JPH05330008A

JPH05330008A - 平版印刷立上り装置、平版印刷機及び印刷立上り方法

Info

Publication number: JPH05330008A
Application number: JP4330581A
Authority: JP
Inventors: David M Richardson; デーヴィッド・エム・リチャードソン; Danny D Brazelton; ダニー・ディー・ブラゼルトン
Original assignee: US KIYAN CO; United States Can Co
Current assignee: US KIYAN CO; Ball Metalpack Aerosol Container LLC
Priority date: 1991-12-10
Filing date: 1992-12-10
Publication date: 1993-12-14
Also published as: EP0548666A1; AU2978292A; US5235913A; CA2083550A1

Abstract

(57)【要約】【目的】実際の工程のオフセット平版印刷機の運転コ
ストを軽減し、立上り運転期間中に使用される立上り材
料、即ち、無駄な材料を実質的に不要にし、又はその使
用量を削減し、印刷機を安定させること。【構成】平版印刷機用の平版印刷立上り装置３０は、
ブランケット胴１４に係合し、同期化状態で駆動された
とき、その間でインキ像を転写し得るように胴の間に接
触線を提供し得るように取り付けられたインキ除去胴３
２と、インキをインキ除去胴３２の表面から除去し、ブ
ランケット胴１４に対し常に清浄な面を呈示し得るよう
にする手段とを備えている。該装置３０及びその使用方
法は、実際の印刷の運転を開始する前に、印刷機１０を
安定させるのに必要な立上り材料、又は無駄材料の使用
を不要にし、又はその使用量を著しく少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、全体として、平版印刷
機、特に、かかる印刷機の実際の運転の始動を効率的に
し且つ安定させる技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】オフセット平版印刷法は、シート、又は
ウェブの形態とすることの出来る各種の媒体の印刷に採
用されている。例えば、この方法は、典型的に、30−40
インチ²程度の速度で走行する鋼シート上に製品ラベル
を印刷するために製缶業界で使用されている。オフセッ
ト平版印刷機は、２台、３台又はそれ以上を直線状に配
置し、印刷ラインを一回通る毎に、多数の色をシート又
はウェブに印刷し得るようにする。紙の印刷の場合に
は、４−６台の印刷機を使用するのが普通であるが、金
属の外観装飾のためには、２−３台の印刷機を使用する
のがより一般的である。複雑なラベルに印刷するために
は、金属シートは印刷ラインに何回も通さなければなら
ないことが多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】新たな印刷工程を開始
する場合、オフセット平版印刷法の性質のため、印刷材
料に正確で且つ許容可能な像を形成する準備が整う前
に、印刷機を設定し且つ安定させなければならない。具
体的には、始動させる間に印刷の色及び／又は正合状態
を調節し、その後、その調節の効果が印刷材料に現れる
のに十分な時間、ある量の無駄な材料を走行させなけれ
ばならない。この期間は、一般に「慣らし」運転期間と
呼ばれている。シートが印刷ライン内の多数の印刷機を
経て進むため、この慣らし運転期間中の印刷機を安定さ
せることは、一層、困難となる。

【０００４】オフセット平版印刷機は、一般に、通常、
単一の版胴、ブランケット胴、圧胴のような、平行な接
触状態に配置された胴の組み合わせ体から成る。ステン
レス鋼、アルミニウム鋼から成り、印刷すべき像を含む
印刷版が各版胴に取り付けられる。典型的に、インキ壷
が、インキ分配ローラと共に、版胴の外周面の印刷版の
表面にインキを供給する。オフセット平版印刷法におい
て、同様の機構が印刷版の表面に水を供給する。その上
に印刷ブランケットが取り付けられるブランケット胴
は、インキを印刷版から印刷される媒体に移す。印刷材
料は、ブランケット胴と圧胴との間のニップを介して供
給され、該ニップは、媒体を支持し、インキ像がブラン
ケットから正確に転写されるようにする。

