JP7298319B2 - ヘッドモジュール、ヘッドユニットおよび液体を吐出する装置 - Google Patents

ヘッドモジュール、ヘッドユニットおよび液体を吐出する装置 Download PDF

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Description

本発明は、接合構造体、ヘッドモジュール、ヘッドユニットおよび液体を吐出する装置に関する。
インクジェットヘッドでは、部品同士を接着する場合、接着界面からインクが侵入することを防ぐため、インクに対する多様な耐性を備えた接着剤を用いて接合する技術が考えられている。
例えば、特許文献1には、二つの部品の接着剤接合において、仮接合用の接着剤と本接合用の接着剤とを用いることが記載されている。
しかしながら、異なる種類の接着剤を一方の部品に塗布して他方の部品と接合する場合、2種類の接着剤の塗布領域が近いと、塗布領域に塗布した接着剤同士が混合してしまうという問題があった。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、二つの部品を接着する接着接合において、異なる種類の接着剤が混合しないようにすることを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明のヘッドモジュールは、液体を吐出するノズルが形成されたノズル板と、前記ノズルから前記液体を吐出するエネルギーを発生するアクチュエータが設けられたアクチュエータ基板とを有する液体吐出ヘッドが、前記ノズル板のノズルを露出する開口が設けられたカバー部材に取り付けられたヘッドモジュールであって、前記カバー部材と前記ノズル板とは、第1接着剤と該第1接着剤とは異なる第2接着剤により接合されており、前記カバー部材の前記ノズル板との接合面と前記ノズル板の前記カバー部材との接合面の少なくとも一方には、前記第1接着剤が設けられた第1領域と、前記第2接着剤が設けられた第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記第1領域および前記第2領域よりも撥水性が高い第3領域と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、二つの部品を接着する接着接合において、異なる種類の接着剤が混合しないようにすることができる。
本発明の一実施形態に係る液体吐出ヘッドの分解斜視説明図である。 同じく断面斜視説明図である。 同じくフレーム部材を除く分解斜視説明図である。 本発明の実施形態1に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールの一例を説明する模式図である。 一実施形態のヘッドの一例を説明する模式図である。 一実施形態のベースユニットの一例を説明する模式図である。 図4に示すヘッドモジュールのヘッドとベースユニットとの接着部を拡大した模式図である。 ノズル板とノズルカバーとの間の接合工程の一例を説明する模式図であり、(A)は接着剤塗布工程の塗布処理、(B)は接着剤塗布工程の押し当て処理、(C)は常温環境での接着剤硬化工程、(D)は高温環境での接着剤硬化工程である。 本発明の実施形態2に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールの一例を説明する模式図である。 図9に示すヘッドモジュールのヘッドとベースユニットとの接着部の一例を拡大した模式図である。 本発明の実施形態3に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールのノズル板と、ノズルカバーとの接着部の一例を拡大した模式図である。 本発明の実施形態3に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールのノズル板と、ノズルカバーとの接着部の他の例を拡大した模式図である。 本発明の実施形態3に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールのノズル板と、ノズルカバーとの接着部のさらに他の例を拡大した模式図である。 本発明の実施形態4に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールのアクチュエータ基板と、ノズルカバーの接着部の一例を拡大した模式図である。 本発明の実施形態5に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールの一例を説明する模式図である。 図15に示すヘッドモジュールのヘッドとベースユニットとの接着部を拡大した模式図である。 図16に示すノズルカバーの吐出面とは反対側の面を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドモジュールのヘッド短手方向に沿う断面説明図である。 同ヘッドモジュールの分解斜視説明図である。 同ヘッドモジュールのノズル面側から見た分解斜視説明図である。 同ヘッドモジュールのヘッド、ベース部材およびカバー部材を表す分解斜視説明図である。 本発明に係る液体を吐出する装置の一例の概略説明図である。 同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
以下、実施形態について、図面を参照しながら説明する。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略または簡略化がなされている。各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
インクジェットヘッドにおいて、部品同士を接着する場合、インクに対する多様な耐性を備えた接着剤を用いて接合する。従来の接着剤を用いた接合技術の場合、部品間の界面をシールさせるものは、硬化のために高温環境に晒す必要があった。この場合には、部品間の線膨張係数に差異があるもの同士を接着すると硬化後には部品間の位置ずれが発生してしまう問題があった。
また、部品間の線膨張係数を揃えた場合でも、接着対象部品の平面度が数十ミクロン程度であり、部分的な領域に選択的に接着剤を塗布するときには、接着剤の塗布手段はディスペンサを選択することになる。そのため、他の塗布手段より接着剤塗布量が比較的多くなってしまう。その結果、高温環境下では接着剤塗布量のわずかな偏りなどに起因する接着剤の硬化収縮時の位置ずれが大きくなり、部品間の位置ずれを生じてしまう。
