JPH05327181A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

プリント配線板の製造方法

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JPH05327181A
JPH05327181A JP12518492A JP12518492A JPH05327181A JP H05327181 A JPH05327181 A JP H05327181A JP 12518492 A JP12518492 A JP 12518492A JP 12518492 A JP12518492 A JP 12518492A JP H05327181 A JPH05327181 A JP H05327181A
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JP
Japan
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substrate
electrodeposition coating
hole
resist
exposure
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JP12518492A
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English (en)
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Shigeo Tachiki
繁雄 立木
Hideaki Uehara
秀秋 上原
Hitoshi Amanokura
仁 天野倉
Takuro Kato
琢郎 加藤
Katsushige Tsukada
勝重 塚田
Yuji Yamazaki
雄治 山崎
Masaharu Yamada
正治 山田
Toshihiko Shiotani
俊彦 塩谷
Yoshihisa Nagashima
義久 長島
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Dai Nippon Toryo KK
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度なプリント配線板の製造方法を提供す
る。 【構成】 銅めっきされたスルホールを有する基板のス
ルホール内壁表面及び基板表面に、電着塗装液を電着塗
装することによりネガ型フォトレジストを形成し、次い
で、露光工程、現像工程、エッチング工程及びレジスト
剥離工程を経るプリント配線板の製造方法において、露
光工程で、露光を、露光量を30〜300mJ/cm2
の範囲内として行い、かつ、現像工程で、現像を、現像
工程終了後の基板のスルホール内の全面に、膜厚0.5
μm以上のレジストを残存させるように行うことを特徴
とするプリント配線板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント回路板を製造するに際しては、
まず銅張積層板上にフォトレジスト層を形成し、ついで
活性光線を画像状に照射、現像し、レジストパターンを
形成している。この工程において、フォトレジスト層の
形成には、種々の方法が採用されている。例えば光硬化
性樹脂組成物溶液(塗液)をディプコート、ロールコー
ト、カーテンコート等の塗装方法により塗装する方法、
あるいは感光性樹脂組成物のフィルム(感光性フィル
ム)を積層する方法が知られている。これらの方法のう
ち、感光性フィルムを積層する方法は、簡便に均一な厚
みのフォトレジスト層が形成できることから、現在主流
の方法として採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】最近、プリント回路板
の高密度、高精度化が進むに従い、より高品質のレジス
トパターンが必要となってきている。即ち、ピンホール
がなく、下地の基板表面によく密着したレジストパター
ンであることが望まれている。かかる要求に対して、現
在主流となっている感光性フィルムを積層する方法では
限界のあることが知られている。この方法では、基板製
造時の打痕、研磨の不均一性、基板内層のガラス布の網
目、表面への銅めっきのピット等の不均一等によって生
起する基板表面の凹凸への追従性が乏しく、十分な密着
性を得ることが困難である。この困難はフィルムの積層
を減圧下で行うこと(特公昭59−3740号公報参
照)によって回避できるが、これには特殊で高価な装置
が必要となる。
【0004】このような理由により、近年再びディップ
コート、ロールコート、カーテンコート等の溶液塗装方
法が見直されるようになってきた。しかしこれらの塗装
法では膜厚の制御が困難、膜厚の均一性が不十分、ピン
ホールの発生等の問題がある。
【0005】そこで最近新たな方法として電着塗装によ
りフォトレジストを形成する方法が提案されている。こ
の方法によるとレジストの密着性が向上する、基板
表面の凹凸への追従性が良好である、短時間で膜厚の
均一なフォトレジストを形成できる、塗液が水溶液の
ため、作業環境の汚染が防止でき、防災上にも問題がな
い等の利点がある。そのため最近電着塗装による製造法
やそれに適する電着浴の組成に関して幾つかの提案がな
されている。
【0006】電着塗装で形成するフォトレジストにはネ
ガ型とポジ型の2種類がある。従来、ネガ型フォトレジ
ストは、スルホールのない内層用プリント配線板の製造
に、また、ポジ型フォトレジストは、スルホールを有す
る外層用プリント配線板の製造に向けて適用検討が進め
