JPH05323406A - 安定化高調波発生装置 - Google Patents

安定化高調波発生装置

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JPH05323406A
JPH05323406A JP15567592A JP15567592A JPH05323406A JP H05323406 A JPH05323406 A JP H05323406A JP 15567592 A JP15567592 A JP 15567592A JP 15567592 A JP15567592 A JP 15567592A JP H05323406 A JPH05323406 A JP H05323406A
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optical waveguide
harmonic
heating element
temperature
output
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JP15567592A
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Shigeyoshi Misawa
成嘉 三澤
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 入射する基本波長の変動や周囲温度変化に対
して第2高調波の出力の低下を防ぐ。 【構成】 非線形光学効果を有する基板1上に、周期的
分極反転層2が形成され、前記基板1中に光導波路3が
形成される。該光導波路3上に絶縁体からなるバッファ
層4を介して抵抗発熱体5が装荷される。光源7からの
出射光を光導波路3の一端に集光すると、基本波が光導
波路3に励起され、分極反転層2と基板1の効果により
第2高調波が疑似的に基本波と位相整合することにより
光導波路3の他端より出射する。前記抵抗発熱体5によ
り光導端路の温度を変化させるため、安定して高調波の
発生が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、安定化高調波発生装置に関し、
より詳細には、非線形光学素子、高調波発生素子、短波
長光源における安定化高調波発生装置に関する。例え
ば、光ディスクメモリ、光プリンタ、光計測等に適用さ
れるものである。
【0002】
【従来技術】本発明に係る従来技術を記載した公知文献
としては、例えば、特開平2−242236号公報に
「光波処理のための光学装置及びその製造方法と周波数
二倍器」がある。図7(a),(b)は、上記公報に記
載された光学装置を示す図で、図中、21は基板、22
は基板表面、23は導波路、24−1〜24−nはドー
ピングゾーンである。符号XYZで表される画面に方向
が合わせられた基板21は、該基板表面22に軸Xに沿
って配向された光導波路23を有する。該光導波路23
に沿って長さ方向にドーピングゾーン24−1,24−
2,…,24−nが配設されている。このゾーンの配設
ピッチは、入射光波の第2の調波の生成に対するコヒー
レンス長の2倍に等しい。方向Xに沿ったドーピングゾ
ーンの長さは光波の1コヒーレンス長に等しい。
【0003】図(b)の平面図からわかるように、ドー
ピングゾーン24−1,24−2,…,24−nは、光
導波路23の方向Xに垂直なストリップの形態に作製さ
れている。LiNbO3,LiTaO3等の誘電体基板2
に、ドービングにより周期的分極反転層が形成され、さ
らに、その上に光導波路23が形成されている。周期的
分極反転層の周期は、基本波に対する光導波路の等価屈
折率と、第2高調波に対する等価屈折率及び基本波長か
ら求まるコヒーレント長の偶数倍となっている。この構
造の素子の一端に基本波となるコヒーレント光を入射す
ると、第2高調波が基本波とともに他端より出射する。
【0004】このように、従来技術においては、高調波
発生素子中の光導波路端に基本波を入射すると他端から
第2高調波と基本波が出射するようになっている。しか
し、Kazuhisa Yamamoto、他2名「Milliwatt-order blu
e-light generation in a periodically domain-invert
ed LiTaO3 waveguide」(Optics LETTERS,Vol 16,No1
