JPH05325990A - 高分子固体電解質及びその製造方法 - Google Patents

高分子固体電解質及びその製造方法

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JPH05325990A
JPH05325990A JP4214754A JP21475492A JPH05325990A JP H05325990 A JPH05325990 A JP H05325990A JP 4214754 A JP4214754 A JP 4214754A JP 21475492 A JP21475492 A JP 21475492A JP H05325990 A JPH05325990 A JP H05325990A
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metal salt
solvent
polar
electrolyte
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守彦 松本
Toshihiro Ichino
敏弘 市野
Shiro Nishi
史郎 西
Shigeo Sugihara
茂雄 杉原
Takahisa Masashiro
尊久 正代
Mikio Takeshima
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高エネルギー電池などに適用でき、十分なイ
オン伝導性を安定に保ち、製造方法が簡単でコストが安
く、しかも強度的信頼性のある高分子固体電解質及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】 高分子マトリックスと、該高分子マトリック
ス内に、高分子マトリックスと相分離し、連続して網目
状に形成されたイオン伝導路からなる高分子固体電解
質。該イオン伝導路は金属塩電解液と極性部材とからな
る。その製法としては、極性溶媒中に低極性の高分子微
粒子を均一に分散させた高分子微粒子分散液から、加熱
蒸発により、高分子マトリックスを形成させる工程、及
び該高分子マトリックス内に、連続して網目状に分布し
た極性部材を形成させる工程からなり、そのいずれかの
時点で、金属塩、電解液溶媒、又はその混合液である金
属塩電解液を含有させて、イオン伝導路を形成させる各
方法がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にリチウム電池など
の高エネルギー電池などに適用できる、十分なイオン伝
導性を有し、製造方法が簡単でコストが安く、しかも強
度的信頼性のある高分子固体電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小形・携帯電子機器用の電源とし
て、高エネルギー密度を有する電池のニーズが高まって
いる。このようなニーズを満たす電池の代表的なものと
して、アルカリ金属、特にリチウムを負極に使ったリチ
ウム電池が挙げられる。しかしながら、リチウム電池
は、電解質にリチウム塩を溶解した有機電解液を用いて
いるため、液漏れやデンドライトショートなどが生じ、
安全面での信頼性が十分とはいえない。このため、無機
材料や高分子材料からなる固体電解質を用いた全固体型
の電池の実現が期待されるようになった。この内、無機
固体電解質は、一般に、スパッタ法など真空装置を用い
た工程で作製されることが多いため、製造コストが高く
なり、適用先が高付加価値製品に限定されている。一
方、高分子固体電解質は、製造コストが安く、しかも加
工性に優れているため、多くの研究開発が行われてき
た。中でも、高分子分子鎖の熱運動に伴って、分子鎖に
包接されたイオンが移動する分子鎖運動型に属するポリ
エチレンオキシドなどポリエーテル類に関する研究が盛
んに行われている〔渡辺、緒方;金属表面技術、第37
巻、第5号、第214〜221頁(1986年)参
照〕。また、最近では、極性高分子にリチウム塩電解質
溶液を含浸させた電解液含浸型の高分子固体電解質が注
目を集めている〔例えば、コックスバン( Koksbang )
他;ジャーナル オブ パワー ソーセス( Journal o
f Power Sources ) 、第32巻、第175〜185頁
(1990年)参照〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
分子鎖運動型の高分子固体電解質の場合には、室温付近
における分子鎖運動に限界があり、また、分子鎖運動を
大きくするためには、分子量を下げたり、高分子を軟化
させる必要があるため、高分子固体電解質の機械的強度
を大幅に低下させる結果を招いていた。また、電解液含
浸型の高分子固体電解質の場合には、製造面で放射線照
射を伴うため、危険でコストがかかる欠点を有してい
た。更に、支持体となる高分子マトリックスの極性が高
いため、電解液と高分子マトリックスとの親和性が強
く、高分子マトリックス内に電解液が分子レベルで拡散
し、両者の相互作用のため、イオン移動により高分子マ
トリックスの微細構造及びイオン伝導路が破壊され、長
時間の使用により、機械的強度やイオン伝導性が低下す
るという問題点を有していた。このため、優れたイオン
伝導性を有し、製造法が簡単でコストが安く、しかも強
度的信頼性のある高分子固体電解質及びその製造方法の
実現が強く望まれていた。本発明は、このような現状に
かんがみてなされたものであり、リチウム電池などの高
エネルギー電池に適用できる、十分なイオン伝導性を有
し、製造方法が簡単でコストが安く、しかも強度的信頼
性のある高分子固体電解質及びその製造方法を提供する
ことを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は高分子固体電解質に関する発明であ
って、高分子マトリックスと、該高分子マトリックス内
に、高分子マトリックスと相分離し、連続して網目状に
形成されたイオン伝導路からなることを特徴とする。
【0005】また、本発明の第2の発明は高分子固体電
解質の製造方法に関する発明であって、低極性高分子を
低極性溶媒に溶解させた溶液を、極性溶媒に可溶な高分
子又は界面活性剤、あるいは両者の混合物を溶解した極
性溶媒中に、かくはんしながら添加して高分子微粒子分
散液を製造する工程と、該高分子微粒子分散液から前記
低極性溶媒及び極性溶媒を加熱蒸発させることにより、
前記高分子微粒子同士を融着させて高分子マトリックス
を形成させ、更に該高分子マトリックス内に連続して網
目状に分布した前記極性溶媒に可溶な高分子又は界面活
性剤、あるいは両者の混合物の凝集部からなる極性部材
を形成させる工程と、該極性部材中に、金属塩と電解液
溶媒からなる金属塩電解液を含浸させて、前記高分子マ
トリックスと相分離したイオン伝導路となす工程からな
ることを特徴とする。
【0006】更に、本発明の第3の発明は高分子固体電
解質の他の製造方法に関する発明であって、低極性高分
子を低極性溶媒に溶解させた溶液を、極性溶媒に可溶な
高分子又は界面活性剤、あるいは両者の混合物を溶解し
た極性溶媒中に、かくはんしながら添加して第1の高分
子微粒子分散液を製造する工程と、該第1の高分子微粒
子分散液中に金属塩を溶解して第2の高分子微粒子分散
液を製造する工程と、該第2の高分子微粒子分散液から
前記低極性溶媒及び極性溶媒を加熱蒸発させることによ
り、前記高分子微粒子同士を融着させて高分子マトリッ
クスを形成させ、更に該高分子マトリックス内に連続し
て網目状に分布した前記極性溶媒に可溶な高分子又は界
面活性剤、あるいは両者の混合物の凝集部からなる極性
部材と金属塩の凝集部を形成させる工程と、該極性部材
及び金属塩の凝集部中に、前記金属塩を溶解する電解液
溶媒を含浸させて、前記高分子マトリックスと相分離し
たイオン伝導路となす工程からなることを特徴とする。
【0007】更にまた、本発明の第4の発明は高分子固
体電解質の他の製造方法に関する発明であって、低極性
高分子を低極性溶媒に溶解させた溶液を、極性溶媒に可
溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両者の混合物を溶
解した極性溶媒中に、かくはんしながら添加して第1の
高分子微粒子分散液を製造する工程と、該第1の高分子
微粒子分散液中に金属塩を溶解し、更に前記極性溶媒よ
りも沸点が高く、且つ前記金属塩を溶解する電解液溶媒
を混合して第2の高分子微粒子分散液を製造する工程
と、該第2の高分子微粒子分散液から前記低極性溶媒及
び極性溶媒を加熱蒸発させることにより、前記高分子微
粒子同士を融着させて高分子マトリックスを形成させ、
更に該高分子マトリックス内に、高分子マトリックスと
相分離し、前記金属塩と電解液溶媒からなる金属塩電解
液を含有する連続した網目状の前記極性溶媒に可溶な高
分子又は界面活性剤、あるいは両者の混合物からなるイ
オン伝導路を形成させる工程からなることを特徴とす
る。
【0008】更に、本発明の第5の発明は高分子固体電
解質の他の製造方法に関する発明であって、極性溶媒に