られてきた。しかし、現在、電着塗装で形成するポジ型
フォトレジストは、ネガ型フォトレジストに比べて、光
感度や電着塗装液の安定性が低いなどの問題があり、実
用化が難しいことが判明してきた。
【0007】そこで最近、電着塗装で形成するネガ型フ
ォトレジストをスルホールを有する外層用プリント配線
板の製造に適用する検討が行われるようになってきた。
しかし、ネガ型フォトレジストをスルホールを有する外
層用プリント配線板に適用するためには、エッチング時
に、スルホール内をいかにレジストで保護するかが大き
な課題である。
【0008】ポジ型フォトレジストであれば、それ自体
が現像液やエッチング液に対する耐性が強いため、エッ
チング時にスルホール内をレジストで保護するのは容易
である。しかし、従来から、ネガ型フォトレジストは、
光硬化させなければ現像液やエッチング液に対する耐性
が弱いと考えられ、エッチング時にスルホール内をレジ
ストで保護するためには、スルホール内に形成されたネ
ガ型フォトレジストを光照射により硬化させることが必
須とされていた。
【0009】通常使用している(超)高圧水銀灯を基板
上から直線的に照射した際、スルホール径の比率が基板
の厚みに対して大きい場合には、照射量を多くすればス
ルホール内の露光もある程度可能となるが、スルホール
径が小径になると、すなわち基板厚み/スルホール内径
の比率(以下、アスペクト比という)が大きくなると、
スルホール内への完全露光は不可能であった。
【0010】また、アスペクト比が小さい場合でも、照
射量を多くしないとスルホール内壁表面のフォトレジス
トの硬化が不十分となり、照射量を多くすると、基板表
面のフォトレジストにとっては適正露光量を大幅に越え
た露光過剰になり、解像度の低下や現像残りの発生等の
新たな問題が生じた。
【0011】一方、アスペクト比が大きい場合でもスル
ホール内の露光を可能とするために、基板もしくは光源
を移動させながら露光を行う方法や、基板と光源の間に
特殊な光学素子を設け、基板に対し斜めに光を照射する
ことによりスルホール内の露光を行う方法などが提案さ
れている。しかしこれらの方法も、基板表面に平行光と
は異なる斜めの光を照射するという点で、基板表面のレ
ジストの解像度を低下させることになり、電着塗装でフ
ォトレジストを形成することによる高解像度化という特
長を減じてしまうという問題があった。また、このよう
な露光方式を採用しても、アスペクト比が4.0を越え
た基板では、スルホール内の完全露光は困難で、現実に
はエッチング時の信頼性が得られないという限界もあっ
た。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らが鋭意
検討した結果、ネガ型フォトレジストを電着塗装で、銅
めっきされたスルホールを有する基板(銅張積層板)の
スルホール内壁表面及び基板表面(スルホール内壁表面
を除いた基板の表側及び/又は裏側の面)に形成した
後、露光工程でスルホール内のフォトレジストが露光さ
れるか否かを問わず露光量を30〜300mJ/cm2
の範囲にとどめ、現像工程で基板表面の未露光部を完全
に現像した後でも、スルホール内壁表面の全面に膜厚
0.5μm以上のレジストを残存させれば、次のエッチ
ング工程で、スルホール内壁の銅をエッチングすること
なく保護でき、かつ、基板表面の銅の配線パターンも高
密度化できることを見い出し、本発明に至った。
【0013】すなわち本発明は、銅めっきされたスルホ
ールを有する基板のスルホール内壁表面及び基板表面
に、電着塗装液を電着塗装することにより、ネガ型フォ
トレジストを形成し、次いで露光工程、現像工程、エッ
チング工程及びレジスト剥離工程を経るプリント配線板
の製造方法において、露光工程で、露光を、露光量を3
0〜300mJ/cm2の範囲内として行い、かつ、現
像工程で、現像を、現像工程終了後の基板のスルホール
内の全面に、膜厚0.5μm以上のレジストを残存させ
るように行うことを特徴とするプリント配線板の製造方
法に関する。
【0014】本発明によれば、スルホール内壁表面に形
成されたネガ型フォトレジストの完全露光、完全硬化を
前提としていないため、前述のスルホール内の露光を意
図した特殊な露光装置を使用する必要もなく、通常の感
光性フィルムの露光に用いている一般的な露光装置を用
い、基板表面のフォトレジストにとって適正な30〜3
00mJ/cm2の範囲内の露光量を照射すればよい。
このため、露光量も少なくてすみ、さらに、高解像度の
レジストパターンを形成することができる特長を有して
いる。加えて、スルホール内の完全露光が不可能なアス
ペクト比の大きな基板にも対応可能となり、発明の効果
は極めて大きい。本発明により、従来不可能といわれた
アスペクト比の大きな基板にも、電着塗装で形成したネ
ガ型フォトレジストで対応できるようになった。
【0015】本発明の重要な点は、露光量を適正量と
し、加えて、現像工程終了後、すなわち、基板表面の未
露光部を完全に現像した後にスルホール内壁表面の全面
に膜厚0.5μm以上のレジストを残存させることであ
る。残存したレジストは、露光により硬化していても、
露光されずに未硬化でも、また、露光不足で半硬化の状
態でも差し支えない。
【0016】以下に、本発明について詳述する。本発明
において、電着塗装液は、特に制限されないが、電着塗
装後形成されたネガ型フォトレジストが露光されずに未
硬化の状態でも、銅の表面に0.5μm以上の膜厚で存
在すればエッチングに耐えて下の銅を保護する能力をも
つ、エッチング耐性の強いネガ型フォトレジストを与え
る電着塗装液を用いることが好ましい。
【0017】ネガ型フォトレジストを電着塗装で形成す
る場合、通常、アニオン型として電着塗装液を作製す
