JPH0532410U - リサイクルドライヤの被再生廃材付着防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、フライトの全体に亘って、被再生
廃材が付着・堆積するのを防止し、回転ドラムドライヤ
の加熱効率の低下を抑えることを目的とする。 【構成】 回転ドラムの回転方向における各フライトの
前側に位置して該回転ドラム内にその直径方向内側に突
出して設けられて先端にそれぞれストッパを有し、上記
フライトの長さと略等しい距離を隔てて位置する一対の
支持体と、両支持体にその軸方向に沿って両端がそれぞ
れ移動自在に支持されて一対の支持体の間の距離よりも
長い寸法の索状体とから構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば、舗装道路等の掘削から生じるアスファルト舗装等の被再生 廃材等の再生用として使用されるリサイクルドライヤにおいて、その内壁への被 加熱物の付着・堆積を防止する被再生廃材付着防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、アスファルトの舗装道路の打ち換えを行う時に生じる廃材を、再生使 用するために、回転ドラム式のドライヤ装置が利用されている。

【０００３】 このドライヤ装置では、軸線（ドラム軸）を傾斜させた回転ドラムを駆動装置 により回転させつつ、バーナで燃焼室の空気を加熱して回転ドラム内に送り込み 、コンベヤで投入口より回転ドラム内に投入された廃材が、回転ドラム内に設け たフライトにより掻き上げられると、落下を繰り返しつつ、排出口に向かって撹 拌流動する。この間に、上記燃焼室からの熱風により、加熱されて再生され、排 出口より排出されるようになっている。

【０００４】 しかしながら、上記ドライヤ装置では、フライト等の表面に廃材が付着して次 第に堆積し、回転ドラムの加熱効率を下げ、回転ドラム内に付着・堆積した付着 物の剥がし作業を困難にしている。

【０００５】 そこで、例えば、実開昭５１−１０５０５８号公報に示すリサイクルドライヤ の被再生廃材付着防止装置が案出されている。このリサイクルドライヤの被再生 廃材付着防止装置は、図４に示すように、アスファルト，骨材等を含む被再生廃 材を加熱・再生するため、フライト２１の両端に１本の索状体２２を橋渡すよう に縣垂し、この索状体２２によりフライト２１内に付着・堆積したアスファルト ，骨材等からなる付着物を除去するようになっている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来のリサイクルドライヤの被再生廃材付着防止装置にあって は、索状体２２の根元部分である両端２２Ａ，２２Ａに近いフライト部分に付着 した付着物は、フライト２１内から剥がすことができず、それが堆積して次第に 中央部分にも付着・堆積が広がって行くため、操業開始当初は付着物の除去効果 はあるものの、時間経過とともに付着物の除去効果は低下し、回転ドラムドライ ヤの加熱効率を下げるという問題があった。一旦、回転ドラム内に付着・堆積し た付着物の剥がし作業は、人手によるハツリ作業を余儀なくされ、作業に多大の 時間と労力を要する難点がある。

【０００７】 本考案は、上述の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、フラ イトの全体に亘って、被再生廃材が付着・堆積するのを防止し、回転ドラムドラ イヤの加熱効率の低下を抑えることができるリサイクルドライヤの被再生廃材付 着防止装置を提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、被再生廃材を加熱・再生する回転ドラム内の複数のフライトの近傍 に索状体を設け、回転ドラムの回転に伴って移動する索状体により、上記フライ トやその近傍の回転ドラム内面に付着・堆積する被再生廃材を、フライト等から 除去するリサイクルドライヤの被再生廃材付着防止装置において、前記回転ドラ ムの回転方向における各フライトの前側に位置して該回転ドラム内にその直径方 向内側に突出して設けられて先端にそれぞれストッパを有し、上記フライトの長 さと略等しい距離を隔てて位置する一対の支持体と、両支持体にその軸方向に沿 って両端がそれぞれ移動自在に支持されて一対の支持体の間の距離よりも長い寸 法の索状体とから構成されていることを特徴とする。