可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両者の混合物を
含む極性溶媒中に、低極性の高分子微粒子を均一に分散
させた高分子微粒子分散液から、前記極性溶媒を加熱蒸
発させることにより、前記高分子微粒子同士を融着させ
て高分子マトリックスを形成させ、更に該高分子マトリ
ックス内に、連続して網目状に分布した前記界面活性剤
の凝集部からなる極性部材を形成させ、該極性部材中に
金属塩電解液を含浸させて、前記高分子マトリックスと
相分離したイオン伝導路となすことを特徴とする。
【0009】そして、本発明の第6の発明は高分子固体
電解質の他の製造方法に関する発明であって、極性溶媒
に可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両者の混合物
及び金属塩を溶解した極性溶媒中に低極性の高分子微粒
子を均一に分散させた高分子微粒子分散液から、前記極
性溶媒を加熱蒸発させることにより、前記高分子微粒子
同士を融着させて高分子マトリックスを形成させ、更に
該高分子マトリックス内に、連続して網目状に分布した
前記極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは
両者の混合物の凝集部からなる極性部材及び金属塩の凝
集部を形成させ、該極性部材及び金属塩の凝集部中に、
前記金属塩を溶解する電解液溶媒を含浸させて、前記高
分子マトリックスと相分離したイオン伝導路となすこと
を特徴とする。
【0010】そしてまた、本発明の第7の発明は高分子
固体電解質の他の製造方法に関する発明であって、極性
溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両者の混
合物及び金属塩を溶解した極性溶媒中に低極性の高分子
微粒子を均一に分散した高分子微粒子分散液に、該極性
溶媒よりも沸点が高く、且つ前記金属塩を溶解する電解
液溶媒を混合し、該高分子微粒子分散液から前記極性溶
媒を加熱蒸発させることにより、前記高分子微粒子同士
を融着させて高分子マトリックスを形成させ、更に該高
分子マトリックス内に、高分子マトリックスと相分離
し、前記金属塩と電解液溶媒からなる金属塩電解液を含
有する連続した網目状の前記極性溶媒に可溶な高分子又
は界面活性剤、あるいは両者の混合物からなるイオン伝
導路を形成させることを特徴とする。
【0011】前記目的を達成するため、発明者らは、種
々の既存の高分子固体電解質及びそのイオン伝導性に関
して鋭意研究努力を重ねた結果、安定した優れたイオン
伝導性を得るためには、イオンが移動する媒体、すなわ
ちイオン伝導路が電解液自体でなければならないことを
解明した。その結果、以下に示すような手段を講じ、十
分なイオン伝導性を有し、製造方法が簡単でコストが安
く、しかも強度的信頼性のある高分子固体電解質を実現
した。
【0012】本発明では、特に電解液含浸型の高分子固
体電解質に着目し、高分子マトリックスと、該高分子マ
トリックス内に、高分子マトリックスと相分離し、連続
して網目状に形成されたイオン伝導路を有することを特
徴としている。
【0013】図1は、本発明の高分子固体電解質の概略
構成断面図であり、1は高分子マトリックス、2は高分
子マトリックスを構成する高分子微粒子、3は高分子マ
トリックス1内に連続して網目状に形成され、且つ高分
子マトリックス1と相分離して形成されたイオン伝導路
である。なお、図1中の黒丸印は例えばLi+ イオンで
ある。
【0014】本発明におけるイオン伝導路3は、極性部
材に極性の高い金属塩と電解液溶媒からなる金属塩電解
液を含浸させたものであることを特徴としており、イオ
ン伝導路3内においては、解離した金属イオンが溶媒中
を移動することになる。なお、このような本発明の高分
子固体電解質の微細構造が、高分子微粒子の集合体から
なる高分子マトリックス1と、該高分子マトリックスと
相分離したイオン伝導路3からなることをTEM(透過
型電子顕微鏡)観察により検証し、確認した。
【0015】ここで、極性部材としては、極性溶媒に可
溶な高分子、界面活性剤、高分子微粒子に一部又は全部
が共有結合した極性有機成分、高分子微粒子間に形成さ
れた架橋構造部、あるいはこれらの混合物を適用するこ
とができる。これらの極性部材は、分散媒体中における
高分子微粒子の分散を安定させ、且つ高分子固体電解質
を作製した時に、イオン伝導路の前駆体となりうるもの
である。
【0016】極性溶媒に可溶な高分子としては、下記高
分子固体電解質の製造工程における高分子微粒子の分散
媒体の種類によって異なるが、例えば、分散媒体が水の
場合には、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリ
ル、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸金属塩、メチルセルロース、ポリビ
ニルピロリドン、ポリ−4−ビニルピリジン、ポリスチ
レンスルホン酸などを単独あるいは複合した形で用いる
ことができるが、特にこれらに限定されるものではな
く、また、他の極性溶媒を分散媒体として用いた場合で
も、その分散媒体に溶解する高分子であれば、同様に用
いることができる。本発明においては、このような極性
溶媒に可溶な高分子を積極的に極性部材として導入する
ことにより、高分子マトリックス中における極性部材の
占める割合を多くしている。
【0017】界面活性剤としては、脂肪酸及びその金属
塩、アルキルベンゼンスルホン酸及びその金属塩、アル
キル硫酸及びその金属塩、ジオクチルスルホコハク酸及
びその金属塩、ポリオキシエチレンステアリン酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エス
テル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重
合体、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどを単独あ
るいは複合した形で用いることができるが、界面活性作
用を有するものであれば、特に限定するものではない。
【0018】極性溶媒成分としては、特に限定しない
が、例えば、アクリル酸及びその金属塩、メタクリル酸
及びその金属塩、エタクリル酸及びその金属塩、イタコ
ン酸及びその金属塩、スチレンスルホン酸及びその金属
塩、エチレンスルホン酸及びその金属塩、不飽和脂肪酸
及びその金属塩等を極性有機成分の原料として適用する
ことができる。これらの極性有機成分は、共重合、グラ
フト重合という形で、あるいは高分子微粒子主成分の官
能基に直接反応して、共重合の形で高分子微粒子に組込
まれて結合する。また、高分子微粒子の主成分を硫酸等
で酸化処理し、カルボキシル基あるいはその金属塩置換
基を導入してもよい。なお、このような極性有機成分
は、必ずしも共重合の形で高分子微粒子に結合している
必要はなく、原料のままでもイオン伝導路の前駆体とな
りえる。更に、これら極性溶媒に可溶な高分子、界面活
性剤及び極性有機成分を任意の組合せの複合した形で使
用することもできる。
【0019】架橋構造部は、高分子微粒子を構成する分
子鎖に2種類以上の極性有機成分を共有結合させること
により実現できる。すなわち、2種類以上の極性有機成
分を有する高分子微粒子を加熱することにより、高分子
微粒子内及び高分子微粒子間において架橋反応が起こ
り、架橋構造部を形成する。高分子微粒子内における架
橋は、機械的強度の大きな高分子固体電解質を提供し、
高分子微粒子間における架橋は、イオン伝導路の前駆体
となる網目状の架橋構造の凝集部を連続して形成するこ
とができる。
【0020】このような架橋反応としては、エステル化
反応、アミド化反応、エポキシ基開環反応等があり、こ
の架橋を自己架橋、すなわち高分子微粒子間あるいは高
分子微粒子内で行わせるためには、アミド基、水酸基、
カルボキシル基、エポキシ基、スルホン酸基等の2種類
以上の極性有機成分を高分子鎖に持たせてやればよい。
例えば、高分子微粒子の主成分モノマーと以下の架橋成
分モノマーの内2種類以上を共重合させれば、自己架橋
性の高分子を得ることができる。すなわち、特に限定す
るものではないが、アクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグ
リシジルエーテル、アリルベンゼンスルホン酸などの架
橋成分モノマーを適用することができる。
【0021】金属塩電解液を構成する金属塩は、高分子
固体電解質の用途によって異なるが、例としてリチウム
電池への適用を考えると、LiClO4 、LiAlCl
4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAsF6 、LiNb
6 、LiSCN、LiCl、Li(CF3 SO3 )、
Li(C6 5 SO3 )等のリチウム塩及びこれらの混
合物を適用することができるが、これらに限定されるも
のではなく、他のリチウム塩についても適用可能であ
る。
