JPH0532759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、穀物乾燥機に付設された昇降機の穀
物供給口に対向して設置し、昇降機で搬送中に飛
散する穀物粒を試料として取り入れて、その水分
を測定するようにした穀物の水分測定装置に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来、穀物乾燥機で乾燥中の穀物の水分を測定
する装置であつて、昇降機で搬送中に飛散する穀
物を試料として一対の電極ロール間に取り入れて
水分を測定するものとしては、例えば実公昭56−
41248号公報に記載されたものが知られている。

その水分測定装置においては、第６図に示すよ
うに、一対の電極ロール１，１が設けられ、かつ
この一対の電極ロール１，１の上方に試料穀物を
電極ロール間に案内するガイド２，２が設けられ
ている。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、上記のごとき従来の水分測定装置に
おいては、一対の電極ロール間には昇降機から飛
散された穀物粒が常に滞留しているので、水分測
定にあたり、既に滞留している穀物粒を一旦排除
して、新たな試料の穀物粒を取り入れなければ、
正確な水分の測定ができない。

しかし、前記従来のものでは、一対の電極ロー
ルの上方にガイドが設けられているので、滞留し
た穀物を迅速かつ完全に排除することが困難であ
り、そのために測定誤差が大きくなり、また測定
の信頼性にも劣ることになるので、滞留した穀物
が排除されるまでまつて測定するか、あるいは測
定値に影響を及ぼさぬ工夫をして測定されない穀
物が無駄に粉砕する等の問題点を有してした。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、水分測定に先立つて、一対の電極ロール
上に滞留していた古い穀物粒を一対の電極ロール
の逆回転作動で確実に排除した後、新しい穀物粒
を滞留させて正確な穀物の水分値を測定できる穀
物の水分測定装置を提供しようとしたものであ
る。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における穀
物の水分測定装置は、穀物乾燥機に付設された昇
降機１０１の穀物供給口１０５に対向させて配設
し、昇降機１０１で搬送中に飛散する穀物粒を一
対の電極ロール１０７，１０７間に試料として取
り入れて水分を測定するものにおいて、一対の電
極ロール１０７，１０７の一端または両端に、一
対の電極ロール１０７，１０７上に滞留していた
穀物粒を水分測定に先立つて行なわれる一対の電
極ロール１０７，１０７の逆回転作動で落下させ
る隙間１０９を設けたものである。

［作用］ 一対の電極ロール１０７，１０７間には、昇降
機１０１で搬送中の飛散穀物粒が常に滞留してい
るが、水分測定に際して一対の電極ロール１０
７，１０７を逆回転させると、一対の電極ロール
１０７，１０７間に滞留した穀物粒は、上方に誘
導されたうえ、その一端、または両端の隙間１０
９から落下排除される。そして、このような滞留
している古い穀物粒を排除した後、一対の電極ロ
ール１０７，１０７間には昇降機１０１で搬送中
の飛散穀物が新たに滞留されるので、一対の電極
ロール１０７，１０７を正回転させて水分の測定
を行えば、その時点の正確な穀物の水分値が得ら
れる。

［実施例］ 本考案の実施例を図面について説明する。

第１図ないし第３図において、１０１は、穀物
乾燥機に付設された昇降機であつて、この昇降機
１０１は穀物乾燥機に穀物を張り込み、乾燥中循
環させ、かつ排出するためのものである。１０２
は、そのバケツトベルト、１０３は、多数のバケ
ツトである。上記昇降機１０１の下端部一側には
張込ホツパー１０４が装着されており、張込ホツ
パー１０４と昇降機１０１の下部は穀物供給口１
０５で連通されている。

