JPH05322556A - ポアソン比の測定装置及び測定方法 - Google Patents

ポアソン比の測定装置及び測定方法

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JPH05322556A
JPH05322556A JP14783791A JP14783791A JPH05322556A JP H05322556 A JPH05322556 A JP H05322556A JP 14783791 A JP14783791 A JP 14783791A JP 14783791 A JP14783791 A JP 14783791A JP H05322556 A JPH05322556 A JP H05322556A
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measuring
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Yoshichika Matsutake
慶親 松武
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ターゲットの作製及びターゲットに対する照
明の調整等、測定に要する前準備を簡略化するととも
に、装置の小型化と簡潔化を図り、それによって正確な
測定を容易に行なえるようにする。 【構成】 引張り方向の力を加えられる試験片1にそれ
ぞれ独立して取り付けられ、かつ上記試験片1の側方に
平行に位置する複数の測定部材21,21(21a,2
1a)と、この測定部材21,21(21a,21a)
の位置する領域にレーザ光を照射して、複数の測定部材
間の距離を測定する第一のレーザ変位計41と、上記試
験片1の標線2a,2b間の位置する領域にレーザ光を
照射して、標線2a,2b間の距離を測定する第二のレ
ーザ変位計42とを備え、上記試験片1に引張り方向の
力を加える前後の、測定部材21,21(21a,21
a)の変位量から縦ひずみを求め、また試験片における
標線間の変位量から横ひずみを求め、さらにこれら縦ひ
ずみと横ひずみの比からポアソン比を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦ひずみと横ひずみを
レーザ変位計によって非接触測定し、かつこれらの測定
結果よりポアソン比を求める測定装置と測定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチックを用いた成形品の用途は、
各種分野においてますます拡大する傾向にある。これに
ともない、成形品のデザインの多様化,形状の複雑化,
重量の軽量化等の要求も一段と厳しくなりつつある。こ
のため、成形品の設計に際して行なう応力解析の精度向
上も重要となり、近年、応力解析の方法が種々提案され
ている。成形品の応力解析としては、試験片の引張り方
向に発生する縦ひずみ、及びこれにともなってその垂直
方向に発生する横ひずみとの比、すなわちポアソン比を
求め、その値を用いて解析する方法が有効とされてい
る。通常、ポアソン比は、引張り試験を行って求めるた
め、縦ひずみと横ひずみを同時に測定できる装置が必要
となる。
【0003】従来、縦ひずみと横ひずみを同時に測定す
る装置として、例えば次の二つの装置が知られている。
第一の装置は、西独ツインマー社が商品化しているもの
で、レトラテープや黒マジック等で試験片上にターゲッ
トを作製し、そのターゲットに光を照射して明暗の境界
線をフォトカソード(光−電子変換子)で捉え、発生し
た電子線の中心をターゲットの変位に応じて電磁的にア
パーチャーの中心に修正し、その際の修正電流から伸び
方向の変位量を得るもので、縮み方向の変位は試験片背
面に暗帯を設けて、試験片境界をターゲットとして検出
するものである。また、第二の装置は、特開昭63-44105
号に記載されているように、絞りの断面積によって影響
される光線束の強さを検出することによって変位量を得
るようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の装置には次のような問題があった。すなわち、
第一の装置は、ターゲットを照らすための照明が必要に
なるとともに、この照明の調整も難しく、またターゲッ
トの作製も難しいという問題がある。それに加えて、装
置も複雑かつ大型化するという問題がある。また、第二
