JPH05328354A - 映像信号処理回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 同期信号圧縮によるスクランブルされた映像
信号をデスクランブルしたときに、同期信号部分のＳ／
Ｎ比を向上すること。 【構成】 デスクランブルされた信号から同期分離回路
５によって同期信号を分離する。又デスクランブルされ
た信号をシンクチップクランプ回路２に与え、直流電圧
発生回路３からの直流電圧にシンクチップをクランプす
る。そして切換回路４によって同期部分のみ直流電圧
を、その他の部分ではシンクチップクランプされた信号
を選択するように切換える。こうすれば同期信号部分の
Ｓ／Ｎ比が改善されることとなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＣＡＴＶシステムの端末
機に用いられるデスクランブル装置内の映像信号処理回
路に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年一般の地上波テレビジョン放送はチ
ャンネル数が放送帯域の幅によって限定されるため、昨
今の視聴者ニーズの多様化に答えられない面が出てお
り、ケーブルネットワークを用いたＣＡＴＶシステムに
加入する視聴者が増加しつつある。

【０００３】現在のＣＡＴＶシステムは都市型のＣＡＴ
Ｖシステムを中心に利用者が増加している。この都市型
ＣＡＴＶシステムでは特定契約者のみに対する有料サー
ビスが実施されている。有料サービスでは秘話性を有し
ており、そのため映像信号にスクランブルを施してい
る。即ち有料サービスの画像情報は特定の手段で加工
し、通常のテレビジョン受像機のみでは映像を再生でき
ないようにしている。このスクランブル信号を再生する
にはスクランブル信号と共に送られてくるキー信号に基
づいてデスクランブル処理が行われる。

【０００４】映像の同期圧縮手法でスクランブルされた
信号を端末のデコーダでデスクランブルする場合には、
圧縮した同期部のタイミングに合致したパルス信号に基
づいて、中間映像搬送波上で又は復調した後に、同期部
を伸長して元に戻している。図４（ａ）はスクランブル
された映像信号の水平同期部を示す波形図であり、
（ｂ）はそのデスクランブル後の水平同期部を示してい
る。同期圧縮方式のスクランブルでは、映像搬送波上に
おいてリファレンスレベルを中心に同期信号を圧縮して
おり、デスクランブル処理を施すことによって同期信号
レベルを元のレベルに戻してテレビジョン受像機に出力
している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこのよう
な従来のデスクランブル処理では、圧縮された同期部の
Ｓ／Ｎ比が圧縮比に応じて劣化する。例えば同期部を１
０ｄＢ圧縮した信号の場合には、同期部が他の映像信号
部分に比べて１０ｄＢＳ／Ｎ比が劣化する。この場合に
は図３（ａ）に示すように、シンクチップにノイズが重
畳された状態となる。この信号がテレビジョン受像機に
入力されると、同期信号部分がＡＧＣ回路の入力信号と
して利用されるため、受信器内部のＡＧＣ回路にノイズ
の影響が反映され、ＡＧＣ回路に異常が発生することが
あるという欠点があった。例えばＡＧＣ回路の異常によ
って画面に横縞のノイズが生じて、画質を劣化させるこ
とがあるという欠点があった。

【０００６】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、デスクランブル時に同期部のＳ
／Ｎ比の劣化をなくしＡＧＣ回路を正常に動作させるよ
うにすることを技術的課題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は同期信号圧縮に
よるスクランブル信号をデスクランブルするデスクラン
ブル装置に用いられる映像信号処理回路であって、デス
クランブルされた映像信号が入力され、同期信号を分離
する同期分離回路と、シンクチップクランプレベルの直
流電圧を発生する直流電圧発生回路と、入力信号を直流
電圧発生回路に発生された直流電圧にクランプするシン
クチップクランプ回路と、同期分離回路の出力に応じて
非同期信号部分でシンクチップクランプされた映像信号
の出力、同期信号部分で直流電圧発生回路の出力に切換
える切換回路と、を具備することを特徴とするものであ
る。

【０００８】

【作用】このような特徴を有する本発明によれば、デス
クランブルされた信号から同期信号部分を分離する。又
デスクランブルされた信号を直流電圧発生回路の直流電
圧に基づいてシンクチップクランプし、同期分離回路に
より非同期部分ではシンクチップ、同期信号部分ではシ
ンクチップに用いられる直流電圧を選択して切換えてい
る。従って同期信号の部分のＳ／Ｎ比が向上できること
となる。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の一実施例による映像信号処理
回路の構成を示すブロック図である。本図において入力
端子１にはシンクチップクランプ回路２が接続される。
シンクチップクランプ回路２は入力信号の水平同期信号
のレベルを所定値にクランプするための回路であって、
直流電圧発生回路３が接続される。直流電圧発生回路３
はシンクチップクランプ回路２に直流電圧を与えると共
に、これに対応した直流電圧を切換回路４にも与えるも
のである。又入力端子１には同期信号を検出するための
同期分離回路５が接続されている。同期分離回路５は入
力信号のうち同期信号を分離するものであって、その出
力は切換制御信号として切換回路４に与えられる。切換
回路４は同期分離回路５からの同期信号に基づいて、非
同期信号の間はシンクチップクランプ回路２の出力（映
像信号）をそのまま出力端子６に出力し、同期信号の部
分のみは直流電圧発生回路３の出力を選択して出力端子
６より出力するものである。