る。そのため一般的なネガ型フォトレジスト材料として
は、カルボキシル基含有樹脂にメタクリル酸グリシジ
ルやアクリル酸グリシジルを付加反応させた樹脂、共
役ジエン重合体又は共役ジエン共重合体にα,β−不飽
和ジカルボン酸無水物を付加し、さらにアルコール性水
酸基を有するα,β−不飽和モノカルボン酸エステルを
反応させた樹脂、エポキシ樹脂と不飽和脂肪酸とのエ
ステル化物における脂肪酸鎖中の不飽和結合にα,β−
エチレン性不飽和二塩基酸又はその無水物を付加させた
樹脂、不飽和脂肪酸変性の高酸価アルキド樹脂、カ
ルボキシル基含有樹脂等の樹脂に架橋剤、光開始剤等を
配合した組成物を主成分としたネガ型フォトレジスト材
料が用いられている。
【0018】本発明になる製造方法にも、このようなネ
ガ型フォトレジスト材料を含む電着塗装液を用いること
ができるが、特に光感度が高く、また、エッチング耐性
の強いネガ型フォトレジストを形成できる点で、(a)
アクリル酸及び/又はメタクリル酸を共重合した酸価
20〜300のポリマーを塩基性の有機化合物で中和し
たポリマー、(b) 光重合性不飽和結合を分子内に2
個以上有する非水溶性モノマー並びに(c) 非水溶性
光開始剤を含有するネガ型感光性電着塗料樹脂組成物を
含む電着塗装液を用いることが好ましい。
【0019】以下に、上記のネガ型感光性電着塗料樹脂
組成物について詳述する。(a)の成分であるポリマー
はアクリル酸及び/又はメタクリル酸を必須成分として
共重合した酸価20〜300のポリマーを塩基性の有機
化合物で中和したポリマーである。アクリル酸及びメタ
クリル酸は単独でもしくは両者を組み合わせて用いるこ
とができ、その使用量は、ポリマーの酸価が20〜30
0の範囲となるよう適宜使用される。ポリマーの酸価が
20未満では感光性電着塗料樹脂組成物に塩基性の有機
化合物を加えた後、水を加えて水分散させる際の水分散
安定性が悪く、組成物が沈降しやすい。またポリマーの
酸価が300を越えると電着膜の外観が劣りやすい。
【0020】中和前のポリマーは、アクリル酸及び/又
はメタクリル酸以外に、例えば、メチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアク
リレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、n−オクチルメタクリレート、n−デシル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、アクリロニトリル、スチレン、塩化ビニル等
の重合性モノマーを一種類以上共重合することにより得
られる。中でも、メチルメタクリレートはレジストの耐
エッチング性を高めるのに好適で、中和前のポリマーを
構成する全重合性モノマー100重量部中、60〜85
重量部使用することが好ましい。
【0021】中和前のポリマーの合成は前記の重合性モ
ノマーを有機溶媒中でアゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスジメチルバレロニトリル、、過酸化ベンゾイル等
の重合開始剤を用いて一般的な溶液重合により得ること
ができる。この場合、用いる有機溶媒は電着塗料に供す
ることを考えてジオキサン、エチレングリコールモノメ
タルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレング
リコールモノエチルエーテルアセテート等の親水性の有
機溶媒を主に用いることが好ましい。もしトルエン、キ
シレン、ベンゼン等の疎水性の有機溶媒を主に用いた場
合には、ポリマー合成後、溶媒を留去して前記の親水性
溶媒に置き換える必要がある。中和前のポリマーの重量
平均分子量(標準ポリスチレン換算)は5,000〜1
50,000の範囲とすることが好ましい。5,000
未満ではレジストの機械的強度が弱くなる傾向があり、
150,000を越えると電着塗装性が劣り、塗膜の外
観が劣る傾向がある。
【0022】(a)成分であるポリマーの使用量は
(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対して
50〜85重量部とすることが好ましく、60〜75重
量部の範囲とすることがより好ましい。使用量が50重
量部未満では、レジストの機械的強度が弱く、強じん性
が劣る傾向があり、また85重量部を越えると(b)成
分である光重合性モノマーの割合が減って光に対する感
度が低下する傾向がある。
【0023】(b)成分である光重合性不飽和結合を分
子内に2個以上有する非水溶性モノマーとしては、例え
ば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テ
トラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テト
ラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のエ
チレングリコールを1つ以上縮合したポリエチレングリ
コールを除く多価アルコールにα,β−不飽和カルボン
酸を付加して得られる化合物、トリメチロールプロパン
トリグリシジルエーテルトリアクリレート、ビスフエノ
ールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等
のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸
を付加して得られる化合物、多価カルボン酸(無水フタ
ル酸等)と水酸基及びエチレン性不飽和基を有する物質
(β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)との