【0022】また、このような金属塩を溶解して電解液
を構成するための電解液溶媒も、高分子固体電解質の用
途によって異なり、特に限定するものではないが、例と
して同様にリチウム電池への適用を考えると、プロピレ
ンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラ
クトン、ジメチルカーボネート、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリル、スルホラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、1,2−ジエトキシエタ
ン、1,2−ジメトキエタン、テトラヒドロフラン、2
−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、メチルア
セテート等の非プロトン性極性溶媒及び下記一般式(化
1)で表されるポリエチレンオキシド誘導体などが適用
でき、これらは単独あるいは混合物の形で用いられる。
【0023】
【化1】A−(CH2 −CH2 −O)n −B
【0024】式中、Aは、アルキル基、アルコキシ基、
アリール基、アリールオキシ基、あるいはエーテル結
合、エステル結合、アミド結合、シロキサン結合、ウレ
タン結合、ホスファゼン結合を含有する脂肪族系・芳香
族系有機基、又は以上の有機基のハロゲン、水酸基、カ
ルボン酸基、アミノ基置換体等の1価の有機基あるいは
H基、OH基、Bは、上記Aで示した1価の有機基ある
いはH基、nは少なくとも2以上の整数である。このよ
うなポリエチレンオキシド誘導体は、単独あるいは2種
以上複合した形で用いられる。
【0025】本発明における高分子マトリックス1は、
高分子微粒子2がお互いに融着して構成されたものであ
る。
【0026】高分子微粒子2としては、高分子固体電解
質を製造した時に、極性の高い金属塩電解液と極性部材
からなるイオン伝導路3を、高分子マトリックス1から
安定に相分離させるものであれば限定しないが、好まし
くは以下に示す低極性の高分子、すなわち、ポリスチレ
ン、ポリプロピレン、ポリイソブテン、ポリエチレン、
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(α−メチルス
チレン)、ポリブチルメタクリレート、ポリブチルアク
リレート、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、
ポリジブチルフタレート、ポリビニルブチルエーテル、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール等の安価
な炭化水素系高分子又はこれらの成分を含む共重合体な
どからなる高分子微粒子が好適であり、これら低極性の
高分子は、単独あるいは複合した形で用いられる。特
に、ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン系成分を含
むゴム系の低極性高分子、例えばスチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等から作製さ
れる高分子固体電解質は、柔軟でゴム弾性を持ち、電極
と良好な密着性を有するため極めて好適である。また、
このような高分子微粒子2の粒径としては、0.01〜
50μmが好適である。
【0027】以上述べたように、本発明の高分子固体電
解質は、金属塩電解液と極性部材からなるイオン伝導路
3が、高分子マトリックス1を構成する高分子微粒子2
の間に、該高分子マトリックス1と相分離し、連続して
網目状に形成された構成となっている。
【0028】したがって、高イオン伝導率の金属塩電解
液がイオン伝導を担うことになり、優れたイオン伝導性
が期待できる。また、イオン伝導路3が高分子マトリッ
クス1と相分離しているため、高分子マトリックス中に
電解液が分子レベルで分散している従来の電解液含浸型
高分子固体電解質と異なり、電解液の含浸量が多くて
も、高分子マトリックス1が可塑化しないため、固体電
解質の機械的強度の低下を抑えることができる。
【0029】ここで、本発明における高分子固体電解質
の製造方法としては、大別して次のような3つの方法を
とることができる。なお、これらの製造方法は、イオン
伝導路の形成方法に主眼をおいて区別したものであり、
製造方法の番号は、本発明の実施例においても使用する
こととする。
【0030】『製造方法1』高分子微粒子を均一に分散
させた極性溶媒中に、イオン伝導路の前駆体となりうる
極性部材を溶解させたものを高分子微粒子分散液として
用いる。この場合、極性部材としては、極性溶媒に可溶
な高分子又は界面活性剤あるいはこれらの混合物を用い
ることができる。また、極性有機成分の一部又は全部を
共有結合させた高分子微粒子又は架橋成分を共有結合さ
せた高分子微粒子を用いる場合には、これらの極性有機
成分や架橋成分もイオン伝導路の前駆体となりうるた
め、これらを単独あるいは複合した形で、更には前記極
性溶媒に可溶な高分子や界面活性剤と複合した形で用い
ることができる。また、分散媒体としての極性溶媒は水
が好適であるが、必要に応じてアルコール類などの極性
有機溶媒を単独あるいは水と混合して用いることがで
き、このような分散媒体は、本発明の製造方法すべてに
適用することができる。この高分子微粒子分散液の作製
段階においては、前記極性部材は、分散媒体中における
高分子微粒子の分散を安定させる機能を有している。
【0031】分散媒体への高分子微粒子の分散は、次の
ような2つの方法をとることができる。まず第1の方法
は、高分子微粒子用の低極性高分子を低極性溶媒に溶解
した溶液を、極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、
あるいは両者の混合物を溶解した極性溶媒中にかくはん
しながら添加することにより、低極性高分子を微粒子化
する方法である。第2の方法は、次のような周知の乳化
重合法〔例えば、室井宗一著、高分子ラテックス入門
(初版第1刷)(工文社、昭和55年7月29日発行)
参照〕を利用するものである。
【0032】すなわち、水系の分散媒体に界面活性剤を
臨界ミセル濃度以上に加え、高分子微粒子の主成分モノ
マーを導入すると、主成分モノマーの一部は界面活性剤
ミセル内部に取り込まれる。次いで、水溶性の重合開始
剤(例えば、過硫酸金属塩)を加えて加熱すると、重合
開始剤のラジカルが発生する。この重合開始剤ラジカル
が主成分モノマーで満たされたミセルに入り込むと、主
成分モノマーが重合して高分子が合成され高分子微粒子
が形成される。ここで、重合反応の進行によりミセル内
部の主成分モノマーが消費されると、平衡を保つため
に、水中に溶解している主成分モノマーが反応場のミセ
ルに供給されることになる。作製した高分子微粒子の径
は、ミセル中に入り込んだ主成分モノマーの重合時間を
調整することにより制御することができる。
【0033】この場合、高分子微粒子分散液に、極性溶
媒に可溶な高分子を溶解させたり、あるいは反応中に極
性溶媒成分や架橋成分のモノマーを添加して高分子微粒
子に極性有機成分や架橋成分を導入すれば、異なる分散
の安定を図ることができる。
【0034】この内、高分子微粒子への極性有機成分や
架橋成分の導入法については、同様の乳化重合法を適用
するのが好適である。すなわち、分散媒体中に極性有機
成分や架橋成分のモノマーを溶解させると、反応場の界
面活性剤ミセルにおいて高分子微粒子の主成分モノマー
と重合反応を起こし、高分子微粒子主成分との共重合体
が得られる。なお、以上述べた極性有機成分及び架橋成
分は、高分子微粒子主成分との相溶性が低いため、高分
子微粒子の周辺部により多く分配される。
【0035】次いで、このようにして作製した高分子微
粒子の分散液から溶媒を加熱蒸発させることにより、高
分子微粒子はお互いに融着して高分子マトリックスを形
成し、極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤又は極性
有機成分又は架橋成分、あるいはこれらの複合物からな
る極性部材は、高分子マトリックスを構成する高分子微
粒子間において、網目状の連続した凝集部を形成するこ
とになる。この場合、極性溶媒を完全に除去するために
は、極性溶媒の沸点以上に加熱するか、あるいは減圧処
理と組合せて行う必要があるが、均一な高分子マトリッ
クスフィルムを得るためには、高分子マトリックス主成
分のガラス転移温度以上に加熱するのが好適である。
【0036】ここで、架橋成分を有する自己架橋型高分
子微粒子を用いた場合には、前述したような分散媒体除
去のための加熱段階で、高分子微粒子内あるいは高分子
微粒子間において架橋反応を起こすことになる。高分子
微粒子間における架橋反応では、極性部材となる架橋構
造部が高分子微粒子間に形成されるため、外部電場の影
響や透析効果等により、極性部材が内部で移動したり、
外部に染み出したりする心配がなくなり、イオン伝導路
を安定に保持することができる。この場合、架橋反応を
起こさせるためには、100℃以上に加熱するのが好適
