JPH05322103A - ボイラの制震支持構造体 - Google Patents
ボイラの制震支持構造体Info
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- JPH05322103A JPH05322103A JP12904892A JP12904892A JPH05322103A JP H05322103 A JPH05322103 A JP H05322103A JP 12904892 A JP12904892 A JP 12904892A JP 12904892 A JP12904892 A JP 12904892A JP H05322103 A JPH05322103 A JP H05322103A
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- Japan
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- supporting
- steel frame
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- supporting steel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ボイラ装置における高次の振動モードの影響
を低減し、地震発生時の応答荷重の低減を図ったボイラ
の制振支持構造体を提供する。 【構成】 ボイラ本体2を支持する支持鉄骨1と、ボイ
ラ本体2を支持鉄骨1に吊り下げ支持する吊りロッド3
と、ボイラ本体2と支持鉄骨1の間に設けられ、地震発
生時の両者の相対変位を限度内に制限するサイスミック
タイ4とを設けたものにおいて、ボイラ本体2の火炉部
2aとケージ部2bの間を連結装置5で連結し、この連
結装置は火炉部2aとケージ部2bの熱伸縮による相対
変位に対しては弱い抵抗力を発生するか、抵抗力を発生
せず、地震による急激な相対変位に対しては大きな抵抗
力を発生するように構成する。
を低減し、地震発生時の応答荷重の低減を図ったボイラ
の制振支持構造体を提供する。 【構成】 ボイラ本体2を支持する支持鉄骨1と、ボイ
ラ本体2を支持鉄骨1に吊り下げ支持する吊りロッド3
と、ボイラ本体2と支持鉄骨1の間に設けられ、地震発
生時の両者の相対変位を限度内に制限するサイスミック
タイ4とを設けたものにおいて、ボイラ本体2の火炉部
2aとケージ部2bの間を連結装置5で連結し、この連
結装置は火炉部2aとケージ部2bの熱伸縮による相対
変位に対しては弱い抵抗力を発生するか、抵抗力を発生
せず、地震による急激な相対変位に対しては大きな抵抗
力を発生するように構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボイラの制震支持構造体
に係り、特に地震時の応答荷重の低減を可能としたボイ
ラの制震支持構造体に関する。
に係り、特に地震時の応答荷重の低減を可能としたボイ
ラの制震支持構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のボイラ装置の支持構造を図9に示
す。図において、ボイラ本体2は運転中の熱膨張を拘束
しないようにするため、支持鉄骨1より吊りロッド3に
て吊り下げられている。したがって、地震発生時にはボ
イラ本体2は吊鐘のように振れようとするが、その際に
生ずる支持鉄骨1とボイラ本体2との間の相対変位を限
度内に制限する目的でサイスミックタイ4が設けられて
いる。支持鉄骨1とボイラ本体2との間の相対変位の限
度は、ボイラ本体2に接続される配管やダクトの保護の
観点から設定される。
す。図において、ボイラ本体2は運転中の熱膨張を拘束
しないようにするため、支持鉄骨1より吊りロッド3に
て吊り下げられている。したがって、地震発生時にはボ
イラ本体2は吊鐘のように振れようとするが、その際に
生ずる支持鉄骨1とボイラ本体2との間の相対変位を限
度内に制限する目的でサイスミックタイ4が設けられて
いる。支持鉄骨1とボイラ本体2との間の相対変位の限
度は、ボイラ本体2に接続される配管やダクトの保護の
観点から設定される。
【0003】ボイラ本体2は大別して、火炉部2aとケ