エステル化物、ウレタン骨格をもったウレタンジアクリ
レート化合物などを用いることができる。いずれにして
も、非水溶性で光照射により硬化するものであればよ
い。その意味で、(ポリ)エチレングリコールジアクリ
レートなどの親水性モノマーは本発明の範囲外である。
これらは単独でもしくは2種類以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0024】(b)成分の使用量は、(a)成分及び
(b)成分の総量100重量部に対して15〜50重量
部の範囲とすることが好ましく、25〜40重量部の範
囲とすることがより好ましい。使用量が15重量部未満
では光に対する感度が低下し、また50重量部を越える
とレジストがもろくなる傾向がある。
【0025】(c)成分である非水溶性光開始剤として
は、例えば、ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル
−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−
4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアン
トラキノン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテ
ル、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイ
ン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル
イミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−
4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量
体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニ
ルイミダゾール二量体などが挙げられる。これらは単独
でもしくは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0026】(c)成分の使用量は(a)成分及び
(b)成分の総量100重量部に対して0.1〜15重
量部の範囲とすることが好ましく、0.2〜10重量部
の範囲とすることがより好ましい。使用量が0.1重量
部未満では光に対する感度が低下する傾向があり、15
重量部を越えると露光の際に組成物の表面での光吸収が
増大し、内部の光硬化が不十分となる傾向がある。
(b)成分及び(c)成分は非水溶性でなければならな
い。水溶性では他の成分と均一に混合された状態で電着
塗装することが困難となる。
【0027】本発明における感光性電着塗料樹脂組成物
には染料、顔料等の着色剤を含有させてもよい。着色剤
としては、例えば、フクシン、オーラミン塩基、クリス
タルバイオレット、ビクトリアピュアブルー、マラカイ
トグリーン、メチルオレンジ、アシッドバイオレッドR
RH等が用いられる。さらに、本発明の感光性樹脂組成
物には、熱重合禁止剤、可塑剤、接着促進剤、無機フィ
ラー等を添加してもよい。
【0028】以上述べた(a)、(b)及び(c)成分
を含む電着塗装液を調製するには、まず(a)、(b)
及び(c)成分を前述した親水性有機溶媒に均一に溶解
させた溶液とすることが望ましい。この場合中和前のポ
リマー((a)成分のポリマーの前駆体)を合成する際
に用いた親水性有機溶媒をそのまま用いてもよく、いっ
たん合成溶媒を留去した後、別の親水性有機溶媒を加え
てもよい。また親水性有機溶媒は2種類以上でもよい。
親水性有機溶媒の使用量は(a)、(b)及び(c)成
分を含む固形分100重量部に対し300重量部以下の
範囲とすることが好ましい。次に、前記の溶液に塩基性
の有機化合物を加えて中和前のポリマー中に含まれるカ
ルボキシル基を中和することにより、水溶化または水分
散化を容易にしたポリマーとすることにより電着塗装液
を調整することができる。
【0029】ここで用いる塩基性の有機化合物としては
特に制限はないが、例えば、トリエチルアミン、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロピル
アミン、ジメチルアミノエタノール、モルホリン等が挙
げられ、これらは単独でもしくは2種類以上を組み合わ
せて用いることができる。これら塩基性の有機化合物の
使用量は中和前のポリマー中のカルボキシル基1当量に
対して0.3〜1.0当量の範囲とすることが好まし
い。0.3当量未満では電着塗装液の水分散安定性が低
下する傾向があり、1.0当量を越えると電着塗装後の
塗膜厚が薄くなり、外観が低下する傾向がある。
【0030】また、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等の塩基性の無機化合物は、ネガ型感光性電着塗料樹脂
組成物の加水分解を起こしやすいので使用しない方がよ
い。
【0031】電着塗装液は、通常ネガ型感光性電着塗料
樹脂組成物に水を加えて、水に溶解もしくは分散させて
電着塗装液を作製することができる。電着塗装液の固形
分は5〜20重量%の範囲、またpHは25℃で6.0
〜9.0の範囲とすることが液管理、電着性等の点から
好ましい。pHを上記の好ましい範囲に合わせるために
後から前記の塩基性の有機化合物を加えて調節してもよ
い。
【0032】ネガ型感光性電着塗料樹脂組成物を含む電
着塗装液の水分散性や分散安定性を高めるために非イオ
ン性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活