5,August 1,1991)に示すように、従来技術の素子にお
いては、入射する基本波の波長が少し変動したり、素子
の温度が周囲温度の変動により少し変化した場合、基本
波と第2高調波の位相整合条件からずれが生じ、基本波
が第2高調波へ効率よく変換しなくなり、第2高調波の
出力が低下してしまう。
【0005】
【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みなされたも
ので、入射する基本波長が変動したり、周囲温度の変化
により素子の温度が低下した場合に第2高調波の出力が
低下しないような安定化高調波発生装置を提供すること
を目的としてなされたものである。
【0006】
【構成】本発明は、上記目的を達成するために、(1)
光源と、強誘電性の非線形光学材料からなる基板と、平
面型の光導波路と、コヒーレンス長の整数倍のピッチを
持つ屈折率分散手段と、光検知器と、基本波と高調波の
分離手段と、前記光導波路に近接して設けられた発熱体
あるいは吸熱体とから成り、該発熱体あるいは吸熱体に
より光導波路の温度を変調し、該変調による高調波出力
の変化をモニタすることで、バイアス電圧を変化させて
位相整合ずれを補正し、高調波出力を安定化したこと、
更には、(2)前記発熱体として抵抗発熱体を用い、光
導波路上に積層したこと、更には、(3)前記(1)又
は(2)において、前記発熱体あるいは吸熱体とは別に
他の発熱体あるいは吸熱体を光導波路に近接して設け、
一方の発熱体あるいは吸熱体により光導波路の温度を変
調し、該変調による高調波出力の変化をモニタすること
により他方の発熱体あるいは吸熱体を制御して、光導波
路の温度を変化させて位相整合ずれを補正し、高調波出
力を安定化したこと、更には、(4)前記(1)又は
(2)において、前記光源として、温度制御装置付の半
導体レーザを用い、発熱体あるいは吸熱体により光導波
路の温度を変調し、光検出器により高調波出力をモニタ
し、半導体レーザの温度制御装置により半導体レーザの
温度を上下させて発振波長を上下させ、位相整合ずれを
補正させることにより高調波出力を安定化させることを
特徴としたものである。以下、本発明の実施例に基づい
て説明する。
【0007】図1及び図2は、本発明による安定化高調
波発生装置の一実施例を説明するための構成図で、図
中、1は基板、2は分極反転層、3は光導波路、4はバ
ッファ層、5は抵抗発熱体、6a,6bは電極、7は光
源、8,9は集光レンズ、10はフィルタ、11はミラ
ー、12は光検知器、13はペルチェ素子である。非線
形光学効果を有する基板1上に周期的分極反転層2が形
成され、さらに基板中に光導波路3が形成されている。
さらに、光導波路3上に電気的絶縁体からなるバッファ
層4を介して抵抗発熱体5が装荷されている。この構造
の素子が、図2に示すように光源7からの出射光が集光
レンズ8により図1の素子の光導波路3の一端に集光さ
れる。これにより基本波が光導波路3に励起される。
【0008】次に、周期的分極反転層2及び基板1の効
果により第2高調波が疑似的に基本波と位相整合するこ
とにより光導波路3の他端から出射する。出射した基本
波と第2高調波は集光レンズ9によりコリメートされた
後、基本波を吸収あるいは反射し、第2高調波のみを透
過させるフィルタ10を通して第2高調波のみを取出
す。次にミラー11を用いて、出力した第2高調波の一
部を反射させ光検知器12に導き、光出力をモニタす
る。この状態において、電極6a,6b間にパルス波を
印加する。これを図3(a)〜(c)で説明する。電極
6aと6bの間に印加するパルス電圧は図(a)の正弦
波の成分と、図(b)の直流成分(バイアス電圧VB
とを合わせた図(c)に示すようなパルスである。
【0009】図3(c)のような波形のパルスを印加す
ることにより、第2高調波のパワーをモニタしている光
検知器からの出力を比較する。これを図4及び図5によ
り説明する。図4は、横軸が光導波路3の温度、縦軸が
光検出器12でモニタされる第2高調波の光パワーであ
る。ここで、抵抗発熱体5に、図3の(b)に示すVB
という電圧が印加されている時に、基本波と第2高調波
の疑似位相整合がとれ、第2高調波(SHG)が発生し
ているとする。この時は、図4における点Cの位置が示
す状態となっている。ここで周囲温度の変化や光源の波
長変化がない場合には、図4のグラフは実線で示したよ
うなものになり、図5(a)に示されたパルスを電極6
a,6b間に印加した場合は、抵抗発熱体5からの発熱
