JPH0532718A - ツイーグラー触媒系のためのバナジウムおよびマグネシウム含有組成分 - Google Patents

ツイーグラー触媒系のためのバナジウムおよびマグネシウム含有組成分

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JPH0532718A
JPH0532718A JP281992A JP281992A JPH0532718A JP H0532718 A JPH0532718 A JP H0532718A JP 281992 A JP281992 A JP 281992A JP 281992 A JP281992 A JP 281992A JP H0532718 A JPH0532718 A JP H0532718A
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JP281992A
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Ulrich Dr Bueschges
ウルリツヒ、ビユシユゲス
Roland Dr Saive
ローラント、ザイヴエ
Guido Funk
グイド、フンク
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BASF SE
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F10/02Ethene

Abstract

(57)【要約】 【目的】 秀れた諸特性を有するエチレン重合体を、従
来のような多段階法に依存することなく、製造し得る新
規の高生産性ツィーグラー触媒およびこれを製造するた
に必要な新規の触媒組成分を提供すること。 【構成】 (イ)少なくとも1種類のハロゲン含有マグ
ネシウム化合物および/あるいはマグネシウムアセチル
アセトネート(これらはすべて有機溶媒に可溶性であ
る)、(ロ)有機溶媒に可溶性の少なくとも1種類のハ
ロゲン含有バナジウム、マグネシウム化合物、(ハ)ハ
ロゲン含有バナジウム、マグネシウム化合物と、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物、マグネシウムアセチルアセ
トネートおよび/あるいはバナジウム化合物、のいずれ
かを不活性、固体粉末状の有機もしくは無機担体上に施
すことにより得られるバナジウム、マグネシウムを含有
する触媒組成分。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は少なくとも1種類のマグネシウム
化合物と、少なくとも1種類のバナジウム化合物を、そ
のままあるいは溶液状態において、任意の順序で相次い
であるいは同時に、不活性、固体粉末状の有機もしくは
無機担体上に施すことにより製造され得る、ツィーグラ
ー触媒系のためのバナジウムおよびマグネシウム含有新
規化合物に関するものである。本発明はまたこの新規の
バナジウムおよびマグネシウム含有組成分を有する新規
のツィーグラー触媒系に係る。
【0002】本発明はまた当然のことながら、新規のツ
ィーグラー触媒系を使用し、30から200℃、0.1
から200バールの圧力下に、エチレンを重合させ、あ
るいはエチレンをこれより少ない量のC3 −C8 α−モ
ノオレフィンと共重合させて得られるエチレン単独重合
体もしくは共重合体に関するものである。
【0003】
【従来技術】このような単独重合法ないし共重合法は、
一般的に公知であり、例えば米国特許4578374号
明細書、ヨーロッパ特許出願公開57589号、同55
589号および同166888号各公報に記載されてい
る。
【0004】この米国特許4578374号明細書に記
載されている重合方法は、不活性の固体粉状担体を不活
性溶媒中において、(1)ジエチル、ジプロピル、ジイソ
プロピル、ジーn−ブチル、ジイソブチル、ジアミル、
ジオクチル、ジ−n−ヘキシル、ジデシル、ジドデシ
ル、ジシクロヘキシル、ジベンジル、ジトリル、ジキシ
リル、エチルプロピル、エチル−n−ブチル、アミルヘ
キシル、n−ブチル−sec−ブチルの各マグネシウム
化合物のようなハロゲンを含有しない有機マグネシウム
化合物(トリエチルアルミニウムのような有機アルミニ
ウム化合物を少量含有していてもよい)、(2)場合に
より1−ブタノール、アセトン、アセトアルデハイドの
ようなアルコール、ケトン、アルデハイド、(3)場合
によりハロゲン不含有シロキサン、例えばヘキサメチ
ル、オクタメチルトリ、オクタメチルシクロテトラ、デ
カメチルシクロペンタシロキサン、(4)バナジウム化
合物、例えばバナジルトリクロライド、バナジウムテト
ラクロライド、テトラブトキシバナジウム、バナジウム
トリクロライド、バナジルアセチルアセトネート、バナ
ジウムアセチルアセトネート、バナジルジクロロアセチ
ルアセトネート、テトラヒドロフランとの錯体をなすバ
ナジウムトリクロライド、バナジルクロロジアセチルア
セトネート、バナジルトリブロマイド、バナジウムテト
ラブロマイド、および(5)元素周期律表の第3主族金
属のハロゲン化物、例えば塩化硼素、エチルアルミニウ
ムジクロライド、エチル二酸化硼素により順次処理し、
これにより得られるバナジウムおよびマグネシウム含有
触媒組成分を、アルミニウムアルキル、アルミニウムア
ルキルハイドライド、リチウムアルミニウムアルキル、
錫アルキル、マグネシウムアルキルのような共触媒およ
び有機ハロゲン化合物のような活性剤で包囲する。
【0005】これに対してヨーロッパ特許出願公開57
589号の重合方法では、(1)表面ヒドロキシル基を
有する無機酸化物担体を、チタンテトラクロライド、ト
リクロロチタンエチレート、ジクロロチタンジイソプロ
ピレート、チタンオキシクロライド、バナジルトリクロ
ライド、バナジウムテトラクロライド、ジルコニウムテ
トラクロライド、ジルコニルクロライド、クロミルクロ
ライドのようなハロゲン含有遷移金属化合物で処理し、
(2)これにより得られる生成物をアルミニウム、硼
素、リチウム、亜鉛、マグネシウム、珪素、錫の化合
物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソプロピル
アルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエ
チルアルミニウムエトキサイド、トリエチル硼素、トリ
メチルシリルクロライド、トリブチル錫ハイドライド、
ジブチルマグネシウム、エチルマグネシウムブロマイ
ド、ジエチル亜鉛、ブチルリチウムと反応させ、(3)
これにより得られる生成物をバナジウム化合物、例えば
バナジルトリクロライド、バナジウムテトラクロライ
ド、バナジルトリエチレートと反応させて得られる、ツ
ィーグラー触媒系を使用している。
【0006】このツィーグラー触媒系には、同様に公知
慣用の共触媒、例えばトリエチルアルミニウムが添加さ
れる。
【0007】上述した両方法はエチレン単独重合体およ
びα−モノオレフィンとの共重合体の製造を可能ならし
めるが、ここで使用されるツィーグラー触媒系は、高分
子量、高密度の、広い分子量分布を有するエチレン単独
重合体、共重合体の製造には不充分、不満足なものであ
る。
【0008】同様のことはツィーグラー触媒系を使用す
るヨーロッパ特許出願公開55589号の重合方法につ
いても該当する。この触媒系は、無機の粉末状酸化物を
(1)炭化水素に可溶性の有機マグネシウム化合物、例
えばジ−sec−ブチル、ジ−tert−ブチル、エチ
ル−n−ブチル、n−ブチル−sec−ブチル、n−ブ
チル−tert−ブチル、エチル−n−ヘキシル、エチ
ル−n−オクチル、ジ−n−ヘキシル、ジ−n−オクチ
ルおよびジ−n−デシルマグネシウム、ジ−n−ブチル
マグネシウムとトリエチルアルミニウムの反応生成物
か、あるいは上述した有機マグネシウム化合物と電子供
与体例えばエーテル、チオエーテル、ケトン、アルデハ
イド、カルボン酸ならびにその誘導体、アルコール、チ
