JPH05321936A - 固体潤滑剤埋込型軸受およびその製造方法 - Google Patents

固体潤滑剤埋込型軸受およびその製造方法

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JPH05321936A
JPH05321936A JP14619192A JP14619192A JPH05321936A JP H05321936 A JPH05321936 A JP H05321936A JP 14619192 A JP14619192 A JP 14619192A JP 14619192 A JP14619192 A JP 14619192A JP H05321936 A JPH05321936 A JP H05321936A
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JP
Japan
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bearing
solid lubricant
diffusion layer
bush
alloy
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Pending
Application number
JP14619192A
Other languages
English (en)
Inventor
Morio Tamura
盛雄 田村
Kazuyoshi Hatano
和好 波多野
Nobuyuki Hida
信幸 飛田
Nobukatsu Asakura
信勝 朝倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 なじみ性および耐摩耗性が改善された固体潤
滑剤埋込型軸受を実現する。 【構成】 ハウジングの内面に銅合金製のブッシュを嵌
挿し、ブッシュが形成する軸受11の軸との摺動面12
に固体潤滑剤14を埋め込むと共にその軸との摺動面1
2の銅合金表面の一部分にSnまたはSn系合金の拡散
層16を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハウジングの内面にブッ
シュを嵌挿し、該ブッシュの軸との摺動面に固体潤滑剤
を埋め込んで、メンテナンスフリーで潤滑状態を保てる
ようにした軸受に関する。更に詳細には、なじみ性およ
び耐摩耗性が改善された固体潤滑剤埋込型軸受に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ブッシュの軸との摺動面に固体潤滑剤を
埋め込んだ軸受自体は公知である。このような軸受の一
例を図6に示す。図6において、銅合金ブッシュ1の穴
3には固体潤滑剤4が埋め込まれている。このような構
造によれば、軸2に負荷がかかり、軸が回転すると、摺
動面5では温度上昇が起こり、高温になる。すると、そ
の熱により固体潤滑剤4が融け出し、摺動面に入り込
み、摺動面で潤滑剤として機能し、摩擦係数を下げたり
して軸受能力を発揮させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図6のような
構造の軸受は、固体潤滑剤から溶融潤滑液が供給された
としても、耐摩耗性の点で問題のあることが指摘されて
いる。また、初期なじみ性の点でも若干劣ることが知ら
れている。従って、本発明の目的は、なじみ性および耐
摩耗性が改善された固体潤滑剤埋込型軸受を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的は、ハウジング
の内面に銅合金製のブッシュを嵌挿し、該ブッシュの軸
との摺動面に固体潤滑剤を埋め込んだ軸受において、該
ブッシュの軸摺動面の銅合金表面の一部分にSnまたは
Sn系合金の拡散層を形成することにより実現される。
【0005】
【作用】前記のように、本発明の固体潤滑剤埋込型軸受
では、摺動面の一部にSnまたはSn系合金の拡散層が
形成されている。このSn拡散層のマイクロビッカース
硬度(HmV)は450〜600程度であり、銅合金自
体よりも硬質である。従って、この拡散層の存在により