であり、必要に応じて、加熱プレスして高分子マトリッ
クスを任意の形状に成形することも可能である。また、
このような架橋構造による効果は、極性有機成分の場合
にも同様にして発揮される。
【0037】高分子微粒子主成分と、極性有機成分ある
いは架橋成分との構成比は、極性溶媒中における高分子
微粒子の分散を安定させ、且つ高分子固体電解質を製造
した時に、高分子マトリックスとイオン伝導路を相分離
し、架橋反応を起こす場合に高分子固体電解質の機械的
強度を十分に確保できるものであればよく、その値は材
料系によって異なるが、高分子主成分を20%以上含む
ようにするのが好適である。
【0038】最後に、このようにして作製した高分子マ
トリックスフィルムを、別に調整した前記金属塩電解液
中に浸漬することにより、高分子マトリックス内に網目
状に連続して形成された前記極性部材の凝集部に金属塩
電解液を含浸させ、高分子マトリックスと相分離した連
続的なイオン伝導路を有する高分子固体電解質を得るこ
とができる。
【0039】この場合、金属塩電解液は極性が高いた
め、同じく極性の高い極性部材中に選択的に含浸される
ことになり、低極性の高分子マトリックスへの含浸はほ
とんどない。そのため、安定した連続的なイオン伝導路
が確保できると共に、高分子マトリックスの可塑化によ
る機械的強度の低下を招くことがない。また、金属塩電
解液の含浸量は浸漬時間により制御できるが、高分子固
体電解質中に30重量%以上の割合で含浸させるのが好
ましい。更に、金属塩電解液における金属塩と溶媒の混
合比は、形成されるイオン伝導路において、金属塩濃度
で0.01〜5mol /lとなるように調節するのが望ま
しい。
【0040】このように、極性部材は、該極性部材への
金属塩電解液の選択的な含浸を促してイオン伝導路を形
成すると共に、含浸後における金属塩電解液の保持部材
としての役割を果たしている。なお、このような製造方
法1において説明した詳細な製造工程は、以下の高分子
固体電解質の各製造方法において、重複する場合には省
略する。
【0041】『製造方法2』製造方法1で述べた各種極
性部材を含有する高分子微粒子分散液中に、前記金属塩
電解液を構成する金属塩を溶解させる。次いで、このよ
うにして作製した高分子微粒子分散液から、前記極性溶
媒を加熱蒸発させることにより、高分子微粒子はお互い
に融着して高分子マトリックスを形成し、前記極性部材
及び金属塩は、高分子マトリックスを構成する高分子微
粒子間において網目状の連続した凝集部を形成すること
になる。最後にこのようにして作製した高分子マトリッ
クスフィルムを、前記金属塩を溶解する電解液溶媒中に
浸漬することにより、高分子マトリックス内に網目状に
連続して形成された前記極性部材及び金属塩の凝集部に
電解液溶媒を選択的に含浸させ、高分子マトリックスと
相分離した連続的なイオン伝導路を有する高分子固体電
解質を得ることができる。このような方法によると、極
性部材及び金属塩の凝集部への電解液溶媒の含浸は、製
造方法1における金属塩電解液の場合よりも、浸透圧の
関係でより多く含浸するため、優れたイオン伝導性を得
ることができる。
【0042】『製造方法3』製造方法1で述べた各種極
性部材を含有する高分子微粒子分散液中に、前記金属塩
を溶解させ、更に前記極性溶媒よりも沸点が高く、且つ
前記金属塩を溶解する電解液溶媒を混合して高分子微粒
子分散液を作製する。次いで、このようにして作製した
高分子微粒子分散液から極性溶媒を加熱蒸発させると、
高分子微粒子はお互いに融着して高分子マトリックスを
形成し、金属塩電解液を含有する前記極性部材は、高分
子マトリックスを構成する高分子微粒子間において、高
分子マトリックスと相分離した連続的な網目状のイオン
伝導路を形成し、高分子固体電解質となる。この場合、
電解液溶媒は、極性溶媒である、例えば水よりも沸点が
高いため、分散液を加熱しても分散媒体である水が蒸発
するだけで電解液溶媒は蒸発することなく、極性溶媒除
去後も高分子マトリックス内において、金属塩を溶解し
た金属塩電解液の形で極性部材に保持され、イオン伝導
路を形成することになる。このような製造方法は、電解
液溶媒としてポリエチレンオキシド誘導体のように粘度
が大きく、且つ沸点の高いものを使用する場合に特に有
効である。すなわち、前記製造方法1及び2において、
ポリエチレンオキシド誘導体のような粘度の大きな電解
液溶媒を使用した場合には、高分子マトリックス内にお
ける極性部材への金属塩電解液あるいは電解液溶媒の含
浸性が低下する恐れを生じる。そのため、分散媒体であ
る極性溶媒中にあらかじめ金属塩を溶解させ、更に電解
液溶媒を混合しておけば、高分子マトリックスフィルム
を成形した後、金属塩電解液や電解液溶媒を含浸させる
ことなく、イオン伝導路を形成することができる。この
場合、分散媒体中における高分子微粒子100重量部に
対して10重量部以上のポリエチレンオキシド誘導体と
なるように調整するのが望ましい。
【0043】
【作用】本発明の高分子固体電解質によれば、高いイオ
ン伝導率を有する金属塩電解液がイオン伝導を担うた
め、高分子固体電解質として優れたイオン伝導性を期待
することができる。また、金属塩電解液からなるイオン
伝導路が高分子マトリックス中で分離して形成されてい
るため、金属塩電解液の含浸量が多いにも係わらず、高
分子固体電解質の機械的強度の低下を抑えることができ
る。また、高分子マトリックスを架橋構造とすることに
より、イオン伝導路の保護、並びに高分子固体電解質の
強度をより一層向上することができる。更に、製造方法
が簡単なため低い製造コストが期待でき、安価な高分子
固体電解質を得ることができる。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されない。
【0045】実施例1 非変性タイプのスチレン(S)−ブタジエン(B)共重
合体(S:B=20:80、日本ゼオン社製NS11
6)10gをとり、100gのベンゼンに溶解した。こ
の溶液を極性溶媒に可溶な高分子であるポリエチレンオ
キシド1gを溶解した500gの水溶液にかくはんしな
がら徐々に加え、高分子微粒子分散液を得た。この分散
液を、常圧下95℃で加熱して固形分が95重量%にな
るまで予備乾燥した。更に100℃,0.1Torr下で2
0時間減圧乾燥して高分子マトリックスフィルムを得
た。次に、金属塩電解液として、γ−ブチロラクトン/
1,2−ジメトキシエタン混合溶媒のLiClO4 溶液
(1mol /l)を調整し、この中に作製した高分子マト
リックスフィルムを2時間浸漬して金属塩電解液を含浸
させ、本発明の高分子固体電解質を得た。なお、以下の
実施例における金属塩電解液中における金属塩の濃度
は、本実施例と同様である。
【0046】実施例2 実施例1で用いた非変性タイプのスチレン−ブタジエン
共重合体(日本ゼオン社製NS116)のベンゼン溶液
を、1gのポリエチレンオキシドと4gのLiClO4
を溶解した500gの水溶液にかくはんしながら徐々に
加え、高分子微粒子分散液を得た。この分散液を実施例
1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリックスフィル
ムを作製し、更にこの高分子マトリックスフィルムをγ
−ブチロラクトン/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒
中に浸漬して含浸させ、本発明の高分子固体電解質を得
た。
【0047】実施例3 実施例1で作製したポリエチレンオキシド含有高分子微
粒子分散液に、ポリエチレンオキシドジメチルエーテル
(重量平均分子量400)を加えてよくかくはんした
後、実施例1と同様の条件で乾燥させて本発明の高分子
固体電解質を得た。
【0048】実施例4 実施例1の極性高分子ポリエチレンオキシドを、界面活
性剤であるポリエチレングリコール(n=20)・ノニ
ルフェニルエーテル1gに代えて本発明の高分子固体電
解質を得た。
【0049】実施例5 実施例1で用いた非変性タイプのスチレン−ブタジエン
共重合体(日本ゼオン社製NS116)10g及び1g
のポリエチレングリコール(n=20)・ノニルフェニ
ルエーテルをとり、100gのベンゼンに溶解した。こ
の溶液を500gの水にかくはんしながら徐々に加え、
高分子微粒子分散液を得た。この分散液を実施例1と同
様の条件で乾燥させて高分子マトリックスフィルムを作
製し、エチレンカーボネート/1,2−ジメトキシエタ
ン混合溶媒のLiClO4 溶液を含浸させ、本発明の高
分子固体電解質を得た。実施例1〜5共、分散液中にお
ける高分子微粒子の分散状態は良好であり、得られた高
分子固体電解質も、柔軟性のあるゴム状のシートで、十
分な機械的強度を有していた。
【0050】実施例6 高分子微粒子分散液として、界面活性剤を含む非変性タ
イプのスチレン(S)−ブタジエン(B)系ラテックス
(S:B=30:70、平均粒径0.05μm、日本ゼ
オン社製 NipolLX110)水溶液を用意した。まず、
この高分子微粒子分散液10gをとり、更に10gの水