オアルコール、アミンとの反応生成物、(2)クロロシ
ラン、例えばトリクロロシラン、メチルジクロロシラ
ン、エチルジクロロシラン、ベンジルジクロロシラン、
メチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、メチル−
イソプロピルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、
および(3)ハロゲン含有チタンおよび/あるいはバナ
ジウム化合物、例えばチタンテトラクロライド、チタン
テトラブロマイド、チタンテトラヨーダイド、エトキシ
チタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライ
ド、ブトキシチタントリクロライド、ジプロポキシチタ
ンジクロライド、ジブトキシチタンジクロライド、トリ
プロポキシチタンモノクロライド、トリブトキシチタン
モノクロライド、バナジウムテトラクロライド、バナジ
ルトリクロライド、モノブトキシバナジルジクロライ
ド、ジブトキシバナジルルモノクロライド、ジブトキシ
バナジルジクロライドと反応させ、これにより得られる
反応生成物を公知慣用の共触媒および活性剤で処理して
製造される。
【0009】またヨーロッパ特許出願公開166888
号公報に記載されている方法は、バナジウムトリハロゲ
ン化物/アルコール錯体、チタントリハロゲン化物もし
くはチタントリハロゲン化物錯体および場合によりジル
コニウムハロゲン化物を無機酸化物担体に施し、これに
より得られる生成物を公知慣用の共触媒および活性剤で
処理して得られるツィーグラー触媒系を使用する。この
ツィーグラー触媒系は調節可能の広い分子量分布と、良
好な結晶性を有するエチレン単独重合体および共重合体
の製造を可能ならしめる。しかしながら平均的分子量、
平均的密度のエチレン共重合体を製造する際に重大な欠
点がもたらされる。すなわちコモノマー必要量が比較的
多量であり、使用される反応条件下においていわゆる反
応容器汚染を生じ、反応容器壁に大量の堆積物をもたら
す。
【0010】さらに上述したすべての共重合方法におい
て、エチレン共重合の際コモノマーの配分が著しく不満
足であり、部分的に意図する調整ができない。
【0011】この欠点はある程度まで、ヨーロッパ特許
出願公開129312号、同237294号あるいは米
国特許4128607号に開示されている方法により克
服されるが、この方法は2段階法であるため、高コスト
の反応容器カスケードを使用しなければならない。
【0012】例えばヨーロッパ特許出願公開23729
4号の方法では、第1段階においてフィリップス触媒系
を、第2段階ではマグネシウムおよびチタン含有ツィー
グラー触媒系を使用する。これを製造するため、金属マ
グネシウム、マグネシウム水酸化物、マグネシウム炭酸
塩、マグネシウム酸化物、マグネシウム塩化物にチタン
化合物を、またマグネシウムの複塩およびその酸化物に
珪素、アルミニウム、カルシウムを施し、あるいはグリ
ニヤール化合物もしくはマグネシウム有機化合物とナト
リウム、リチウム、カリウム、硼素、亜鉛有機化合物と
の反応生成物をチタン化合物と反応させることができ
る。
【0013】ヨーロッパ特許出願公開129312号の
2段階法においても、第1段階においてフィリップス触
媒系が、第2段階においてツィーグラー触媒系が使用さ
れるが、これは種々の有機および無機マグネシウム化合
物から製造され得る。その例としてはマグネシウムクロ
ライド、ヒドロキシマグネシウムクロライド、マグネシ
ウムオキサイド、マグネシウムハイドロキサイド、マグ
ネシウムカーボネート、マグネシウムアルコキサイド、
有機酸マグネシウム塩あるいは電子供与体化合物、例え
ばアルコール、カルボン酸エステルとのマグネシウム錯
体、炭化水素−マグネシウム結合を有するマグネシウム
有機化合物、例えばジアルキルマグネシウム、アルキル
マグネシウムクロライド、アルキルマグネシウムアルコ
キサイド、アルキルマグネシウムシロキサイド、あるい
はその前述した電子供与体化合物との錯体ならびに前述
した有機マグネシウム化合物とハロゲン化合物、例えば
塩酸、有機ハロゲン化合物、クロロシラン、珪素テトラ
クロライド、錫テトラクロライドとの反応生成物が挙げ
られている。さらにこのツィーグラー触媒系使用のた
め、ハロゲン含有バナジウム化合物、場合によりさらに
ハロゲン化アルミニウム、硼素、珪素、ゲルマニウム、
錫、ベリリウムおよび/あるいはアンチモンが使用され
る。
【0014】また米国特許4128607号からも、マ
グネシウム化合物あるいは粉末担体としてのアルミニウ
ム化合物とマグネシウム化合物との反応生成物を有する
チタン含有ツィーグラー触媒系を使用する多段階法が公
知である。
【0015】これら多段階法の高コストにかかわらず、
これら方法により得られるエチレン単独重合体および共
重合体の使用特性のさらに改善を要する不満足なもので
ある。そこで吹込押出し成形法により簡単にかつ確実に
成形体を製造するには、エチレン単独重合体および共重
合体が、高い衝撃強さ、高い応力歪み耐性、高い剛性お
よび平滑表面特性を併せ有する必要がある。さらにこれ
らエチレン単独重合体および共重合体は、良好な流動性
を有し、従って効率的に処理し得る必要がある。
【0016】巻取りシート製造に使用されるエチレン共
重合体は、流動性および平滑性を同時に改善しなければ
ならない。またこれにより得られるシートは、その粘着
傾向、ゲル化傾向、引張り強さと同時に紙に類する剛性
に関してさらに改善されねばならない。
【0017】そこでこの分野における技術的課題ないし
本発明の目的は、意図するように調整可能の分子量、分
子量分布および共重合体の場合計量された通りのコモノ
マー分布、良好な加工性、良好な結晶性、対応力亀裂耐
性および少量の炭化水素溶解性分を示すエチレン単独重
合体および共重合体を、従来のような多段階法に依存す
ることなくもたらし得る。ツィーグラー触媒系用の新規
のバナジウム、マグネシウム含有組成分を、従って新規
の高生産性ツィーグラー触媒系を提供することである。
さらにこの新規ツィーグラー触媒系により製造されるエ
チレン単独重合体および強重合体は、ことにシート吹込
成形法の場合の良好な対ブローイング安定性、これによ
り製造されたシートが高い機械的強さ、紙に類する剛性
およびさらに僅少のゲル分を示さねばならない。さらに
これを使用して得られるエチレン単独重合体および共重
合体が、簡単かつ確実に、平滑な表面および均斉な厚さ
を有する成形体ないし成形体部分をもたらすものでなけ
ればならない。なおこの新規ツィーグラー触媒系は、上
述した有利なエチレン単独重合体および共重合体を製造
するに当たり、いわゆるリアクターファウリング、反応
容器壁汚染をもたらすものであってはならない。
【0018】
【発明の要約】しかるに上記目的ないし技術的課題は、
(1)以下の一般式(I) Mgabcd (I) で表わされ、Xが塩素あるいは臭素、Yが水素、ヒドロ
キシル、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコ
キシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ基、Zがアル
コール、エーテル、アルデハイド、エステル、ケトン、
アミン、有機ホスフィン、a、bが1以上の整数、cが
0あるいは1以上の整数、dが0あるいは1から6の整
数を意味し、しかも(i)b+c=2aであり、かつ
(ii)c=0の場合d≠0である少なくとも1種類の
マグネシウム化合物、および/あるいは以下の一般式
(IIa)から(IIf)
【0019】
【化9】 で表わされ、X、Y、Zならびにdが一般式(I)につ
いて上述した意味を有し、Mが元素周期律表第2および
3主族のマグネシウムを除く金属の陽イオン、Y1 がア
ルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シク
ロアルコキシ、アリールオキシ、Z1 がアルコール、Z
2 がエーテル、3級アミン、3級ホスフィン、eが0.