ージ部2bに区分される。火炉部2aは内部をボイラ水
が通過する伝熱管と伝熱管の間を板材で溶接接続してな
る水壁で構成される中空の箱型構造物であるのに対し
て、ケージ部2bは上記箱型構造の中に対流伝熱を行な
うための伝熱管群が設置されている。そのため、単位容
積当たりの質量(質量密度)には大差があり、火炉部2
aの質量密度は小さく、ケージ部2bの質量密度は大き
くなっている。火炉部とケージ部の質量比は1:2、容
積比は2:1、よって質量密度比は1:3である。ボイ
ラ装置の前部と後部または右側と左側を比較した場合、
支持鉄骨1の積載物を含む質量分布および剛性分布は異
なる場合が多い。
ージ部2bに区分される。火炉部2aは内部をボイラ水
が通過する伝熱管と伝熱管の間を板材で溶接接続してな
る水壁で構成される中空の箱型構造物であるのに対し
て、ケージ部2bは上記箱型構造の中に対流伝熱を行な
うための伝熱管群が設置されている。そのため、単位容
積当たりの質量(質量密度)には大差があり、火炉部2
aの質量密度は小さく、ケージ部2bの質量密度は大き
くなっている。火炉部とケージ部の質量比は1:2、容
積比は2:1、よって質量密度比は1:3である。ボイ
ラ装置の前部と後部または右側と左側を比較した場合、
支持鉄骨1の積載物を含む質量分布および剛性分布は異
なる場合が多い。
【0004】以上の通り、ボイラ装置は、支持鉄骨1お
よびボイラ本体2とも前後左右で非対称の剛性分布また
は質量分布を有するのが通常である。ボイラ装置の前後
左右の各部は各々の剛性および質量に応じた固有周期で
振動しようとするが、これを同位相での振動に近づけよ
うとするのが、ボイラの各床レベルに配置された水平ブ
レースの剛性である。上記振動周期について述べると、
最も基本的な自由度系の固有周期Tは、 T=2π√(m/k) mは質量、kは剛性(バネ定数)。鉄骨の質点にFの力
を加えた時に生ずる変位δよりバネ定数kは求まる。
よびボイラ本体2とも前後左右で非対称の剛性分布また
は質量分布を有するのが通常である。ボイラ装置の前後
左右の各部は各々の剛性および質量に応じた固有周期で
振動しようとするが、これを同位相での振動に近づけよ
うとするのが、ボイラの各床レベルに配置された水平ブ
レースの剛性である。上記振動周期について述べると、
最も基本的な自由度系の固有周期Tは、 T=2π√(m/k) mは質量、kは剛性(バネ定数)。鉄骨の質点にFの力
を加えた時に生ずる変位δよりバネ定数kは求まる。
【0005】k=F/δ しかるに、ボイラ支持鉄骨1においては、ボイラ本体2
を収納するために吹抜け(中空)構造とせざるを得な
い。吹抜け部内にはボイラ本体が収納されているので、
吹抜け部内に水平ブレースを設けることができない。し
たがって、吹抜け部では水平ブレースは周辺にしか配置
することができず、そのために支持鉄骨1の各部を完全
な同位相とするだけの水平ブレースの剛性(床剛性)を
確保することは困難である。
を収納するために吹抜け(中空)構造とせざるを得な
い。吹抜け部内にはボイラ本体が収納されているので、
吹抜け部内に水平ブレースを設けることができない。し
たがって、吹抜け部では水平ブレースは周辺にしか配置
することができず、そのために支持鉄骨1の各部を完全
な同位相とするだけの水平ブレースの剛性(床剛性)を
確保することは困難である。
【0006】このような、非対称の質量および剛性の分
布を有し、しかも十分な床剛性が確保されない構造物に
おいては、地震発生時に2次の振動モード以上の高次の
振動モードの影響が生じやすい。高次の振動モードの影
響が1次の振動モードに加算される方向で作用する瞬間
は避けられないので、高次の振動モードの影響は地震応
答量を増大させる形で現れる。高次の振動モードの生じ
やすいボイラ装置は、同程度の1次の固有周期を有し、
しかも均質な質量および剛性を有する他の構造物に比較
して、地震応答量が大きく生ずることになる。
布を有し、しかも十分な床剛性が確保されない構造物に
おいては、地震発生時に2次の振動モード以上の高次の
振動モードの影響が生じやすい。高次の振動モードの影
響が1次の振動モードに加算される方向で作用する瞬間
は避けられないので、高次の振動モードの影響は地震応
答量を増大させる形で現れる。高次の振動モードの生じ
やすいボイラ装置は、同程度の1次の固有周期を有し、
