
上に接着され、ノズル2・圧力室4・供給口3・共通イ
ンク室5を閉溝してインク流路1を形成している。金属
板6は通常金属にて形成するが、金属板6がセラミック
やガラス・樹脂等の非導電性材料より成る場合には、表
面にはITOやCr・Ni等の金属の膜が蒸着やメッキ
等の方法にて付与される。圧電素子7は圧力室4及びイ
ンク流路1の一部上に位置する金属板6上に接着や半田
付け等の方法にて接合されている。圧電素子7はチタン
酸バリウムやジルコン酸鉛等よりなり、焼結されて、表
面に金属の電極を付与されて、高電界で分極処理されて
おり、厚み方向に電圧を印加することにより電荷を保持
して長さ方向に収縮する性質を有する。この他、圧電素
子4の材料としては自発分極および残留分極を持つ物質
で圧電性を有する材料であれば何でもよい。
【0022】共通インク室5は供給管14よりインクを
供給されて、インクを満たし、インク流路1へ供給する
インクを準備している。供給口3はその溝幅を狭めるこ
とにより、共通インク室5より供給されるインクの量を
制限している。これにより圧力室4での圧力によって生
じた流路1内の圧力変動を抑制して安定したインク吐出
を実現していると同時に、共通インク室5を介した隣接
ノズルへの圧力の伝播を防止し、隣接ノズル駆動時のノ
ズル間相互作用による吐出インクスピードや吐出インク
量等の特性低下を防止している。供給口3より供給され
たインクは圧力室4に流入して供給される。
【0023】本実施例のヘッドを駆動させない通常状態
では、圧電素子7は電荷を保持させて収縮させてあり、
金属板6に拘束されて圧力室4の体積を減少させる方向
に撓んで圧力室4のインクを排除している。圧電素子7
の電荷を回路を閉じるなどして放出させると、圧電素子
7と金属板6は各々の弾性によって平面に復帰する。こ
の時インクは供給口3より供給されて圧力室4はインク
で満たされる。圧力室4がインクで満たされた時点で圧
電素子4に電圧パルスを印加すると、圧電素子7と金属
板6は再び通常状態に撓んで圧力室4のインクを排除し
て圧力を生じ、排除されたインクはノズル2よりインク
滴104となって所定の速度で吐出される。吐出された
インク滴104は紙やフィルム等の印刷媒体に到達し
て、印刷媒体に対して吸着もしくは浸透、付着、反応等
により画素となるドットを形成する。この様なインク流
路1を複数設けたインクジェット記録ヘッドをキャリッ
ジ上に搭載して印刷媒体上を所定速度で走査させ、印刷
媒体上の所定の位置に所定のドットを印刷することによ
り、文字や画像等の情報が印刷される。
【0024】上述のようにインクジェット記録ヘッド及
びこのヘッドを搭載したインクジェット記録装置の構成
と作用においては、インクジェット記録ヘッドの特性す
なわち、インク滴104の吐出速度や吐出インク量、繰
り返し吐出する場合の応答周波数、更にはメイン液滴1
05とサテライト液滴106の印刷媒体への到達時間差
やインク滴104の曲がり等は、ノズル2や供給口3等
のインク流路1の断面形状や寸法のばらつきに大きく依
存している。また、これらインクジェット記録ヘッドの
諸特性は印刷品位への影響が大きい。例えば、インク滴
104の吐出速度が同一流路基板内のノズル間で異なる
場合には、印刷媒体上に形成されるドットアライメント
が悪くなり、印刷品位が劣ってしまう。また、インク滴
104のインク量が異なる場合には、形成されるドット
の大きさが異なるために印刷濃度ムラになり、やはり印
刷品位が悪くなる原因となる。この他メイン液滴105
とサテライト液滴106の印刷媒体への到達時間差が大
きくなると印刷結果のゴーストとなったり、インク滴1
04の曲がりは印刷結果の粗密になる等の印刷品位の低
下にいたる。
【0025】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造
方法によれば、接着面が必要最小限の面積となり、且
つ、選択的に接着剤を塗布(転写)することにより第1
の基板11と第2の基板12の接着を行うので、ノズル
2や供給口3等のインク流路1への接着剤の流れ込みが
極めて少なく、インク流路1の断面形状寸法が安定す