2以上で1より小さく、fが1.2もしくは3、jが
1、2、3もしくは4、g、hが1以上の整数、iが0
もしくは1以上の整数を意味し、しかも(iii)h+
i=g(Mの酸化数)である少なくとも1種類のマグネ
シウム化合物ならびに少なくとも1種類のバナジウム化
合物が、あるいは(2)以下の一般式(IIIa)から
(IIIc)
【0020】
【化10】 で表わされ、X、Y、Y1 、Z Z1 、Z2ならびに
a、b、c、d、e、f、jが上述した意味を有する、
少なくとも1種類のバナジウム、マグネシウム化合物
が、あるいは(3)一般式(IIIa)から(III
c)の少なくとも1種類のバナジウム、マグネシウム化
合物と、一般式(I)の少なくとも1種類のマグネシウ
ム化合物、一般式(IIa)から(IIf)の少なくと
も1種類のマグネシウムアセチルアセトネートおよび/
あるいは少なくとも1種類のバナジウム化合物とが使用
されることを特徴とする、触媒系組成分により達成され
ないし解決され得ることが本発明者らにより見出され
た。
【0021】冒頭に説明した従来技術にかんがみて、
(イ)少なくとも1種類のハロゲン含有マグネシウム化
合物および/あるいはマグネシウムアセチルアセトネー
ト(これらはすべて有機溶媒に可溶性である)、(ロ)
有機溶媒に可溶性の少なくとも1種類のハロゲン含有バ
ナジウム、マグネシウム化合物、(ハ)ハロゲン含有バ
ナジウム、マグネシウム化合物と、ハロゲン含有マグネ
シウム化合物、マグネシウムアセチルアセトネートおよ
び/あるいはバナジウム化合物、のいずれかを不活性、
固体粉末状の有機もしくは無機担体上に施すことにより
得られるバナジウム、マグネシウムを含有する触媒組成
分が、これまでに公知の方法の欠点を克服し得ることは
全く予想され得なかったところである。ことにこの新規
触媒組成分を有するツィーグラー触媒系が、従来のよう
な多段階重合法に立ち戻ることなく、秀れた種々の使用
特性を有するエチレン単独重合体および共重合体の製造
を可能ならしめたことは予想外のことであった。
【0022】本発明は、さらに(1)少なくとも1種類
の新規バナジウム、マグネシウム含有組成分と共に、
(2)少なくとも1種類のアルミニウム有機化合物およ
び(3)少なくとも1種類の共触媒を混合することによ
り得られるツィーグラー触媒系をその対象とする。
【0023】また上記の新規ツィーグラー触媒系を使用
して製造されるエチレン単独重合体および比較的少量の
3 −C8 アルファモノオレフィンとの共重合体も本発
明の対象であることは云うまでもないところである。
【0024】
【発明の構成】以下において本発明をさらに具体的に詳
述するに当たり、ツィーグラー触媒系のための新規のバ
ナジウムおよびマグネシウム含有触媒組成分を、単に
「本発明組成分」と略称し、またこの本発明組成分を使
用して製造される新規のツィーグラー触媒系を「本発明
触媒」と略称する。
【0025】本発明組成分は、簡単な云って、少なくと
も1種類のマグネシウム化合物と、少なくとも1種類の
バナジウム化合物を、溶液状態からあるいは物質中にお
いて、任意の順序で相次いであるいは同時に、不活性、
固体粉末状の有機もしくは無機担体上に施すことにより
製造され得る。本発明組成分としては一般式(I)のマ
グネシウム化合物を使用すること、一般式(I)のマグ
ネシウム化合物が本発明の本質的特徴である。
【0026】一般式(I)において、Xは塩素、臭素を
意味するが、ことに塩素を意味するのが好ましい。
【0027】一般式(I)において、Yは水素あるいは
ヒドロキシル、アルキル、シクロアルキル、アリール、
アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールを意味する
が、さらに具体的には、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ベンジ
ル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチル、シ
クロヘキシル、フェニル、ナフチル、ビフェニル、p−
メチルフェニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イ
ソプロポキシ、ネオペントキシ、ヘキソキシ、オクトキ
シ、イソオクトキシ、ベンジルオキシ、シクロペントキ
シ、シクロヘキソキシ、4−メチルシクロヘキソキシ、
フェノキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシが好
ましい。
【0028】一般式(I)において、Zはアルコール、
エーテル、アルデハイド、エステル、ケトン、アミン、
3級アミンを意味し、具体的にはメタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、ブタノール−2、アミルアルコール、n−ヘキサ
ノール、オクタノール、シクロヘキサノール、グリコー
ル、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−2,3−ジ
オール、ことにメタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、グリコールが好ましい。
【0029】好ましいエーテルは、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル、ジ−n−ブチルエーテル、n−ブチルメチルエ
ーテル、アニソールであって、ことにテトラヒドロフラ
ン、ジオキサンである。
【0030】好ましいアルデハイドは、ホルムアルデハ
イド、アセトアルデハイド、プロピルアルデハイド、ベ
ンズアルデハイドであって、ことにアルデハイドであ
る。
【0031】適当なケトンは、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾ
フェノンであって、ことにアセトンが好ましい。
【0032】適当なエステルは、メチル、エチル、n−
プロピルホルミエート、メチル、エチル、n−プロピ
ル、n−ブチル、n−ペンチルアセテート、メチル、エ
チル、n−プロピルプロピネート、メチル、エチル、ベ
ンゾエートであって、ことにメチルアセテート、エチル
アセテートが好ましい。
【0033】適当なアミンは、ジメチル、ジエチル、ジ
−n−プロピル、ジ−n−ブチル、ジシクロヘキシル、
ジベンジル、ジフェニル、トリメチル、トリエチル、ト
リ−n−プロピル、トリ−n−ブチル、ジメチルシクロ
ヘキシル、ジエチルベンジル、トリフェニルアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、
N,N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレント
リアミン、ピリジンであって、ことに3級アミンが好ま
しい。
【0034】適当な3級ホスフィンは、トリメチル、ト
リエチル、トリ−n−ブチル、メチルジエチル、ジメチ
ル−n−ブチル、トリフェニルホスフィンであって、こ
とにトリエチルホスフィンが好ましい。このZとして
は、XあるいはYと反応しないものが好ましい。
【0035】式(I)中のa、bは1以上の整数、こと
にaは1、bは1あるいは2を意味するのが好ましい。
式(I)中のcは0あるいは1以上の整数、ことに0、
1あるいは2を意味するのが好ましい。また式(I)中
のdは0あるいは1から6までの整数を意味し、cが0
の場合はdは0ではなく、またbとcの合計は2aと等
しくなければならない。
【0036】なお式(I)のdはZが上述した1価アル
コールを意味する場合には6を、Zが上述したジオー
ル、アセトンあるいはメチルエチルケトンを意味する場
合には3を、Zがテトラヒドロフランを意味する場合に
は、2もしくは4を、Zがジオキサンあるいは上述した
いずれかのエステルを意味する場合には、2を、Zがジ
エチレングリコールジメチルあるいはジエチルを意味す
る場合には、1を、またZがジ−n−ブチルエーテル、
