JPH05322924A - 角加速度測定装置 - Google Patents

角加速度測定装置

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JPH05322924A JP4124000A JP12400092A JPH05322924A JP H05322924 A JPH05322924 A JP H05322924A JP 4124000 A JP4124000 A JP 4124000A JP 12400092 A JP12400092 A JP 12400092A JP H05322924 A JPH05322924 A JP H05322924A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気エンコーダや光学エンコーダ等におい
て、インダクタやスリット板等の偏心に起因する測定誤
差を低減させて測定精度を向上させる。 【構成】 一対のパルスピックアップ2−1,2−2を
インダクタ1の機械的位相差が180°となる位置関係
に取り付ける。一対のパルスピックアップ2−1,2−
2からの回転パルスをパルス成形回路3−1,3−2と
F/V変換器6−1,6−2とにより個別に処理する。
F/V変換器6−1,6−2の出力をアナログ加算器7
が加算・平均化する。回転パルスは180°の機械的位
相差をもつので、インダクタ偏心による誤差が相殺され
る。アナログ加算器7の出力を角速度信号とする。角速
度信号を微分回路8が微分して角加速度信号を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、磁気エンコーダや光
学エンコーダ等の角加速度測定装置に係わり、特にイン
ダクタやスリット板の偏心に起因する誤差を低減させて
測定精度を向上させたものに関する。
【0002】
【従来の技術】シャーシダイナモメータやパワートレイ
ン試験機の電気慣性補償(あるいは制御)等では、角加
速度が重要な制御パラメータとなる。角加速度測定装置
には、測定対象の回転をパルスピックアップで検出し、
その検出信号をF/V変換する方式がある。この方式に
よる従来の測定装置には、応答速度を高めるために、1
80°の電気的な位相差に相当する位置関係をもって一
対のパルスピックアップを設置し、両者の検出信号を加
算することで倍周波数を得るものがある(特開昭59−
217167号参照)。
【0003】また図4に示すような構成で倍周波数を得
る方式も一般的である。1はインダクタ、2はパルスピ
ックアップ、3はパルスピックアップの検出信号を波形
成形する波形成形回路、4は微分回路、5は微分波形を
整流する整流回路、6はF/V変換器である。すなわち
パルスピックアップ2の出力Aを波形成形したときに生
じる矩形波の微分波形Cを整流し、矩形波Bの立ち上が
りおよび立ち下がりの両方のタイミングで発生するパル
ス波DをF/V変換器6に供給する。角加速度測定装置
の場合、上記の構成により得られた角速度信号を微分し
て角加速度信号を求める。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の構
成による角加速度測定装置では、磁気的なパルス発生器
に磁束変化をもたらす歯車状インダクタの歯のピッチエ
ラーの他、インダクタと軸との偏心によって生ずる微小
な周波数変動が問題となる。同様の問題は、光学的セン
サによって回転数比例の周波数パルスを発生するいわゆ
るロータリエンコーダにも存在する。この周波数変動に
よる検出信号中の誤差成分は、特に角加速度を測定する
場合に大きくなり、特に速度の二乗に比例して大きくな
るため、高速運転時に無視できなくなる。
【0005】この発明は、かかる問題点に鑑み、磁気エ
ンコーダや光学エンコーダ等、回転軸に回転板を付設し
て回転パルス発生器により回転板の回転を検出する角加
速度測定装置において、回転板の偏心に起因する測定誤
差を低減させて測定精度を向上させることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】この発明は、
上記の目的を達成するために、回転軸の角加速度を測定
するものであって、前記回転軸に付設される回転板と、
該回転板の回転数に比例する回転パルスを発生する回転
パルス発生器と、回転パルス周波数をF/V変換して角
速度信号を得さらに該角加速度信号を微分して角加速度
信号を得て出力する回転パルス処理手段とを有する装置
において、次の措置を講じたものである。
【0007】すなわち、回転パルス発生器は所定の位置
関係をもって複数設置するものとし、このことによりほ
ぼ等位相差をもって機械的位相がずれた複数の回転パル
スを得る。そして回転パルス処理手段により各回転パル
スを処理するにあたって、各回転パルス発生器に対応し
て設けた複数の信号処理要素により、各回転パルスを処
理のいずれかの段階、たとえばF/V変換前あるいは微
分前まで個別に処理する。この後、処理信号重畳要素に
よりF/V変換前のパルス信号あるいは微分前の電圧信
号を重畳し、以降の処理はこの重畳後の信号を用いて行
う。このことにより、各回転パルスに含まれる回転板の
偏心による周波数変動を相殺する。
【0008】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。ここで
は、この発明を磁気エンコーダに適用した例を説明す
る。第1の実施例に係る装置の構成を図1に示す。この
図において従来と同じあるいは相当する部分には同じ符
号を付して説明を省略する。この実施例では、一対のパ
ルスピックアップ2−1,2−2が設けられている。こ
のパルスピックアップ2−1,2−2は、インダクタ1
の機械的位相差が180°となる位置関係に取り付けら
れる。またパルスピックアップ2−1,2−2を一対と
したことに対応してパルス成形回路3−1,3−2とF
/V変換器6−1,6−2も一対設けられている。アナ
ログ加算器7は、F/V変換器6−1,6−2が出力す
る電圧信号を加算・平均化するものである。この加算器
7の出力は角速度信号として取り扱われる。微分回路8
は角速度信号を微分して角加速度信号を得るものであ
る。また、パルスピックアップ2−1,2−2の回転パ