量が図5(a)のパルスにしたがって変化するため、光
導波路3の温度Tは同様に上下に変化し、高調波発生装
置の状態が点Cを中心として実線のグラフ上を左右に動
くことになり、光導波路3からの第2高調波出力が状態
が点Cから離れるにしたがい低下するため、図5(a)
の印加パルスに対して、図5(b)に示すような周期が
約2倍の光出力信号が光検出器12から得られる。
【0010】これに対して、高調波発生素子の周囲温度
が低下し、状態がたとえば、点Aで示すように、最高の
第2高調波出力が得られる点Cから低温側に動いた場
合、前と同様に電極6a,6b間に図5(a)のパルス
を印加すると、光導波路3の温度Tはそれに従って上下
し、さらに第2高調波出力は、たとえば点Aを中心に温
度Tが上昇すれば、増加し、下降すれば減少するため、
図5(c)に示すように、図5(a)の印加パルスとほ
ぼ同じかそれに近い位相関係の出力信号が得られる。反
対に高調波発生素子の周囲温度が上昇し、状態がたとえ
ば、点Bで示すように、最高の第2高調波出力が得られ
る点Cから高温側へ動いた場合、同様に電極6a,6b
間に図5(a)のパルスを印加すると、光導波路3の温
度Tはそれに従って上下し、さらに、第2高調波出力
は、たとえば、点Bを中心に温度Tが上昇すれば減少
し、下降すれば増加するため、図5(d)に示すよう
に、図5(a)の印加パルスとほぼ逆相かそれに近い出
力信号が得られる。
【0011】次に、光源7の波長λが長波長側へややシ
フトしたとする。このとき図4の実線のグラフはやや高
温側にシフトし、λ>λ0のグラフ(破線)のようにな
る。最初に高調波発生素子の状態が点Cのようになって
いたとすると、光源7の波長シフトにより状態は点Dで
示す点に移る。このとき前述の場合と同様に電極6a,
6b間に図5(a)で示されたパルスを印加すると、光
導波路3の温度T1はそれにしたがって上下し、さらに
第2高調波出力は点Dを中心として温度Tが上昇すれば
増加し、下降すれば減少する。このため図5(c)に示
すように、図5(a)の印加パルスとほぼ同じかそれに
近い位相関係の出力信号が得られる。反対に光源7の波
長λが短波長側へややシフトしたとする。このとき図4
の実線のグラフはやや低温側にシフトし、λ<λ0のグ
ラフ(破線)のようになる。最初に高調波発生素子の状
態が点Cで示されるようになっていたとすると、光源7
の波長シフトにより状態はやはり点Dで示す点に移る。
このとき、前述の場合と同様に電極6a,6b間に図5
(a)で示されたパルスを印加すると光導波路3の温度
Tはそれに従って上下し、さらに第2高調波出力は点D
を中心にして温度Tが上昇すれば減少し、下降すれば増
加する。このため、図5(d)に示すように、図5
(a)の印加パルスとほぼ逆相か、それに近い出力信号
が得られることになる。
【0012】このため、図5(b),(c),(d)の信
号を区別して検出することができれば、以下のようにし
て位相整合状態からのずれを補正することができる。 高調波発生素子の周囲温度の低下による光導波路3の
温度Tが低下あるいは、光源波長が長波長側にシフトし
た場合には、図5(a)の入力パルスに対して図5
(c)に示す出力信号が得られる。この場合は、図3に
示したバイアス電圧VBを上げて、平均的な抵抗発熱体
5の発熱量を増加させることにより位相整合のずれを補
正することができる。これは図5(c)の信号が検出さ
れる間は行われ、図5(b)の信号が得られた所でVB
を一定とすれば位相整合がとれ、第2高調波出力が最大
となる。 高調波発生素子の周囲温度の上昇あるいは光源波長が
短波長側にシフトした場合には、図5(a)の入力パル
スに対して図5(d)に示す信号が得られる。この場合
は図3に示したバイアス電圧VBを下げることにより抵
抗発熱体の平均的な発熱量を減少させ、位相整合のずれ
を補正することができる。これは図5(d)の信号が検
出される間行われ、図5(b)の信号が得られた所で、
Bを一定とすればよい。これにより位相整合がとれ、
第2高調波出力が最大となる。
【0013】次に、図5(b),(c),(d)の各信号
の判別法について説明する。例として、図5(a),
(b),(c),(d)とも各信号からDC成分を分離し
て±に変化する交流成分をとり出す。これを図5
(a)′(b)′,(c)′(d)′とする。図5(a)′
に対して、それぞれ図5(b)′,(c)′,(d)′との
積をとる。これらの信号を(a)″,(b)″,(c)″と