n−ブチルメチルエーテル、アニソール、アセトフェノ
ンあるいはベンゾフェノンを意味する場合には、2ある
いは3をそれぞれ意味するのが好ましい。
【0037】本発明において有利に使用され得るマグネ
シウム化合物(I)の例としては、MgCl2 ・6エタ
ノール、MgCl2 ・6メタノール、MgCl2 ・3オ
クタノール、MgCl2 ・3グリコール、MgCl2
4テトラヒドロフラン、MgCl2 ・2ジオキサン、M
gCl2 ・ジエチレングリコールジメチルエーテル、M
gCl2 ・3ジ−n−ブチルエーテル、MgCl2・3
アセトン、MgCl2・トリフェニルホスフィン、Mg
(OH)Cl−6エタノール、Mg(OH)Br・4テ
トラヒドロフラン、エチルMgBr・2ジエチルエーテ
ル、メチルMgBr・2テトラヒドロフラン、シクロヘ
キシルMgCl・2ジオキサン、フェニルMgBr・2
ジエチルエーテル、Mg(OC25 )Cl・6エタノ
ール、Mg(OC37 )・6プロパノール、Mg(O
49 )・6n−ブタノールが挙げられるが、ことに
MgCl2 ・6エタノールが好ましい。
【0038】一般式(I)のマグネシウム化合物および
その製造方法自体は公知慣用であって、無機化学および
金属有機化学の基準文献に詳細に記載されている。
【0039】本発明組成分の製造のための上記した第1
の本質的出発物質の代りに、あるいはこれに加えて、マ
グネシウムアセチルアセトネートが使用される。このマ
グネシウムアセチルアセトネートとしては、マグネシウ
ム−3−メチルアセトネート、マグネシウムパーフルオ
ロアセチルアセトネートが挙げられる。このようなマグ
ネシウム化合物およびその製造方法自体は公知慣用であ
る。
【0040】本発明組成分製造のための他の本質的出発
物質は、一般式(IIa)から(IIf)までのバナジ
ウム化合物であって、これら一般式中の、X、Y、Zな
らびにdは一般式(I)について上述した意味を有す
る。
【0041】一般式(IId)から(IIf)中のM
は、元素周期律表の第2および3主族金属の陽イオンを
意味する。上記素周期律表は、1987年ワインハイム
のフェルラーク、ヘミー社刊、ディッカソンおよびガイ
ス著「ヘミー、アイネ、レーベンディゲ、ウント、アン
シャラリッヘ、アインフェールング」に記載されている
メンデエフおよびマイヤーの周期律表である。ただし上
記金属からマグネシウムは除外される。適当な陽イオン
Mは、Ca2+、Sr2+、Ba2+、B3+、Al3+、Ga3+
であって、ことにAl3+が好ましい。
【0042】一般式(IIe)および(IIf)におけ
るY1 は、前述したアルキル、シクロアルキル、アリー
ル、アルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオキシY
と同じ基を意味する。一般式(IId)から(IIe)
のZ1 は前述したアルコールZと同じ基を、一般式(I
Ie)および(IIf)のZ2 は前述したエーテル、3
級アミン、3級ホスフィンZと同じ基を意味する。
【0043】一般式(IId)から(IIf)中のeは
0.2と1の間の数値(1を含まない)、ことに0.3
と0.9の間の数値を意味し、式(IIe)および(I
If)中のfは1、2あるいは3を、jは1、2、3あ
るいは4を意味する。一般式(IId)から(IIf)
中のg、hは1以上(1を含めて)の整数、ことに1あ
るいは2を意味し、iは0あるいは1以上(1を含め
て)の整数、ことに1あるいは2を意味する。ただし、
g、h、iは h+i=g(Mの酸化数) の関係に在る。
【0044】一般式(IIa)から(IIf)の本発明
で使用される適当なバナジウム化合物は、VOCl3
VOBr3 、VCl4 、VBr4 、VCl3 ・6メタノ
ール、VBr3 ・6メタノール、VCl3 ・6エタノー
ル、VCl3・6プロパノール、VCl3 ・4テトラヒ
ドロフラン、VCl3 ・4イソプロパノール、VCl3
・6ブタノール−2、VCl3 ・6(2−メチルブタノ
ール−2)、(VCl3 ・6エタノール)0.7 ・((C
25 O)AlCl20.3 、(VCl3 ・6エタノー
ル)0.8 ・(Al(OC252 Cl)0.2 、(VC
3 ・6イソプロパノール)0.3 ・(Al(O−イソ−
372 Cl・2−テトラヒドロフラン)0.7
(VOCl(C2520.85・((C25 )Al
Cl20. 15、(VOCl2 (OC25 ))0.5
(Al(OC252 Cl・2ジ−n−ブチルアミ
ン)0.5 、(VCl2 (OC6520.8 ・(Al
(OC65 )Cl2 ・2ジオキサン)0.2 および(V
Cl3 (シクロ−C6130.6・(Al(シクロ−C6
132 Cl・2ジ−n−ブチルエーテル)0.4 であ
る。
【0045】これら式(IIa)から(IIf)の化合
物ならびにその製造方法自体も公知慣用のものである。
例えば一般式(IIc)の化合物は、VCl3 をアルコ
ールに溶解させ、一般式(IId)の化合物は一般式
(IIc)の化合物をテトラヒトロフラン中ジエトキシ
アルミニウムクロライドのような化合物と反応させて、
一般式(IIe)および(IIf)の化合物は不活性溶
媒、例えばヘキサンもしくは石油エーテル中、場合によ
りエーテル、3級アミンあるいは3級ホスフィンの存在
下に、VOCl3 もしくはVCl4 をトリエチルアルミ
ニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエトキシ
アルミニウムクロライド、トリフェノキシアルミニウム
あるいはシクロヘキシルアルミニウムジクロライドのよ
うな化合物と反応させて得られる。
【0046】上述した一般的に使用されるべき本質的出
発物質の代りに、一般式(I)のマグネシウム化合物お
よび/あるいはマグネシウムアセチルアセトネート、な
らびに一般式(IIa)から(IIf)のバナジウム化
合物、さらに一般式(IIIa)から(IIIc)のバ
ナジウム、マグネシウム化合物が本発明組成分製造のた
めに使用され得る。この場合、バナジウム、マグネシウ
ム化合物(IIIa)から(IIIc)は、単独で、あ
るいは上述した本質的出発物質に加えて使用され得る。
【0047】一般式(IIIa)から(IIIc)にお
いて、X、Y、Z、Z1 、Z2 およびY1 ならびにa、
b、c、d、e、f、jは一般式(I)あるいは一般式
(IIa)から(IIf)において述べた意味を有す
る。
【0048】本発明において使用されるべき一般式(I
IIa)から(IIIc)の化合物としては、(VCl
3 ・6イソプロパノール)0.9 ・(MgCl2 ・6イソ
プロパノール)0.1 、(VCl3 ・6エタノール)
0.3 、(Mg(OC25 )Cl・4テトラヒドロフラ
ン)0.7 、(VOCl2 (C25 ))0.8 ・(C2
5MgCl・2ジオキサン)0.2 、(VO(OC4
930.6 ・(C49 MgCl・2ジ−n−ブチル
エーテル)0.4 および(VOCl3 (イソC37 ))
0.85・(イソC37 MgCl・3トリエチルアミン)
0.15が適当である。
【0049】一般式(IIIa)から(IIIc)の化
合物ならびにその製造方法もそれ自体は公知公用であ
る。一般式(IIa)の化合物は、一般式(IIc)の
バナジウム化合物と一般式(I)のマグネシウム化合物
との反応により、また一般式(IIIb)または(II
Ic)の化合物は、ヘキサンもしくは石油エーテル中に
おいて、場合によりエーテル、3級アミンもしくは3級
ホスフィンの存在下、ジエトキシマグネシウム、エトキ
シマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロラ
イド、ジエチルマグネシウム、ジ−n−ブチルマグネシ
ウムあるいはイソプロピルマグネシウムクロライドとの
反応により容易に製造され得る。
【0050】上述した本質的出発物質は上記反応後に分
離される。本発明組成分製造のため分離された本質的出