の装置は、伸び方向の変位を測定するための装置が複雑
であるとともに、縮み方向の変位を測定する装置を別個
に設備しなければならず全体の装置が複雑かつ大型化す
るという問題がある。本発明は上記の問題点にかんがみ
てなされたものであり、ターゲットの作製及びターゲッ
トに対する照明の調整等、測定に要する技能を容易化す
るとともに、装置の小型化と簡略化を可能とし、正確な
測定を行なうことのできるポアソン比の測定装置と測定
方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、試験片の引張り方向に発生する縦ひずみ、及び引張
り方向と垂直の方向に発生する横ひずみとの比からポア
ソン比を求める本発明のポアソン比測定装置は、上記試
験片に引張り方向の力を加える引張り試験機と、上記試
験片にそれぞれ独立して取り付けられ、かつ上記試験片
の側方に平行に位置する複数の測定部材と、この測定部
材の位置する領域にレーザ光を照射して、複数の測定部
材間の距離を測定する第一のレーザ変位計と、上記試験
片の標線間の位置する領域にレーザ光を照射して、標線
間の距離を測定する第二のレーザ変位計と、上記第一及
び第二のレーザ変位計で測定した、引張り方向の力を加
える前後の、上記測定部材間距離及び標線間距離にもと
づいて縦ひずみと横ひずみを求め、かつ両ひずみの比か
らポアソン比を算出する処理手段を備えた構成としてあ
り、好ましくは上記複数の測定部材が、二本の棒状標線
部を有する構成としてある。
【0006】また、試験片の引張り方向に発生する縦ひ
ずみ、及び引張り方向と垂直の方向に発生する横ひずみ
との比からポアソン比を求める本発明のポアソン比測定
方法は、上記試験片に独立して取り付けた測定部材間
の、引張り方向に力を加える前後の変位量を測定し、こ
の変位量にもとづいて縦ひずみを求める工程と、上記試
験片における標線間の、引張り方向に力を加える前後の
変位量を測定し、この変位量にもとづいて横ひずみを求
める工程と、上記両工程で求めた縦ひずみと横ひずみの
比からポアソン比を求める工程とからなる方法としてあ
る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。ま
ず、本発明装置の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。図1は実施例装置の正面図、図2は同じく概略平面
図、図3は図1の要部斜視図を示す。図1において、1
0は引張り試験機であり、本体11の上部及び下部に試
験片1の挾持部12,13を配設してある。これら挾持
部12,13は、それぞれシリンダ等からなる駆動手段
14,15を介して本体11に固定されている。したが
って、挾持部12,13によって両端を挾持された試験
片1は、駆動手段14,15によって引張り方向の力が
加えられる。図3に示すように、試験片1は、中央部付
近の両側縁を標線2a,2bとしてあり、さらに二つの
取付け具22,22を介して二つの測定部材21,21
を、引張り方向及び試験片1の幅方向と垂直方向に標線
部21a,21aが位置するよう取り付けてある。ここ
で、図4,図5(a),図5(b)によって測定部材2
1と取付け具22について説明する。測定部材21は、
標線部21aを棒状に形成し、かつこの棒状標線部21
aを取付け具22によって試験片1と固着させる板状の
固着片21bを形成してある。この固着片21bは、試
験片1の標線2a,2bの間隔より狭い幅としてあり、
なおかつ試験片1との接触を点接触にするため突起部2
1cを設けてある。
【0008】取付け具22は、コ字状の本体23と、こ
のコ字状本体23の一側辺に設けた押圧部材24とで構
成してある。押圧部材24の先端には、コ字状本体23
の他側辺とともに試験片1と固着片21bを挟んで固着
するピン24aと、このピン24aの押圧力を調節する
ねじ部24bと、ピン24aとねじ部2bの間に介在し
て、ピン24bを試験片1へ適切な接触圧で押し付ける
ためのばね24cとからなっている。上記実施例装置に
よれば、測定部材21をピン24aにより押し付けるだ
けで固定しているので、測定部材21の取り付けに際し
て試験片1にひずみを生じさせることがなく、正確な測
定が可能となる。取付け具22は、測定部材21を試験
片1に取り付ける際に、試験片1にひずみが生じないよ
うな構成のものであれば上記実施例に限定されない。本