しかも均質な質量および剛性を有する他の構造物に比較
して、地震応答量が大きく生ずることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、ボ
イラ装置は高次の振動モードの影響を低減するための構
造上の配慮がされておらず、高次の振動モードの影響に
よる地震応答量の増大を生じやすいという問題があっ
た。本発明の目的は、ボイラ装置における高次の振動モ
ードの影響を低減し、地震発生時の応答荷重の低減を図
ったボイラの制震支持構造体を提供することにある。
イラ装置は高次の振動モードの影響を低減するための構
造上の配慮がされておらず、高次の振動モードの影響に
よる地震応答量の増大を生じやすいという問題があっ
た。本発明の目的は、ボイラ装置における高次の振動モ
ードの影響を低減し、地震発生時の応答荷重の低減を図
ったボイラの制震支持構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願の第1の発明は、ボイラ本体を支持する支持鉄骨
と、支持鉄骨に懸架されボイラ本体を熱による膨張収縮
を許容するように吊り下げ支持する吊り下げ部材と、吊
り下げられたボイラ本体と支持鉄骨との間に設けられ地
震発生時の両者の相対変位を限度内に制限支持するサイ
スミックタイとを設けたボイラの制震支持構造体におい
て、ボイラ本体の火炉部とケージ部とを連結する連結装
置を設けたことを特徴とするボイラの制震支持構造体に
関する。
本願の第1の発明は、ボイラ本体を支持する支持鉄骨
と、支持鉄骨に懸架されボイラ本体を熱による膨張収縮
を許容するように吊り下げ支持する吊り下げ部材と、吊
り下げられたボイラ本体と支持鉄骨との間に設けられ地
震発生時の両者の相対変位を限度内に制限支持するサイ
スミックタイとを設けたボイラの制震支持構造体におい
て、ボイラ本体の火炉部とケージ部とを連結する連結装
置を設けたことを特徴とするボイラの制震支持構造体に
関する。
【0009】第2の発明は、上記第1の発明において、
火炉部とケージ部との熱によるゆっくりした相対変位に
対しては弱い抵抗力を発生するか、または抵抗力を発生
せず、地震発生時の急激な相対変位に対しては大きな抵
抗力を発生するように構成した連結装置を設けたことを
特徴とするボイラの制震支持構造体に関する。第3の発
明は、ボイラ本体を支持する支持鉄骨と、支持鉄骨に懸
架されボイラ本体を熱による膨張収縮を許容するように
吊り下げ支持する吊り下げ部材と、吊り下げられたボイ
ラ本体と支持鉄骨との間に設けられ地震発生時の両者の
相対変位を限度内に制限支持するサイスミックタイとを
設けたボイラの制震支持構造体において、ボイラ本体の
ケージ部(または火炉部)の一部を底辺とし、この底辺
両端よりボイラ本体の火炉部(またはケージ部)に設け
た頂点に接続して三角形の二辺を構成する連結装置を設
けたことを特徴とするボイラの制震支持構造体に関す
る。
火炉部とケージ部との熱によるゆっくりした相対変位に
対しては弱い抵抗力を発生するか、または抵抗力を発生
せず、地震発生時の急激な相対変位に対しては大きな抵
抗力を発生するように構成した連結装置を設けたことを
特徴とするボイラの制震支持構造体に関する。第3の発
明は、ボイラ本体を支持する支持鉄骨と、支持鉄骨に懸
架されボイラ本体を熱による膨張収縮を許容するように
吊り下げ支持する吊り下げ部材と、吊り下げられたボイ
ラ本体と支持鉄骨との間に設けられ地震発生時の両者の
相対変位を限度内に制限支持するサイスミックタイとを
設けたボイラの制震支持構造体において、ボイラ本体の
ケージ部(または火炉部)の一部を底辺とし、この底辺
両端よりボイラ本体の火炉部(またはケージ部)に設け
た頂点に接続して三角形の二辺を構成する連結装置を設
けたことを特徴とするボイラの制震支持構造体に関す
る。
【0010】第4の発明は、上記第1の発明または第3
の発明において、連結装置が地震エネルギーを吸収する
減衰機構式連結装置であることを特徴とするボイラの制
震支持構造体に関する。
の発明において、連結装置が地震エネルギーを吸収する
減衰機構式連結装置であることを特徴とするボイラの制
震支持構造体に関する。
【0011】
【作用】ボイラ本体の火炉部とケージ部を連結する連結
装置は、ボイラ本体の火炉部とケージ部の振動の位相差