発物質はそのまま使用され、あるいはあらためて適当な
溶媒に溶解される。この場合、本質的出発物質1種類の
みあるいは複数種類を含有する単一溶液あるいはそれぞ
れの本質的出発物質を溶解させた複数溶液が使用され
る。いずれが好ましいかは、一方において製造されるべ
き本発明組成分により、他方においてそのために必要な
出発物質の特性により決定される。当業者はいずれを採
用するかを容易に決定できるが、いずれの場合にも若干
の事前実験をする必要がある。
【0051】前述した本発明による本質的出発物質のた
めの適当な溶媒は、飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水
素、アルキル化芳香族炭化水素、3から19個、ことに
3から11個の炭素原子および1もしくは2個、ことに
1個のオキサ酸素原子を有する飽和脂肪族炭化水素、お
よびアルキル化芳香族炭化水素、4から6個の炭素原子
および1から3個、ことに1もしくは2個のオキサ酸素
原子を有する環式エーテルならびに1価もしくは複数価
の、1から18個の炭素原子をアルキル基中に有する飽
和脂肪族アルコールである。
【0052】ことに好ましい溶媒は、具体的にヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、石油エーテ
ル、ベンゼン、トルエン、o−、p−およびm−ジメチ
ルベンゼン、キシレン、イソプロピルベンゼン、n−ブ
チルベンゼン、エチレングリコールジメチルエーテル、
アニソール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、
n−ブタノールである。
【0053】これら溶媒を個々の場合にどの程度の量で
使用するかは、一方では溶解せしめられる出発物質の既
知の溶解性により、他方ではそれぞれの場合に使用され
る出発物質に対する溶媒の化学的耐性により決定され
る。従って相互に分解させない溶媒と出発物質との組合
わせを使用する。このための溶媒および出発物質の相対
的特性は公知であり、あるいは簡単な事前実験により確
認され得るので、当業者は個々の場合に所定の出発物質
に適する溶媒ないし混合溶媒を極めて容易に決定でき、
また出発物質の濃度も選定し得る。
【0054】上述した出発物質と溶媒のいずれが使用さ
れるかとは無関係に、またこれら出発物質を混合状態で
もしくは相互に分離して使用するか、あるいは分離され
たそれぞれの出発物質の複数溶液もしくは混合物の単一
溶液として使用するかと無関係に、本発明組成分製造の
ため、バナジウム1当量ないし1モルに対してマグネシ
ウムは0.01から5当量ないし5モルの量割合で使用
される。バナジウムとマグネシウムは、これと異なるモ
ル割合で使用することも可能であるが、この場合には、
本発明組成分およびこれを使用して製造される本発明触
媒のことに有利な作用は、もはや期待し難いだけでな
く、場合により全く期待できなくなる。ただしバナジウ
ムのマグネシウムに対する0.01から5モルの割合
は、好ましい範囲であって、本発明によりもたらされる
利点を失なうことなく、この範囲内においてそれぞれの
場合に適合するように選択されることができる。
【0055】本発明組成分製造のため、上述した本質的
出発物質は、公知の態様でそのままあるいは1種類もし
くは複数種類の溶液として同時にあるいは任意の順序で
相次いで、不活性、固体粉末状の無機もしくは有機の担
体上に施される。このためには公知公用の混合技術が適
用される。この不活性、固体粉末状の無機もしくは有機
の担体と、本質的出発物質との重量割合は10:1から
1:3、ことに5:1から1:2になされる。
【0056】本発明組成分の製造に適するこの固体粉末
担体としては、例えば粒径1から1000μm、ことに
1から400μmのポリエチレン粉末ならびに二酸化珪
素、珪酸硼素、珪酸アルミニウム、燐酸アルミニウム、
珪素/金属共ゲル(この金属としてはマグネシウム、チ
タンおよび/あるいはジルコニウムが使用される)、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウ
ム、炭酸マグネシウムの同じく粒径1から1000μ
m、ことに1から400μmの粉末が挙げられる。この
うち、ことに孔隙容積0.3から3cm3 /g、ことに
1から2.5cm3 /gの各無機担体が好ましい。その
うちでもさらに上述特性を有するSiO2・rAl23
(rは0より大きく2より小さい、ことに0.5より小
さい数値を意味する)の形態における珪酸アルミニウム
である。
【0057】本質的出発物質を上述した担体上に施した
後、場合により使用される溶媒は、常圧ないし減圧下に
蒸散せしめられ、あるいは濾過されて除去される。これ
により得られる本発明組成分は、さらに洗浄され乾燥さ
れ得る。
【0058】上述のようにして製造された本発明組成分
は、本発明触媒を製造するために極めて適当である。
【0059】この触媒を製造するため、前述した飽和脂
肪族および/あるいは芳香族炭化水素および/あるいは
アルキル化芳香族炭化水素に、以下の一般式(VII
I)
【0060】
【化11】 の金属有機化合物を分散させ、反応させる。
【0061】上記式中、M2 は元素周期律表第1から3
主族の金属、ことにリチウム、マグネシウム、アルミニ
ウムを意味し、pは1以上の値、qはM2 の酸化数もし
くは原子価とp値との差を意味する。RおよびX1 は以
下において一般式(IV)に関連して詳述する。
【0062】本発明において使用されるべき金属有機化
合物(VIII)として適当であるのは、例えばブチル
リチウム、エチル−、プロピル−、n−ブチル−マグネ
シウムクロライド、ジエチル−、ジプロピル−、ジ−n
−ブチル−、ジ−n−ヘキシル−、ジヘプチル−、ジオ
クチル−マグネシウムならびにトリエチルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウム−クロライドおよび−ブロマ
イド、エチルアルミニウム−ジクロライドおよび−ジブ
ロマイド、トリ−n−ブチルアルミニウム、ジ−n−ブ
チルアルミニウムクロライド、n−ブチルアルミニウム
クロライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−
n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピル
イソプロポキシアルミニウム(イソプレニルアルミニウ
ム)、トリ−イソブチルアルミニウム、Al(C2
51.5 Cl1.5 、Al(C251.5 ・Br1.5
よびAl(C251.5 ・(OC251.5 であっ
て、ことにイソプレニルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムクロライドおよびエチルアルミニウムジクロライ
ドが好ましい。
【0063】本発明組成分の0.1から50重量%、こ
とに約25重量%の懸濁液と、上記金属有機化合物(V
III)の少なくとも1種類の5から80重量%、こと
に約20重量%の溶液とを、バナジウム対M2 の原子割
合が1:0.05から1:30、ことに1:0.1から
1:5となるように使用するのがことに有利である。さ
らにこれにより得られる懸濁液を15分から10時間、
ことに1から5時間、−25から120℃の温度で撹拌
するのが好ましい。これにより変性された本発明組成分
は、この懸濁液状態のまま直ちに本発明触媒製造のため
に使用されるか、あるいは濾過、洗浄、乾燥により分離
される。
【0064】変性された本発明組成分は懸濁液として使
用されるかあるいは乾燥物質として使用されるかに関係
なく、本発明触媒製造のためそれ自体公知の方法で少な
くとも1種類のアルミニウム有機化合物および少なくと
も1種類の共触媒と混合される。
【0065】本発明により使用されるべき適当なアルミ
ニウム有機化合物は、一般式(VIII)に該当する上
述したアルミニウム有機化合物であって、ことにトリ−
イソブチルアルミニウムが好ましい。