ルスの処理系のそれぞれについて図4に示すような逓倍
機能を付加し、応答速度を向上させることも可能であ
る。
【0009】次に、この実施例の動作を説明するにあた
って、まずインダクタ1と回転軸(図示せず)との偏心
が角加速度信号に及ぼす影響について説明する。インダ
クタと軸との偏心の様子を図2に示す。図において、O
は軸中心、O′はインダクタ中心、eはインダクタと軸
との間の偏心量、Rはインダクタの外周半径、nは軸の
回転周波数(S-1 or rpm)である。インダクタの周
速vは近似式(1)で示される。
【0010】
【数1】 v≒2πRn+2πen sin(2πnt) …(1) パルスピックアップの出力周波数fはこの周速vに比例
する。F/V変換器に周波数fなるパルス列が入力され
ると、F/V変換器の出力Vは周速vに比例した値にな
るが、この結果、出力Vには式(2)に示すようにesi
n(2πnt)/Rの割合の誤差信号が含まれることに
なる。
【0011】
【数2】 V≒K{2πRn+2πen sin(2πnt)} …(2) したがって角加速度信号を微分すると
【0012】
【数3】 dV/dt≒K{2πR(dn/dt)+(2πn)2e cos(2πnt)+2π ne sin(2πnt)(dn/dt)} …(3) となる。式(3)中、{}内の第3項は第2項と比較す
ると通常無視することができるので、第2項を角加速度
の誤差成分とみなすことができる。
【0013】ここで直径1061mmのローラをもつシ
ャーシダイナモメータにおいて、e/Rが1/2000
であるインダクタを仮定すると、n=8.33S-1(5
00rpm)にて周速が100km/hであるから
【0014】
【数4】 KR=100/(2π×8.33)≒1.91[(km/h)/S] …(4) したがってローラ用周速換算の加速度誤差は
【0015】
【数5】 K(2πn)2e=K(2πn)2R/2000=1.91/2000(2π× 8.33)2=2.62[(km/h)/S] …(5) 重力の加速度を1Gとすると1G≒35.3[(km/
h)/S]なので、この誤差は0.74Gに相当し、通
常のシャーシダイナモメータにおける加速度レンジ±
0.5Gと比較してかなり大きな値となる。この誤差は
速度の二乗に比例するので50km/h以下の試験では
あまり目立たないが、高速度での試験では無視できなく
なる。
【0016】以上のことを前提としてみると、この実施
例では、パルスピックアップ2−1,2−2が180°
の機械的位相差をもつので、両者の回転パルスから得ら
れる電圧信号(速度信号)をアナログ加算器7により重
畳することにより、式(3)中{}内の第3項が互いに
打ち消し合い、角加速度誤差が最小となる。また同様に
角速度誤差も最小となる。インダクタ1のピッチエラー
や回転軸自体の微小な偏心、軸受の微小な隙間のかたよ
り等の影響が存在するため、この実施例によっても依然
として角加速度誤差を生じるが、その大きさは従来と比
べて1/5〜1/10と大幅に低減した。したがってシ
ャーシダイナモメータやパワートレイン試験機において
電気的慣性補償(または制御)を行う場合、あるいはそ
の他の角加速度信号を用いる測定装置・制御装置にこの
実施例を適用すれば、制御の応答速度や精度を向上させ
ることができる。
【0017】次に、この発明の第2の実施例を説明す
る。第2の実施例に係る装置の構成を図3に示す。図に
示すように、加算回路7の代わりに、F/V変換器6の
前段にパルス成形回路3−1,3−2の出力パルスを加
算するパルス加算回路9を挿入すれば、1つのF/V変
換器6で済むこととなる。この場合、パルス加算回路9
には、パルス成形回路3−1,3−2の出力パルスが重
ならないようにパルス列重複防止機能を付加しておけば
よい。あるいは回転パルスがたとえば180°程度の位
相差をもつように、パルスピックアップ2−1,2−2
の取り付け位置を設定しておけばよい。
【0018】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ほぼ等位相差をもって機械的位相をずらして複数の回転
パルスを検出し、各回転パルスから生成される処理信号
を重畳したうえで角加速度信号を求めることにより、各
回転パルスに含まれる回転板の偏心による周波数変動を
相殺し、角加速度の測定誤差を低減することができる。
それゆえシャーシダイナモメータやパワートレイン試験
機の電気的慣性補償(または制御)に適用すれば、特に
高速試験の際の制御精度が向上する。また、検出周波数
の逓倍機能を併設することも可能であるので、応答速度
および測定精度共に優れた角加速度測定を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る角加速度測定装置の構成を
示すブロック図。
【図2】インダクタと軸との偏心の様子を示す説明図。
【図3】第2の実施例に係る角加速度測定装置の構成を
示すブロック図。
【図4】従来の角速度測定装置の構成を示すブロック
図。
【符号の説明】
1…インダクタ 2−1,2−2…パルスピックアップ 3−1,3−2…パルス成形回路 6,6−1,6−2…F/V変換器 7…アナログ加算器 8…微分回路 9…パルス加算器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の角加速度を測定するものであっ
    て、前記回転軸に付設される回転板と、該回転板の回転
    数に比例する回転パルスを発生する回転パルス発生器
    と、回転パルス周波数をF/V変換して角速度信号を得
    さらに該角加速度信号を微分して角加速度信号を得て出
    力する回転パルス処理手段とを有する装置において、 前記回転パルス発生器は、ほぼ等位相差をもって機械的
    位相をずらして複数設置されるものとする一方、 前記回転パルス処理手段は、前段からの複数の処理信号
    を重畳して後段に出力する処理信号重畳要素を有すると
    共に、該処理信号重畳要素の前段には各回転パルス発生
    器に対応して複数の信号処理要素を備えたことを特徴と
    する角加速度測定装置。
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