例えば、常温環境で硬化する接着材で一旦位置固定を行った後に、高温環境で硬化する接着剤を使うことによって、位置固定および界面からのインク侵入を防ぐ手段が考えられる。この場合の接合手順は、先ず双方の接着剤を一方の部品面上に塗布し、その後上から他方の部品を重ねることになる。
しかし、接着剤塗布領域は、ヘッドレイアウトの観点から狭い範囲であることが求められるので、硬化前の接着剤が混ざり合ってしまい、以降の硬化工程で接着不良を起こすという問題があった。
そこで、本発明の一実施形態は、二つの部品を異なる種類の接着剤を用いて接着接合する構成において、接着の精度を向上させる構成、例えば、耐接液性を備え、部品間を高精度に位置固定させる接着構成を提供する。
一実施形態の接合構造体は、例えば、第1接着剤および第1接着剤とは異なる第2接着剤により接合した、第1部品と第2部品とを備える。ここで、第1部品と第2部品とは、第1部品が第2部品と接合する第1部品の接合面(以降「第1接合面」とも称する)と、第2部品が第1部品と接合する第2部品の接合面(以降「第2接合面」とも称する)とが、第1接着剤および第2接着剤により接合する。
また、第1接合面と第2接合面との少なくとも一方は、第1領域、第2領域および第3領域を有する。第1領域は、第1接着剤を塗布する領域とする。第2領域は、第2接着剤を塗布する領域とする。第3領域は、第1領域と第2領域との間に設けられた領域であり、第1接着剤と第2接着剤とを隔てる。また、第3領域は、第1領域および第2領域より撥水性が高い領域とする。
例えば、第1部品と第2部品とを接合するために、2種類の接着剤として、常温環境で硬化する部品同士の接合を行う接着剤と、高温環境で硬化するインク侵入を防止する接着剤の2種を用いる。
接着剤を塗布する部品表面としての、第1接合面と第2接合面との少なくとも一方には、「接着剤塗布領域としての非撥水面」と、非撥水面を分割する「接着剤を塗布しない領域としての撥水面」とを設け、分割された非撥水面に2種の接着剤を塗り分ける構成とする。
これにより、塗布した2種の接着剤は、先ず常温環境下で一方の接着剤を硬化させて高精度な位置固定を行い、その後高温環境下で他方の接着剤を硬化させて耐接液性を備えたシール面を形成するので、耐接液性と高精度な位置固定を実現でき、かつ接着剤同士が混ざらずに接合不良が生じさせなくすることができる。
このように、異なる種類の複数の接着剤それぞれの塗布領域に非撥水面を形成し、撥水膜によって各塗布領域を区画することで、塗布した接着剤同士が混合しないように構成することができる。
次に、上述した本発明の一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。以下の各実施形態では、本発明の一実施形態の接合構造体を、液体を吐出する装置(例えば、インクジェットプリンタ)が備えるヘッドモジュールに適用し、第1部品としてノズルカバーを用い、第2部品としてノズル板またはアクチュエータ基板を用いて説明する。また、各実施形態では、ノズルカバーの少なくとも一部分に撥水膜が形成されたものを第1部品とし、ノズル板の少なくとも一部分に撥水膜が形成されたものを第2部品とする。
ヘッドモジュールは、少なくとも1つの液体吐出ヘッド(以降適宜「ヘッド」とも称する)が、カバー部材及びベース部材に取り付けられたものとする。また、ヘッドモジュールが複数集まったものをヘッドユニットとする。
ここで、本発明の一実施形態の液体吐出ヘッドについて、図1ないし図3を参照して概略を説明する。図1は一実施形態に係る液体吐出ヘッドの分解斜視説明図、図2は同じく断面斜視説明図である。図3は同じくフレーム部材を除く分解斜視説明図である。
液体吐出ヘッド101aは、ノズル板10と、個別流路板(個別流路部材)20と、振動板(振動板部材)30と、共通流路部材70と、ダンパ部材60と、フレーム部材80と、駆動回路109を実装した基板(フレキシブル配線基板)108などを備えている。
個別流路板20と振動板30とは、後述する図5のアクチュエータ基板4-2を構成する。
共通流路部材70とダンパ部材60とは、後述する図5の流路板(共通流路部材とも言う)4-1を構成する。
フレーム部材80は、後述する図5のハウジングを構成する。
ノズル板10には、液体を吐出する複数のノズル11を有している。 個別流路板20は、複数のノズル11に各々連通する複数の個別液室21と、複数の個別液室21に各々通じる複数の供給側個別流路22と、複数の個別液室21に各々通じる複数の回収側個別流路24とを形成している。複数の供給側個別流路22、複数の回収側個別流路24については、図18を参照して後述する。
振動板30は、個別液室21の変形な可能な壁面である振動板を形成し、振動板30には圧電素子40が一体に設けられている。圧電素子40は、振動板30を変形させて個別液室21内の液体を加圧する圧力発生手段である。
なお、個別流路板20と振動板30とは、部材として別部材であることに限定さるものではない。例えば、SOI(Silicon on Insulator)基板を使用して個別流路板20及び振動板30を同一部材で一体に形成することができる。つまり、シリコン基板上に、シリコン酸化膜、シリコン層、シリコン酸化膜の順に成膜されたSOI基板を使用し、シリコン基板を個別流路板20とし、シリコン酸化膜、シリコン層及びシリコン酸化膜とで振動板30を形成することができる。この構成では、SOI基板のシリコン酸化膜、シリコン層及びシリコン酸化膜の層構成が振動板30となる。このように、振動板30は個別流路板20の表面に成膜された材料で構成されるものを含む。
共通流路部材70は、2以上の個別供給流路に通じる複数の供給側共通流路(共通供給流路支流)71と、2以上の個別回収流路に通じる複数の回収側共通流路(共通回収流路支流)72とを、交互に隣接して形成している。
また、共通流路部材70は、複数の供給側共通流路71に通じる1又は複数の共通供給流路本流76と、複数の回収側共通流路72に通じる1又は複数の共通回収流路本流77を形成している。
ダンパ部材60は、供給側共通流路71の供給口74と対面する(対向する)供給側ダンパ63と、回収側共通流路72の回収口75と対面する(対向する)回収側ダンパ62を有している。
次に、各実施形態について説明する。
実施形態1.