【0066】本発明において使用されるべき好ましい共
触媒は有機ハロゲン化合物であり、また無機ないし有機
の窒素/酸素化合物である。有機ハロゲン化合物として
適当であるのはオレフィン性飽和およびアセチレン性不
飽和のハロゲン化炭化水素、芳香族ハロゲン化炭化水素
ならびにオレフィン性不飽和脂肪族のハロゲン化カルボ
ン酸エステルないしこれらの混合物であって、ことにク
ロロホルム、1,1,1−トリクロロエタンおよびトリ
クロロフルオロメタンが好ましい。また無機もしくは有
機の窒素/酸素化合物としては酸化窒素、ニトロソ化合
物および窒素化合物ならびにニトライトおよびニトレー
ト、例えばNO、NO2 、N2 O、ニトロソジフェニル
アミン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、イソ−ブチル
ニトライト、イソアミルニトライト、イソプロピルニト
レートである。
【0067】重合方法としては、エチレンの単独重合体
および共重合体製造のための標準的技術、例えば米国特
許3242150号明細書、西独特許出願公開3239
883号、ヨーロッパ特許出願公開464号各公報に記
載されている懸濁重合法、流動層ないし撹拌層乾燥床重
合法が使用される。
【0068】これら重合法において変性された本発明組
成分は、種々の方法で重合反応圏中に導入される。すな
わち本発明変性組成分、アルミニウム有機化合物および
共触媒は、(1)全部一緒に反応容器中の同一位置に導
入され、あるいは(2)相互に分離された反応容器の異
なる位置に導入され、あるいは(3)2成分混合物とし
て反応容器中のある位置に、第3成分が他の位置に導入
される。
【0069】連続的に行われるのが好ましい重合体は、
本発明変性組成分ないし本発明触媒を使用してエチレン
単独重合を行うのに極めて適当である。これはことにエ
チレンと比較的少量のC3 −C8 アルファモノオレフィ
ンとの共重合を行うのに極めて適当である、適当なアル
ファモノオレフィンは、例えばプロペン、ブテン−1、
4−メチルペンテン−1、n−ヘキセン−1、n−ヘプ
テン−1、n−オクテン−1であって、共重合体に対し
て0.1から10モル%の割合で使用される。エチレン
の単独重合体も共重合体も、0から200℃の温度、
0.1から200バールの圧力下で製造される。これら
の分子量は公知公用の制御剤、ことに水素で制御調節さ
れる。
【0070】本発明触媒を使用して行われる単独重合方
法および共重合体は、本発明触媒ないし本発明組成分が
循環再使用され得る点においてことに有利である。これ
により分子量および分子量分布を意図する通りに調整し
て、しかも単独重合体ないし共重合体を高い生産性で製
造し得る。さらに本発明触媒ないし触媒組成分を使用す
る共重合法により得られる共重合体は極めて均斉なコモ
ノマー分布を有し、事実上統計的に分布され、ブロック
としてあるいは分離重合体として存在することが全くな
い。単独重合体も共重合体も、秀れた加工特性、良好な
結晶特性を示し、炭化水素可溶性分をほとんど持たな
い。ことに高い剛性、高い対応力亀裂耐性、高い衝撃強
さを併わせ持っており、このために本発明組成分、本発
明触媒を使用して製造される単独重合体および共重合体
は、押出し吹込み成形法により平滑な表面、均斉な壁厚
の成形体をもたらし得る。さらに他の無視し得ない利点
は、本発明触媒が循環使用され、反応容器の汚染、いわ
ゆるファウリングが著しく軽減されることである。
【0071】本発明組成分、本発明触媒、従ってまたこ
れを使用する本発明重合方法の利点として、エチレン単
独重合体および共重合体の製造にあたり、簡単にかつ効
率的に著しく良好な特性を意図する通りに変更し得る利
点があることは云うまでもないところである。
【0072】本発明組成分の製造に際して上述した本質
的出発物質のほかに以下の一般式(IV)
【0073】
【化12】 で表わされる硼素化合物を不活性の固体粉末状担体に施
すこともできる。
【0074】上記式中、X1 は塩素、臭素、水素、Y2
は前述したアルコキシ、シクロアルコキシ、アリールオ
キシ、RはC1 −C18アルキル、C5 −C20シクロアル
キル、C6 −C20アリール、k、mは0あるいは1以上
の整数、l(エル)は1以上の整数を意味し、l(エ
ル)、m、nの合計が常に3と等しい。
【0075】本発明に使用されるべき硼素化合物(I
V)の適当な例としては、トリメチル−、トリイソプロ
ピル−、トリ−n−ブチル−、トリフェニル−、N,N
−ジメチルアミノジフェニル−ボレートが挙げられ、こ
とにトリイソプロピルボレートおよびトリフェニルボレ
ートが好ましい。
【0076】本発明組成分の製造に当たり、上記硼素化
合物(IV)に対して追加的に、あるいはこれに代え
て、元素周期律表の第2および3主族金属(ただしマグ
ネシウムを除く)Mの陽イオンの少なくとも1種類のア
セチルアセトネートを、そのままあるいは溶液として、
不活性の固体粉末状担体に施すこともできる。この場
合、アルミニウムのアセチルアセトネート、ことにアル
ミニウムアセチルアセトネート、アルミニウム−3−メ
チルアセチルアセトネート、アルミニウムパーフルオロ
アセチルアセトネートが有利に使用される。
【0077】本発明組成分の製造に際し、上述した硼素
化合物(IV)およびアセチルアセトネートに対して追
加的に、あるいはこれに代えて、以下の一般式(V)
【0078】
【化13】 で表わされる少なくとも1種類の珪素化合物が不活性、
固体粉状末担体にそのままあるいは溶液の形態で施され
る。
【0079】上記式中、各符号は式(IV)について上
述した意味を有するが、k、l(エル)、mの合計は常
に4と等しくなければならない。
【0080】本発明に使用されるべきこの珪素化合物
(V)として適当であるのは、テトラメトキシ−、テト
ラエトキシ−、テトラプロポキシ−、テトラ−n−ブチ
キシ−、テトラフェノキシ−シラン、ならびにこれら混
合物、メチル−、エチル−,イソプロピル−,イソブチ
ル−、フェニル−トリメトキシシラン、−トリエトキシ
シラン、−トリプロポキシシラン、−トリ−m−ブトキ
シシラン、−トリイソブトキシシラン、−トリフェノキ
シシラン、ならびにこれら混合物、ジメチル−、ジエチ
ル−、ジイソプロピル、ジイソブチル−、ジフェニル−
ジメトキシシラン、−ジエトキシシラン、−ジプロポキ
シシラン、−ジ−n−ブトキシシラン、−ジイソブトキ
シシラン、−ジフェノキシシランならびにこれらの混合
物、トリメチル−、トリエチル−、トリイソプロピル
−、トリイソブチル−、トリフェニル−メトキシシラ
ン、−エトキシシラン、−イソプロポキシシラン、−イ
ソブトキシシラン、−フェノキシシランならびにこれら
の混合物、ビス−N,N−ジメチルアミノ−メチル−、
トリス−N,N−ジメチルアミノ−メチル−、トリス−
N,N−ジメチルアミノ−クロル−、N,N−ジエチル
アミノ−トリメチル−、N,N−ジイソプロピルアミノ
−トリメチル−、N−tert−ブチルアミノ−トリメ
チルシランである。これらのうち、ことにテトラプロポ
キシ−およびテトラブトキシシラン、イソプロピル−お
よびイソブチルトリメトキシシラン、メチルトリイソブ
トキシシラン、ジイソプロピル−およびジイソブチルジ
メトキシ−および−ジエトキシシラン、ジメチルジイソ
ブトキシシラン、トリメチル−およびトリエチルイソプ
ロポキシ−および−イソブトキシシラン、ならびにN,
N−ジエチルアミノ−およびN,N−ジイソプロピルア
ミノトリメチルシランが好ましい。
【0081】本発明組成分を製造するに際し、上述した
硼素化合物(IV)、アセチルアセトネートおよび/あ
るいは珪素化合物(V)に対して追加的に、あるいはこ
れらに代えて、さらに以下の一般式(VI)
【0082】
【化14】 で表わされる珪素化合物を、そのままあるいは溶液とし
て、不活性、固体粉末状担体に施すこともできる。
【0083】式中、R1 は水素、塩素、臭素ならびに上
述したアルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキ
シ、シクロアルコキシ、アリールオキシ(Y1 )を、n
は1から5の整数、Eは以下の一般式(VIa)から
(VIc)
【0084】
【化15】 で表わされる少なくとも1個の基をそれぞれ意味する。
一般式(VIa)から(VIc)中のR1 は上述の意味
を有し、R2 はアルキル、シクロアルキルおよびアリー
ル(Y1 )および水素を意味する。
【0085】本発明に使用されるべきこの珪素化合物
(VI)として適当な例は、ヘキサメチル−、ヘキサエ
チル−、ヘキサプロピル−、ヘキサブチル−、ヘキサフ
ェニル−ジシランおよび−ジシロキサン、1,3−ジク
ロロ−テトラフェニル−、−テトライソプロピル−、−
テトラフェニル−および−1,3−ジメチル−1,3−
ジフェニル−ジシロキサン、1,3−ジメチル−および
1,3−ジフェニル−テトラメトキシジシロキサン、テ
トラエチル−1,3−ジエトキシジシロキサン、1,5
−ジクロロヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,
3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,
1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、
1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−ジメトキシト
リシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−1,
3,3,5−テトラメチルトリシロキサン、デカメチル
テトラシロキサン、1,7−ジクロロオクタメチルテト
ラシロキサンならびに1,3−ジ−n−オクチル−テト
ラメチル−、1,3−ジフェニル−テトラメチル−、ヘ
プタメチル−、ヘキサメチル−、ヘキサエチル−、ヘキ
サプロピル−、ヘキサブチル−およびヘキサフェニル−
ジシラザンである。ことにヘキサプロピルーおよびヘキ
サエチルジシラン−および−ジシロキサン、ヘキサブチ
ル−、1,3−ジクロロ−テトライソプロピル−、1,
3−ジメチル−テトラメトキシ−およびテトラエチル−
1,3−ジエトキシジシロキサンならびに1,1,3,
3,5,5−ヘキサメチル−トリシロキサンおよびヘキ
サメチルジシラザンが好ましい。
【0086】さらに本発明組成分を製造するに際し、上
述した硼素化合物(IV)、アセチルアセトネートおよ
び/あるいは珪素化合物(V)、(VI)に対して追加
的に、あるいはこれらに代えて、以下の一般式(VII
a)から(VIId)
【0087】
【化16】 で表わされるチタン化合物を、そのままあるいは溶液と
して不活性、固体粉末状担体に施すことができる。
【0088】式中、X、Zおよびdは一般式(I)につ
いて前述した意味を有し、X1 、Z1 およびe、j、
g、h、iは(IIa)から(IIf)について前述し
た意味を有する。M1 は元素周期律表第2および3主族
金属(マグネシウムを含む)を意味するが、ことにアル
ミニウムであるのが好ましい。
【0089】本発明に使用されるべき適当なチタン化合
物(VIIa)から(VIId)は、チタンテトラクロ
ライド、チタンテトラブロマイド、チタントリクロライ
ド・6エタノール、チタンテトラクロライドもしくはブ
ロマイドを水素、アルミニウム、アルミニウム有機化合
物で還元する場合に析出するチタントリクロライドおよ
びブロマイドならびにそのアルコール錯体ことにTiC
3・1/3AlCl3 、TiCl3 ・1/3AlCl3
・4イソプロパノール、(C25 OTiCl30.7
・((C25 O)2 AlCl)0.3 および((C6
5 O)2 TiCl20.5 ・(MgCl2・2ジ−n
−ブチルエーテル)0.5 である。このうちことにTiC
3 ・1/3AlCl3 ・4イソプロパノールが好まし
い。
【0090】上述の硼素化合物(IV)、珪素化合物
(V)、(VI)、陽イオンMのアセチルアセトネート
およびチタン化合物(VII)は、それ自体公知の化合
物であり、その一部は市販されており、あるいは公知方
法により容易に製造され得る。これは本質的出発物質と
同様にして、不活性、固体粉末状担体に、そのままある
いは溶液として施される。個々的にあるいは複数種類の
混合物として、バナジウム1モル当たり5モルまでの量
で使用するのが好ましい。
【0091】これらを使用することにより、本発明組成
分およびこれを使用して製造されるエチレン単独重合体
および共重合体に対しさらに追加的な利点をもたらす。
前述したようにして変性された本発明触媒により、シー
トブローイング法処理の際にことに良好対ブローイング
安定性を示し、極めて僅少のゲル分、高い機械的強さ、
紙に匹敵する強靭性を有するシートの成形に適するエチ
レン単独重合体および共重合体の製造を可能ならしめ
る。さらに変性された本発明触媒は、密度が0.935
g/cm3 以上、固有粘度(η)が1.9dl/g以
上、ハイロードメルトインデックスHLMIが5g/分
(190℃、2.16kg負荷)以上で、意図の通りに
調整可能の広い分子量分布を示すエチレン単独重合体な
いし共重合体の製造を可能ならしめる。
【0092】実施例 以下の実施例において固有粘度(η)(dl/g)はD
IN53720、高負荷メルトインデックスHLMIは
DIN53735により190℃、2.16kg負荷
で、密度(g/cm3 )はDIN53479、環境応力
亀裂耐性ESCR(h)はASTMD1693、ノッチ
衝撃強さはDIN53448によりそれぞれ測定され
た。なお本発明触媒の生産性は公知公用の方法でバナジ
ウム1g当たり重合体のgで表わされる。
【0093】実施例1 本発明によるバナジウムおよびマグネシウム含有触媒を
使用するエチレン/ブテン−1共重合体の製造 (1.1)変性された本発明組成分の製造 粒径10から45μm、孔隙容積1.7cm3 /g、見
掛け表面積130m2/gの二酸化珪素39gを、15
0ミリリットルのテトラヒドロフラン中、54.8gの
VCl3 ・4イソプロパノールおよび39.6gのMg
Cl2 ・6エタノールの溶液に添加した。これにより得
られた懸濁液を短時間撹拌し、次いで70℃、10ミリ
バールの減圧下に蒸散処理に付した。
【0094】これにより得られた本発明組成分20gを
100ミリリットルのn−ヘプタンに懸濁させ、この懸
濁液に50ミリリットル中5.15gのジエチルアルミ
ニウムクロライドの溶液を添加した。これにより得られ
た反応混合物を65℃で2時間撹拌し、次いで得られた
本発明変性組成分を濾別し、ヘプタンで3回洗浄し、真
空乾燥した。
【0095】(1.2)本発明触媒を使用する共重合 10リットル内容積のオートクレーブに、5リットルの
イソブタン、0.27リットルのブテン−1、4Nリッ
トルの水素、121mgの本発明変性組成分、5ミリモ
ルのトリイソブチルアルミニウムおよび2ミリモルのト
リクロロフルオロメタンを装填した。次いで撹拌下、圧
力を制御しつつエチレン圧16.5バールに恒常的に維
持し、80℃で1.5時間重合させた。この時間の経過
後、放圧により重合を停止し、エチレン共重合体をそれ
自体公知の方法で分離し、諸特性を測定した。その結果
を下表に示す。これら諸特性が、本発明組成分、これを
使用した本発明触媒およびこれを使用して製造された共
重合体の利点の基礎をなす。
【0096】実施例2 本発明によるバナジウム、マグネシウムおよび珪素含有
触媒を使用するエチレン/ブテン−1共重合体の製造 (2.1)変性された本発明組成分の製造 実施例1におけると同様にして、ただし、同実施例の二
酸化珪素を134.5g、同実施例のバナジウム化合物
を70.2g、および471ミリリットルのテトラヒド
ロフラン中49.8gのメチルトリイソブトキシシラン
を使用して本発明組成分を製造した。
【0097】(2.2)本発明触媒を使用する共重合 実施例1におけると同様にして、ただし、上記(2.