する。次に、図5(a)の信号の±の各ピークにおい
て、(b)″,(c)″,(d)″の各信号の符号をサンプ
リングすると、(b)″は、−,+,−,+と±に交互
に変化するのに対して、(c)″,(d)″ではそれぞれ
(+,+,+,+),(−,−,−,−)と恒に符号が
同符号となる。これを区別することにより、図5
(b),(c),(d)の信号を判別することができる。
また、(b)″,(c)″,(d)″の各信号をローパスフ
ィルタを通して平均化すると、(b)″は0レベルに近
く、(b)″は+信号、(c)″は−の信号が得られ、こ
の値をあるしきい値を設けて絶対値がそれ以下になった
ら、図5(b)の信号、しきい値より信号の絶対値が大
きい場合はその符号によって+なら(c)信号、−なら
(d)信号とすることでも図5の(b),(c),(d)
の各信号を判別することができる。
【0014】以上が、位相整合の安定化原理であるが、
さらにつけ加えると、基板1としては誘電体のLiTa
3−Z板を用いているが、LiNbO3+Z板、KTP
その他の非線形光学材料が使用可能である。次に周期的
分極、反転層2については、LiTaO3についてはプ
ロトン交換+アニールによる方法、LiNbO3につい
てはTi拡散+アニールあるいはSiO2層装荷+アニ
ール、その他電子ビーム照射、不純物イオンに注入等の
方法が可能である。KTPではRb+、Ba2+イオン
交換法等が考えられる。光導波路3は、3次元光導波路
となっているが、2次元光導波路でも可能である。
【0015】本実施例では、プロトン交換光導波路(プ
ロトン交換+アニールにより作製)を用いているが、
K,Ag,Cu,Rb,Cs,Tl等のイオン交換導波
路、あるいは不純物のイオン注入によっても作製でき
る。あるいは、TiO2等の高屈折材料をCVD、スパ
ッタリング等の方法で装荷したり、LiNbO3等をC
VD、スパッタリング、液相成長等の方法で装荷するこ
とによっても形成可能である。さらに、バッファ層4
は、光導波路4よりも屈折率が低く電気的に絶縁性の材
料であることが望ましい。この層は光導波路3における
基本波及び第2高調波のモードが発熱層5により吸収さ
れないようにするために必要なものである。しかし、吸
収を無視することができれば、この層は必ずしも必要で
はない。
【0016】次に、抵抗発熱体5については、導電性の
金属材料や酸化物等をバッファ層の上に直接形成したも
ので、Ti,Ta,Cr,Ni等の金属やInO2等の
導電性材料が考えられる。形成法としては、メッキ(電
鋳)、蒸着、スパッタリング、その他の方法が考えられ
る。パターニングの方法としては、フォトリソグラフィ
ーの手法を用いた選択エッチングやリフトオフ等の方法
が考えられる。さらに、抵抗発熱体5は、必ずしも薄膜
である必要がなくワイヤー等でもよい。また、その位置
はバッファ層4上のみでなく基板の周囲に設置してもよ
い。
【0017】次に、光源7については、コヒーレンス性
のよいものが望ましく、実施例では、半導体レーザダイ
オードとなっているが、これに限らず各種固体、気体、
色素レーザ等や第2高調波光源なども考えられる。集光
レンズ8については通常の単レンズの他に組合せのレン
ズでもよく、また光源が半導体レーザのように点光源の
場合は、集光レンズ8は必要でなく光源7と光導波路3
を直接接続することも可能である。
【0018】次に、集光レンズ9は光導波路3からの出
射光をコリメートするためのもので、発散光源でよけれ
ば、必ずしも必要ではない。さらに、フィルタ10は基
本波を吸収あるいは反射させ、第2高調波を透過させ
て、2つを分離するのに用いている。このほかに、波長
分散の大きい材料からなる三角プリズムにより基本波と
第2高調波を分離することも考えられる。光検知器12
は、ミラー11を介して第2高調波パワーをモニタして
いるが、ミラー11は必ずしも必要ではなく、光検知器
12で直接第2高調波光の一部を受光してもよく、さら
にフィルタ10と一体化させることもできる。さらに印
加パルスは正弦波状のみならず三角波、方形波、その他
の形状のものでもよい。
【0019】次に、他の実施例を図6を用いて説明す
る。本実施例では、図1及び図2で示した抵抗発熱体5
のかわりにペルチェ素子13を用いたもので、この場合
は基板1とペルチェ素子をほぼ密着して設置してある。
ペルチェ素子13も抵抗発熱体5とまったく同様に印加
が電圧の大小により発熱量を制御することができる。さ