実施例では測定部材21を二個用い、それぞれが有する
棒状標線部、すなわち二つの棒状標線部21a,21a
が所定の間隔で平行に位置するよう試験片1に取り付け
てある。
【0009】31は後述するレーザ変位計を載置する治
具であり、支柱32に固定されている。支柱32は、底
部にマグネット(図示せず)を設けてあり、このマグネ
ットにより支柱32すなわち治具31を引張り試験機本
体11の任意の位置に着脱自在に固定する。なお、治具
31は恒温槽付きの引張り試験機(例えば、インストロ
ン型引張り試験機)に取り付けられるような形状とする
ことが好ましい。41,42は治具上に載置されたレー
ザ変位計である。第一のレーザ変位計41は、試験片1
の横(縮む)方向の変位を検出すべく、試験片1の幅方
向と垂直の方向に、試験片1を真ん中にして投光器41
aと受光器41bを配置してある(図6(a))。これ
により、投光器41aからのレーザ光は、試験片中央部
の標線2a,2bに向けて照射され、受光器41bは試
験片1で遮光されたレーザ光を受光する(図6
(b))。第二のレーザ変位計42は、試験片1に取り
付けられた二つの測定部材21,21の、二本の棒状標
線部21a,21aを結ぶ面と垂直の方向に、二本の棒
状標線部21a,21aを真ん中にして投光器42aと
受光器42bを配置してある(図7(b))。これによ
り、投光器42aからのレーザ光は、二本の棒状標線部
21a,21a向けて照射され、受光器42bは二本の
棒状標線部21a,21aで遮光されたレーザ光を受光
する(図6(b))。図2において、50はレーザ変位
計41,42の制御手段であり、60はレーザ変位計4
1,42で測定したデータにもとづいて縦ひずみと横ひ
ずみを求め、さらにこれらひずみからポアソン比を算出
する処理手段である。
【0010】次に、上記装置を用いて行うポアソン比測
定方法の一実施例について説明する。試験機10の挾持
部12,13で試験片1の両端を挾持し、試験片1を試
験機10に取り付ける。また、試験片1に、二本の棒状
標線部21a,21aが平行かつ適宜の間隔を有するよ
うに測定部材21,21を取り付ける。そして、試験片
1に引張り方向の力を加える前に、レーザ変位計41,
42のそれぞれの投光器41a,42aよりレーザ光を
照射して、試験片1の標線2a,2bの間隔W及び二本
の棒状標線部21a,21aの間隔Lを測定するととも
に、この測定データを処理手段60に送り記憶させる。
次に、試験機10の駆動手段14,15を作動させて試
験片1の引張り方向に一定時間、一定の力を加える。こ
れにより、試験片1は引張り方向に引き伸ばされるとと
もに幅方向に縮んだ状態となる。ここで再度、レーザ変
位計41,42のそれぞれの投光器41a,42aより
レーザ光を照射して、試験片標線2a,2bの間隔W’
及び二本の棒状標線部21a,21aの間隔L’を測定
して処理手段60に送る。
【0011】処理手段60は、試験片1に引張り力を加
える前後の、試験片標線2a,2bの間隔WとW’の差
より横(縮み)方向の変位△Wと、二本の棒状標線部2
1a,21aの間隔LとL’の差より縦(伸び)方向の
変位△Lを求めるとともに、これらよりそれぞれ横ひず
み(△W/W)と縦ひずみ(△L/LO )を求める。こ
こでLO は、試験片1に押し付けられた突起21c,2
1cの間隔である。次いで、これら横ひずみ(△W/
W)と縦ひずみ(△L/LO )からポアソン比ν=(△
W/W)/(△L/LO )=△W・LO /△L・Wを求
める。上記測定方法において、レーザ変位計41,42
の動作制御は制御手段50からの指示にもとづいて行わ
れる。このようにレーザ変位計を用いて非接触の状態で
測定すると、試験片には引張り試験機からの力のみしか
作用せず、試験片1に測定結果に悪影響を与えるひずみ
を生じることがないので、正確な測定が可能となる。ま
た、試験片1が破断したような場合でも測定計が破損し
たりすることがない。さらに、縦ひずみの測定に測定部
材を用いているので、従来のようにレトラテープや黒マ
ジック等を用いて試験片上にターゲットを作製する必要
がなく、またこれにともない、ターゲットを照らすため
の照明の調整等も必要なくなるので測定ための前準備を
大幅に簡略化することができる。さらにまた、横ひずみ
の測定は試験片1の標線2a,2bの間隔を直接測定し
て求めているので正確な測定が可能となる。
【0012】本発明の装置と方法は上記実施例に限定さ
れるものではなく、要旨の範囲内における種々変形例を