図4は、本発明の実施形態1に係る接合構造体を用いるヘッドモジュールの一例を説明する模式図である。
図4では、ヘッドモジュール1は、ヘッド2とベースユニット5とから構成され、接着剤6により接合した例を表している。
図5は、一実施形態のヘッドの一例を説明する模式図である。
図6は、一実施形態のベースユニットの一例を説明する模式図である。
ヘッド2は、ハウジング3と液室部品4とを備える。ヘッド2は、液体吐出ヘッドの一例である。
液室部品4は、流路板4-1、アクチュエータ基板4-2、ノズル板4-3に分類され、ハウジング3と共に内部にはインクが流入するインク流路が形成されている。
ベースユニット5は、ヘッド2を配列設置する。ベースユニット5は、ベース基板5-1とノズルカバー5-2とが接合された構成とする。ベース基板5-1は「ベース部材」とも称する。また、ノズルカバー5-2は「カバー部材」とも称する。なお、ベース基板5-1とノズルカバー5-2とが一つの部品で構成されていても良い。
液体としてのインクは、ハウジング3に形成された導入口13から供給され、流路板4-1で流路が細分され、アクチュエータ基板4-2及びノズル板4-3で形成される各々の個別液室21に到達する。
個別液室21に到達したインクは、個別液室21の一部を形成するアクチュエータ基板4-2に形成されている圧電素子を振動し、個別液室21内の体積が変化することでノズル板4-3に形成された各々の個別液室21と対応するノズルからインクが吐出する。
本実施形態では、ベースユニット5とヘッド2間の固定は、ベースユニット5の構成部品であるノズルカバー5-2と、ヘッド2の構成部品であるノズル板4-3とを接着剤6で接着する。
液室部品4を構成する各部品は、高精度の吐出精度を実現するために主材料を微細成形が可能なシリコン(Si)単結晶材を用いるとよい。また、ハウジング3は、コスト及びインク耐性等の要求機能を満たすために熱可塑性樹脂を採用するとよい。
ベースユニット5を構成する各部品は、何れもFeとNiを主成分とした合金からなり、線膨張係数は液室部品4のSi単結晶材と略一致しているとよい。
ノズル板4-3は、ノズル孔からのインク吐出性能の観点、インクによる汚染防止の観点から撥水膜7を形成する撥水処理がなされる。また、ノズルカバー5-2は、汚染防止の観点から撥水膜7を形成するため撥水処理がなされる。
図7は、図4に示すヘッドモジュールのヘッドとベースユニットとの接着部の一例(図4の点線の〇で囲んだ部分)を拡大した模式図である。
ヘッド2のノズル板4-3とベースユニット5のノズルカバー5-2とは、接着剤6により接着される。図7では、接着剤6として、異なる特性を有する第1接着剤6-1と第2接着剤6-2とを用いる例を表している。
ここで、例えば、第1接着剤6-1は、常温環境下で硬化することが可能なものとし、第2接着剤6-2は、高温環境下のみで硬化するが耐接液性を備えるものとする。つまり、第1接着剤6-1は常温硬化型の接着剤であり、第2接着剤6-2は熱硬化型の接着剤である。第1接着剤6-1として、例えば、UV(紫外線)硬化型の接着剤、水分ないし溶剤の揮発により硬化する合成ゴム系の接着剤や、湿気と反応して硬化する瞬間接着剤が挙げられる。第2接着剤6-2として、エポキシ系の熱硬化型接着剤がある。第2接着剤6-2は、溶剤系インク、UV系インク、水系インク、油系インクに対して、耐インク性(耐食性)を有している。以降、第1接着剤6-1と第2接着剤6-2とを区別しないときは、適宜「接着剤6」と記載する。
ノズル板4-3およびノズルカバー5-2は、相互に接合する面の表面に撥水膜7が形成される。
ノズル板4-3は、撥水膜7のうち、部分的な一領域を、二次処理によって除去し非撥水面を形成する。つまり、非撥水面ではノズル板4-3の基材が露出している。