らに、この実施例では吸熱により温度を変化させること
も可能で、この場合はペルチェ素子に逆電圧を印加する
ことによって行なうことができる。この場合、前記実施
例での温度制御法において熱放散のかわりに熱吸収を用
いることにより、図5(a)のパルスに対して、図5
(b),(c),(d)のように符号は反対だが、やはり
同様な出力が得られる。これらの信号出力を区別するこ
とにより前記実施例と同様な位相整合の安定化が可能で
ある(この場合は図6中の抵抗発熱体5及び電極6a,
6bは不要)。
【0020】さらに、他の実施例を図6を用いて説明す
る。この実施例では抵抗発熱体5とペルチェ素子13を
併用するもので抵抗発熱体5に図5(a)で示すパルス
を電極6a,6b間に印加し、図5(b),(c),
(d)のような信号が光検知器から得られる。ここまで
は図1及び図2の実施例と同様である。次に、位相整合
状態からのずれの補正方法として、 高調波発生素子の周囲温度が低下するか、光源波長が
長波長側にシフトした場合には、図5(a)の入力パル
スに対して図5(c)に示す出力が得られる。このと
き、ペルチェ素子13を発熱動作させるような極性の電
圧を電極16a,16b間に印加して光導波路Bの温度
Tを上昇させて位相整合ずれを補正する。 高調波発生素子の周囲温度が上昇するか、光源波長が
短波長側にシフトした場合には、図5(a)の入力パル
スに対して図5(d)に示す出力が得られる。このとき
ペルチェ素子13を吸熱動作させるような極性の電圧を
16a,16b間に印加することにより光導波路3の温
度Tを下降させ位相整合ずれを補正する。
【0021】,いずれの場合も図5(b)の信号が
得られた時点でペルチェ素子13へ印加した電圧を一定
に保ち、位相整合状態を保持するようにする。さらに、
,のように素子の状態が変化した場合、の場合は
光導波路3の温度Tが増加するように、また、の場合
は、光導波路3の温度Tが減少するように印加電圧及び
その極性を選んで制御するようにすれば位相整合ずれを
補正することができる。この他の点では図1及び図2の
実施例の場合と同様である。またペルチェ素子13は抵
抗発熱体5と置き換えることも可能であり、この場合発
熱動作のみとなり、高調波発生素子の温度の上下は16
a,16b間に印加する電圧を上下させることによって
行う。
【0022】さらに、他の実施例を図1及び図2を用い
て説明する。この実施例は、図1,2で説明した実施例
と同様であるが、光源7として半導体レーザを用いてお
り、かつ、これに抵抗発熱体あるいはペルチェ素子13
を近接して設けてあるところが異なる。この場合につい
て位相整合ずれの補正方法を説明する。 高調波発生素子の周囲温度が低下するか、半導体レー
ザの出力増加等により発振波長が長波長側へシフトした
場合には、図5(a)の入力パルスに対して図5(c)
の出力が得られる。このとき抵抗発熱体あるいはペルチ
ェ素子13を制御して光源7の素子温度を下げることに
より、光源7の発振波長を短波長ヘシフトさせ、位相整
合のずれを補正することができる。 反対に高調波発生素子の周囲温度が上昇するか、光源
である半導体レーザの出力低下等により発振波長の短波
長側へシフトした場合は、図5(a)の入力パルスに対
して図5(d)の出力が得られる。このとき抵抗発熱体
あるいはペルチェ素子13を制御して光源7の素子温度
を上げることにより、光源7の発振波長を長波長側にシ
フトさせて位相整合のずれを補正することができる。さ
らに、ここでは図5(b)の信号が検出されたところで
そのままの温度を維持するように抵抗発熱体あるいはペ
ルチェ素子13を制御すればよい。 この他の点では図1及び図2の実施例と同様である。
【0023】次に周期的分極反転層の周期について述べ
る。光源7の波長(基本波の波長)をλ(空気中)と
し、光導波路3の波長λにおける導波モードの等価屈
折率をn、これに対して第2高調波(波長1/2
λ)に対応する導波モードの等価屈折率をnSHとす
るとき、コヒーレンス長Lcは次式で与えられる。
【0024】
【数1】
【0025】次に、周期的分極反転層2の周期をΛとす
ると Λ=2mLc(m=1,2,3…)…(2) を満たす必要がある。ただし、mが奇数のときは分極反
転層と分極反転していない部分の長さの割合は1:1が
望ましく偶数のときはそれ以外の条件が望ましい。さら
に各実施例においては、第2高調波を発生させるように
しているが、式(1)のnSHとして高次の高調波の等