【０００５】上述の慣らし運転期間中、印刷機はインキ
及び水を印刷版に付与し、像を印刷版からブランケット
に転写し、印刷機及び印刷ブランケット上の像を安定さ
せる必要がある。この運転期間中に、インキがブランケ
ット上に堆積するため、このインキを除去しなければな
らない。これは従来、十分な量の無駄材料を印刷機を通
じて走行させ、印刷機によるインキ像の転写を安定させ
ることにより行っていた。このサイクルは、印刷機で
色、又は正合状態を調節する毎に反復される。紙の印刷
機で無駄な紙を走行させることは、印刷業者にとってコ
スト的負担となるが、金属印刷工程中に慣らし運転用の
金属シートを走行させることは、更に非常な工程コスト
の増大につながる。従って、金属の外観装飾の場合、始
動用のシートの使用量は通常、可能な限り少なくする努
力が為される。この目的上、別の工程で汚れた金属シー
トを再利用することも可能であるが、新品のシートを使
用しなければならないことが多く、相当な費用面の負担
となっている。更に、これらシートの使用量は少なくな
ければならないため、印刷機が完全に安定する前に、実
際の印刷工程が開始されることが多い。その結果、最初
の100−200枚の印刷シートの印刷品質にばらつきが生じ
る。

【０００６】オフセット平版印刷のユーザ、特に、製缶
業界は、コストの始動用のシートの使用に伴うコストに
ついては、多くの方法によりその削減に努めている。し
かし、従来、始動（以下「立上り」と称する）運転時の
印刷品質の問題を解決する方法は殆んどなかった。従っ
て、実用的で且つ経済的なかかる解決手段の開発が課題
とされている。

【０００７】本発明の一つの主な目的は、実際の工程用
のオフセット平版印刷機の運転コストを軽減することで
ある。又、立上り運転期間中に使用される立上り材料、
即ち、無駄な材料を実質的に不要にし、又はその使用量
を削減することである。

【０００８】本発明の別の目的は、印刷機を安定させ、
実際の印刷工程を開始する前に正確な像を形成すること
を可能にする手段を提供することである。更に別の目的
は、印刷機の構造を不必要に複雑化せずに、印刷機を安
定させる信頼性が高く且つ経済的な手段を提供すること
である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、材料の表面に
精密な像を印刷するためにオフセット平版印刷機を安定
させる装置及びその方法に関するものである。平版印刷
立上り装置は、インキ除去胴を備えており、該インキ除
去胴の表面は、製造シートの表面に類似したものとす
る。該インキ除去胴は、ブランケット胴と平行に配置
し、該ブランケット胴の表面に配置したブランケットに
選択的に係合し且つ非係合状態となり得るように取り付
けられる。該インキ除去胴は、ブランケットと等しい表
面速度で回転させる。インキ除去胴がブランケットに接
触しつつ回転するとき、インキ像は、ブランケットの表
面からインキ除去胴の表面に転写され、これは、インキ
が実際の工程中に製作媒体に転写されるときと同一の方
法で行われる。インキ像を転写するため、インキ除去胴
がブランケットにその清浄面を常に呈示し得るようにす
る目的にて、平版印刷開始装置は、インキ除去胴の表面
からインキを除去する手段を更に備えている。従って、
長時間の慣らし運転期間中、インキ除去胴は、係合させ
て連続的にインキ像を受け取り、印刷機が実際の印刷工
程を開始する前に、十分に安定させることが可能とな
る。

【００１０】慣らし運転期間中、平版印刷開始装置を使
用することにより、開始時、又は印刷機を調節するとき
に、印刷機を安定させるのに必要な立上り材料の使用を
完全に不要にし、又は少なくともその使用量を実質的に
削減することが可能となる。このようにして、本発明に
よる装置は、立上り運転、又は印刷機の運転準備に伴う
コストを著しく軽減することが出来る。この印刷コスト
の軽減は、オフセット平版印刷機のユーザにとって有益
である一方、これによるコスト節約額は、金属外観装飾
業界にとって相当な金額に達する。

【００１１】更に、本発明による装置の使用により、印
刷機は関連するコストを著しく増大させずに、より長時
間の慣らし運転期間中、安定させることが可能となる。
その結果、印刷機は、その実際の印刷工程を開始すると
き、より高品質の印刷を実現する。

【００１２】

【実施例】本発明の上記及びその他の特徴並びに利点
は、本発明の好適な実施例に関する以下の詳細な説明、
及び添付図面を参照することにより容易に理解されよ
う。

【００１３】本発明は、幾つかの好適な実施例に関して
説明するが、本発明をこれら実施例にのみ限定すること
を意図するものではなく、特許請求の範囲により規定さ
れる本発明の精神及び範囲に属する全ての変形例、応用
例及び均等物を包含することを意図するものである。

