JPH0532788U - スクリユー渦巻ポンプの羽根車構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造が簡単で組立性がよく、かつ、安価なス
クリュー渦巻ポンプを提供する。 【構成】 先端部にスクリュー（２）を備えた羽根車本
体（１）とハブ部材（５）とを一体鋳造した羽根車
（Ａ）の基部側中心に、六角穴付きボルト（８）の頭部
挿入用の第１凹部（１９）と、この凹部より大径の第２
凹部（２０）とを設け、かつ、羽根車の吸込側中心から
前記六角穴付きボルトを操作する前記第１凹部より小径
の貫通孔（２２）とを設け、前記第１凹部に頭部（８
ａ）を挿入した六角穴付きボルトの座面に当接する固定
リング（２３）を前記第２凹部に挿入して止め輪（２
４）にて止着し、キー（１０）を介して前記貫通孔から
前記六角穴付きボルトを回転軸（９）に螺着して固定し
たスクリュー渦巻ポンプの羽根車構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、スクリュー渦巻ポンプの羽根車構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、汚水、固液混相液を取り扱うポンプとしては、異物通過性の高いスクリ ュー渦巻ポンプが使用される。 このスクリュー渦巻ポンプにおいては、羽根車は、羽根車頭部に設けた孔付き 凹部から六角穴付きボルト（以下、ボルトという）により回転軸に取り付けられ るが、この種のポンプにおいて、異物の通過性を良好とするためには、羽根に相 当するスクリューの前縁を出来るだけ羽根車頭部中央寄りに取り付ける必要があ る。

【０００３】 そのため、従来、図２に示すように、羽根車Ａの頭部中央に設けるボルト８の 頭部８ａを収容する凹部３を出来るだけ小径とし、スクリュー２の前縁を出来る だけ羽根車頭部中央寄りに取り付けるようにし、前記凹部３と孔４を介して羽根 車Ａをボルト８で回転軸９に螺着するようにしている。

【０００４】 そして、前記ボルト８の径は必然的に小径となり、羽根車Ａにかかる軸推力を 前記ボルト８で受けるには不十分であるため、羽根車Ａを、スクリュー２を先端 に有する羽根車本体１とハブ部材５との２分割構造とし、ハブ部材５をキー１０ を介して回転軸９にスリーブ１１と締め付けナット１２により取り付け、前記軸 推力の一部をハブ部材５を介して回転軸９に伝達する一方、羽根車本体１をピン ６によりハブ部材５と一体化したのち、前述のように、ボルト８により回転軸９ に取り付け、残りの軸推力をボルト８で支持するようにしている。なお、１３は カバーである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 ところで、前記のように、羽根車Ａを２分割構造とすると、部品点数が多くな り、しかも、ハブ部材５と羽根車本体１とを別個に回転軸９への取り付けなけれ ばならない。 また、羽根車本体１とハブ部材５との嵌合部を精密加工しなければならず、か つ、両部材を一体化するのに作業が困難なピン嵌合工程が必要であり、組立性が 悪いとともに、高価なスクリュー渦巻ポンプになるという課題を有する。 なお、図中、１４は吸込ケーシング、１５は渦巻ケーシング、１６は吐出ケー シング、１７はブラケット、１８はパッキングである。

【０００６】 したがって、本考案は、スクリュー前縁部をできるだけ羽根車の頭部中央に取 り付けられるにも拘わらず、ボルトを従来より大径なものを使用可能とし、それ により羽根車を一体構造としたスクリュー渦巻ポンプの羽根車構造を提供するこ とを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するために、スクリュー渦巻ポンプの羽根車構造を、 先端部にスクリューを備えた羽根車本体とハブ部材とを一体鋳造した羽根車の基 部側中心に、六角穴付きボルトの頭部挿入用の第１凹部と、この凹部より大径の 第２凹部とを設け、かつ、羽根車の吸込側中心から前記六角穴付きボルトを操作 する前記第１凹部より小径の貫通孔とを設け、前記第１凹部に頭部を挿入した六 角穴付きボルトの座面に当接する固定リングを前記第２凹部に挿入して止め輪に て止着し、キーを介して前記貫通孔から前記六角穴付きボルトを回転軸に螺着し て固定するようにしたものである。