を生じた場合に抵抗力を発生して、ボイラ本体の火炉部
とケージ部を互いに拘束する。支持鉄骨の前後、または
左右で位相差を生じる場合も、ボイラ本体を介して前記
と同様にお互いが拘束される。
装置は、ボイラ本体の火炉部とケージ部の振動の位相差
を生じた場合に抵抗力を発生して、ボイラ本体の火炉部
とケージ部を互いに拘束する。支持鉄骨の前後、または
左右で位相差を生じる場合も、ボイラ本体を介して前記
と同様にお互いが拘束される。
【0012】以上のように、地震発生時の位相差に対し
連結装置は拘束力を生じることにより、ボイラ装置全体
が一体となった挙動に近くなり、高次の振動モードの影
響が低減される。
連結装置は拘束力を生じることにより、ボイラ装置全体
が一体となった挙動に近くなり、高次の振動モードの影
響が低減される。
【0013】
【実施例】本発明になるボイラ制震構造の実施例を図1
に示す。本発明の特徴はボイラ本体2の火炉部2aとケ
ージ部2bを連結装置5で連結していることにある。特
に図2に示すように、連結装置5で三角形の二辺を構成
するように配置すると、連結装置5はボイラ装置の前後
左右の両方向の振動に対して効果的となる。
に示す。本発明の特徴はボイラ本体2の火炉部2aとケ
ージ部2bを連結装置5で連結していることにある。特
に図2に示すように、連結装置5で三角形の二辺を構成
するように配置すると、連結装置5はボイラ装置の前後
左右の両方向の振動に対して効果的となる。
【0014】連結装置5は、熱膨張による極めてゆっく
りした動きに対してはほとんど抵抗力を生じず、地震発
生時の急激な動きに対しては十分な抵抗力を発生する特
性を有していることが必要である。このような特性を有
するものとしてオイルスナッバがある。オイルスナッバ
は図3のようになっており、ピストン6が作動する際、
油を弁7を介してリザーブタンク8へ出し入れする。弁
7は静止時はバネ9により流路開となっており、ピスト
ンが極めてゆっくり動く、つまりボイラ本体熱膨張吸収
時には、開いた流路より油は出てゆく。ピストン速度が
速くなるとシリンダ内圧力が高くなり、圧力がバネ9の
力に打ち勝つと弁7は閉じる。これにより、熱膨張は吸
収しつつ、地震時の急な動きを拘束することができる。
オイルスナッバの特性を図4に示す。オイルスナッバは
図4(a)に示すように、ピストン速度vが小さい(熱
膨張)時は抵抗力も小さいが、ピストン速度が大きい
(地震)発生時は抵抗力は大きくなる。これをボイラ装
置の地震発生時の振動に近い単振動で繰り返し振幅を与
えた場合は図4(b)のように、バネに多少の減衰効果
を持たせた挙動を行なうものである。
りした動きに対してはほとんど抵抗力を生じず、地震発
生時の急激な動きに対しては十分な抵抗力を発生する特
性を有していることが必要である。このような特性を有
するものとしてオイルスナッバがある。オイルスナッバ
は図3のようになっており、ピストン6が作動する際、
油を弁7を介してリザーブタンク8へ出し入れする。弁
7は静止時はバネ9により流路開となっており、ピスト
ンが極めてゆっくり動く、つまりボイラ本体熱膨張吸収
時には、開いた流路より油は出てゆく。ピストン速度が
速くなるとシリンダ内圧力が高くなり、圧力がバネ9の
力に打ち勝つと弁7は閉じる。これにより、熱膨張は吸
収しつつ、地震時の急な動きを拘束することができる。
オイルスナッバの特性を図4に示す。オイルスナッバは
図4(a)に示すように、ピストン速度vが小さい(熱
膨張)時は抵抗力も小さいが、ピストン速度が大きい
(地震)発生時は抵抗力は大きくなる。これをボイラ装
置の地震発生時の振動に近い単振動で繰り返し振幅を与
えた場合は図4(b)のように、バネに多少の減衰効果
を持たせた挙動を行なうものである。
【0015】地震時に、ボイラ本体2の火炉部2aとケ
ージ部2bに振動の位相差による相対変位が生ずると、
接続装置5であるオイルスナッバにはほぼ相対変位に比
例した抵抗力が生ずる。抵抗力は相対変位が拡大してい
くのを拘束する。したがって、地震時の火炉部2aとケ
ージ部2bの相対変位は、従来技術の連結装置のない構
造に比較して小さなものとなる。そのため、地震時には
ボイラ装置が一体となった振動に近づき、高次モードの
影響は低減する。
ージ部2bに振動の位相差による相対変位が生ずると、