性剤等を適宜加えることもできる。電着塗装時の塗布量
を多くするために、トルエン、キシレン、2−エチルヘ
キシルアルコール等の疎水性溶媒も適宜加えることがで
きる。
【0033】このようにして得られた電着塗装液を用い
ての銅めっきされたスルホールを有する基板(銅張積層
板)への電着塗装は、該基板を陽極として電着塗装液中
に浸漬し、通常、定電流法では30mA/dm2〜40
0mA/dm2の直流電流を、また、定電圧法では30
〜400Vの直流電圧を10秒〜5分間印加して行われ
る。得られた電着塗膜(ネガ型フォトレジスト)の膜厚
は5〜50μmの範囲とすることが好ましい。もちろ
ん、塗膜はスルホール内壁表面にも形成される。電着塗
装時の電着塗装液の温度を15〜30℃の範囲に管理す
ることが望ましい。
【0034】電着塗装後、電着塗装液から基板を引き上
げ、水洗、水切りした後、熱風等で乾燥させる。この
際、乾燥温度が高すぎると塗膜が熱硬化し、露光後の現
像工程で一部現像残りとなるため、通常、120℃以下
で乾燥することが望ましい。
【0035】このようにして得られた電着塗膜は、エッ
チング耐性が強く、0.5μm以上、好ましくは1.0
μm以上の膜厚が形成されていれば、エッチング時に十
分、銅を保護できる。
【0036】本発明において、現像時に基板表面に比べ
てスルホール内壁表面の現像をできる限り抑制すること
が重要である。したがって、現像工程で、現像を、垂直
にした基板の上部に現像液を吹きかけて、現像液が基板
の表面を流れ落ちるようにして行うことが好ましい。な
お、この際に用いる現像液は、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を含むア
ルカリ水溶液が一般的である。また、上記の現像液中の
炭酸ナトリウム濃度を、例えば、0.2〜0.9重量%
程度と通常より低い濃度として現像することが好まし
い。
【0037】また、基板表面のレジストの未露光部が現
像される時間(最小現像時間)の1.05〜1.60倍
の範囲内で実際の現像時間を設定することが好ましい。
最小現像時間より大幅に長く現像時間を設定することは
好ましくない。もちろん最小現像時間は現像方法や条件
によって異なる。
【0038】このように現像工程の調製によって、基板
表面の未露光部に比べてスルホール内壁表面に形成され
たレジスト(未露光もしくは低露光で耐現像液性の弱い
部分)の現像性を下げて、基板表面の未露光部が完全に
現像された時点でもスルホール内壁表面にレジストが
0.5μm以上の厚みで完全に残っている状態を作り出
すことが必要である。
【0039】いずれにしても、上記の好ましい態様を組
み合わせるなどして、現像工程終了後、すなわち、基板
表面の未露光部を完全に現像した段階で、スルホール内
壁表面の全面に、膜厚0.5μm以上、好ましくは1.
0μm以上、さらに好ましくは2.0μm以上のレジス
トを残存させた状態の基板とすることが望ましい。残存
したレジストの膜厚が0.5μm未満では、耐エッチン
グ性が低下し、エッチング時に下の銅が損傷を受ける。
残存させたレジストの膜厚の上限は、通常50μm程度
である。
【0040】以下に本発明のプリント配線板の製造方法
について、工程順に述べる。用いる銅めっきされたスル
ホールを有する基板のアスペクト比に制限はないが、本
発明になるプリント配線板の製造方法は、アスペクト比
が4.0以上、特に5.0以上の大きい基板に適用され
る場合で特に有効である。アスペクト比の上限は通常1
0.0程度である。このような基板へのネガ型フォトレ
ジストへの電着塗装は、前記したとおりである。
【0041】次の露光工程では、電着塗装で形成したネ
ガ型フォトレジストに活性光線を30〜300mJ/c
2、好ましくは80〜250mJ/cm2、さらに好ま
しくは100〜200mJ/cm2の範囲の露光量とし
て画像状に照射し、該フォトレジストの露光部を光硬化
させる工程である。露光量が30mJ/cm2未満では
基板表面のフォトレジストにとって硬化不足で高解像度
のレジストパターンが得られず、また、300mJ/c
2を越えると露光過剰となり、やはり高解像度のレジ
ストパターンが得られない。活性光線の光源としては、
波長300〜450nmの光線を発するものであれば制
限はなく、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタル
ハライドランプ、キセノンランプ等が好ましく用いられ
る。
【0042】この際、前述したように、スルホール内の
露光を有効に行うために、基板もしくは光源を移動させ
ながら露光を行う方法や、基板と光源の間に特殊な光学
素子を設け、基板に斜めに光を照射する方式の露光機を
使用することは、基板表面のレジストの解像度を低下さ
せることになり、また、アスペクト比が大きい基板で
は、スルホール内の完全露光が困難で効果がないという
点で、本発明になるプリント配線板の製造方法の範囲外
である。
【0043】本発明では、通常、感光性フィルムの露光
に用いられている平行露光機もしくは、平行光線に近い
状態で基板表面が露光される露光機を用いればよく、こ
れらの露光機を用いて適正量の露光を行うことができ
る。意図的に斜めに基板表面が露光される露光機は用い
る必要はない。したがって、スルホール内壁表面のフォ
トレジスト膜への露光の有無や強弱は本発明では問題と
しない。
【0044】現像工程は基板表面の未露光部を現像液に
より除去する工程で、前述したような現像方法や現像液
で現像することが好ましい。もちろん、これらの方法に
限らず、現像工程後にスルホール内壁表面の全面に、膜
厚0.5μm以上のレジストを残存させた状態の基板と