ノズルカバー5-2は、撥水膜7のうち部分的な二領域を、二次処理によって除去し非撥水面を形成する。つまり、非撥水面ではノズルカバー5-2の基材が露出している。形成された二つの非撥水面の領域は、接着剤が塗布される、第1領域8aおよび第2領域8bとして機能する。図7では、例えば、第1領域8aは、第1接着剤6-1を塗布する領域とし、第2領域8bは、第2接着剤6-2を塗布する領域として説明する。また、第1接着剤6-1と第2接着剤6-2とが塗布された二つの領域の間(第1領域と第2領域との間)に撥水膜7が設けられている撥水面(ノズル板4-3に対向する撥水膜7の表面)は、第1接着剤6-1と第2接着剤6-2とを隔てる第3領域8cとして機能する。
なお、図7において、ノズル板4-3およびノズルカバー5-2に形成した非撥水面は、撥水膜7が設けられていない領域とする。ノズル板4-3、ノズルカバー5-2等に形成された撥水面および非撥水面については、以降に参照する図面においても図7と同様に表す。
また、撥水膜7が形成された領域を「撥水領域」、非撥水面の領域を「非撥水領域」とも称する。
図8は、ノズル板とノズルカバーとの間の接合工程の一例を説明する模式図である。(A)は接着剤塗布工程の塗布処理、(B)は接着剤塗布工程の押し当て処理、(C)は常温環境での接着剤硬化工程、(D)は高温環境での接着剤硬化工程である。
ノズルカバー5-2に形成された、二つの非撥水面のうち、第1領域8aに第1接着剤6-1が塗布され、第2領域8bに第2接着剤6-2が塗布される(A)。
接着剤塗布工程では、一度に双方の接着剤6(第1接着剤6-1および第2接着剤6-2)を塗布した後、ノズル板4-3を接着剤6へ押し当てる(B)。ノズル板4-3で押し当てられた接着剤6は潰され広がるが、第3領域(撥水膜7の撥水面)8cを避けるように広がり双方の接着剤6が混ざり合わず、適切な塗布状態が実現できる。
続く常温環境での接着剤硬化工程では第1接着剤6-1が硬化し、ノズル板4-3とノズルカバー5-2間の位置固定がなされる(C)。
更に次の高温環境での接着剤硬化工程では第2接着剤6-2が硬化し、耐接液性を備えたシール面が形成される(D)。
ノズルカバー5-2は、第1接着剤6-1を塗布する第1領域8aと第2接着剤6-2を塗布する第2領域8bとの間の第3領域8cにより2種類の接着剤が混ざらないようにする。一方、ノズル板4-3は、ノズルカバー5-2との接合面のうち接着剤により接合する部分を一つの非撥水面に処理している。二つの部品を接合した際に、ディスペンサなどで塗布した接着剤は薄くつぶされる。前述のようにディスペンサを塗布手段として選定するのは部品間の隙間が数十ミクロンである事からである。よってノズル板4-3の接合面で二つの接着剤が混ざらない。従って、ノズル板4-3の接合面の接着剤により接合する部分には撥水領域を施さなくてよい。
なお、接合構造体で用いる接着剤、各部品の構造等に応じて、両方の接合面に第3領域を設けても良い。
また、図7では、第1領域8aおよび第2領域8bの外側に撥水膜7が存在することにより、塗布した接着剤6が外側に広がることを防ぐことができる。ここで、第1領域8aおよび第2領域8bの外側は、それぞれの領域の第3領域8cとは反対側とする。より詳細には、第1領域8aの外側は、第1領域8aの第3領域8cとは反対側とし、第2領域8bの外側は、第2領域8bの第3領域8cとは反対側とする。
つまり、インクはノズルカバー5-2から露出しているノズル板4-3の表面から侵入するので、ノズルカバー5-2の開口側(第2領域8b)に熱硬化型の接着剤6-2を設けることで、ノズル板4-3とノズルカバー5-2間は界面からのインク侵入を抑制できる。したがって、本実施形態によれば、ノズル板4-3とノズルカバー5-2間は界面をインクによって侵されない耐接液性を備える構成が実現できる。加えて、本実施形態で説明した接着剤を用いることにより、高精度な位置固定を実現することができる。
なお、耐接液性を有する接着剤は、耐接液性を備えない接着剤よりノズル板4-3のノズル孔に近い位置に塗布することが、接着部にインクの侵入を防ぐ点から好ましい。
実施形態2.