【０００９】

【作用】

本考案においては、リサイクルドライヤの使用中には、被再生廃材は回転ドラ ム内を移動しながら加熱・再生され、付着物が回転ドラムの各フライト内に付着 するが、以下のように除去される。

【００１０】 回転ドラムの回転に伴って索状体は揺動して撓み、上下方向に変化する。索状 体が回転ドラムの下部に位置する時には、例えば、フライト内の被再生廃材に埋 まって索状体は、回転ドラムの内壁面上に弛んだ状態で撓んでいる。

【００１１】 回転ドラムの回転に伴って、索状体が回転ドラムの上部に至ると、索状体は、 重力で、その両端が支持体上を下方に滑り落ちるとともに、その中央部分が垂れ 下がり、例えば、回転ドラムの内壁面上から離間する。これに伴い、フライトに より掻き上げられた被再生廃材は、自由落下しなかったものが、索状体によって 、フライトから掻き出されるので、回転ドラムのフライト部における被再生廃材 の付着物の発生・堆積が防止される。

【００１２】

【実施例】

以下、図面により本考案の実施例について説明する。 図１ないし図３は本考案の実施例に係るリサイクルドライヤの被再生廃材付着 防止装置を示す。

【００１３】 図において、符号１は架台２上に軸線を傾斜して設置された回転ドラム式ドラ イヤで、回転ドラム３と、回転ドラム３の一端に設けた燃焼室３Ａと、燃焼室３ Ａに対向配置されたバーナ３Ｂと、回転ドラム３の一端の供給装置４と、回転ド ラム３の他端に設けた排出口５とから構成されている。回転ドラム３の内壁面６ には、回転ドラム３の内壁面６の周方向に沿って複数のフライト７が所定間隔で １つの環状に構成される群となって配列され、さらに、この群は、回転ドラム３ の長手方向に沿って所定間隔で配列されている。各フライト７は、帯板状に構成 され、回転ドラム３の長手方向に沿って内壁面６に溶接で固着されている。各フ ライト７に対応して、棒部材からなる一対の支持体８，８が回転ドラム３の内壁 面６にそれぞれ設けられている。これらの支持体８，８は、フライト７の両端付 近の位置で且つ回転ドラム６の回転方向（イ）におけるフライト７の前方に僅か に基端部が溶接でそれぞれ固着され、軸方向をフライト７の底面に略直角にして 回転ドラム６の直径方向方向内側に突出されている。

【００１４】 各支持体８，８には、チェーン等の索状体９が、その両端が回転ドラム３の内 壁面６及びフライト７の底面に接触・離間するように橋渡すように支持されてお り、各支持体８の先端には螺子がそれぞれ切ってあり、ナット部材８Ｂが螺子止 めされている。さらに、支持体８の先端に、ナット部材８Ｂに当接するようにス トッパ８Ａが嵌め込まれ、ストッパ８Ａはナット部材８Ｃで固定されている。

【００１５】 しかして、本実施例においては、回転ドラム３が回転されつつ、バーナ３Ｂに より、燃焼室３Ａ内の空気が加熱されて回転ドラム３内に吹き込まれる。その後 、アスファルト，骨材等からなる被再生廃材Ｒが、供給装置４により回転ドラム ３内に送り込まれ、フライト７により、順次掻き上げられた後、落下転動しつつ 、排出口５に向かって撹拌流動する。この間、燃焼室３Ａの熱風により、被再生 廃材Ｒは加熱されて再生され、排出口５より排出される。

【００１６】 そして、リサイクルドライヤ１の使用中には、被再生廃材Ｒは回転ドラム３内 を移動しながら加熱・再生され、付着物が回転ドラム３のフライト７に付着しよ うとするが、以下のように除去される。

【００１７】 回転ドラム３の回転に伴って索状体９は揺動して撓み、上下方向に変化する。 索状体９が回転ドラム３の下部に位置する時には、例えば、索状体９は、フライ ト７内の再生廃材に埋まって回転ドラム３の内壁面６上に弛んだ状態で撓んでい る。