で希釈した。次いで、分散液をリチウムイオンに置換し
たイオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製アンバ
ーライトIR−120B)に通し、ラテックス中のアル
カリ金属イオンをリチウムイオンに置換した。その後、
実施例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリックス
フィルムを作製し、プロピレンカーボネート/1,2−
ジメトキシエタン混合溶媒のLiClO4 溶液を含浸さ
せ、本発明の高分子固体電解質を得た。
【0051】実施例7〜12 実施例6と同様にして作製した高分子マトリックスフィ
ルムに、後記表1の金属塩と電解液溶媒を変化させた各
種金属塩電解液を含浸させ、6種類の本発明の高分子固
体電解質を得た。実施例6〜12共、得られた高分子固
体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機
械的強度を有していた。
【0052】実施例13 高分子微粒子分散液として、界面活性剤を含む非変性タ
イプのスチレン(S)−ブタジエン(B)系ラテックス
(S:B=30:70、平均粒径0.20μm、日本ゼ
オン社製 NipolLX4850)水溶液を用意し、実施例
6と同様にしてラテックス中のアルカリ金属イオンをリ
チウムイオンに置換した後、実施例1と同様の条件で乾
燥させて高分子マトリックスフィルムを作製し、プロピ
レンカーボネート/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒
のLiClO4 溶液を含浸させて本発明の高分子固体電
解質を得た。
【0053】実施例14〜19 実施例13と同様にして作製した高分子マトリックスフ
ィルムに、表1の金属塩と電解液溶媒を変化させた各種
金属塩電解液を含浸させ、6種類の本発明の高分子固体
電解質を得た。実施例13〜19共、得られた高分子固
体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機
械的強度を有していた。
【0054】実施例20 実施例1で調整した非変性タイプのスチレン−ブタジエ
ン共重合体のベンゼン溶液を、1gのポリエチレングリ
コール(n=20)・ノニルフェニルエーテルと1gの
LiClO4 を溶解した500gの水にかくはんしなが
ら徐々に加え、高分子微粒子分散液を得た。この分散液
を実施例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリック
スフィルムを作製し、このフィルムにγ−ブチロラクト
ン/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒を含浸させて本
発明の高分子固体電解質を得た。
【0055】実施例21 実施例5で調整した非変性タイプのスチレン−ブタジエ
ン共重合体とポリエチレングリコール(n=20)・ノ
ニルフェニルエーテルのベンゼン溶液を、1gのLiC
lO4 を溶解した500gの水にかくはんしながら徐々
に加え、高分子微粒子分散液を得た。この分散液を実施
例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリックスフィ
ルムを作製し、このフィルムにプロピレンカーボネート
/エチレンカーボネート混合溶媒を含浸させて本発明の
高分子固体電解質を得た。実施例20、21共、分散液
中における高分子微粒子の分散状態は良好であり、得ら
れた高分子固体電解質も、柔軟性のあるゴム状のシート
で、十分な機械的強度を有していた。
【0056】実施例22 耐圧容器中にスチレン25g、n−ドデシルメルカプタ
ン0.5g、過硫酸リチウム0.28g、オレイン酸リ
チウム4.0g、ポリエチレングリコール(n=20)
・ノニルフェニルエーテル0.5g、水180gを仕込
んだ後、ブタジエン78gを加えて密封し、50℃で1
4時間反応させてから、ヒドロキノン0.1gを加えて
反応を停止させ、高分子微粒子分散液を得た(得られた
高分子微粒子におけるスチレン−ブタジエンの容積比は
40:60)。この分散液にLiClO4 3gを溶解し
た後、実施例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリ
ックスフィルムを作製し、プロピレンカーボネート/
1,2−ジメトキシエタン混合溶媒を含浸させて本発明
の高分子固体電解質を得た。
【0057】実施例23〜28 実施例22における金属塩と電解液溶媒を、表2の組合
せとなるように変化させ、6種類の本発明の高分子固体
電解質を得た。実施例22〜28共、得られた高分子固
体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機
械的強度を有していた。
【0058】実施例29 実施例6で用いた非変性タイプの高分子微粒子分散液
に、LiClO4 を溶解させ、更にポリエチレンオキシ
ドジメチルエーテル(重量平均分子量400)を混合し
た後、実施例1と同様の条件で乾燥させて本発明の高分
子固体電解質を得た。
【0059】実施例30 実施例6で用いた非変性タイプの高分子微粒子分散液
に、更に1gのポリエチレンオキシドを溶解させて分散
液を調整した後、実施例1と同様の条件で乾燥させて高
分子マトリックスフィルムを作製し、プロピレンカーボ
ネート/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒のLiCl
4 溶液を含浸させて本発明の高分子固体電解質を得
た。
【0060】実施例31 実施例30で調整した非変性タイプの高分子微粒子分散
液中に、LiClO44gを溶解させた後、実施例1と
同様の条件で乾燥させて高分子マトリックスフィルムを
作製し、プロピレンカーボネート/1,2−ジメトキシ
エタン混合溶媒を含浸させて本発明の高分子固体電解質
を得た。
【0061】実施例32 実施例30で調整した非変性タイプの高分子微粒子分散
液中に、4gのLiClO4 を溶解させ、更にポリエチ
レンオキシドジメチルエーテル(重量平均分子量40
0)を加えてよくかくはんした後、実施例1と同様の条
件で乾燥させ、本発明の高分子固体電解質を得た。実施
例29〜32共、得られた高分子固体電解質は、柔軟性
のあるゴム状のシートで、十分な機械的強度を有してい
た。
【0062】実施例1〜32(非変性タイプ)で得た高
分子固体電解質のイオン伝導率を調べた。イオン伝導率
の測定は、得られた高分子固体電解質と2つのステンレ
ス電極からなる測定セルを組み、交流インピーダンス法
で行った。結果を表1及び表2に示す。
【0063】なお、表1及び表2における注は下記のと
おりである。 *1:高分子微粒子 主成分SBR(スチレン−ブタジ
エン共重合体) *2:極性有機成分無添加、すなわち非変性タイプであ
る。 *3:添加剤 SA(界面活性剤) PEO(ポリエチレンオキシド) *4:電解液溶媒(容積比:%) PC/DME;プロピレンカーボネート(40)/1,
2−ジメトキシエタン(60) PC/DO;プロピレンカーボネート(40)/ジオキ
ソラン(60) PC/EC;プロピレンカーボネート(50)/エチレ
ンカーボネート(50) γBL/DME;γ−ブチロラクトン(50)/1,2
−ジメトキシエタン(50) EC/DME;エチレンカーボネート(40)/1,2
−ジメトキシエタン(60) PEODME;ポリエチレンオキシドジメチルエーテル
(液状) *5:製造方法 既述の『製造方法』における製造方法
番号による。 *6:充てん量 充てんされた電解液溶媒の重量%
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】製造方法からみると、製造方法3の手法に
より作製された高分子固体電解質のイオン伝導率は、製
造方法1の金属塩電解液含浸タイプ及び製造方法2の電
解液溶媒含浸タイプと比べて小さく、あまり有利な手法
とはいえない。
【0067】また、電解液溶媒としてγ−ブチロラクト
ン/1,2−ジトキメシエタンを用いた高分子固体電解
質のイオン伝導率は、他の電解液溶媒を用いた場合より
も大きく、またγ−ブチロラクトン/1,2−ジメトキ
シエタンの充てん量もかなり多くなっている。
【0068】更に、実施例1と2及び実施例30と31
のように、極性高分子であるポリエチレンオキシドを極
性部材として積極的に導入した高分子固体電解質のイオ
ン伝導率は、界面活性剤のみを極性部材として用いた系
よりも非常に大きな値を示している。
【0069】以上の結果から、高分子固体電解質のイオ
ン伝導率を上げるためには、製造方法1及び2の手法を
用い、電解液溶媒としてγ−ブチロラクトン/1,2−
ジメトキシエタンを用い、ポリエチレンオキシドのよう
な極性高分子を積極的に導入するのが、有効な手段とな
りうる。
【0070】実施例33 耐圧容器中にスチレン25g、n−ドデシルメルカプタ
ン1g、過硫酸リチウム0.6g、ドデシルベンゼン硫
酸リチウム1g、ポリエチレングリコール(n=20)
・ノニルフェニルエーテル1g、水180gを仕込んだ