軸受の耐摩耗性が改善される。特に、Sn拡散層の上に
Sn被膜を設けることにより初期なじみ性が大幅に改善
される。Sn被膜自体の硬度は評価しにくいが、HmV
7〜10程度であり、銅合金および軸本体よりも軟質で
ある。
【0006】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を更に詳細
に説明する。
【0007】図1は本発明による軸受(具体的には銅合
金製ブッシュ)の摺動面の概要展開図であり、図2は図
1における2−2線に沿った断面図である。図示されて
いるように、軸受11の摺動面12には固体潤滑剤14
が存在する。固体潤滑剤14は軸受を構成するブッシュ
に開設された穴13内に埋め込まれている。この固体潤
滑剤の表れていない、銅合金表面の一部にSn拡散層1
6が存在する。図2に示されているように、拡散層16
は銅合金内に拡散し、その上面は一般的に銅合金表面と
同一レベルにある。言うまでもなく、このブッシュをハ
ウジング(図示されていない)に嵌挿することにより軸
受として最終的に完成される。
【0008】固体潤滑剤としては従来から使用されてい
る当業者に公知の潤滑剤を使用することができる。例え
ば、二硫化モリブデン、鉛、黒鉛、錫、亜鉛、雲母、ポ
リテトラフルオロエチレンなどを使用することができ
る。ブッシュの穴13にこれらの固体潤滑剤を埋め込む
方法は当業者に公知であり、特に説明を要しないであろ
う。
【0009】拡散層形成材料としては、例えば、Snま
たはSn合金を使用することができる。Sn合金は例え
ば、SnをベースとしたZn,Niとの合金などであ
る。
【0010】拡散層の深さ自体は特に限定されない。一
般的に、1μm以上の深さであればよい。これよりも薄
いと耐摩耗性の改善効果が不十分になる。一方、拡散層
の深さは軸受の仕様条件により大幅に異なる。一般の軸
受では10〜20μmで十分であるが、固体潤滑剤埋込
み型では、摩耗することで潤滑剤を供給する方式である
ので、深いほどよい。しかし、軸受負荷条件により摩耗
量は決めることが可能であり、厚い拡散層は無意味であ
るばかりか、形成させるのに多大な時間とエネルギーを
必要とするだけで不経済となる。
【0011】拡散層の占める面積は、軸受摺動面の全面
積から固体潤滑剤の占める全面積を引いた残りの面積の
5〜95%の範囲内であることが好ましい。この拡散層
占有面積は軸受が使用される用途に応じて変化する。例
えば、クリーンな環境下で使用されるような場合は拡散
層占有面積は比較的小さくてよい。一方、砂や泥が軸受
内に侵入してくるような苛酷な条件下では拡散層占有面
積を大きくすることが好ましい。一般的に、拡散層占有
面積%が5%未満では耐摩耗性の改善効果が不十分とな
る。一方、拡散層占有面積%が95%超になるとなじみ
性が損なわれる。
【0012】図3に本発明の軸受の別の実施例の概要断
面図を示す。この軸受は図2の軸受と異なり、Sn拡散
層16の上面に未拡散のSn被膜層15が残っている。
従って、未拡散Sn被膜層15の上面は摺動面12より
も高い。このように、摺動面12よりも高い位置に未拡
散Sn被膜層15を存在させると、この被膜層はいわゆ
る“なじみ層”として機能する。“なじみ層”とは相手
材に対して軟らかい硬度を持ち、相手材に合わせて変形
し、曲部面圧を下げるように働いて、耐焼付き性や耐摩
耗性を向上させる作用を行う層である。
【0013】図4は図3の軸受の更に別の実施例の概要
断面図である。これは図3の軸受を更に発展させ、独立
のSn被膜28を固体潤滑剤以外の全面に施したもので
ある。この独立のSn被膜28の存在により、初期にお
けるかじり防止が果たされると共に、なじみ性が飛躍的
に改善される。この独立のSn被膜28は図2に示され
るような完全拡散型の軸受にも施すことができる。
【0014】次に、本発明の軸受の製造方法について説
明する。
【0015】本発明の軸受は例えば、図5に示されるよ
うなPVD(物理的気相蒸着)装置を用いて製造するこ
とができる。図5において、符号51は真空槽を示す。
また、符号11は被処理材の軸受を示す。図示された軸
受11には、固体潤滑剤用の穴13が設けられている。
【0016】軸受の固体潤滑剤充填用穴以外の軸受内面