【００１８】 回転ドラム３の回転に伴って、索状体９が回転ドラム３の上部に至ると、索状 体９は、重力で、その根元部分である両端９Ａ，９Ａが支持体８，８上を下方に 滑り落ちるとともに、その中央部分が垂れ下がり、回転ドラム３の内壁面６上か ら離間する。

【００１９】 これに伴い、フライト７により掻き上げられた被再生廃材は、自由落下しなか ったものが、索状体９によってフライト７から掻き出されるので、回転ドラム３ のフライト７の部分に被再生廃材の付着・堆積が発生することを防止される。

【００２０】 以上の如き構成によれば、被再生廃材の付着物が回転ドラム３内に付着・堆積 しようとしても、回転ドラム３の回転に伴って、索状体９の撓み状態の変化が生 じ、特に、回転ドラム３やフライト７に接触している索状体９の両端９Ａ，９Ａ も支持体８，８上を上下に移動し、例えば回転ドラム３の内壁面６やフライト７ と接触・離間する。

【００２１】 従って、フライト７の両端付近やそれ対応する回転ドラム３の内壁面６に付着 ・堆積しようとする被再生廃材が、索状体９によって掻き出され、これによりフ ライト７の全長に亘り、その底面やフライト７の長さに対応する回転ドラム３の 内壁面６への被再生廃材の付着・堆積が確実に防止される。

【００２２】 ひいては、回転ドラム式ドライヤへの付着物による加熱効率の低下を抑制する ことができ、回転ドラム３内に付着・堆積した付着物の剥がし作業を不要もしく はより容易にすることができる。

【００２３】 なお、本実施例においては、支持体９Ａ，９Ａは、回転ドラム３の内壁面６に 支持されているが、フライト７に支持させることもできる。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、付着物が回転ドラム内に付着・堆積し ようとしても、回転ドラムの回転に伴って、索状体が揺動して撓み状態の変化が 生じる。この間、特に、回転ドラムやフライトに接触している索状体の両端も支 持体上を上下に移動し、例えば回転ドラムの内壁面やフライトの底面と接触・離 間する。従って、フライトの底面や回転ドラムの内壁面に付着・堆積しようとす る付着物が索状体により掻き出されるので、フライト底面の全域及びフライトに 対応する回転ドラムの内壁面への再生廃材の付着・堆積を確実に防止することが できる。

【００２５】 ひいては、回転ドラムの内壁面等への付着物による回転ドラムの加熱効率の低 下を可及的に抑制することができ、回転ドラム内に付着・堆積した付着物の剥が し作業を不要にするかより容易にすることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るリサイクルドライヤの被
再生廃材付着防止装置の要部断面図である。

【図２】同リサイクルドライヤの一部断面側面図であ
る。

【図３】図２のＡ−Ａ断面図である。

【図４】従来におけるリサイクルドライヤの被再生廃材
付着防止装置の要部を示す側面図である。

【符号の説明】

３ 回転ドラム ７ フライト ８ 支持体 ９ 索状体 ９Ａ 端 Ｒ 被再生廃材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 被再生廃材を加熱・再生する回転ドラム
   内の複数のフライトの近傍に索状体を設け、 回転ドラムの回転に伴って移動する索状体により、上記
   フライトやその近傍の回転ドラム内面に付着・堆積する
   被再生廃材を、フライト等から除去するリサイクルドラ
   イヤの被再生廃材付着防止装置において、 前記回転ドラムの回転方向における各フライトの前側に
   位置して該回転ドラム内にその直径方向内側に突出して
   設けられて先端にそれぞれストッパを有し、上記フライ
   トの長さと略等しい距離を隔てて位置する一対の支持体
   と、 両支持体にその軸方向に沿って両端がそれぞれ移動自在
   に支持されて一対の支持体の間の距離よりも長い寸法の
   索状体とから構成されていることを特徴とするリサイク
   ルドライヤの被再生廃材付着防止装置。