後、ブタジエン78gを加えて密封し、反応系をかくは
んしながら50℃で60時間反応させてから、ヒドロキ
ノン0.1gを加えて反応を停止させ、高分子微粒子分
散液を得た。なお、反応中、アクリル酸10gを徐々に
加えると共に、反応系のpHが7〜8になるように水酸
化リチウム水溶液、あるいは過塩素酸水溶液でpH調整
を行って、高分子微粒子のカルボキシル変性を行った
(得られた高分子微粒子におけるスチレン−ブタジエン
の容積比は40:60)。次に、実施例1と同様の条件
で乾燥させて高分子マトリックスフィルムを作製し、プ
ロピレンカーボネート/1,2−ジメトキシエタン混合
溶媒のLiClO4 溶液を含浸させて本発明の高分子固
体電解質を得た。
【0071】実施例34〜39 実施例33と同様にして作製した高分子マトリックスフ
ィルムに、表3の金属塩と電解液溶媒を変化させた各種
金属塩電解液を含浸させ、6種類の本発明の高分子固体
電解質を得た。実施例33〜39共、得られた高分子固
体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機
械的強度を有していた。
【0072】実施例40 高分子微粒子分散液として、界面活性剤を含み、極性有
機成分であるカルボキシル基変性を施したスチレン
(S)−ブタジエン(B)系ラテックス(S:B=5
0:50、平均粒径0.12μm、日本ゼオン社製 Nip
olLX424)水溶液を用意し、実施例1と同様の条件
で乾燥させて高分子マトリックスを作製し、プロピレン
カーボネート/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒のL
iClO4 溶液を含浸させて本発明の高分子固体電解質
を得た。
【0073】実施例41、42 実施例40におけるプロピレンカーボネート/1,2−
ジメトキシエタン混合溶媒を、エチレンカーボネート/
1,2−ジメトキシエタン混合溶媒及びγ−ブチロラク
トン/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒に代えて本発
明の高分子固体電解質を得た。実施例40〜42共、得
られた高分子固体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシー
トで、十分な機械的強度を有していた。
【0074】実施例43 実施例33で用いたカルボキシル基変性タイプの高分子
微粒子分散液中に、更にLiClO4 3gを溶解させた
後、実施例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリッ
クスフィルムを作製し、プロピレンカーボネート/1,
2−ジメトキシエタン混合溶媒を含浸させて本発明の高
分子固体電解質を得た。
【0075】実施例44〜54 実施例43における金属塩と電解液溶媒を、表3及び表
4の組合せのように変化させ、11種類の本発明の高分
子固体電解質を得た。実施例43〜54共、得られた高
分子固体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十
分な機械的強度を有していた。
【0076】実施例55 高分子微粒子分散液として、界面活性剤を含み、極性有
機成分であるカルボキシル基変性を施したスチレン
(S)−ブタジエン(B)系ラテックス(S:B=3
0:70、平均粒径0.12μm、日本ゼオン社製 Nip
olLX426)水溶液を用意し、この高分子微粒子分散
液中に、更に4gのLiBF4 を溶解させた後、実施例
1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリックスフィル
ムを作製し、γ−ブチロラクトン溶媒を含浸させて本発
明の高分子固体電解質を得た。
【0077】実施例56〜58 実施例55における金属塩と電解液溶媒を、表4の組合
せのように変化させ、3種類の本発明の高分子固体電解
質を得た。実施例55〜58共、得られた高分子固体電
解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機械的
強度を有していた。
【0078】実施例59 実施例40で用いたカルボキシル基変性タイプの高分子
微粒子分散液中に、4gのLiClO4 を溶解させた
後、実施例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリッ
クスフィルムを作製し、プロピレンカーボネート/1,
2−ジメトキシエタン混合溶媒を含浸させて本発明の高
分子固体電解質を得た。
【0079】実施例60〜63 実施例59における金属塩と電解液溶媒を、表4の組合
せのように変化させ、4種類の本発明の高分子固体電解
質を得た。
【0080】実施例64 実施例40で用いたカルボキシル基変性タイプの高分子
微粒子分散液に、LiClO4 4gを溶解させた後、更
にポリエチレンオキシドジメチルエーテル(重量平均分
子量400)を加えてよくかくはんし、実施例1と同様
の条件で乾燥させて本発明の高分子固体電解質を得た。
【0081】実施例65、66 実施例64におけるLiClO4 を、LiBF4 とLi
CF3 SO3 に代えて、本発明の高分子固体電解質を得
た。
【0082】実施例67 実施例40で用いたカルボキシル基変性タイプの高分子
微粒子分散液に、ポリエチレンオキシド1gを溶解させ
た後、実施例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリ
ックスフィルムを作製し、プロピレンカーボネート/
1,2−ジメトキシエタン混合溶媒のLiClO4 溶液
を含浸させて本発明の高分子固体電解質を得た。
【0083】実施例68 実施例40で用いたカルボキシル基変性タイプの高分子
微粒子分散液に、ポリエチレンオキシド1gとLiCl
4 4gを溶解させた後、実施例1と同様の条件で乾燥
させて高分子マトリックスフィルムを作製し、プロピレ
ンカーボネート/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒を
含浸させて本発明の高分子固体電解質を得た。
【0084】実施例69 実施例40で用いたカルボキシル基変性タイプの高分子
微粒子分散液に、LiClO4 4gを溶解させた後、更
にポリエチレンオキシドジメチルエーテル(重量平均分
子量400)を加えてよくかくはんし、実施例1と同様
の条件で乾燥させて、本発明の高分子固体電解質を得
た。実施例59〜69共、得られた高分子固体電解質
は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機械的強度
を有していた。
【0085】実施例33〜69(カルボキシル基変性タ
イプ)で得た高分子固体電解質のイオン伝導率を、実施
例1〜32と同様の手法により調べた。結果を表3及び
表4に示す。
【0086】なお、表3及び表4における注の番号で表
1及び表2と同一のものは表1及び表2と同義であり、
*7は下記の意味である。 *7:変性1 COOH変性
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】表3及び表4の結果は、表1及び表2に示
した非変性タイプの高分子微粒子を用いた実施例1〜3
2と同様の結果を示しているが、カルボキシル基変性タ
イプの高分子微粒子を用いているため、全般的にイオン
伝導率は、表1及び表2よりも大き目である。
【0090】なお、実施例33〜69においては、高分
子微粒子としてカルボキシル基変性タイプを用いたが、
本発明においては、カルボキシル基を、カルボキシル基
のアルカリ金属(Li,Na等)塩置換基に代えて同様
に実施した。この場合にも、カルボキシル基変性タイプ
と同様のイオン伝導率が得られたため、ここではカルボ
キシル基変性タイプの実施例のみにとどめた。
【0091】実施例70 高分子微粒子分散液として、界面活性剤を含むカルボキ
シル基と水酸基による変性を施した自己架橋型のスチレ
ン(S)−ブタジエン(B)系ラテックス(S:B=2
0:80、平均粒径0.13μm、日本ゼオン社製 Nip
olLX432A)水溶液を用意し、実施例1と同様の条
件で乾燥させて高分子マトリックスフィルムを作製し、
プロピレンカーボネート/1,2−ジメトキシエタン混
合溶媒のLiClO4 溶液を含浸させて本発明の高分子
固体電解質を得た。
【0092】実施例71、72 実施例70におけるプロピレンカーボネート/1,2−
ジメトキシエタン混合溶媒を、エチレンカーボネート/
1,2−ジメトキシエタン混合溶媒及びγ−ブチロラク
トン/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒に代えて、本
発明の高分子固体電解質を得た。実施例70〜72共、
得られた高分子固体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシ
ートで、十分な機械的強度を有していた。
【0093】実施例73 高分子微粒子分散液として、界面活性剤を含むカルボキ