【００１４】次に、添付図面を参照すると、図１には、
オフセット平版印刷機１０が図示されている。該印刷機
１０は、版胴１２と、ブランケット胴１４と、圧胴１６
とを備えており、これら胴は、隣接するローラ間に接触
線を形成する平行な関係に配置される。材料に印刷すべ
きアート像を含む１又は２以上の印刷版１８が版胴１２
の外周に沿って取り付けられている。該印刷版１８は、
全体としてステンレス鋼、アルミニウム等から成る。印
刷ブランケット２４が最終インキ像を印刷媒体に転写し
得るようにブランケット胴１４に取り付けられている。

【００１５】印刷版１８の像表面にインキを供給するた
め、インキ壷２０及びインキ分配ローラ２２が設けられ
ている。同様の機構（図示せず）が印刷版１８の表面に
水を提供する。作動中、インキ壷２０からのインキは、
インキ分配ローラ２２に付与され、該ローラはインキ形
成ローラ２２ａに接触して回転する版胴１２の印刷版１
８により取り上げられる前に、インキを均一に分配す
る。次に、ブランケット胴１４が版胴１２と同期化して
回転すると、印刷版１８の上のインキ像は、ブランケッ
ト２４により取り上げられる。次に、インキは、ブラン
ケット胴１４と圧胴１６との間に形成されたニップ２６
を通じて供給され、ブランケット２４から印刷すべき媒
体（図示せず）の表面に転写される。圧胴１６は、媒体
に対する支持手段を提供し、ブランケット２４の表面か
ら媒体の表面にインキが確実に正確に転写され得るよう
にするのが理解されよう。更に、媒体は、適当な任意の
手段により、ニップ２６を通じて（全体として矢印２７
で示した方向）送ることが出来ることが理解される。

【００１６】本発明によれば、平版印刷の始動装置すな
わち立上り装置３０は、ブランケット胴１４に隣接して
印刷機内に取り付けられる。該装置３０は、図１で概略
図的にのみ示し、該装置３０の作用が本明細書に概説し
てあるが、以下に、好適な実施例におけるその具体的な
構造及び作用について更に詳細に説明する。図１に示す
ように、該装置３０は、インキ除去胴３２を備え、該イ
ンキ除去胴３２はブランケット胴１４に対して平行に装
置３０内に回転可能に取り付けられる。該装置３０は、
該インキ除去胴３２を動かして係合及び非係合状態にす
る手段を更に備えている。その結果、インキ除去胴３２
の表面は、ブランケット胴１４の外周面に沿ってブラン
ケット２４に接触する。又、該装置３０は、図２に詳細
に図示したブランケット胴１４と同期化してインキ除去
胴３２を駆動する手段を備えている。又、平版印刷立上
り装置３０には、スクレーパ組立体３４が設けられてい
る。該スクレーパ組立体３４は、インキ除去胴３２に隣
接して配置され、回転するインキ除去胴３２の表面から
転写したインキ像を連続的に除去する作用を行う。

【００１７】次に、図２を参照すると、図１の平版印刷
立上り装置３０のより詳細図が図示されている。上述
のように、インキ除去胴３２は、ブランケット胴１４に
対して平行に平版印刷立上り装置３０内に配置されてい
る。インキ除去胴３２の表面は、インキをブランケット
２４から除去するのに十分、粗面である一方、スクレー
パ組立体３４により効率的に掃除するのに十分、平滑で
ある仕上げ面を備える点が本発明の重要な特徴である。
このようにして、インキ除去胴３２の表面は、従来の立
上り材料に対すると同様の方法でブランケット胴１４か
らインキを受け取る。現在、目的とする実際的実施例に
おいて、胴３２は、常温圧延鋼管であり、クロムめっき
処理し、４μｍの仕上げ程度に研磨した胴である。