価屈折率を選べば、高次の高調波も発生可能である。
【0026】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と、以下のような効果がある。 (1)請求項1に対応する効果:発熱体あるいは吸熱体
により光導波路の温度を変調し、高調波の出力変化を光
検知器でモニタしており、周囲温度の変動や光源波長変
動に対して、位相整合ずれを補正するように光導波路の
温度を変化させるため、つねに安定して高調波の発生が
可能になる。 (2)請求項2に対応する効果:請求項1の効果に加
え、発熱体として抵抗発熱体を光導波路上に積層して作
製しているため、光導波路の温度上昇時の応答時間が短
かく、請求項1の装置より早く温度変調することができ
るだけでなく、温度上昇に必要な発熱量も少なくてすむ
利点がある。 (3)請求項3に対応する効果:請求項1あるいは2の
構成に加えて、さらに別の発熱体あるいは吸熱体で、光
導波路の温度を上下させることができるため、温度変調
用の発熱体あるいは吸熱体と平均的な温度の上下をさせ
る発熱体あるいは吸熱体を別々に制御することができ、
制御装置回路が請求項1,2の装置に比べて簡単にな
る。 (4)請求項4に対応する効果:請求項1,2の装置に
おいて光源として温度制御装置付の半導体レーザを用い
ているため、光源波長を変化することにより位相整合ず
れを補正して、安定して高調波の発生が可能になるとと
もに、光源の出力変化に伴う波長変化を補正することが
でき、さらに光源の出力を変化させても発生する高調波
の波長変動を請求項1,2の装置に比べて少なく抑える
ことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による高調波発生素子の一実施例を説
明するための構成図である。
【図2】 図1の高調波発生素子を用いた安定化高調波
発生装置を示す図である。
【図3】 電極に印加されるパルス波形を示す図であ
る。
【図4】 光導波路の温度に対する第2高調波の光パワ
ーを示す図である。
【図5】 電極に印加されるパルス波形を示す図であ
る。
【図6】 本発明による安定化高調波発生装置の他の実
施例を示す図である。
【図7】 従来の高調波発生装置を示す図である。
【符号の説明】
1…基板、2…分極反転層、3…光導波路、4…バッフ
ァ層、5…抵抗発熱体、6a,6b…電極、7…光源、
8,9…集光レンズ、10…フィルタ、11…ミラー、
12…光検知器、13…ペルチェ素子。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、強誘電性の非線形光学材料から
    なる基板と、平面型の光導波路と、コヒーレンス長の整
    数倍のピッチを持つ屈折率分散手段と、光検知器と基本
    波と高調波の分離手段と、前記光導波路に近接して設け
    られた発熱体あるいは吸熱体とから成り、該発熱体ある
    いは吸熱体により光導波路の温度を変調し、該変調によ
    る高調波出力の変化をモニタすることで、バイアス電圧
    を変化させて位相整合ずれを補正し、高調波出力を安定
    化したことを特徴とする安定化高調波発生装置。
  2. 【請求項2】 前記発熱体として抵抗発熱体を用い、光
    導波路上に積層したことを特徴とする請求項1記載の安
    定化高調波発生装置。
  3. 【請求項3】 前記発熱体あるいは吸熱体とは別に他の
    発熱体あるいは吸熱体を光導波路に近接して設け、一方
    の発熱体あるいは吸熱体により光導波路の温度を変調
    し、該変調による高調波出力の変化をモニタすることに
    より他方の発熱体あるいは吸熱体を制御して、光導波路
    の温度を変化させて位相整合ずれを補正し、高調波出力
    を安定化したことを特徴とする請求項1又は2記載の安
    定化高調波発生装置。
  4. 【請求項4】 前記光源として、温度制御装置付の半導
    体レーザを用い、発熱体あるいは吸熱体により光導波路
    の温度を変調し、光検出器により高調波出力をモニタ
    し、半導体レーザの温度制御装置により半導体レーザの
    温度を上下させて発振波長を上下させ、位相整合ずれを
    補正させることにより高調波出力を安定化させることを
    特徴とする請求項1又は2記載の安定化高調波発生装
    置。
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