する方法であれば特に制限はない。次いで、上記の状態
の基板をエッチング工程に移し、現像により露出した銅
の部分を除去する。エッチング液には、塩化第二銅、塩
化第二鉄等を含む酸エッチング液が一般的に用いられ、
これらの液を、基板に吹きつけるか、基板をエッチング
液に浸漬するなどして行われる。
【0045】最後のレジスト剥離工程は、基板表面及び
スルホール内壁表面のレジストを除去し、その下の銅を
露出させる工程である。レジストの剥離に際しては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、メタケイ酸ナトリウ
ム等を含む強アルカリ水を基板に吹きつけるか、基板を
そのような剥離液に浸漬する等して行われる。このよう
な一連の基本的な工程により、プリント配線板を製造す
ることができる。
【0046】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。
【実施例】電着塗装液(A)の作製 撹拌機、環流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入管を備えたフラスコにジオキサン1130gを加
え、撹拌しながら窒素ガスを吹き込み90℃の温度に加
温した。温度が90℃で一定になったところでメタクリ
ル酸169g、メチルメタクリレート688g、エチル
アクリレート83g、n−ブチルアクリレート60g及
びアゾビスイソブチロニトリル10gを混合した液を
2.5時間かけてフラスコ内に滴下し、その後90℃で
3時間撹拌しながら保温した。3時間後にアゾビスジメ
チルバレロニトリル3gをジオキサン100gに溶かし
た溶液を10分かけてフラスコ内に滴下し、その後再び
90℃で4時間撹拌しながら保温しポリマーを得た。
【0047】このようにして得られたポリマーの重量平
均分子量は39000、酸価は111、ポリマー溶液の
固形分は45.7重量%であった。このポリマーのガラ
ス転移点は85℃であった。
【0048】次にこのポリマー溶液650gにEO変性
ビスフェノールAジメタクリレート(新中村化学工業
製、商品名NKエステルBPE−200)150g、ベ
ンゾフェノン30g及びN,N′−テトラエチル−4,
4′−ジアミノベンゾフェノン1gを加えて溶解した。
この溶液に塩基性の有機化合物としてのトリエチルアミ
ン20gを加えて溶解し、溶液中のポリマーを中和し
た。
【0049】この溶液を撹拌しながらイオン交換水42
00gを徐々に滴下しながら加えて電着塗装液(A)を
作製した。この電着塗装液(A)のpHは25℃で7.
7であった。
【0050】電着塗装液(B)の作製 電着塗装液(A)に用いたポリマーの合成に使用した同
様の装置を備えたフラスコにプロピレングリコールモノ
メチルエーテル1130gを加え撹拌し、窒素ガスを吹
き込みながら100℃の温度に加温した。温度が100
℃で一定になったところでメタクリル酸192g、メチ
ルメタクリレート780g、エチルアクリレート28g
及びアゾビスイソブチロニトリル20gを混合した液を
3時間かけてフラスコ内に滴下し、その後100℃で
3.5時間撹拌しながら保温した。3.5時間後にアゾ
ビスジメチルバレロニトリル8gをプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル100gに溶かした溶液を10分
かけてフラスコ内に滴下し、その後再び100℃で4時
間撹拌しながら保温しポリマーを得た。
【0051】このようにして得られたポリマーの重量平
均分子量は21000、酸価は126、ポリマー溶液の
固形分は45.8重量%であった。このポリマーのガラ
ス転移点は112℃であった。次にこのポリマー溶液7
00gにジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(日本化薬製、商品名カヤラッドDPHA)80g、ベ
ンゾフェノン30g及びN,N′−テトラエチル−4,
4′−ジアミノベンゾフェノン1gを加えて溶解した。
この溶液にプロピレングリコールモノプロピルエーテル
15gを加えて溶解したのち、塩基性の有機化合物とし
てトリエチルアミン22gを加えて、さらに溶解し溶液
中のポリマーを中和した。この溶液を撹拌しながらイオ
ン交換水3700gを徐々に滴下しながら加えて電着塗
装液(B)を作製した。この電着塗装液のpHは25℃
で7.5であった。
【0052】実施例1 1.6mmの厚みのガラスエポキシ銅張積層板に内径
0.27mm(アスペクト比5.9)、0.35mm
(アスペクト比4.6)及び0.50mm(アスペクト
比3.2)の銅めっきされたスルホールを各50個ずつ
有する基板を、いったん化学研磨したのち、電着塗装液
(A)の中に陽極として浸漬した。陰極には陽極と同一
面積のステンレス板を2枚用い、極間距離60mmとし
て陽極をはさむ形で1枚づつ設置した。電着塗装液
(A)及び基板に超音波振動を7分加えスルホール内の
空気を追い出したのち、電着塗装液(A)を25℃に保
温した状態で、75mA/dm2の直流電流を120秒
印加し、基板表面及び各スルホール内にネガ型フォトレ
ジストを電着塗装した。基板を電着塗装液(A)から引
き上げ、水洗したのち、110℃の温度で10分乾燥し
た。得られた電着塗装膜(ネガ型フォトレジスト)の膜
厚は、基板表面及びスルホール内ともに、約11μmで
あった。
【0053】この基板にネガマスクを介して3kW超高
圧水銀灯で、200mJ/cm2の露光量で画像状に露
光した。次に、基板を垂直にして、基板の両側の上端部
のみに現像液である1.0重量%の炭酸ナトリウム水溶
液(25℃)を水平に1.0kg/cm2の圧力で吹き