【０００８】

【実施例】

つぎに、本考案の一実施例を図１にしたがって説明する。 図から明らかなように、本考案においては、羽根車Ａを従来のような２分割構 造とすることなく鋳造によって一体構成としたものである。 そして、羽根車Ａの基部中心には、前記ボルト８の頭部８ａが遊嵌される第１ 凹部１９と、この第１凹部１９の基部側に第１凹部１９より大径の第２凹部２０ とが設けられ、さらに、第２凹部２０の基部側に環状溝２１が設けられている。 なお、１ａはボス部である。

【０００９】 一方、前記羽根車Ａの頭部中心に、前記第１凹部１９に至る貫通孔２２が設け てある。この貫通孔２２は前記ボルト８の頭部８ａに設けた六角穴８ｂに嵌合す る六角棒スパナ等が入る径でボルト頭部８ａより小径である。

【００１０】 つぎに、前記構成からなる羽根車Ａを回転軸９に取り付けるには、前記第１凹 部１９にボルト８の頭部８ａを位置させ、第２凹部２０に環状の固定リング２３ を嵌合し、この固定リング２３を前記環状溝２１に嵌合した止め輪（スナップリ ング）２４により係止して前記ボルト８を羽根車Ａに保持する。

【００１１】 そして、前記羽根車Ａのボス部１ａをキー１０を介して回転軸９に嵌合し、前 記貫通孔２２から六角棒スパナを挿入してボルト頭部８ａの六角穴８ｂに嵌合し 、六角棒スパナを回転することによりボス部１ａの先端をスリーブ１１もしくは 回転軸の段部（図示せず）に圧着して羽根車Ａを回転軸９に取り付けるものであ る。 なお、図２と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。

【００１２】

【考案の効果】

以上の説明で明らかなように、本考案においては、羽根車の頭部に設ける貫通 孔はボルト頭部より小径であるため、スクリュー前縁部を羽根車頭部の中心寄り に設けることができ、異物の通過性を損なうことがないばかりか、貫通孔の径を 従来のものと同様にすれば、使用されるボルトも従来のものより大径にでき、全 軸推力を支持することができる。

【００１３】 そのため、羽根車を、従来のように２分割構造とすることなく一体構成とする ことができ、これにより、部品点数も少なく、かつ、両部材の嵌合に必要な精密 加工は勿論、面倒なピンの嵌合作業が不要となり、組立て作業性が良いことと相 俟って安価なスクリュー渦巻ポンプの羽根車構造とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案にかかるスクリュー渦巻ポンプの羽根
車構造を示す一部断面図。

【図２】 従来のスクリュー渦巻ポンプの要部に関する
一部断面図。

【符号の説明】

Ａ…羽根車、１…羽根車本体、１ａ…ボス部、２…スク
リュー、５…ハブ部材、８…六角穴付きボルト、８ａ…
ボルト頭部、９…回転軸、１０…キー、１９…第１凹
部、２０…第２凹部、２１…環状溝、２２…貫通孔、２
３…固定リング、２４…止め輪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端部にスクリューを備えた羽根車本体
   とハブ部材とを一体鋳造した羽根車の基部側中心に、六
   角穴付きボルトの頭部挿入用の第１凹部と、この凹部よ
   り大径の第２凹部とを設け、かつ、羽根車の吸込側中心
   から前記六角穴付きボルトを操作する前記第１凹部より
   小径の貫通孔とを設け、前記第１凹部に頭部を挿入した
   六角穴付きボルトの座面に当接する固定リングを前記第
   ２凹部に挿入して止め輪にて止着し、キーを介して前記
   貫通孔から前記六角穴付きボルトを回転軸に螺着して固
   定したスクリュー渦巻ポンプの羽根車構造。