【００１０】図２は本実施例の映像信号処理回路の具体
的な構成例を示す回路図である。本図において前述した
第１実施例と同一部分は同一符号を付して詳細な説明を
省略する。入力端子１には同期分離回路５に加えてトラ
ンジスタＱ１のベースが接続される。トランジスタＱ１
のコレクタは電源Ｖccに、エミッタは抵抗Ｒ１を介して
接地され、エミッタフォロワ回路を構成している。そし
てトランジスタＱ１のエミッタには直流遮断用のコンデ
ンサＣ１を介してトランジスタＱ２のベースが接続され
る。トランジスタＱ２のコレクタは電源Ｖccに、エミッ
タは可変抵抗器ＶＲ１を介して接地される。又トランジ
スタＱ２のベースは抵抗Ｒ２，Ｒ３の分圧回路に接続さ
れている。抵抗Ｒ２，Ｒ３はその共通接続点を所定の電
圧レベルとする直流電圧発生回路３であって、トランジ
スタＱ２を介して直流が遮断された映像信号にこのレベ
ルの直流電圧を重畳している。ここでトランジスタＱ
１，Ｑ２と抵抗Ｒ１，コンデンサＣ１，可変抵抗ＶＲ１
とは直流電圧発生回路３からの直流電圧に入力信号をク
ランプするシンクチップクランプ回路２を構成してい
る。

【００１１】トランジスタＱ２のエミッタにおいて直流
電圧が重畳された信号は、トランジスタＱ３から成るエ
ミッタフォロワ回路を介してトランジスタＱ５に与えら
れる。トランジスタＱ３のコレクタは電源Ｖccに、エミ
ッタは定電流源Ｉ１を介して接地されている。一方抵抗
Ｒ２，Ｒ３の共通接続端はトランジスタＱ４のベースに
も接続される。トランジスタＱ４はコレクタが電源Ｖcc
に、エミッタがダイオードＤ１，定電流源Ｉ２を介して
接地され、重畳されている直流レベルと同一レベルの信
号をトランジスタＱ６のベースに与えるものである。

【００１２】トランジスタＱ５のコレクタはトランジス
タＱ７，Ｑ８のエミッタ共通接続端に接続される。又ト
ランジスタＱ６のコレクタはトランジスタＱ９，Ｑ１０
のエミッタ共通接続端に接続される。トランジスタＱ
７，Ｑ９のコレクタは電源Ｖccに接続されており、トラ
ンジスタＱ８，Ｑ１０のコレクタは共通接続され、抵抗
Ｒ６を介して電源Ｖccに接続され、更に出力端子６に接
続される。又トランジスタＱ７，Ｑ９のベースは夫々同
期分離回路５に接続されている。トランジスタＱ７〜Ｑ
１０は同期分離回路５の出力によって選択的に動作する
ダブルバランス回路である。又トランジスタＱ５とＱ
８、抵抗Ｒ４，Ｒ６によって第１のカスコード増幅器が
形成され、トランジスタＱ６，Ｑ１０と抵抗Ｒ５，Ｒ６
によって第２のカスコード増幅器が構成されている。

【００１３】次に本実施例の動作について説明する。図
３（ａ）はデスクランブルされた映像信号のうち同期信
号部分を拡大して示しており、デスクランブル時に細か
い高周波ノイズが重畳された状態を示している。この信
号は入力端子１に加えられ、同期分離回路５によって同
期信号が分離される。図３（ｂ），（ｃ）はトランジス
タＱ５，Ｑ６の出力の選択信号を示している。トランジ
スタＱ５がオン状態では図３（ａ）に示す映像信号部分
が選択され、図３（ｃ）に示すようにトランジスタＱ６
がオン状態ではクランプ回路によりクランプする直流電
圧が選択されて出力端子６より出力される。従って出力
端子６には図３（ｄ）に示すように同期信号部分ではノ
イズのない映像信号となる。そのため同期信号部分を用
いてＡＧＣをかけるときに同期信号のノイズによる悪影
響がなく、画質の劣化を防止することができる。

【００１４】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、デスクランブルによる同期信号部分のＳ／Ｎ比の劣
化が防止できる。従ってＡＧＣ回路の異常動作がなくな
り、品質のよい画像を得ることができるという効果が得
られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による映像信号処理回路の構
成を示すブロック図である。

【図２】本発明の一実施例による映像信号処理回路の具
体的な構成を示す回路図である。

【図３】本実施例の動作を示すタイムチャートである。

【図４】同期圧縮によるスクランブル信号とデスクラン
ブル後の信号を示す波形図である。

【符号の説明】

２ シンクチップクランプ回路 ３ 直流電圧発生回路 ４ 切換回路 ５ 同期分離回路 Ｑ１〜Ｑ１０ トランジスタ Ｒ１〜Ｒ６ 固定抵抗

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 同期信号圧縮によるスクランブル信号を
   デスクランブルするデスクランブル装置に用いられる映
   像信号処理回路であって、 デスクランブルされた映像信号が入力され、同期信号を
   分離する同期分離回路と、 シンクチップクランプレベルの直流電圧を発生する直流
   電圧発生回路と、 入力信号を前記直流電圧発生回路に発生された直流電圧
   にクランプするシンクチップクランプ回路と、 前記同期分離回路の出力に応じて非同期信号部分で前記
   シンクチップクランプされた映像信号の出力、同期信号
   部分で前記直流電圧発生回路の出力に切換える切換回路
   と、を具備することを特徴とする映像信号処理回路。