かけ、現像液が基板の表面を流れ落ちるようにし、45
秒間現像した。この段階で基板表面の未露光部は全て完
全に現像除去されていることを確認した。この後、基板
を水洗し、80℃、5分の乾燥を行った。このときの基
板表面に形成されたレジストパターンの解像度及びスル
ホール内に残存しているレジストの膜厚を表1に示し
た。
【0054】次いで、上記の基板を塩化第二銅を含む4
5℃の酸エッチング液で2分間エッチングを行い、さら
に5重量%の水酸化ナトリウム水溶液によりレジスト剥
離を行った。得られた基板のスルホールの不良率(エッ
チング工程で銅が欠損したスルホールの数の比率)を表
1に示した。
【0055】実施例2 電着塗装液(A)を用い、実施例1と同様な方法、条件
で電着塗装及び露光を行った。次に、基板を水平にし
て、基板の上下から現像液である0.5重量%の炭酸ナ
トリウム水溶液(25℃)を1.1kg/cm2の圧力
で基板全面に均一に60秒間吹きかけ現像した。この段
階で、基板表面の未露光部は全て完全に現像除去されて
いることを確認した。この後、基板を水洗し、80℃、
5分の乾燥を行った。このときの基板表面に形成された
レジストパターンの解像度及びスルホール内に残存して
いるレジストの膜厚を表1に示した。
【0056】次いで、実施例1と同様な方法、条件でエ
ッチング及びレジスト剥離工程を終えた。得られた基板
のスルホールの不良率を表1に示した。
【0057】実施例3 電着塗装液(B)を用いること、電着塗装時の電流密度
が80mA/dm2であること及び露光量が180mJ
/cm2であること以外は、実施例1と同様な方法、条
件で電着塗装、露光、現像、エッチング及びレジスト剥
離工程を経てプリント配線板を製造した。現像後のレジ
ストパターンの解像度及びスルホール内に残存している
レジストの膜厚、レジスト剥離後のスルホールの不良率
を表1に示した。
【0058】実施例4 電着塗装液(B)を用いること、電着塗装時の電流密度
が80mA/dm2であること及び露光量が180mJ
/cm2であること以外は実施例2と同様な方法、条件
で電着塗装、露光、現像、エッチング及びレジスト剥離
工程を経て、プリント配線板を製造した。現像後のレジ
ストパターンの解像度及びスルホール内に残存している
レジストの膜厚、レジスト剥離後のスルホールの不良率
を表1に示した。
【0059】実施例5 電着塗装液(A)を用い、実施例1と同様な方法、条件
で電着塗装及び露光を行った。次に基板を水平にして、
基板の上下から現像液である1.1重量%の炭酸ナトリ
ウム水溶液(25℃)を1.5kg/cm2の圧力で基
板全面に均一に、30秒間(最小現像時間の1.1倍)
吹きかけ現像した。この段階で、基板表面の未露光部は
全て完全に現像除去されていることを確認した。この
後、基板を水洗し、80℃、5分の乾燥を行った。この
ときの基板表面に形成されたレジストパターンの解像度
及びスルホール内に残存しているレジストの膜厚を表1
に示した。
【0060】次いで、実施例1と同様な方法、条件でエ
ッチング及びレジスト剥離工程を終えた。得られた基板
のスルホールの不良率を表1に示した。
【0061】比較例1 実施例5の中で、現像時間が60秒間(最小現像時間の
2.2倍)であること以外は、実施例5と同様な方法、
条件で電着塗装、露光、現像、エッチング及びレジスト
剥離工程を経てプリント配線板を製造した。現像後のレ
ジストパターンの解像度及びスルホール内に残存してい
るレジストの膜厚、レジスト剥離後のスルホールの不良
率を表1に示した。
【0062】比較例2 実施例5の中で、露光量が500mJ/cm2であるこ
と及び現像時間が60秒間(最小現像時間の2.2倍)
であること以外は、実施例5と同様な方法、条件で電着
塗装、露光、現像、エッチング及びレジスト剥離工程を
経てプリント配線板を製造した。現像後のレジストパタ
ーンの解像度及びスルホール内に残存しているレジスト
の膜厚、レジスト剥離後のスルホールの不良率を表1に
示した。
【0063】比較例3 実施例5の中で、露光機が、光源を移動させながら露光
を行う方式のメタルハライドランプ(13kW)を用い
た露光機で、露光量が400mJ/cm2であること及
び現像時間が60秒間(最小現像時間の2.2倍)であ
ること以外は、実施例5と同様な方法、条件で電着塗
装、露光、現像、エッチング及びレジスト剥離工程を経
てプリント配線板を製造した。現像後のレジストパター
ンの解像度及びスルホール内に残存しているレジストの
膜厚、レジスト剥離後のスルホールの不良率を表1に示
した。
【0064】
【表1】
【0065】表1から、実施例1〜5の基板の現像工程
終了後のスルホール内に残存しているレジストの膜厚
は、アスペクト比が5.9のものでも1.0μm以上で
あった。これを受けてスルホールの不良率は高アスペク
ト比のスルホールでも0%であった。これに対し、比較
例1〜3の基板の現像工程終了後のスルホール内に残存
しているレジストの膜厚は、どれも薄く、比較例2及び
3のように特殊な露光装置で高露光量照射した場合でア
スペクト比の小さな場合のスルホールのみ、残存したレ
ジストの膜厚が1.0μmを越えている。比較例3のよ
うに、光源を移動させながら露光を行う方法の露光機を
用いると、通常の露光機を用いた比較例2の場合に比べ
て、アスペクト比3.2のスルホールでは、残存してい
るレジスト膜厚が厚くなっている。これは、比較例3で
用いた露光機の方が、スルホール内に多く露光されたた
めと考えられるが、この露光機を用いても、アスペクト
比4.6及び5.9のスルホールでは露光が不完全であ
ることが分かる。
【0066】また、本発明によれば、実施例1〜5に示
すように露光量が適正量で済むため、基板表面のレジス