る。更に、接着層20の厚みも薄く安定することができ
るので、同様にインク流路1の断面形状寸法が安定す
る。例えば、ノズル2の深さ寸法では、第1の基板11
のノズル2の深さ30μmに対して、接着層20の厚さ
が1〜2μmであり、インク流路としてのノズル2の深
さは31〜32μmの間に安定させることができる。イ
ンク流路1の断面形状寸法を安定させることができるの
で、インク滴の吐出特性を安定させることが可能とな
り、安定して優れた印刷品位を確保できるインクジェッ
ト記録ヘッドを得ることが可能となる。
【0026】図5は本発明によるインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法の実施例を示す斜視図である。図5は図
1の製造工程の流れ図における工程D(第1の基板と第
2の基板の仮接着工程)の様子を説明する斜視図であ
る。図5に示されたインクジェット記録ヘッドは、イン
ク流路1の断面形状寸法と長さ等が等しく、特性が等し
い5本の流路が第1の基板11上に形成された例であ
る。第1の基板11に設けられた穴15a・15b及び
第2の基板に設けられた穴12a・12bは、第1の基
板11と第2の基板12を仮接着する時の位置合わせ用
のパイロットホールである。18は第1の基板11上に
設けられた接着面13同様の接着面で、接着面13と同
一の高さにて設けられており、補強接着を行うための補
強接着面である。接着面13はインク流路1の縁に等し
い幅にて連続して設けられている。また、補強接着面1
8は更にその外周に等しい幅にて設けられている。接着
面13及び補強接着面18上には前工程にて接着剤20
aが均一に転写されてあり、非接着面17には接着剤は
転写されていない。16はカットマークであり、接着後
このカットマークにより位置を決めて第1の基板11と
第2の基板12、すなわちインク流路1のノズル2付近
を切断してノズル2を形成する。
【0027】第1の基板11と第2の基板12を対向さ
せてパイロットホール15a・15bと12a・12b
をそれぞれ治具等により合わせて位置を決め、押圧して
接着する。仮接着と乾燥時には接着面13上の余分な接
着剤は、その表面張力によりほとんどが隙間の狭い非接
着面17上へ流れ出し、薄く均一な厚みで硬化する。図
6は本発明によるインクジェット記録ヘッドの実施例の
インク流路の断面図である。図6は図1における工程C
の状態にある。接着剤の流路への流れ込みが更に少なく
抑えられるように接着面13に工夫を追加したものの例
を示してある。13aはインク流路1の縁で接着面13
の流路1側に設けられた接着剤の逃げ部である。接着剤
の逃げ部13aは接着面13との段差が2〜3μmであ
り、硬化・乾燥時に接着面13より接着剤20aの流れ
だし分が保持されるようになっている。
【0028】図7は図6で示した第1の基板11に第2
の基板12を押圧して乾燥させた流路基板の断面図であ
る。第1の基板11の接着面13に転写された接着剤2
0aは押圧乾燥時に接着剤の表面張力により非接着面1
7と接着剤の逃げ部13aに流れだして保持され、硬化
している。これによりインク流路1の断面形状を流れだ
した接着剤により変化させることが無くなる。この様に
本発明に加えて、インク流路1の縁で接着面13の流路
1側に設けられた接着剤の逃げ部13aを設れば、更に
インク流路1の断面形状寸法を安定させた接着を行うこ
とができ、インクジェット記録ヘッドの特性と品質を安
定させることが可能となるのである。
【0029】上述の実施例ではインクジェット記録ヘッ
ドの駆動素子として圧電素子を用いた例を挙げたが、イ
ンクジェット記録ヘッドの駆動素子はこの他静電気的な
ものや発熱抵抗体等何であってもよく、本発明の構成・
作用・効果を何ら規制するものではない。
【0030】また、上述の実施例の中で挙げたインクジ
ェット記録ヘッドの駆動形態や駆動方法についても本発
明の構成・作用・効果を何ら規制するものではない。
【0031】更に、上述の実施例では接着剤として熱硬
化型のものを挙げたが、接着剤としては嫌気性接着剤や