接続装置5であるオイルスナッバにはほぼ相対変位に比
例した抵抗力が生ずる。抵抗力は相対変位が拡大してい
くのを拘束する。したがって、地震時の火炉部2aとケ
ージ部2bの相対変位は、従来技術の連結装置のない構
造に比較して小さなものとなる。そのため、地震時には
ボイラ装置が一体となった振動に近づき、高次モードの
影響は低減する。
【0016】高次モードの影響の低減効果はボイラ装置
によって異なり、一概にいうことはできないが、代表的
なボイラ装置で試算した結果を図5に示す。図5はボイ
ラ本体に生ずる曲げモーメントの分布を、従来技術と本
実施例を比較して示したものである。図5に示す通り、
従来技術と比較して本発明の実施例では、火炉部とケー
ジ部が地震により近づいたり離れたりして振れる際の火
炉部の上部に生ずる最大曲げモーメントは約3/4に低
減されている。最大曲げモーメント減少による効果とし
て、ボイラ本体の補強部材の軽量化に伴なう省資源効
果、またはボイラ強度の信頼性の向上効果がある。
によって異なり、一概にいうことはできないが、代表的
なボイラ装置で試算した結果を図5に示す。図5はボイ
ラ本体に生ずる曲げモーメントの分布を、従来技術と本
実施例を比較して示したものである。図5に示す通り、
従来技術と比較して本発明の実施例では、火炉部とケー
ジ部が地震により近づいたり離れたりして振れる際の火
炉部の上部に生ずる最大曲げモーメントは約3/4に低
減されている。最大曲げモーメント減少による効果とし
て、ボイラ本体の補強部材の軽量化に伴なう省資源効
果、またはボイラ強度の信頼性の向上効果がある。
【0017】本発明の他の実施例として、図1の連結装
置5に減衰機構を用いたボイラ制震構造がある。減衰機
構として、図6に特性を示す速度比例型のオイルダンパ
がある。図6(a)に示すように、オイルダンパのピス
トン速度に比例して抵抗力が生じ、単振動の場合は図6
(b)に示すように円形に近いループを示す。図6
(b)のループに囲まれた面積は地震エネルギーの吸収
量に相当する。したがって、速度比例型のオイルダンパ
を連結装置に用いると、抵抗力発生の他に地震エネルギ
ーの吸収による振動の減衰効果が生じる。速度比例型の
オイルダンパとして、流路の一部を絞って、油を流す際
の圧力損失をもって抵抗力を発生させるオリフィスタイ
プのものを用いる。
置5に減衰機構を用いたボイラ制震構造がある。減衰機
構として、図6に特性を示す速度比例型のオイルダンパ
がある。図6(a)に示すように、オイルダンパのピス
トン速度に比例して抵抗力が生じ、単振動の場合は図6
(b)に示すように円形に近いループを示す。図6
(b)のループに囲まれた面積は地震エネルギーの吸収
量に相当する。したがって、速度比例型のオイルダンパ
を連結装置に用いると、抵抗力発生の他に地震エネルギ
ーの吸収による振動の減衰効果が生じる。速度比例型の
オイルダンパとして、流路の一部を絞って、油を流す際
の圧力損失をもって抵抗力を発生させるオリフィスタイ
プのものを用いる。
【0018】オリフィスタイプは絞り部の面積が一定の
固定オリフィスと、流量に応じて面積の変わる可変オリ
フィスタイプが使用できる。固定オリフィスでは流路の
面積が一定であり、抵抗力は流量の2乗、つまりピスト
ン速度の2乗に比例して発生する。一方、可変オリフィ
スは図8に示すように、オリフィス部に流量が増すと流
路面積を広げて流れやすく補正する弁を備えているもの
を用いる。これは流量が増すと圧力Pが大きくなり、バ
ネを押し上げて流路が広がる。
固定オリフィスと、流量に応じて面積の変わる可変オリ
フィスタイプが使用できる。固定オリフィスでは流路の
面積が一定であり、抵抗力は流量の2乗、つまりピスト
ン速度の2乗に比例して発生する。一方、可変オリフィ
スは図8に示すように、オリフィス部に流量が増すと流
路面積を広げて流れやすく補正する弁を備えているもの
を用いる。これは流量が増すと圧力Pが大きくなり、バ
ネを押し上げて流路が広がる。
【0019】本実施例の効果を代表的なボイラ装置を用
いて試算した例を図7に示す。図7に示す通り、実施例
では支持鉄骨の特に下半分において、地震応答量(応答
層せん断力)が低減される。応答層せん断力の低減効果
として、支持鉄骨およびコンクリート基礎の軽量化が図
れ、省資源効果がある。
