JPH0532649B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、石油比例制御バーナに使用する流量
制御ノズルに関する。

（従来の技術） 従来の流量制御ノズルにおいては、第１図に示
すように圧力噴霧用ノズル３０に戻り流路３１を
設け、この戻り流路３１に設置されたバルブ３２
でポンプ３３によつて燃料タンク３４より圧力噴
霧用ノズル３０に供給される燃料の一部を戻り流
路３１を介して燃料タンク３４に戻る戻り流量を
変えることにより圧力噴霧用ノズル３０から噴霧
する噴霧量を可変することが知られている。

また、ノズルに設けられたニードルを駆動手段
により進退動させて噴霧量を制御することも考え
られる。

（発明が解決しようとする課題） 従来の流量制御ノズルにあつては、噴霧量を変
えた場合に戻り流路に空気を巻き込んで振動噴霧
及び振動燃焼の原因となるという問題点や、噴霧
パターン及び噴霧角度が変化して燃焼特性の悪化
を引き起すという問題点を有していた。

また、ニードルを進退動させる場合でもニード
ル先端の位置がぶれると噴霧パターンの傾きが生
じ燃焼が不安定になるという問題点を有すること
になる。

本発明は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、流量制御範囲が広く、かつ噴霧パター
ン及び噴霧角度が最初の状態を維持することで燃
焼性能が変化せず更に、空気の巻き込みが生じな
いため振動燃焼がなく音の静かな流量制御ノズル
を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決すべく本発明は、進退動によつ
て流路面積を調整するニードルがデイストリビユ
ータと接しつつ先端部をデイストリビユータとオ
リフイスデイスクによつて画成される旋回室に突
出して臨ませ、更にニードルの先端面は平面状と
し、かつニードルの側面には流路を形成する凹部
を削成したものである。

（作用） ニードルを進退動させることによつてニードル
とデイストリビユータが常に接しつつニードルの
側面に削成された凹部とデイストリビユータとで
形成される流路面積が変化して流量を制御し、更
に旋回室に突出した平面状の先端面により噴霧特
性を一定に維持したまま噴霧するように働く。

（実施例） 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第２図は本発明の流量制御ノズルの断面図、第
３図は同じく要部断面拡大図である。

流量制御ノズル１は、第２図に示すように貫通
孔を形成したノズルホルダボデー２に石油等の液
体燃料の入口３と戻り口４を連通するように設
け、ノズルホルダボデー２の先端部にリテーニン
グナツト５を螺合し、このリテーニングナツト５
の先端にはオリフイスデイスク６が固着し、この
オリフイスデイスク６と旋回室７を画成するよう
にノズルホルダボデー２に嵌挿した円筒部材８に
デイストリビユータ９が嵌合し、このデイストリ
ビユータ９と円筒部材８との貫通孔に第３図及び
第４図に示すような先端面１０を平面状に形成
し、側面に凹部１１を削成したニードル１２の先
端部１３が旋回室７内に突出するよう摺動自在に
挿入され、更に、ノズルホルダボデー２の後端部
にブラケツト１４を介してニードル１２を進退動
させるための駆動手段１５が取付けられて構成さ
れている。

以上のように構成した流量制御ノズルの作用に
ついて以下に説明する。

まず、流量制御ノズル１の内外における燃料の
流れについて、第１図に従来技術として示した圧
力噴霧用ノズル３０を本発明の流量制御ノズル１
に置換えて説明すると、燃料タンク３４からポン
プ３３により入口３へ送られてきた燃料は、流路
２１，２２，２３，２４，２５を通つて旋回室７
の手前まで来る。そこからオリフイスデスク６と
デイストリビユータ９との間の〓間の流路２６を
通つて旋回室７に導かれる。旋回室７で燃料は旋
回しつつノズル孔から吐出し、吐出しない残余は
ニードル１２に削成された凹部１１より流路２
７，２８，２９を経由して出口４から戻り流路３
１を通りバルブ３２を経由して燃料タンク３４に
戻ることになる。

ニードル１２を駆動手段１５によつて進退動さ
せることによりニードル１２側面に削成された凹
部１１とデイストリビユータ９とで形成される流
路面積が変化して噴霧量を制御出来る。

また、エアーコア１６がニードル１２の先端面
１０のほぼ中央に点接触しているので、空気の巻
き込みを生じない。即ち、旋回流はニードル１２
の先端面１０の中央を基点として膜状の旋回流を
形成し、膜の内側は燃焼室内の空気が吸込まれて
旋回していることになる。エアーコア１６は非常
に不安定なもので外力、外乱などによつて乱れ易
く、例えば基点となる点のある面が傾斜していれ
ばほんの小さな力で中心が移動してしまうもので
ある。

本願は、ニードル１２とデイストリビユータ９
とを面接触させているので、エアーコア１６に対
してニードル１２の先端面１０を精度が良く垂直
に構成でき、ニードル１２が進退動してもニード
ル１２の先端のずれが生じないので先端面１０が
傾斜することなく、エアーコア１６は中心がずれ
ず噴霧パターン、噴霧角度が最初の状態を維持し
安定したものとなる。

従つて、エアーコア１６が乱れて膜内側の空気
が旋回室７内で離散して噴霧燃料に空気を巻き込
むようなことがなく、燃料流量をかなり少量まで
安定して噴霧できる。

尚、リターン流量を多くする時は第３図に示す
ようにニードル１２の先端部１３を旋回室７中に
突出させて、エアーコア１６を状態を変化させず
にエアーコア１６を持ち上げるため噴霧に悪い影
響を与えず広範囲の噴霧量変化が出来る。

（発明の効果） 以上説明したように本発明によれば、燃料戻り
部をニードル側面の凹部の流路とし、かつニード
ル先端面を所定の広さを有する平面として、ニー
ドルを進退動して燃料戻り量を制御するので、流
量制御範囲が広く粒径一定で比例的に最大から最
小まで約1/5の範囲で噴霧量を可変出来る。

また、ニードルの先端面が平面状に形成されて
いるので噴霧パターンを変化させず、更にニード
ルが常にデイストリビユータに接しているためニ
ードルが進退動してもニードル先端のぶれが生じ
ないので、この間噴霧パターン、噴霧角度が最初
の状態を維持するため燃焼性能が変化しない。

更に、ニードルの先端部が旋回室中に常に突出
しているので空気の巻き込みが生じないため振動
燃焼がなく音が静かである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来技術の構成を示す図、第２図は本
発明の流量制御ノズルの断面図、第３図は同じく
要部断面拡大図、第４図はニードルの一部斜視図
である。 尚、図面中、１は流量制御ノズル、６はオリフ
イスデイスク、７は旋回室、９はデイストリビユ
ータ、１０は先端面、１１は凹部、１２はニード
ル、１３は先端部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 流体の流量を制御しつつ噴霧する流量制御ノ
   ズルにおいて、先端にデイストリビユータとオリ
   フイスデイスクによつて画成される旋回室を備
   え、この旋回室には、進退動によつて流路面積を
   調整するニードルが前記デイストリビユータと接
   しつつ先端部を突出して臨み、更にこのニードル
   の先端面は平面状とされ、かつニードルの側面に
   は流路を形成する凹部が削成されていることを特
   徴とする流量制御ノズル。