UV(紫外線)硬化型接着剤、2液硬化型接着剤、常温
硬化型接着剤、電子線硬化型接着剤等の接着剤であって
もよく、上述した本発明の構成・作用・効果に何ら制限
を加えるものではない。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、イン
クジェット記録ヘッドの接着剤層の厚みを均一にかつ、
薄くすることが容易に可能となり、接着工程において、
接着剤がインクジェット記録ヘッドの流路内に流れ込ん
で硬化する不良が皆無となり、流路寸法が安定して、イ
ンク吐出特性が安定する。結果としてアライメントが揃
い印刷濃度が均一で印刷品位が優れたインクジェット記
録ヘッドを得ることが可能となる。
【0033】また、本発明によれば、接着が必要な部位
のみを選択的・集中的に接着するため、部品の面精度に
依らず良好な接着品質、特にインクジェット記録ヘッド
にとって重要なインクの封入性(シール性)が確保され
るので、記録媒体液であるインクの漏れがなく、製造品
質上の優れたインクジェット記録ヘッドを得ることがで
きるようになる。
【0034】加えて、本発明によれば、接着フィルムを
用いて転写することにより接着剤を取り扱うために、取
り扱い性に難点のある接着剤を直接取り扱う必要がな
く、接着品質が接着剤の保存性や硬化条件等に大きく影
響されることがなくなり、製造し易く品質の高いインク
ジェット記録ヘッドの作製が行えるようになる。
【0035】以上のように本発明では従来の課題を解決
し、インクジェット記録ヘッドのインク吐出特性がイン
ク流路間・ヘッド間でばらつかず、印刷品位が優れて、
シール性等の品質が良く、容易にインクジェット記録ヘ
ッドを得ることが可能となるなど様々な効果を有し、た
いへん便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の工程の流れを示す流れ図。
【図2】本発明の一実施例の接着剤の転写の様子を示す
流路部分の断面図。
【図3】本発明の一実施例の流路断面構成を示す断面
図。
【図4】本発明の一実施例の1本の流路の構成を示す断
面図。
【図5】本発明の一実施例の製造工程を示す斜視図。
【図6】本発明の一実施例の製造中の流路断面構成を示
す断面図。
【図7】本発明の一実施例の流路断面構成を示す断面
図。
【符号の説明】
1 インク流路 2 ノズル 3 供給口 11 第1の基板 12 第2の基板 13 接着面 20 接着剤

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルと、該ノズルに連通するインク供
    給路とからなる複数の溝状のインク流路と、連続した接
    着面とが設けられた第1の基板と、該第1の基板上に接
    合されて前記インク流路を閉溝する第2の基板とを有す
    るインクジェット記録ヘッドにおいて、前記第1の基板
    の接着面へ接着剤を転写させた後に、前記第2の基板を
    前記第1の基板に押圧して乾燥させることによりインク
    ジェット記録ヘッドを得ることを特徴とするインクジエ
    ット記録ヘッドの製造方法。
JP14143692A 1992-06-02 1992-06-02 インクジェット記録ヘッドの製造方法 Pending JPH05330065A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9427968B2 (en) 2014-09-18 2016-08-30 Ricoh Company, Ltd. Liquid discharge head and image forming apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9427968B2 (en) 2014-09-18 2016-08-30 Ricoh Company, Ltd. Liquid discharge head and image forming apparatus

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