1)において製造された本発明組成分を使用して共重合
反応を行った。
【0098】これにより得られた共重合体の特性も下表
に示される。これらが本発明組成分、これを使用した本
発明触媒、これを使用して製造された共重合体の好まし
い利点の基礎をなす。
【0099】実施例3 本発明によるバナジウム、マグネシウムおよびチタン含
有触媒を使用するエチレン/ブテン−1共重合体の製造 (3.1)変性された本発明組成分の製造 実施例1におけると同様にして、ただし、同実施例の二
酸化珪素を20g、同実施例のバナジウム化合物を5.
9g、MgCl2 ・3オクタノールを54.4g、Ti
Cl3 ・1/3AlCl3 ・4イソプロパノールと90
ミリリットルのテトラヒドロフランを使用して処理し
た。このようにして得られた本発明組成分を、実施例1
と同様にして、ただし7.2gのジエチルアルミニウム
クロライドを使用して変性した。
【0100】(3.2)本発明触媒を使用する共重合 実施例1におけると同様にして、ただし、上記(3.
1)により得られた変性組成分を使用して処理した。
【0101】下表を一覧すればこれにより得られた共重
合体の特に秀れた諸特性が認められる。これら諸特性が
本発明組成分およびこれを使用する本発明触媒の利点の
ための証左である。
【0102】実施例4 本発明によるバナジウム、チタンおよび珪素含有触媒を
使用するエチレン/ブテン−1共重合体の製造 (4.1)変性された本発明組成分の製造 実施例1と同様にして、ただし、同実施例の二酸化珪素
を20g、同実施例のバナジウム化合物を10.5g、
実施例3のチタン化合物を0.9g、実施例1のマグネ
シウム化合物を9.8g、ジメチルジイソブトキシシラ
ン5.7ミリリットルを使用して処理した。
【0103】実施例1と同様にして、ただし6.4gの
ジエチルアルミニウムクロライドを使用して上記組成分
を変性した。
【0104】(4.2)本発明触媒を使用する共重合 実施例1におけると同様にして、ただし、上述(4.
1)による変性組成分132mgを使用して処理した。
【0105】これにより得られた共重合体の諸特性を同
様にして下表に示す。これら諸特性は、本発明組成分、
これを使用した本発明触媒ならびにこれを使用して製造
された重合体の利点を実証するものである。
【0106】
【表1】
フロントページの続き (72)発明者 ローラント、ザイヴエ ドイツ連邦共和国、6700、ルートヴイヒス ハーフエン、プフアラー−フリードリツヒ −シユトラーセ、44 (72)発明者 グイド、フンク ドイツ連邦共和国、6520、ヴオルムス、 1、デユラーシユトラーセ、5

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種類のマグネシウム化合物
    と、少なくとも1種類のバナジウム化合物を、そのまま
    あるいは溶液状態において、任意の順序で相次いである
    いは同時に、不活性、固体粉末状の有機もしくは無機担
    体上に施すことにより製造され得る、ツィーグラー触媒
    系のためのバナジウムおよびマグネシウム含有組成分で
    あって、 (1)以下の一般式(I) Mgabcd (I) で表わされ、Xが塩素あるいは臭素、Yが水素、ヒドロ
    キシル、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルコ
    キシ、シクロアルコキシ、アリールオキシ基、Zがアル
    コール、エーテル、アルデハイド、エステル、ケトン、
    アミン、有機ホスフィン、a、bが1以上の整数、cが
    0あるいは1以上の整数、dが0あるいは1から6の整
    数を意味し、しかも(i)b+c=2aであり、かつ
    (ii)c=0の場合d≠0である少なくとも1種類の
    マグネシウム化合物、および/あるいは以下の一般式
    (IIa)から(IIf) 【化1】 で表わされ、X、Y、Zならびにdが一般式(I)につ
    いて上述した意味を有し、Mが元素周期律表第2および
    3主族のマグネシウムを除く金属の陽イオン、Y 1 がア
    ルキル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シク
    ロアルコキシ、アリールオキシ、Z1 がアルコール、Z
    2 がエーテル、3級アミン、3級ホスフィン、eが0.
    2以上で1より小さく、fが1、2もしくは3、jが
    1、2、3もしくは4、g、hが1以上の整数、iが0
    もしくは1以上の整数を意味し、しかも(iii)h+
    i=g(Mの酸化数)である少なくとも1種類のマグネ
    シウム化合物ならびに少なくとも1種類のバナジウム化
    合物が、あるいは(2)以下の一般式(IIIa)から
    (IIIc) 【化2】 で表わされ、X、Y、Y1 、Z Z1 、Z2ならびに
    a、b、c、d、e、f、jが上述した意味を有する、
    少なくとも1種類のバナジウム、マグネシウム化合物
    が、あるいは(3)一般式(IIIa)から(III
    c)の少なくとも1種類のバナジウム、マグネシウム化
    合物と、一般式(I)の少なくとも1種類のマグネシウ
    ム化合物、一般式(IIa)から(IIf)の少なくと
    も1種類のマグネシウムアセチルアセトネートおよび/
    あるいは少なくとも1種類のバナジウム化合物とが使用
    されることを特徴とする、触媒系組成分。
  2. 【請求項2】 請求項1によるバナジウムおよびマグネ
    シウム含有組成分であって、一般式(IV) 【化3】 で表わされ、X1 が塩素、臭素、水素、Y2 がアルコキ
    シ、シクロアルコキシ、アリールオキシ、アミノ基、R
    がC1 −C18アルキル、C5 −C20シクロアルキル、C
    6 −C20アリール基、k、mが0あるいは1以上の整
    数、l(エル)が1以上の整数を意味し、しかも(i
    v)k+l(エル)+m=3である少なくとも1種類の
    硼素化合物、 元素周期律表第2および第3主族のマグネシウムを除く
    少なくとも1種類の金属M陽イオンのアセチルアセトネ
    ート、 一般式(V) 【化4】 で表わされ、各符号が上述した意味を有し、しかも
    (v)k+l(エル)+m=4で表わされる少なくとも
    1種類の珪素化合物、および/あるいは一般式(VI) 【化5】 で表わされ、R1 が水素、塩素、臭素ならびにアルキ
    ル、シクロアルキル、アリール、アルコキシ、シクロア
    ルコキシ、アリールオキシ基、nが1から5の整数、E
    が一般式(VIa)から(VIc) 【化6】 で表わされ、R2 が水素、アルキル、シクロアルキル、
    アリール基を意味する少なくとも1種類の珪素化合物を
    さらに追加的にそのままあるいは溶液状態において施す
    ことを特徴とする触媒系組成分。
  3. 【請求項3】 請求項1あるいは2によるバナジウムお
    よびマグネシウム含有組成分であって、一般式(VII
    a)から(VIId) 【化7】 で表わされ、X、Zならびにdが一般式(I)につき上
    述した意味を有し、Y1、Z2 ならびにe、j、g、
    h、iが一般式(IIa)から(IIf)につき上述し
    た意味を有し、M1 が元素周期律表第2および3主族の
    マグネシウムを含む金属の陽イオンを意味する少なくと
    も1種類のチタン化合物をさらに追加的にそのままある
    いは溶液状態において施すことを特徴とする触媒系組成
    分。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかによるバナジ
    ウムおよびマグネシウム含有組成分であって、この組成
    分が固体粉末として分離され乾燥されることを特徴とす
    る触媒系組成分。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかによるバナジ
    ウムおよびマグネシウム含有組成分であって、一般式
    (VIII) 【化8】 で表わされ、X1 、Rが一般式(IV)につき上述した
    意味を有し、M2 が元素周期律表第1から3主族の金
    属、pが1以上の整数、qが(M2 の酸化数)−pを意
    味する少なくとも1種類の金属有機化合物をさらに追加
    的にそのままあるいは溶液状態において施すことを特徴
    とする触媒系組成分。
JP281992A 1991-01-26 1992-01-10 ツイーグラー触媒系のためのバナジウムおよびマグネシウム含有組成分 Withdrawn JPH0532718A (ja)

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