本実施形態では、接合構造体として、第1部品をノズルカバーとし、第2部品をアクチュエータ基板とする一態様について説明する。
図9は、本発明の実施形態2に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールの一例を説明する模式図である。
図10は、図9に示すヘッドモジュールのヘッドとベースユニットとの接着部の一例を拡大した模式図である。
図9では、ヘッドモジュール1aは、ヘッド2aとベースユニット5とから構成され、接着剤6により接合した例を表している。
ヘッド2aは、ノズル板4-3aの幅が、図5に示すノズル板4-3より縮小されたことを除いて、図5と同様である。つまり、本実施形態ではノズル板4-3aはアクチュエータ基板4-2よりも外形を小さくしている。
ベースユニット5は、図6と同様である。
本実施形態では、ベースユニット5とヘッド2との間の固定は、ノズルカバー5-2と、部品幅を縮小したノズル板4-3aから露出したアクチュエータ基板4-2とを接着剤6で接合している。
ここで、ノズル板4-3aは、ノズル孔が部品中央に配置されているので部品幅を縮小する事が可能である。加えて、ノズル板4-3aは、母材としてのシリコンウエハから分割形成されるが、コストの観点からノズル板の部品幅を縮小することによりシリコンウエハからの取り個数を増やすことが望ましい。そこで、本実施形態では、ノズルカバー5-2とアクチュエータ基板4-2とを接合する一態様を説明する。
アクチュエータ基板4-2は、全面が非撥水面である。
ノズルカバー5-2は、実施形態1と同様に、撥水膜7が形成される領域の内、部分的な二領域に二次処理を施して非撥水面を形成している。形成された二つの非撥水面の領域は、実施形態1と同様に、第1接着剤6-1を塗布する第1領域8a、および、第2接着剤6-2を塗布する第2領域8bとして機能し、第1接着剤6-1と第2接着剤6-2とが塗布された二つの領域の間に存在する撥水膜7が設けられた面は、第3領域8cとして機能する。
ここで、例えば、第1接着剤6-1は、常温環境下で硬化することが可能なものとし、第2接着剤6-2は、高温環境下のみで硬化するが耐接液性を備えるものとする。つまり、第1接着剤6-1は常温硬化型の接着剤であり、第2接着剤6-2は熱硬化型の接着剤である。
ノズルカバー5-2は、第1領域8aと第2領域8bとの間の第3領域8cにより2種類の接着剤が混ざらないようにする。一方、アクチュエータ基板4-2は、撥水処理していないが、二つの部品を接合した際に、ディスペンサなどで塗布した接着剤は薄くつぶされる。前述のようにディスペンサを塗布手段として選定するのは部品間の隙間が数十ミクロンである事からである。よってアクチュエータ基板4-2の接合面で二つの接着剤が混ざらない。従って、アクチュエータ基板4-2の接合面には撥水領域を施さなくてよい。
このような構成とすることによって、アクチュエータ基板4-2と、ノズルカバー5-2間は界面をインクによって侵されない耐接液性を備える構成が実現できる。加えて、本実施形態で説明した接着剤を用いることにより、高精度な位置固定を実現できる。
また、図10では、実施形態1と同様に、第1領域8aおよび第2領域8bの外側に撥水膜7が存在することにより、塗布した接着剤が外側に広がることを防ぐことができる。
実施形態3.
本実施形態では、第1領域8aおよび第2領域8bの外側の領域に非撥水面を設ける一態様について説明する。第1領域8aおよび第2領域8bの外側は、実施形態1と同様であり、第1領域8aの外側は、第1領域8aの第3領域8cとは反対側とし、第2領域8bの外側は、第2領域8bの第3領域8cとは反対側とする。
図11から図13は、本発明の実施形態3に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールのノズル板と、ノズルカバーとの接着部の一例を拡大した模式図である。図11から図13では、図4のヘッドモジュール1の構成を用い、ヘッド2は、図5と同様であり、ベースユニット5は、図6と同様である。
図11に示す接着部は、第1接着剤6-1の外側の撥水膜7を部分的に除去しているので、この箇所へ第1接着剤6-1が塗れ広がっている。
図12に示す接着部は、第2接着剤6-2の外側の撥水膜7を部分的に除去しているので、この箇所へ第2接着剤6-2が塗れ広がっている。
図13に示す接着部は、第1接着剤6-1の外側、および、第2接着剤6-2の外側の撥水膜7を部分的に除去しているので、これら箇所へ第1接着剤6-1および第2接着剤6-2が塗れ広がっている。
接着剤6の塗布手段としてディスペンサを選択する場合、他の塗布手段より接着剤塗布量が比較的多くなってしまう。
これに対してヘッドレイアウトの観点から、接着剤6の塗布領域は微細領域に微小量塗布することが望ましい。一方で、ディスペンサによる塗布量を考慮すると微小量の塗布調節が困難であり、接着剤固有の粘度、接触角などによって挙動が異なり、各々の接着剤に最適な塗布管理ができない事によって、微細領域に多量の接着剤を塗布してしまう場合がある。その結果接着剤の過剰な弾力によって接合不良を生じる懸念がある。
そこで、本実施形態は、接着剤の外側の撥水膜7を部分的に除去することで接着剤6の逃げ道を形成する。これにより、接着剤固有の粘度、接触角などによって挙動が異なる各接着剤の塗れ広がり量を最適化することができる。
また、接着剤塗布領域(例えば、第1領域8aまたは第2領域8b)以外の撥水膜7を、一部または全部の撥水成分を除去することにより、接着剤の塗布量が多くなったとしても、非撥水面上に塗れ広がるので、接着剤の塗布量を容易に管理することが可能になる。
なお、本実施形態では、図4から図6に示すヘッドモジュールの構成を用いて説明したが、図9から図10に示すヘッドモジュールの構成にも同様に本実施形態を適用することができる。
実施形態4.