【００１８】インキ除去胴３２がインキ像を転写するた
め、ブランケット２４に清浄な面を常に呈示する目的に
て、インキをインキ除去胴３２の表面から連続的に除去
するスクレーパ組立体３４が設けられる（図２に示した
平版印刷立上り装置３０は、スクレーパ組立体３４をよ
り明確に示し得るよう、一部切欠いてある）。図２に示
した実施例において、スクレーパ組立体３４は、２つの
スクレーパ３６、３８と、これらスクレーパ３６、３８
間でインキ除去胴３２の表面に沿って配置された溶剤ワ
イパ４０とを備えている。一実施例において、これらス
クレーパ３６、３８は重合材料にて形成されるが、特
に、デルリン（Delrin）が良好であることが判明してい
る。ばね鋼で裏当てした皮革材料でも良好な結果が得ら
れる。その他の重合体、ゴム等のようなその他の適当な
材料を使用することも出来る。溶剤ワイパ４０内のフェ
ルトパッドに対してメチルエチルケトンのような溶剤を
使用することも出来る。これとは別に、溶剤は、図４に
示した平版印刷立上り装置の別の実施例に図示するよう
に、１又は２以上のノズル４１を通じてインキ除去胴３
２の表面に吹付け、又は噴霧することも出来る。次に、
図２に示した実施例を参照すると、溶剤は、パッドの全
長に沿って分配し、インキが良好に除去されるようにす
ることが重要である。しかし、インキ除去胴３２が清浄
になり、インキをブランケット２４から連続的に除去す
るのに利用可能である限り、インキ除去胴３２の表面か
らインキを十分に除去する任意の清浄化手段を利用する
ことも可能であることが理解されよう。インキ除去胴３
２の表面は、十分に平滑にし、インキスクレーパ組立体
３４、この実施例において、スクレーパ３６、３８及び
ワイパ４０により、インキを除去し得るようにしなけれ
ばならないことが更に理解されよう。

【００１９】スクレーパ組立体３４の構成要素の掃除及
び交換を容易にするため、スクレーパ３６、３８及び溶
剤ワイパ４０は、点４４を中心として蝶番動作をするブ
ランケット４２に取り付けられる。更に、該スクレーパ
組立体３４は、インキ除去胴３２からインキを完全に除
去するのに必要な程度の力で該インキ除去胴３２の表面
に着座し得るように調節可能にする。スクレーパ３６、
３８をデルリンにて製造した原型機械において、500ポ
ンドの力でスクレーパとブランケット胴の表面とを許容
し得る程度に接触させ得ることが分かった。しかし、ス
クィージのように作用する単一のブレードを使用した場
合、付与する力が500ポンド以下であっても良好な結果
が得られた。

【００２０】上述のように、平版印刷立上り装置３０
は、印刷機１０内に取り付けられる。図２に示した実施
例において、該平版印刷立上り装置３０は、固定ブラケ
ット４６を介して取り付けられる。該立上り装置３０の
一端のみを図示したが、その他端は、同様の取り付け手
段を備えている、即ち、固定ブラケット４６は、印刷機
１０に固着し得るように装置３０の他端に設けられるこ
とが理解されよう。該装置３０は、インキ除去胴３２の
各端に配置されたブラケット４６により取り付けられて
いると説明したが、当業者は、その内部の構成要素を十
分に固着する適当な任意の手段により該装置３０を印刷
機１０に取り付け得ることが理解されよう。

【００２１】インキ像を一つの面から別の面に転写する
ため、インキ除去胴３２とブランケット２４との間に接
触線を提供し得るように、インキ除去胴３２を動かし、
ブランケット胴１４に係合させる手段が設けられる。図
示した実施例において、インキ除去胴３２は、固定ブラ
ケット４６に枢動可能に取り付けられたブラケット４８
に回転可能に取り付けられる。固定ブラケット４６の場
合と同様、枢動可能なブラケット４８がインキ除去胴３
２の各端部に設けられる。

【００２２】ブラケット４８を枢着点５０を中心として
枢動させるため、固定ブラケット４６及び枢動可能なブ
ラケット４８のアームの間には、作動シリンダ５２が設
けられる。該作動シリンダ５２は、液圧、空気圧により
或は機械的に作動させてブラケット４８を枢動させ、イ
ンキ除去胴３２をブランケット胴１４に係合、又は非係
合状態にさせ得ることが理解されよう。好適な実施例に
おいて、作動シリンダ５２は、空気圧で作動する。本発
明の一つの重要な特徴によれば、インキ除去胴３２とブ
ランケット胴１４との間の接触力は、像の転写を許容す
るのに十分であるが、ブランケット２４の表面の像を歪
ませる程は、大きくないようにすることが必要である。