シル基と水酸基による変性を施した自己架橋型のスチレ
ン(S)−ブタジエン(B)系ラテックス(S:B=5
0:50、平均粒径0.1μm、日本ゼオン社製 Nipol
LX2570×5)水溶液を用意し、実施例1と同様の
条件で乾燥させて高分子マトリックスフィルムを作製
し、プロピレンカーボネート/1,2−ジメトキシエタ
ン混合溶媒のLiClO4 溶液を含浸させて本発明の高
分子固体電解質を得た。
【0094】実施例74、75 実施例73におけるプロピレンカーボネート/1,2−
ジメトキシエタン混合溶媒を、エチレンカーボネート/
1,2−ジメトキシエタン混合溶媒及びγ−ブチロラク
トン/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒に代えて、本
発明の高分子固体電解質を得た。実施例73〜75共、
得られた高分子固体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシ
ートで、十分な機械的強度を有していた。
【0095】実施例76 実施例70で用いた自己架橋タイプの高分子微粒子分散
液に、LiClO4 4gを溶解させた後、実施例1と同
様の条件で乾燥させて高分子マトリックスフィルムを作
製し、プロピレンカーボネート/1,2−ジメトキシエ
タン混合溶媒を含浸させて本発明の高分子固体電解質を
得た。
【0096】実施例77〜82 実施例76における金属塩と電解液溶媒を、表5の組合
せとなるように変化させ、6種類の本発明の高分子固体
電解質を得た。実施例76〜82共、得られた高分子固
体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機
械的強度を有していた。
【0097】実施例83 実施例73で用いた自己架橋タイプの高分子微粒子分散
液に、LiClO4 4gを溶解させた後、実施例1と同
様の条件で乾燥させて高分子マトリックスフィルムを作
製し、プロピレンカーボネート/1,2−ジメトキシエ
タン混合溶媒を含浸させて本発明の高分子固体電解質を
得た。
【0098】実施例84〜87 実施例83における金属塩と電解液溶媒を、表5の組合
せとなるように変化させ、4種類の本発明の高分子固体
電解質を得た。実施例83〜87共、得られた高分子固
体電解質は、柔軟性のあるゴム状のシートで、十分な機
械的強度を有していた。
【0099】実施例88 実施例70で用いた自己架橋タイプの高分子微粒子分散
液に、LiClO4 4gを溶解させた後、更にポリエチ
レンオキシドジメチルエーテル(重量平均分子量40
0)を加えてよくかくはんした後、実施例1と同様の条
件で乾燥させ、本発明の高分子固体電解質を得た。
【0100】実施例89 実施例70で用いた自己架橋タイプの高分子微粒子分散
液に、更に1gのポリエチレンオキシドを溶解させた
後、実施例1と同様の条件で乾燥させて高分子マトリッ
クスフィルムを作製し、プロピレンカーボネート/1,
2−ジメトキシエタン混合溶媒のLiClO4 溶液を含
浸させて本発明の高分子固体電解質を得た。
【0101】実施例90 実施例70で用いた自己架橋タイプの高分子微粒子分散
液に、更に1gのポリエチレンオキシドと4gのLiC
lO4 を溶解させた後、実施例1と同様の条件で乾燥さ
せて高分子マトリックスフィルムを作製し、プロピレン
カーボネート/1,2−ジメトキシエタン混合溶媒を含
浸させて本発明の高分子固体電解質を得た。
【0102】実施例91 実施例70で用いた自己架橋タイプの高分子微粒子分散
液に、1gのポリエチレンオキシドと4gのLiClO
4 を溶解させ、更にポリエチレンオキシドジメチルエー
テル(重量平均分子量400)を加えてよくかくはんし
た後、実施例1と同様の条件で乾燥させ、本発明の高分
子固体電解質を得た。
【0103】実施例70〜91(自己架橋タイプ)で得
た高分子固体電解質のイオン伝導率を、実施例1〜32
と同様の手法により調べた。結果を表5及び表6に示
す。
【0104】なお、表5及び表6における注の番号で表
1〜表4と同一のものは表1〜表4と同義であり、*8
は下記の意味である。 *8:変性2 COOH,OH変性(自己架橋)
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
【0107】表5及び表6の結果は、表1及び表2に示
した非変性タイプの高分子微粒子を用いた実施例1〜3
2と同様の結果を示しているが、自己架橋タイプの高分
子微粒子を用いているため、全般的に、イオン伝導率は
表3及び表4と同様に表1及び表2よりも大き目となっ
ている。
【0108】
【発明の効果】本発明の高分子固体電解質によれば、高
いイオン伝導率を有する金属塩電解液がイオン伝導を担
うため、高分子固体電解質として優れたイオン伝導性を
発揮する。また、金属塩電解液からなるイオン伝導路が
高分子マトリックス中で分離して形成されているため、
金属塩電解液の含有量が多いにもかかわらず、高分子固
体電解質の機械的強度の低下を抑えることができる。ま
た、高分子マトリックスを架橋構造とすることにより、
イオン伝導路の保護、並びに高分子固体電解質の強度を
より一層向上することができる。更に、製造方法が簡単
なため、低い製造コストが期待でき、安価な高分子固体
電解質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子固体電解質の概略構成断面図で
ある。
【符号の説明】
1…高分子マトリックス、2…高分子微粒子、3…イオ
ン伝導路
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年10月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】
【表3】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正内容】
【0088】
【表4】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0105
【補正方法】変更
【補正内容】
【0105】
【表5】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平3−354393 (32)優先日 平3(1991)12月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−354408 (32)優先日 平3(1991)12月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−354409 (32)優先日 平3(1991)12月20日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平4−73164 (32)優先日 平4(1992)2月25日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 杉原 茂雄 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 正代 尊久 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 竹島 幹夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日 本電信電話株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子マトリックスと、該高分子マトリ
    ックス内に、高分子マトリックスと相分離し、連続して
    網目状に形成されたイオン伝導路からなることを特徴と
    する高分子固体電解質。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のイオン伝導路が、金属
    塩電解液と極性部材とからなることを特徴とする高分子
    固体電解質。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の極性部材が、極性溶媒
    に可溶な高分子又は界面活性剤又は前記高分子マトリッ
    クスに一部か全部が共有結合により固定された極性有機
    成分又は架橋構造部、あるいはこれらの任意の組合せの
    複合物からなることを特徴とする高分子固体電解質。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の極性有機成分が、カル
    ボキシル基又はその金属塩置換基であることを特徴とす
    る高分子固体電解質。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4に記載の金属塩電解液が、
    下記一般式(化1)で表される液状のポリエチレンオキ
    シド誘導体に金属塩が溶解したものであることを特徴と
    する高分子固体電解質。 【化1】A−(CH2 −CH2 −O)n −B 〔式中、Aは1価の有機基あるいはH又はOH、Bは1