本実施形態では、第1部品と第2部品との少なくとも一方が、他方の接合面からの距離が異なる二つ以上の段差面を含む段差形状を有する一態様を説明する。接合面(「対向面」とも称する)は、第1部品と第2部品とが相互対向する面であり、接着剤が塗布され、二つの部品が接合する面となる。
図14は、本発明の実施形態4に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールのアクチュエータ基板と、ノズルカバーの接着部の一例を拡大した模式図である。ヘッド2は、ノズル板4-3aの幅が、図5に示すノズル板4-3より縮小されたことを除いて、図5と同様である。ベースユニット5は、ノズルカバー5-2bが後述する形状を有すること除いて、図6と同様である。
本実施形態では、ノズルカバー5-2bは、アクチュエータ基板4-2の接合面からの距離が異なる二つ以上の段差面を含む段差形状を有する。ノズルカバー5-2bは、第1接着剤6-1を塗布する第1領域と第2接着剤6-2を塗布する第2領域とを、アクチュエータ基板4-2の接合面からの距離が異なる段差面に配置している。
本実施形態では、撥水膜7を、第1領域8aと第2領域8bとの間の領域(8cの領域)、第2領域8bに対してノズル板4-3a側の領域、及び第1領域8aに対してノズル板4-3a側とは反対側の領域に設けている。
また、図14に示すように、ノズルカバー5-2bは、ノズルから液体が吐出する吐出面の側からみて、ノズル板4-3aと重なるような長さとするとよい。これは、ノズル板4-3aのノズルに付着したインクをブレードなどで拭き取るときに、Si単結晶材からなり硬いノズル板4-3aの端部にブレードが接触しないようにするためである。これにより、ブレードの破損を抑えることができる。
本実施形態によれば、ノズルカバー5-2bがアクチュエータ基板4-2との接合面に段差部を設けることで、接着剤固有の粘度、接触角などによって挙動が異なる各接着剤の塗れ広がり量の最適化することができる。
なお、本実施形態では、図9から図10に示すヘッドモジュールの構成を用いて説明したが、図4から図6に示すヘッドモジュールの構成にも同様に本実施形態を適用することができる。
実施形態5.
次に、本実施形態では、実施形態4と同様に、一方の接合面に段差形状を有する接合構造体を用いたヘッドモジュールであって、1つのヘッドに1つのノズルカバーを接合することでヘッドモジュールを構成する例について説明する。
図15は、本発明の実施形態5に係る接合構造体を用いたヘッドモジュールの一例を説明する模式図である。
ヘッドモジュール200は、アクチュエータ基板4-2c、ノズル板4-3c、ノズルカバー5-2c、フレーム(ハウジング)201、保持基板(サブフレーム)202を少なくとも有する。
図16は、図15に示すヘッドモジュールのアクチュエータ基板4-2cとノズルカバー5-2cとの接着部を拡大した模式図であり、図15の左側の点線で示す部分の要部を拡大している。
本実施形態では、ノズルカバー5-2cは、アクチュエータ基板4-2cの接合面からの距離が異なる二つ以上の段差面を含む段差形状を有する。ノズルカバー5-2cは、第1接着剤6-1を塗布する第1領域と第2接着剤6-2を塗布する第2領域とを、アクチュエータ基板4-2cの接合面からの距離が異なる段差面に配置している。
また、図16に示すように、ノズルカバー5-2cは、ノズル板4-3cの周縁部と重なるような長さとするとよい。これは実施形態4で説明した理由と同様である。
また、図16の構成では、実施形態4と同様の効果を奏することができる。
実施形態6.