【００２３】係合手段は枢動可能な装置に関して説明し
たが、インキ除去胴３２は、別の手段が係合し得るよう
に動かすことが出来る。例えば、インキ除去胴３２は、
組立体を所定位置に摺動させることにより直線状に動か
して係合させることも出来る。

【００２４】インキ除去胴３２を回転させるため、適当
な駆動手段が設けられる。図示した実施例において、精
密耳付きベルト５４によりインキ除去胴３２に結合され
たサーボモータ５３がインキ除去胴３２を所望の速度で
駆動する。本発明の重要な特徴によれば、インキ除去胴
３２の表面速度はブランケット２４の表面速度に正確に
一致させる。このようにして、インキは、ブランケット
２４上の像を歪ませずに胴１４、３２間で像を転写す
る。ブランケット胴１４とインキ除去胴３２のこの同期
化は、適当な任意の手段により行うことが出来る一方、
好適な実施例においては、電子式装置を利用する。この
方法によれば、インキ除去胴３２の軸線、即ち従動軸線
は、所定の比率でプログラム化して、ブランケット胴１
４の軸線、即ち主軸線に沿って従動するようにする。図
示した実施例において、ブランケット胴対インキ除去胴
の比は、１対2.5程度とする。

【００２５】本発明の別の重要な特徴によれば、インキ
除去胴３２は、ブランケット２４上のインキ像を乱さず
にブランケット胴１４に係合させ且つ非係合状態にしな
ければならない。図３に示すように、ブランケット胴１
４は、全体としてその表面に沿って締め付け部分５６を
備えている。インキ除去胴３２がこの締め付け部分５６
に隣接する正確な瞬間に、インキ除去胴３２が係合及び
非係合状態になっていることにより、平版印刷立上り装
置３０の移動に起因するブランケット２４の上のインキ
像の歪みを最小にし得ることが理解されよう。

【００２６】次に、図１を参照すると、インキ除去胴の
速度を制御して、係合及び非係合操作のタイミングを制
御するため、軸エンコーダ６２、６４及び各種のフィー
ドバック装置と共に、論理制御装置６０が設けられる。
ブランケット胴１４の軸エンコーダ６２は、任意の特別
な時点におけるブランケット胴１４の速度、ブランケッ
ト胴１４及びその締め付け部分５６の正確な位置に対応
して、論理制御装置６０に信号６６を付与する。同様
に、インキ除去胴３２の軸エンコーダ６４は、インキ除
去胴３２の速度に対応する信号６８を提供する。論理制
御装置６０は、信号６６、６８からの情報を利用し、サ
ーボ制御装置７２に信号７０を提供する。一方、サーボ
制御装置７０は、サーボモータ５３に信号７４、７６を
提供し、該モータ５３はサーボ制御装置７２にフィード
バック信号７８を提供する。このようにして、軸エンコ
ーダ６２、６４からの情報を利用し、インキ除去胴３２
の速度及び動きを制御することにより、平版印刷立上り
装置３０の作動を制御する。作用について説明すると、
印刷機に最初にインキを供給し、又は印刷機の設定装置
を調整するとき、印刷機をオンにする。軸エンコーダ６
２は、ブランケット胴１４の速度及び位置に対応して、
論理制御装置６０に信号６６を提供する。一方、該論理
制御装置６０は、サーボ制御装置７２に信号７０を提供
する。該サーボ制御装置７２はサーボモータ５３に信号
を送り、インキ除去胴３２をブランケット胴１４と同期
化状態に回転させ、又作動シリンダの論理制御装置に信
号を送り、ブランケット胴１４の締め付け部分５６が平
版印刷立上り装置３０を経て回転するとき、インキ除
去胴３２をブランケット胴１４に係合させる。サーボモ
ータ５３からのフィードバック信号７８はサーボ制御装
置７２がインキ除去胴３２の速度を連続的に調節し、そ
の速度をブランケット胴１４の速度に正確に同期化する
のを許容する。