いて試算した例を図7に示す。図7に示す通り、実施例
では支持鉄骨の特に下半分において、地震応答量(応答
層せん断力)が低減される。応答層せん断力の低減効果
として、支持鉄骨およびコンクリート基礎の軽量化が図
れ、省資源効果がある。
【0020】
【発明の効果】本発明を実施した場合の地震応答量低減
効果は、ボイラ容量、地盤条件、予測される地震力のレ
ベル等により画一的とはならないが、前記実施例に示す
ように、ボイラ本体の地震応答量(最大曲げモーメン
ト)または支持鉄骨の地震応答量(応答層せん断力)の
低減は明らかに認められる。
効果は、ボイラ容量、地盤条件、予測される地震力のレ
ベル等により画一的とはならないが、前記実施例に示す
ように、ボイラ本体の地震応答量(最大曲げモーメン
ト)または支持鉄骨の地震応答量(応答層せん断力)の
低減は明らかに認められる。
【0021】本発明によれば、ボイラ装置の地震応答量
を低減することができ、ボイラ本体の補強部材、支持鉄
骨部材および基礎コンクリートの軽量化を図ることがで
き、省資源の効果がある。
を低減することができ、ボイラ本体の補強部材、支持鉄
骨部材および基礎コンクリートの軽量化を図ることがで
き、省資源の効果がある。
【図1】ボイラの支持構造および本発明になるボイラの
制震支持構造体を示す図。
制震支持構造体を示す図。
【図2】本発明における連結装置の配置例図。
【図3】、
【図4】本発明で連結装置として用いるオイルスナッバ
の構造および特性を示す図。
の構造および特性を示す図。
【図5】本発明の効果を示すボイラ本体の地震応答で生
ずる曲げモーメント分布図。
ずる曲げモーメント分布図。
【図6】本発明で連結装置として用いるオイルダンパの
特性図。
特性図。
【図7】本発明の効果を示す支持鉄骨に地震応答で生ず
る層せん断力分布図。
る層せん断力分布図。
【図8】本発明で連結装置として用いるオイルダンパの
概要図。
概要図。
【図9】従来技術の説明図。
1…支持鉄骨、2…ボイラ本体、2a…火炉部、2b…
ケージ部、3…吊りロッド、4…サイスミックタイ、5
…連結装置、6…ピストン、7…弁。
ケージ部、3…吊りロッド、4…サイスミックタイ、5
…連結装置、6…ピストン、7…弁。
Claims (4)
- 【請求項1】 ボイラ本体を支持する支持鉄骨と、支持
鉄骨に懸架されボイラ本体を熱による膨張収縮を許容す
るように吊り下げ支持する吊り下げ部材と、吊り下げら
れたボイラ本体と支持鉄骨との間に設けられ地震発生時
の両者の相対変位を限度内に制限支持するサイスミック
タイとを設けたボイラの制震支持構造体において、ボイ
ラ本体の火炉部とケージ部とを連結する連結装置を設け
たことを特徴とするボイラの制震支持構造体。 - 【請求項2】 請求項1において、火炉部とケージ部と
の熱によるゆっくりした相対変位に対しては弱い抵抗力
を発生するか、または抵抗力を発生せず、地震発生時の
急激な相対変位に対しては大きな抵抗力を発生するよう
に構成した連結装置を設けたことを特徴とするボイラの
制震支持構造体。 - 【請求項3】 ボイラ本体を支持する支持鉄骨と、支持
鉄骨に懸架されボイラ本体を熱による膨張収縮を許容す
るように吊り下げ支持する吊り下げ部材と、吊り下げら
れたボイラ本体と支持鉄骨との間に設けられ地震発生時
の両者の相対変位を限度内に制限支持するサイスミック
タイとを設けたボイラの制震支持構造体において、ボイ
ラ本体のケージ部(または火炉部)の一部を底辺とし、
この底辺両端よりボイラ本体の火炉部(またはケージ
部)に設けた頂点に接続して三角形の二辺を構成する連
結装置を設けたことを特徴とするボイラの制震支持構造
体。 - 【請求項4】 請求項1または3において、連結装置が
地震エネルギーを吸収する減衰機構式連結装置であるこ
とを特徴とするボイラの制震支持構造体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12904892A JP3181369B2 (ja) | 1992-05-21 | 1992-05-21 | ボイラの制震支持構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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