実施形態6では、複数のヘッドモジュールを接合するように構成したノズルカバーの接合面の一例について説明する。
図17は、図16に示すノズルカバーの吐出面とは反対側の面(つまり、接合面)を説明する図である。図17では、図16に示す接着構造体のノズルカバーが複数のヘッドモジュール200を接着するように構成した例を示す。
図16では、ノズルカバー5-2cに、撥水領域としての第3領域8cと、非撥水領域としての第1領域8a、第2領域8bとを形成した状態を表している。
第1領域8a、第2領域8bは、ノズルカバー5-2cに形成した撥水膜7を部分的に除去して非撥水面とした領域であり、接着剤を塗布する塗布領域となる。例えば、第1領域8aには、第1接着剤6-1が塗布され、第2領域8bには、第2接着剤6-2が塗布される。
図17において、第3領域8cは、撥水膜7のうち、第1領域8aと第2領域8bとを隔てる撥水膜7として機能する撥水面(撥水膜7の表面)であり、他の撥水膜7と異なる符号を用いて表している。
ノズルカバー5-2cは、ノズル11cを露出させるノズル露出孔9を有する。ノズル露出孔9は、ノズルカバー5-2cとアクチュエータ基板4-2cとを接合したときに、ノズル板4-3cに形成されたノズル11cが露出するように設けられる開口部である。
図17に示すように、ノズルカバー5-2cは、ノズル露出孔9を囲むように非撥水領域としての第1領域8a、第2領域8bが配置される。
図17では、ノズル露出孔9の周囲に存在する第1領域8a、第2領域8bおよび第3領域8cを、一例として、三つ示している。ノズルカバー5-2cは、ヘッドモジュール200の数に応じたノズル露出孔9を有する。
その他の実施形態
上記各実施形態では、以下のような特徴を有する接合構造体を用いる液体吐出ヘッドについて説明した。
接合構造体は、第1部品と第2部品とが接合され、第1部品と第2部品とが互いに対向する接合面は、第1接着剤と第1接着剤とは異なる種類の第2接着剤とで接合される。第1部品の接合面(対向面)と第2部品の接合面との少なくとも一方には、第1接着剤が塗布されている第1領域と第2接着剤が塗布されている第2領域との間には、第1領域および第2領域よりも、撥水性が高い第3領域が設けられており、第3領域を挟んで第1領域と第2領域とが区画される。また、接合構造体は、さらに次の特徴を有するとよい。
接合構造体は、例えば、第1領域と第2領域のそれぞれ外側領域に、撥水性が高い領域を設けるとよい。これにより、塗布した接着剤が外側に広がることを防ぐことができる。
接合構造体は、例えば、第1領域及び第2領域の外側領域は、撥水性が低い領域を設けるとよい。また、接合構造体は、例えば、第1部品及び第2部品の内、少なくとも一方には、2面以上からなる段差形状が設けられ、各々の段差部に第1接着剤と第2接着剤が塗布されているとよい。これにより、接着剤の特性により挙動が異なる塗れ広がり量に対応することができる。
上記各実施形態では、一例として、接合構造体をヘッドモジュールに適用した例を説明したが、これに限られるわけではない。二つの異なる接着剤を用いて、二つの部品を接合する他の構造体に用いることもできる。
例えば、複数の液体吐出ヘッドを有する液体吐出ユニットを備える液体を吐出する装置に適用することもできる。液体吐出ユニットは、例えば、複数の液体吐出ヘッド、複数の液体吐出ヘッドを取り付けるベースプレート、および、複数の液体吐出ヘッドの各ノズル面を露出するための複数の開口が形成されたノズルカバーを備える。この場合、接合構造体の第1部品は、ノズルカバー、第2部品は複数の液体吐出ヘッドの各アクチュエータ基板または各ノズル板とする。
なお、前述した第3領域は、第1接着剤6-1と第2接着剤とを隔てるように形成されればよい。
また、図4または図9に示すヘッドモジュール1、1aは、複数のヘッド2、2aと、複数のヘッド2、2aを配列設置するベースユニット5を有する構成であり、ヘッドモジュールの一例とする。
ヘッドモジュールは、少なくとも一つの液体吐出ヘッドと、少なくとも一つの液体吐出ヘッドに接着接合するカバー部材と、を少なくとも有する。
ヘッド2は、液体吐出ヘッドを構成する部品とし、図5の構成は一例である。
次に、本発明の一実施形態に係るヘッドモジュールついて図18から図21を参照して説明する。図18は一実施形態に係るヘッドモジュールのヘッド短手方向に沿う断面説明図、図19は同ヘッドモジュールの分解斜視説明図、図20は同ヘッドモジュールのノズル面側から見た分解斜視説明図、図21は同ヘッドモジュールのヘッド、ベース部材およびカバー部材を表す分解斜視説明図である。
ヘッドモジュール100は、液体を吐出する液体吐出ヘッドである複数のヘッド101と、ベース部材102と、カバー部材103と、放熱部材104と、マニホールド105と、プリント基板(PCB)106と、モジュールケース107とを備えている。
複数のヘッド101は、ノズル11を形成したノズル板10と、ノズル11に通じる個別液室21などを形成する個別流路板20と、圧電素子40を含む振動板30と、振動板30に積層した中間流路板50と、中間流路板50に積層した共通流路部材70などを備えている。
個別流路板20は、個別液室21とともに、個別液室21に通じる供給側個別流路22、個別液室21に通じる回収側個別流路24を形成している。
中間流路板50は、供給側個別流路22に振動板30の開口31を介して通じる供給側中間個別流路51と、回収側個別流路24に振動板30の開口32を介して通じる回収側中間個別流路52とを形成している。
共通流路部材70は、供給側中間個別流路51に通じる供給側共通流路71と、回収側中間個別流路52に通じる回収側共通流路72を形成している。供給側共通流路71はマニホールド105の流路151を介して供給ポート81に通じている。回収側共通流路72はマニホールド105の流路152を介して回収ポート82に通じている。
プリント基板106とヘッド101の圧電素子40とはフレキシブル配線部材90を介して接続され、フレキシブル配線部材90にはドライバIC(駆動回路)91が実装されている。