【００２７】これら胴１４、３２が同期化状態で回転す
るとき、インキは、ブランケット２４からのインキ除去
胴３２の表面に転写される。スクレーパ組立体３４のス
クレーパ３６、３８及び溶剤ワイパ４０は、インキ除去
胴３２の表面からインキを除去し、該インキ除去胴３２
は、ブランケット２４に対しインキ像を受け取る清浄な
面を常に呈示する。このようにして、印刷機は、該印刷
機が実際の運転を開始する前に、像の品質を安定させ且
つ均一にするのを許容するのに十分な時間、運転するこ
とが可能となる。

【００２８】印刷機が安定し、実際の印刷シートを走行
させる用意が整ったならば、論理制御装置が印刷ライン
の正面に配置したシート供給装置（図示せず）に信号を
送り、シートの送りを開始する。次に、該論理制御装置
６０がサーボ制御装置７２及び作動シリンダ５２の論理
制御装置に信号を送り、最初の商業製作シートがブラン
ケット胴１４と圧胴１６との間のニップ２６に接近する
瞬間に、締め付け部分５６にて平版印刷立上り装置３０
をブランケット胴１４から非係合状態にする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明により構成されたオフセット平版印刷機
の概略図である。

【図２】図１に示した平版印刷立上り装置の一部切り欠
いた拡大図である。

【図３】図１に示した印刷機の一部の部分図である。

【図４】図２に示した平版印刷立上り装置の別の実施例
の図である。

【符号の説明】

１０オフセット平版印刷機１２版胴１４ブランケット胴１６圧胴１８印刷版２０インキ
壷２２インキ分配ローラ２２ａイン
キ形成ローラ２４ブランケット２６ニップ３０平版印刷立上り装置３２インキ
除去胴３４スクレーパ組立体３６スクレ
ーパ３８スクレーパ４０溶剤ワ
イパ４２ブランケット４４点４６固定ブランケット４８ブラン
ケット５０枢着点５２作動シ
リンダ５３サーボモータ５４精密耳
付きベルト６０論理制御装置６２軸エン
コーダ６４軸エンコーダ６６信号６８信号７０信号７２サーボ制御装置７４信号７６信号７８フィー
ドバック信号

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者ダニー・ディー・ブラゼルトンアメリカ合衆国イリノイ州60103，ハノーバー・パーク，ルーニー・コート 2009