トパターンの解像度は高く、当然、銅の高細線の配線パ
ターンが得られた。このように何らかの方法で、現像工
程終了後の基板のスルホール内に、膜厚0.5μm以上
のレジストを残存させれば、エッチング工程にも耐え
て、スルホールの不良率は皆無であることが分かる。本
発明になる方法によれば、アスペクト比の高いスルホー
ルを有するプリント配線板の製造にもネガ型フォトレジ
ストを電着塗装で形成する方式が採用できることにな
り、発明の意義は極めて大きい。
【0067】
【発明の効果】本発明になるプリント配線板の製造方法
によれば、光感度及び電着塗装液の安定性が高く、電着
塗装で形成できるネガ型フォトレジストを用いて、アス
ペクト比の高い、スルホールを有するプリント配線板を
製造できる。本発明におけるレジストパターンの解像度
は極めて高いので、本発明を高密度プリント配線板の製
造に適用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 13/06 B G03F 7/027 7/038 7/26 7124−2H (72)発明者 上原 秀秋 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 天野倉 仁 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 加藤 琢郎 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 塚田 勝重 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 山崎 雄治 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 山田 正治 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 塩谷 俊彦 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内 (72)発明者 長島 義久 栃木県大田原市下石上1382番12号 大日本 塗料株式会社那須工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅めっきされたスルホールを有する基板
    のスルホール内壁表面及び基板表面に、電着塗装液を電
    着塗装することによりネガ型フォトレジストを形成し、
    次いで、露光工程、現像工程、エッチング工程及びレジ
    スト剥離工程を経るプリント配線板の製造方法におい
    て、露光工程で、露光を、露光量を30〜300mJ/
    cm2の範囲内として行い、かつ、現像工程で、現像
    を、現像工程終了後の基板のスルホール内の全面に、膜
    厚0.5μm以上のレジストを残存させるように行うこ
    とを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 電着塗装液が、 (a)アクリル酸及び/又はメタクリル酸を共重合した
    酸価20〜300のポリマーを塩基性の有機化合物で中
    和したポリマー、 (b)光重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する非
    水溶性モノマー並びに (c)非水溶性光開始剤を含有してなるネガ型感光性電
    着塗料樹脂組成物を含む電着塗装液である請求項1記載
    のプリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板が、基板の厚みとスルホール内径の
    比が4.0以上の基板である請求項1又は2記載のプリ
    ント配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 現像工程で、現像を、現像液を垂直にし
    た基板の上部に吹きかけて、現像液が基板の表面を流れ
    落ちるようにして行う請求項1、2又は3記載のプリン
    ト配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 現像工程で、現像を、現像液として、
    0.2〜0.9重量%の炭酸ナトリウムを含む水溶液を
    用いて行う請求項1、2、3又は4記載のプリント配線
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 現像工程で、現像を、現像時間を基板表
    面のレジスト未露光部が現像される時間の1.05〜
    1.60倍の範囲内として行う請求項1、2、3、4又
    は5記載のプリント配線板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004114021A1 (ja) * 2003-06-23 2004-12-29 Mitsui Chemicals, Inc. 感光性組成物及びそれを用いたプリント配線基板の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004114021A1 (ja) * 2003-06-23 2004-12-29 Mitsui Chemicals, Inc. 感光性組成物及びそれを用いたプリント配線基板の製造方法
KR100903465B1 (ko) * 2003-06-23 2009-06-18 미쓰이 가가쿠 가부시키가이샤 감광성 조성물 및 그것을 사용한 프린트 배선 기판의 제조방법

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