一方、１０６は、水分測定器であつて、この水
分測定器１０６は張込みホツパー１０４に穀物供
給口１０５と対向させて着脱自在に装着され、そ
の一対の電極ロール１０７，１０７間に昇降機１
０１で搬送中に穀物供給口１０５から飛散する穀
物粒が試料として取り入れられるようになつてい
る。１０８，１０８は、穀物ガイドであつて、こ
の穀物ガイド１０８，１０８は一対の電極ロール
１０７，１０７の上方左右に位置し、穀物粒を一
対の電極ロール１０７，１０７間に案内するもの
である。また、上記一対の電極ロール１０７，１
０７の両端と壁面との間には、穀物粒が落下でき
る隙間１０９，１０９が設けられている。一対の
電極ロール１０７，１０７は水分の測定時には正
回転させるが、それに先立つて一旦逆回転させる
ものである。１１０は、一対の電極ロール１０
７，１０７を回転させるためのギヤーである。

なお、一対の電極ロール１０７，１０７と壁面
との間の上記隙間１０９は、第４図に示すよう
に、一端にのみ形成し、他端側にはガイド１１１
を設けてもよい。

穀物乾燥中は、昇降機１０１で穀物が循環さ
れ、昇降機１０１で搬送中に穀物供給口１０５か
ら飛散する穀物粒は、試料として水分測定器１０
６の一対の電極ロール１０７，１０７間にに常に
滞留する。乾燥中の穀物の水分は所定の時間間隔
で測定されるが、その際には、１０７，１０７を
一旦回転させて、一対の電極ロール１０７，１０
７間に滞留していた穀物粒を排除する。すなわ
ち、一対の電極ロール１０７，１０７を逆回転さ
せると、その上に滞留していた穀物粒は上方に持
ち上がるので、その両端（または一端）の隙間か
ら落下排除される。そして、このように滞留して
いた穀物粒を排除した後は、一対の電極ロール１
０７，１０７間に昇降機１０１で搬送中の飛散穀
物粒が新たに滞留するので、適当な時間をおいて
一対の電極ロール１０７，１０７を正回転させて
水分測定を行えば、その時点の正確な穀物の水分
値が得られる。

第５図には、一対の電極ロール１０７，１０７
の動作と、水分測定動作との関係がタイムチヤー
トとして例示されている。このタイムチヤートに
おいて、一対の電極ロール１０７，１０７の正回
転初期の一定短時間ｔは新たに試料穀物が滞留す
るのに要する時間であるから、この時間ｔの経過
後に水分測定を行う。

［考案の効果］ 本考案は、前記のように、穀物乾燥機に付設さ
れた昇降機１０１の穀物供給口１０５に対向させ
て配設し、昇降機１０１で搬送中に飛散する穀物
を一対の電極ロール１０７，１０７間に試料とし
て取り入れて水分を測定するものにおいて、一対
の電極ロール１０７，１０７の一端または両端
に、一対の電極ロール１０７，１０７上に滞留し
ていた穀物粒を水分測定に先立つて行なわれる一
対の電極ロール１０７，１０７の逆回転作動で落
下させる隙間１０９を設けたから、水分測定に際
しては、一対の電極ロールを一旦逆回転させるこ
とで既に滞留されていた古い穀物粒を完全に排除
したうえ、一対の電極ロール１０７，１０７間に
新たに試料の穀物粒を取り入れて、その時点にお
ける正確な水分測定ができ、測定の信頼性を大い
に向上させることができる許りか、破砕粒の発生
量を減少させることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物の水分測定装置の実施
例を示すものであつて、第１図は一部を切欠し、
かつ要部を縦断した側面図、第２図は水分測定器
の正面図、第３図はその一部の縦断側面図、第４
図は他例を示す一部の縦断側面図、第５図は一対
の電極ロールの動作と、水分動作との関係を示す
タイムチヤート、第６図は従来例の説明図であ
る。 １０１……昇降機、１０５……穀物供給口、１
０６……水分測定器、１０７，１０７……一対の
電極ロール、１０９，１０９……隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 穀物乾燥機に付設された昇降機の穀物供給口に
   対向させて配設し、昇降機で搬送中に飛散する穀
   物粒を一対の電極ロール間に試料として取り入れ
   て水分を測定するものにおいて、一対の電極ロー
   ルの一端または両端に、一対の電極ロール上に滞
   留していた穀物粒を水分測定に先立つて行なわれ
   る一対の電極ロールの逆回転作動で落下させる隙
   間を設けたことを特徴とする穀物の水分測定装
   置。