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】像及び印刷機が安定される慣らし運転期
間中、回転するブランケット胴の円周面からインキ像を
除去するためにオフセット平版印刷機内にて使用される
平版印刷立上り装置であって、前記インキ像がブランケ
ット胴と圧胴との間に形成されたニップに達する前に、
該インキ像をブランケット胴から除去する平版印刷立上
り装置にして、像を受け入れる円周面を有するインキ除去胴と、前記インキ除去胴をブランケット胴に係合させ且つ非係
合状態にし、前記インキ除去胴の表面が係合したとき、
前記ブランケット胴の表面に接触するようにする手段
と、前記インキ除去胴をブランケット胴と同期化状態に駆動
し、前記インキ除去胴の表面がブランケット胴の表面と
略等しい速度となるようにする手段と、インキをインキ除去胴の表面から除去し、前記インキ除
去胴が前記ブランケット胴に係合し、前記インキ除去胴
がブランケット胴と同期化状態で駆動されたとき、前記
インキ除去胴の表面が、ブランケット胴の表面に接近す
るに伴ない、実質的にインキ無しの状態となるようにす
る手段と、を備えることを特徴とする平版印刷立上り装
置。
【請求項２】請求項１に記載の平版印刷立上り装置に
して、前記インキを除去する手段が、前記インキ除去胴
の表面に溶剤を付与する手段と、前記インキ除去胴の表
面に接触するように配置された少なくとも１つのスクレ
ーパと、を備えることを特徴とする平版印刷立上り装
置。
【請求項３】請求項２に記載の平版印刷立上り装置に
して、前記インキを除去する手段が、２つのスクレーパ
と、前記スクレーパ間に配置された溶剤塗布パッドと、
を備え、前記スクレーパ及びパッドが、前記インキ除去
胴がブランケット胴の表面に係合するのを阻害しない円
周位置にて前記インキ除去胴に係合することを特徴とす
る平版印刷立上り装置。
【請求項４】請求項２に記載の平版印刷立上り装置に
して、少なくとも１つのスクレーパが重合材料から成る
ことを特徴とする平版印刷立上り装置。
【請求項５】請求項２に記載の平版印刷立上り装置に
して、少なくとも１つのスクレーパが皮革材料から成る
ことを特徴とする平版印刷立上り装置。
【請求項６】請求項２に記載の平版印刷立上り装置に
して、溶剤を塗布する前記手段が、前記インキ除去胴に
該溶剤を付与する少なくとも１つのノズルを備えること
を特徴とする平版印刷立上り装置。
【請求項７】請求項２に記載の平版印刷立上り装置に
して、前記溶剤がメチルエチルケトンであることを特徴
とする平版印刷立上り装置。
【請求項８】請求項１に記載の平版印刷立上り装置に
して、前記インキ除去胴をブランケット胴と同期化状態
に駆動する手段が電子式装置を備えることを特徴とする
平版印刷立上り装置。
【請求項９】請求項１に記載の平版印刷立上り装置に
して、前記インキ除去胴をブランケット胴と同期化状態
に駆動する手段が機械的装置を備えることを特徴とする
平版印刷立上り装置。
【請求項１０】請求項１に記載の平版印刷立上り装置
にして、前記ブランケット胴が締め付け部分を備え、前
記インキ除去胴に係合し且つ非係合状態にする手段が、
前記インキ除去胴が前記締め付け部分に隣接するときに
作動することを特徴とする平版印刷立上り装置。
【請求項１１】請求項２に記載の平版印刷立上り装置
にして、前記インキ除去胴の表面がインキをブランケッ
ト胴から除去するのに十分な特性であるが、スクレーパ
がインキを除去するのに十分、平滑な面を備えることを
特徴とする平版印刷立上り装置。
【請求項１２】請求項１に記載の平版印刷立上り装置
にして、前記係合及び非係合状態にする手段が、前記慣
らし運転期間の終了時に前記インキ除去胴を非係合状態
にすることを特徴とする平版印刷立上り装置。
【請求項１３】インキ像をある材料に印刷するオフセ
ット平版印刷機にして、圧胴と、円周面を有するブランケット胴であって、前記圧胴に対
し平行に且つ該圧胴に対し略隣接するように配置され、
その間を材料が通るニップを形成するブランケット胴
と、前記ニップを通って進む材料に前記インキ像を付与する
ため、前記ブランケット胴の円周面に配置されたブラン
ケットと、前記インキ像を前記ブランケットに付与する手段と、前記インキ像を受け取る円周面を有するインキ除去胴
と、前記インキ除去胴をブランケット胴に係合させ且つ非係
合状態にし、前記インキ除去胴の表面が、係合したとき
に前記ブランケットに接触するようにする手段と、を備
え、前記インキ除去胴が、前記ブランケットにインキ像
を付与する手段とニップとの間で前記ブランケット胴に
接触し、前記インキ除去胴を前記ブランケット胴と同期化状態に
駆動し、該インキ除去胴の表面が前記ブランケットと略
等しい速度となるようにする手段と、インキを前記インキ除去胴の表面から除去し、前記イン
キ除去胴がブランケットに係合し、該インキ除去胴が前
記ブランケット胴と同期化状態に駆動されたとき、該イ