    価の有機基あるいはH、nは少なくとも2以上の整数〕
  6. 【請求項6】 請求項1〜5に記載の高分子マトリック
    スが、高分子微粒子の融着体であることを特徴とする高
    分子固体電解質。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の高分子微粒子が、架橋
    成分を含有して成ることを特徴とする高分子固体電解
    質。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の高分子微粒子が、ゴム
    部材であることを特徴とする高分子固体電解質。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のゴム部材が、スチレン
    −ブタジエン系共重合体であることを特徴とする高分子
    固体電解質。
  10. 【請求項10】 低極性高分子を低極性溶媒に溶解させ
    た溶液を、極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あ
    るいは両者の混合物を溶解した極性溶媒中に、かくはん
    しながら添加して高分子微粒子分散液を製造する工程
    と、該高分子微粒子分散液から前記低極性溶媒及び極性
    溶媒を加熱蒸発させることにより、前記高分子微粒子同
    士を融着させて高分子マトリックスを形成させ、更に該
    高分子マトリックス内に連続して網目状に分布した前記
    極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両者
    の混合物の凝集部からなる極性部材を形成させる工程
    と、該極性部材中に、金属塩と電解液溶媒からなる金属
    塩電解液を含浸させて、前記高分子マトリックスと相分
    離したイオン伝導路となす工程からなることを特徴とす
    る高分子固体電解質の製造方法。
  11. 【請求項11】 低極性高分子を低極性溶媒に溶解させ
    た溶液を、極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あ
    るいは両者の混合物を溶解した極性溶媒中に、かくはん
    しながら添加して第1の高分子微粒子分散液を製造する
    工程と、該第1の高分子微粒子分散液中に金属塩を溶解
    して第2の高分子微粒子分散液を製造する工程と、該第
    2の高分子微粒子分散液から前記低極性溶媒及び極性溶
    媒を加熱蒸発させることにより、前記高分子微粒子同士
    を融着させて高分子マトリックスを形成させ、更に該高
    分子マトリックス内に連続して網目状に分布した前記極
    性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両者の
    混合物の凝集部からなる極性部材と金属塩の凝集部を形
    成させる工程と、該極性部材及び金属塩の凝集部中に、
    前記金属塩を溶解する電解液溶媒を含浸させて、前記高
    分子マトリックスと相分離したイオン伝導路となす工程
    からなることを特徴とする高分子固体電解質の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 低極性高分子を低極性溶媒に溶解させ
    た溶液を、極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あ
    るいは両者の混合物を溶解した極性溶媒中に、かくはん
    しながら添加して第1の高分子微粒子分散液を製造する
    工程と、該第1の高分子微粒子分散液中に金属塩を溶解
    し、更に前記極性溶媒よりも沸点が高く、且つ前記金属
    塩を溶解する電解液溶媒を混合して第2の高分子微粒子
    分散液を製造する工程と、該第2の高分子微粒子分散液
    から前記低極性溶媒及び極性溶媒を加熱蒸発させること
    により、前記高分子微粒子同士を融着させて高分子マト
    リックスを形成させ、更に該高分子マトリックス内に、
    高分子マトリックスと相分離し、前記金属塩と電解液溶
    媒からなる金属塩電解液を含有する連続した網目状の前
    記極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両
    者の混合物からなるイオン伝導路を形成させる工程から
    なることを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。
  13. 【請求項13】 極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性
    剤、あるいは両者の混合物を含む極性溶媒中に、低極性
    の高分子微粒子を均一に分散させた高分子微粒子分散液
    から、前記極性溶媒を加熱蒸発させることにより、前記
    高分子微粒子同士を融着させて高分子マトリックスを形
    成させ、更に該高分子マトリックス内に、連続して網目
    状に分布した前記界面活性剤の凝集部からなる極性部材
    を形成させ、該極性部材中に金属塩電解液を含浸させ
    て、前記高分子マトリックスと相分離したイオン伝導路
    となすことを特徴とする高分子固体電解質の製造方法。
  14. 【請求項14】 極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性
    剤、あるいは両者の混合物及び金属塩を溶解した極性溶
    媒中に低極性の高分子微粒子を均一に分散させた高分子
    微粒子分散液から、前記極性溶媒を加熱蒸発させること
    により、前記高分子微粒子同士を融着させて高分子マト
    リックスを形成させ、更に該高分子マトリックス内に、
    連続して網目状に分布した前記極性溶媒に可溶な高分子
    又は界面活性剤、あるいは両者の混合物の凝集部からな
    る極性部材及び金属塩の凝集部を形成させ、該極性部材
    及び金属塩の凝集部中に、前記金属塩を溶解する電解液
    溶媒を含浸させて、前記高分子マトリックスと相分離し
    たイオン伝導路となすことを特徴とする高分子固体電解
    質の製造方法。
  15. 【請求項15】 極性溶媒に可溶な高分子又は界面活性
    剤、あるいは両者の混合物及び金属塩を溶解した極性溶
    媒中に低極性の高分子微粒子を均一に分散した高分子微
    粒子分散液に、該極性溶媒よりも沸点が高く、且つ前記
    金属塩を溶解する電解液溶媒を混合し、該高分子微粒子
    分散液から前記極性溶媒を加熱蒸発させることにより、
    前記高分子微粒子同士を融着させて高分子マトリックス
    を形成させ、更に該高分子マトリックス内に、高分子マ
    トリックスと相分離し、前記金属塩と電解液溶媒からな
    る金属塩電解液を含有する連続した網目状の前記極性溶
    媒に可溶な高分子又は界面活性剤、あるいは両者の混合
    物からなるイオン伝導路を形成させることを特徴とする
    高分子固体電解質の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項13〜15に記載の高分子微粒
    子として、極性有機成分の一部又は全部を共有結合させ
    た高分子微粒子を用いることを特徴とする高分子固体電
    解質の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の極性有機成分が、
    カルボキシル基又はその金属塩置換基であることを特徴
    とする高分子固体電解質の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項13〜15に記載の高分子微粒
    子が自己架橋成分を有し、前記極性溶媒の加熱蒸発に伴
    う加熱により、前記高分子微粒子を微粒子内部及び微粒
    子間で架橋反応させることを特徴とする高分子固体電解
    質の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項10〜17に記載の金属塩電解
    液を構成する溶媒が、請求項5に記載の一般式(化1)
    で表されるポリエチレンオキシド誘導体であることを特
    徴とする高分子固体電解質の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項10〜19に記載の高分子微粒
    子が、ゴム部材であることを特徴とする高分子固体電解
    質の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のゴム部材が、スチ
    レン−ブタジエン系共重合体であることを特徴とする高
    分子固体電解質の製造方法。
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