本実施形態では、複数のヘッド101が間隔を空けてベース部材102に取付けられている。ヘッド101のベース部材102への取付けは、ベース部材102に設けた開口部121にヘッド101を挿入し、ベース部材102に接合固定したカバー部材103に、ヘッド101のノズル板10の周縁部を接合して固定している。また、ヘッド101の共通流路部材70の外部に設けたフランジ部70aをベース部材102に接合して固定している。
なお、ヘッド101とベース部材102に固定構造は限定されるものではなく、接着、カシメ、ねじ固定などで行うことができる。
ここで、ベース部材102は線膨張係数が低い材料で形成されていることが好ましい。例えば、鉄にニッケルを添加した42alloy(アロイ)や、インバー材などを挙げることができる。本実施形態では、インバー材を使用している。これにより、ヘッド101が発熱して、ベース部材102の温度が上昇しても、ベース部材102の膨張量が少ないため、所定のノズル位置からのノズルのずれが生じにくくなり、着弾位置ずれを抑制できる。
同様に、ノズル板10及び個別流路板20、振動板30はシリコン単結晶基板で形成し、ベース部材102の線膨張係数を略同じにしている。
これにより、熱膨張によるノズル位置ずれを低減することができる。
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図22及び図23を参照して説明する。図22は同装置の概略説明図、図23は同装置のヘッドユニットの一例の平面説明図である。
この液体を吐出する装置である印刷装置500は、連続体510を搬入する搬入手段501と、搬入手段501から搬入された連続体510を印刷手段505に案内搬送する案内搬送手段503と、連続体510に対して液体を吐出して画像を形成する印刷を行う印刷手段505と、連続体510を乾燥する乾燥手段507と、連続体510を搬出する搬出手段509などを備えている。
連続体510は搬入手段501の元巻きローラ511から送り出され、搬入手段501、案内搬送手段503、乾燥手段507、搬出手段509の各ローラによって案内、搬送されて、搬出手段509の巻取りローラ591にて巻き取られる。
この連続体510は、印刷手段505において、搬送ガイド部材559上をヘッドユニット550に対向して搬送され、ヘッドユニット550から吐出される液体によって画像が印刷される。
ここで、ヘッドユニット550には、図23に示すように、本発明に係る二つのヘッドモジュール100A、100Bを共通ベース部材552に備えている。
そして、ヘッドモジュール100の搬送方向と直交する方向におけるヘッド101の並び方向をヘッド配列方向とするとき、ヘッドモジュール100Aのヘッド列1A1,1A2で同じ色の液体を吐出する。同様に、ヘッドモジュール100Aのヘッド列1B1、1B2を組とし、ヘッドモジュール100Bのヘッド列1C1、1C2を組とし、ヘッド列1D1、1D2を組として、それぞれ所要の色の液体を吐出する。
なお、本発明に係るヘッドモジュールは、機能部品、機構と一体化して液体吐出ユニットを構成することができる。例えば、ヘッドモジュールと、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構、液体循環装置の構成の少なくとも一つを組み合わせることができる。
ここで、一体化とは、例えば、ヘッドモジュールと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、ヘッドモジュールと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
また、本発明における「液体を吐出する装置」には、ヘッドモジュール又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
吐出される液体は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものが含まれる。
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1、1a、100、200 ヘッドモジュール
2、2a、101、101a ヘッド
3 ハウジング
4 液室部品
4-1 流路板
4-2、4-2c アクチュエータ基板
4-3、4-3a、4-3c、10 ノズル板
5 ベースユニット
5-1 ベース基板
5-2、5-2b、5-2c ノズルカバー
6-1 第1接着剤
6-2 第2接着剤
7 撥水膜
8a 第1領域
8b 第2領域
8c 第3領域
9 ノズル露出孔
11、11c ノズル
102 ベース部材
500 液体を吐出する装置(印刷装置)
550 ヘッドユニット
特開平11‐105282号公報

Claims (4)

  1. 液体を吐出するノズルが形成されたノズル板と、前記ノズルから前記液体を吐出するエネルギーを発生するアクチュエータが設けられたアクチュエータ基板とを有する液体吐出ヘッドが、前記ノズル板のノズルを露出する開口が設けられたカバー部材に取り付けられたヘッドモジュールであって、
    前記カバー部材と前記ノズル板とは、第1接着剤と該第1接着剤とは異なる第2接着剤により接合されており、
    前記カバー部材の前記ノズル板との接合面と前記ノズル板の前記カバー部材との接合面の少なくとも一方には、
    前記第1接着剤が設けられた第1領域と、
    前記第2接着剤が設けられた第2領域と、
    前記第1領域と前記第2領域との間に設けられ、前記第1領域および前記第2領域よりも撥水性が高い第3領域と、
    を有することを特徴とするヘッドモジュール。
  2. 前記カバー部材には前記液体吐出ヘッドが複数取り付けられていることを特徴とする請求項に記載のヘッドモジュール。
  3. 請求項に記載のヘッドモジュールを複数備えるヘッドユニット。
  4. 請求項1または2に記載のヘッドモジュールと、請求項に記載のヘッドユニットとのいずれかを備える液体を吐出する装置。
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