ンキ除去胴の表面が、ブランケットに接近するに伴な
い、実質的にインキ無しの状態になるようにする手段
と、を特徴とする平版印刷機。
【請求項１４】請求項１３に記載の平版印刷機にし
て、インキを除去する前記手段が、溶剤を前記インキ除
去胴の表面に付与する手段と、前記インキ除去胴の表面
に接触状態に配置された少なくとも１つのスクレーパ
と、を備えることを特徴とする平版印刷機。
【請求項１５】請求項１４に記載の平版印刷機にし
て、前記インキを除去する手段が、２つのスクレーパ
と、前記スクレーパ間に配置された溶剤塗布パッドと、
を備え、前記スクレーパ及びパッドが、前記インキ除去
胴がブランケット胴の表面に係合するのを阻害しない円
周位置にて該インキ除去胴に係合することを特徴とする
平版印刷機。
【請求項１６】請求項１４に記載の平版印刷機にし
て、少なくとも１つのスクレーパが重合材料から成るこ
とを特徴とする平版印刷機。
【請求項１７】請求項１４に記載の平版印刷機にし
て、少なくとも１つのスクレーパが皮革材料から成るこ
とを特徴とする平版印刷機。
【請求項１８】請求項１４に記載の平版印刷機にし
て、前記溶剤がメチルエチルケトンであることを特徴と
する平版印刷機。
【請求項１９】請求項１３に記載の平版印刷機にし
て、前記インキ除去胴をブランケット胴と同期化状態に
駆動する手段が電子式装置を備えることを特徴とする平
版印刷機。
【請求項２０】請求項１４に記載の平版印刷機にし
て、溶剤を塗布する手段が前記インキ除去胴に溶剤を付
与する少なくとも１つのノズルを備えることを特徴とす
る平版印刷機。
【請求項２１】請求項１３に記載の平版印刷機にし
て、前記ブランケット胴が締め付け部分を備え、前記イ
ンキ除去胴に係合し且つ非係合状態にする手段が、前記
インキ除去胴が締め付け部分に隣接するときに作動する
ことを特徴とする平版印刷機。
【請求項２２】請求項１４に記載の平版印刷機にし
て、前記インキ除去胴の表面がインキを前記ブランケッ
ト胴から除去するのに十分な特性であるが、スクレーパ
がインキを除去するのに十分、平滑な面を備えることを
特徴とする平版印刷機。
【請求項２３】請求項１３に記載の平版印刷機にし
て、インキ像が前記ブランケット胴の表面で安定したな
らば、前記係合及び非係合状態にする手段が、前記イン
キ除去胴から非係合状態になることを特徴とする平版印
刷機。
【請求項２４】オフセット平版印刷機であって、イン
キ像を材料に付与し得るようにその円周面に配置された
ブランケットを有するブランケット胴と、前記ブランケ
ット胴を回転させる手段と、インキ像を前記ブランケッ
トに付与する手段と、圧胴と、前記インキ像を受け取る
円周面を有するインキ除去胴と、前記インキ除去胴をブ
ランケット胴に係合させ且つ非係合状態にする手段と、
前記インキ除去胴をブランケット胴と同期化状態に駆動
する手段と、インキを前記インキ除去胴の表面から除去
する手段と、を備えるオフセット平版印刷機を材料の表
面に安定したインキ像を印刷するために準備する方法に
して、前記ブランケット胴を回転させる段階と、前記インキ像を前記ブランケットに付与する段階と、前記インキ像を前記ブランケットに付与する手段と前記
圧胴との間の円周位置にて前記インキ除去胴を前記ブラ
ンケット胴に対して平行に且つ略隣接するように配置す
る段階と、前記インキ除去胴をブランケット胴と同期化状態に駆動
し、該インキ除去胴の表面が前記ブランケットと略等し
い速度になるようにする段階と、前記インキ除去胴をブランケット胴に係合させ、該イン
キ除去胴の表面が接触線に沿ってブランケットに接触
し、前記インキ像が前記ニップに達する前に、該インキ
像が前記ブランケット胴からインキ除去胴の表面に連続
的に転写されるようにする段階と、前記インキ除去胴とブランケットとの間の接触線から離
間した円周位置にて前記インキ像をインキ除去胴の表面
から連続的に除去し、前記インキ除去胴の略清浄な面が
前記ブランケットに呈示されるようにする段階と、前記像の質が略安定し且つ印刷に適したものとなったと
き、前記インキ除去胴を非係合状態にする段階と、を備
えることを特徴とする方法。
【請求項２５】請求項２４に記載の方法にして、イン
キを除去する前記手段が、前記インキ除去胴の表面に接
触状態に配置された少なくとも１つのスクレーパと、溶
剤を前記インキ除去胴の表面に塗布する手段と、を備
え、前記インキを除去する段階が、前記溶剤をインキ除
去胴の表面に塗布する段階と、前記インキをインキ除去
胴の表面から掻き取る段階と、を備えることを特徴とす
る方法。
【請求項２６】請求項２５に記載の方法にして、前記
溶剤がメチルエチルケトンであることを特徴とする方
法。
【請求項２７】請求項２４に記載の方法にして、前記
ブランケット胴が締め付け部分を備え、前記係合及び非
係合段階が、前記インキ除去胴が前記締め付け部分に隣
接したとき、前記インキ除去胴を係合させ且つ非係合状
態にする段階を備えることを特徴とする方法。