含むものであり、例えば、次のような変形例を含む。 レーザ変位計41,42として、投光器と受光器が一
体的になっている一体型のものを用いた装置と、この装
置を用いた方法。 測定部材21,21の棒状標線部21a,21aを、
引張り方向と垂直で試験片1の幅方向と同じ方向に位置
するようにした装置と、この装置を用いた方法(図8参
照)。 測定部材21の標線部21a,21a棒状以外の形
状、例えば図9(a),(b)に示すように板状とした
装置と、この装置を用いた方法。 この場合、二枚の板状標線部21a,21aによって遮
られる光陰の間隔L(L’)によって変位量を求める。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明のポアソン比測定装
置と測定方法によれば、測定に際し面倒な前準備や調整
を必要とせず簡単にポアソン比の測定を行うことができ
る。また、装置構成が簡素化されており、測定に際し、
試験片に悪影響を与えるような変位やひずみを生じさせ
ることがないので正確なポアソン比の測定が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例装置の正面図である。
【図2】同じく概略平面図である。
【図3】図1の要部斜視図である。
【図4】試験片と測定部材の要部斜視図である。
【図5】図5(a)は測定部材の取り付け状態を示す平
面図、(b)は押圧部材を断面にした(a)の側面図で
ある。
【図6】図6(a)は横ひずみの測定状態を示す斜視
図、(b)は変位の求め方の説明図である。
【図7】図7(a)は縦ひずみの測定状態を示す斜視
図、(b)は変位の求め方の説明図である。
【図8】測定部材の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】図9(a)は測定部材のさらに他の実施例を示
す斜視図、(b)は変位の求め方の説明図である。
【符号の説明】
1…試験片 2a,2b…標線 10…引張り試験機 21…測定部材 21a…標線部 21b…固着片 21c…突起 22…取付け具 24…押圧部材 30…治具 41…第一レーザー変位計 42…第二レーザー変位計
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】図9(a)は測定部材のさらに他の実施例を示
す側面図、(b)は変位の求め方の説明図である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験片の引張り方向に発生する縦ひずみ
    及び引張り方向と垂直の方向に発生する横ひずみとの比
    からポアソン比を求めるポアソン比測定装置であって、 上記試験片に引張り方向の力を加える引張り試験機と、 上記試験片にそれぞれ独立して取り付けられ、かつ上記
    試験片の側方に平行に位置する複数の測定部材と、 この測定部材の位置する領域にレーザ光を照射して、複
    数の測定部材間の距離を測定する第一のレーザ変位計
    と、 上記試験片の標線間の位置する領域にレーザ光を照射し
    て、標線間の距離を測定する第二のレーザ変位計と、 上記第一及び第二のレーザ変位計で測定した、引張り方
    向の力を加える前後の上記測定部材間距離及び標線間距
    離にもとづいて縦ひずみと横ひずみを求め、かつ両ひず
    みの比からポアソン比を算出する処理手段を備えたこと
    を特徴とするポアソン比測定装置。
  2. 【請求項2】 複数の測定部材が、二本の棒状標線部を
    有していることを特徴とした請求項1記載のポアソン比
    測定装置。
  3. 【請求項3】 試験片の引張り方向に発生する縦ひずみ
    及び引張り方向と垂直の方向に発生する横ひずみとの比
    からポアソン比を求めるポアソン比測定方法であって、 上記試験片に独立して取り付けた測定部材間の、引張り
    方向に力を加える前後の変位量を測定し、この変位量に
    もとづいて縦ひずみを求める工程と、 上記試験片における標線間の、引張り方向に力を加える
    前後の変位量を測定し、この変位量にもとづいて横ひず
    みを求める工程と、 上記工程で求めた縦ひずみと横ひずみの比からポアソン
    比を求める工程とからなるポアソン比の測定方法。
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