JPH0532202Y2

JPH0532202Y2 -

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Publication number: JPH0532202Y2
Application number: JP5966189U
Authority: JP
Priority date: 1989-05-25
Filing date: 1989-05-25
Publication date: 1993-08-18
Anticipated expiration: 2003-08-18
Also published as: JPH02150047U

Description

【考案の詳細な説明】［考案の目的］（産業上の利用分野）この考案は、電気式集塵装置に係り、さらに詳
細には、例えば空気調和機に組込まれた電気式集
塵装置に関する。

（従来の技術）従来、空気調和機によつて循環させられる室内
の空気中から微細な塵埃を除去するために、上記
空気調和機に電気式集塵装置を組込むことが行わ
れている。

上記電気式集塵装置は通常、イオン化線と、上
記イオン化線に対向する電極板を有する対向電極
体とから構成されている。そして、上記イオン化
線を高圧直流電源のプラス側に接続し、対向電極
体をマイナス側に接続してこれらの不平等電界を
形成し、この電界におけるコロナ放電を利用して
塵埃に電荷を与え、それによつて帯電された塵埃
をクーロン力により下流側の塵埃コレクタに捕集
するようにしている。

（考案が解決しようとする課題）前述したごとき従来の技術において、電気式集
塵装置としては、塵埃能力を向上させるために、
対向電極体を長尺化することが行われており、イ
オン化線の張設のスパンも長くなつていた。

前記対向電極体の電極板に例えばSiO，Al₂O₃、
アルカリ類などの絶縁性の高いほこり等が付着す
ると、いわゆる逆電離現象が生じてほこりの表面
にプラスイオンが溜まり、それによつてイオン化
線に向うバツクコロナ放電が発生する傾向にあ
る。このバツクコロナ放電により電界に乱れが生
じ、局部的に電界強度の上昇が起こり、イオン化
線が共振を伴つて振動して電極板に近接し、火花
放電を生じて前記イオン化線が断線することがあ
る。

この考案は、上述したごとき従来の問題点に鑑
みてなされたもので、逆電離現象が生じたときに
イオン化線の振動を押え、且つ、沿面放電を防ぐ
ことができる新規な電気式集塵装置を提供するも
のである。

［考案の構成］（課題を解決するための手段）前述のごとき従来の問題点を解決するために、
この考案においては、イオン化線が張設されたメ
インフレームと上記イオン化線に対向する電極板
を有する対向電極体とを備えた電気式集塵装置に
おいて、上記メインフレームに独立して設けた複
数のイオン化線を弾機を介して張設し、上記メイ
ンフレームに上記イオン化線の中途部を支える複
数の段部を備えたサポートを設けてなるものであ
る。

（作用）上記構成より明らかなように、メインフレーム
に独立して複数のイオン化線を設け、それぞれの
イオン化線は弾機により引張力を付与せしめてあ
るので緩むことがない。更に、イオン化線の中途
部はサポートで支持してあり、イオン化線の振動
を押え、上記サポートには複数の段部を備えてい
るので沿面放電を防ぐことができる。

（実施例）理解を容易にするため、先ず、この実施例の電
気式集塵装置が組込まれた空気調和機の全体的構
成について概略的に説明する。

第３図を参照するに、電気式集塵装置１が組込
まれた空気調和機３は、本体５を有する。この本
体５の前面にはフイルタ７が設けられ、このフイ
ルタ７の後側に前記電気式集塵装置が配置され
る。

上記電気式集塵装置１は、第１図および第２図
に詳細に示すように、例えばステンレス鋼板など
で形成されたメインフレーム２１の底板に、対向
電極体２３である電極板２５が設けられている。
その電極板２５は、打抜きなどにより梯形状に折
曲され、メインフレーム２１内部に突設してあ
り、折曲された複数の電極板２５により生じた穴
２７は通風口となり、第２図において下側より上
側に向けて空気は流れる。更に、メインフレーム
２１にはＬ型をしたアース板２９，３１がメイン
フレーム２１の両側（第１図において上下方向）
に設けられている。

上記メインフレーム２１の両端側（第１図にお
いて左右側）には、複数の段部３３を備えた高圧
碍子３５を介してブラケツト３７が装着され、そ
のブラケツト３７には、上記電極板２５間を通る
イオン化線３９が弾機４１（コイルスプリングな
ど）を介して張設されている。なお、第１図およ
び第２図とも左右対照のため半面は図示を省略し
てあるが、上記弾機４１は左右側に設けても、ど
ちらか一方に設けても良いことは勿論である。

張設された上記イオン化線３９のほぼ中央部に
は、熱硬化性樹脂である例えばガラス入ポリカー
ボネートなどによつて形成されたサポート４３に
よつて支承されている。すなわち、サポート４３
の上面には、例えば十文字状に溝４５が設けら
れ、その溝４５に上記イオン化線３９が、わずか
に上方へ押し上げられた状態で支承されていて、
サポート４３に複数の段部４７が設けられてい
る。そのサポート４３は上記メインフレーム２１
の底部にボルト４９などにより固着され、回転防
止用のピン５１により固定されている。

上記構成によおいて、独立して設けたイオン化
線３９は中央部をサポート４３により支承され、
且つ、弾機４１より引張力を付与してある。その
ため、１本のイオン化線を蛇行状に張設した場合
と異なり、緩みもなく張設され、サポート４３と
イオン化線３９との未接触により局部放電（火花
放電）もない。また、イオン化線３９の中央部を
支承したサポート４３には、複数の段部４７が設
けられているため、沿面距離が長く、面を通じて
の放電（沿面放電）を阻止し、沿面リークの信頼
性を向上させる。

ところで、対向電極体２３の電極板２５に絶縁
性の高いほこりが付着すると、いわゆる逆電離現
象が生じて、ほこりの表面にプラスイオンが溜ま
り、それによりイオン化線３９に向うバツクコロ
ナ放電が発生する傾向となる。バツクコロナ放電
が生じると電界に乱れが生じて局部的に電界強度
の上昇が起こり、イオン化線３９が共振を伴つて
振動する傾向にある。

しかし、イオン化線３９の中央部をサポート４
３にて支承し、各イオン化線３９は独立して弾機
４１により張設してあるので、振動を生ずること
はない。したがつて、電極板２５への接近により
火花放電を発生することなく、イオン化線３９の
断線を防止することができる。

ところで、本考案は前述の実施例のみに限るも
のでなく、適宜の変更を行なうことにより、その
他の態様で実施可能なものである。

［考案の効果］以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、本考案によれば、イオン化線の中途部をサポ
ートで支承し、且つ、独立して設けたイオン化線
を弾機で張設した。したがつて、逆電離現象によ
りバツクコロナ放電が発生しても、イオン化線は
大きな振幅で振動することはない。またサポート
には複数の段部が設けられているので、沿面放電
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
は電気式集塵装置の断面図、第２図は第１図にお
ける−線に沿つた断面図、第３図は本考案を
実施した一実施例の空気調和機の全体的構成を示
す斜視図である。１……電気式集塵装置、２１……メインフレー
ム、２３……対向電極体、２５……電極板、３９
……イオン化線、４１……弾機、４３……サポー
ト、４７……段部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

イオン化線が張設されたメインフレームと上記
イオン化線に対向する電極板を有する対向電極体
とを備えた電気式集塵装置において、上記メイン
フレームに独立して設けた複数のイオン化線を弾
機を介して張設し、上記メインフレームに上記イ
オン化線の中途部を支える複数の段部を備えたサ
ポートを設けてなることを特徴とする電気式集塵
装置。