に対応する所定箇所に所定の大きさの窓53を有する円
筒形マスク55を軸受内部に挿入する。次に、この円筒
形マスク内に蒸発用ヒータ57を挿入する。ヒータ57
の周囲に蒸発源59を配置する。電源61からヒータ5
7に通電すると蒸発源59のSn金属が加熱蒸発され、
その蒸気が窓53を通して軸受摺動面に蒸着し、Sn被
膜が形成される。その後、加熱手段63を用いて軸受5
2を全体的に加熱し、蒸着したSnを拡散させ、拡散層
を形成させる。
【0017】前記の方法によれば、円筒形マスク55を
用いることにより精度よく蒸着膜を得ることができる。
また、図5の装置によれば、蒸着膜形成後、直ちに拡散
処理を行うことができるばかりでなく、蒸着処理および
拡散処理を繰り返し行うことができ、拡散効率の良いプ
ロセスを完成させることができる。
【0018】Sn被膜を蒸着後、この被膜を完全に拡散
させると図2のような軸受になり、Sn被膜を一部残す
と図3のような軸受になる。図3のような軸受を作製
後、円筒形マスクを取り除いて軸受摺動面全面にSn被
膜を形成させると図4のような軸受が得られる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐摩耗性となじみ性に優れた固体潤滑剤埋込型軸受が得
られる。また、本発明によれば、軸受摺動面に設けられ
る耐摩耗性拡散層の総面積を適当に調整することができ
るので、摺動条件あるいは用途に合わせた軸受性能を有
する固体潤滑剤埋込型軸受が得られる。更に、本発明に
よれば、優れた品質を有するSn拡散層を低コストで得
ることができ、固体潤滑剤埋込型軸受も安価に大量生産
することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による軸受の摺動面の概要展開図であ
る。
【図2】図1における2−2線に沿った断面図である。
【図3】本発明による軸受の別の実施例の概要断面図で
ある。
【図4】本発明による軸受の更に別の実施例の概要断面
図である。
【図5】本発明による軸受を製造するのに使用されるP
VD装置の一例の概要構成図である。
【図6】従来の固体潤滑剤埋込型軸受の概要断面図であ
る。
【符号の説明】
11 軸受 12 摺動面 13 固体潤滑剤埋込用穴 14 固体潤滑剤 15 未拡散Sn被膜 16 Sn拡散層 28 Sn被膜 51 真空槽 53 窓 55 円筒形マスク 57 ヒータ 59 蒸発源 61 電源 63 加熱手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝倉 信勝 茨城県土浦市神立町650番地 日立建機株 式会社土浦工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングの内面に銅合金製のブッシュ
    を嵌挿し、該ブッシュの軸との摺動面に固体潤滑剤を埋
    め込んだ軸受において、 該ブッシュの軸摺動面の銅合金表面の一部分にSnまた
    はSn系合金の拡散層を形成したことを特徴とする固体
    潤滑剤埋込型軸受。
  2. 【請求項2】 前記ブッシュの軸摺動面の固体潤滑剤埋
    込部分の面積を除いた、銅合金表面面積の5〜95%の
    範囲内にSn系合金の拡散層が形成されていることを特
    徴とする固体潤滑剤埋込型軸受。
  3. 【請求項3】 ハウジングの内面に銅合金製のブッシュ
    を嵌挿し、該ブッシュの軸との摺動面に固体潤滑剤を埋
    め込んだ軸受の製造方法において、 PVD(物理的気相蒸着)装置を用いて、ブッシュの軸
    摺動面の銅合金表面に、所定のパターンを有するマスク
    を設けてSnまたはSn合金被膜を蒸着し、同一装置内
    で前記被膜の熱拡散処理を行うことにより、前記銅合金
    表面の一部分にSnまたはSn系合金の拡散層を形成す
    ることを特徴とする固体潤滑剤埋込型軸受の製造方法。
  4. 【請求項4】 SnまたはSn合金被膜を蒸着した後、
    マスクを取り除き、熱拡散処理して、銅合金表面の一部
    分にSnまたはSn系合金の拡散層を形成し、その後、
    ブッシュの軸摺動面の銅合金表面全体にSnまたはSn
    系合金被膜を再度施すことを特徴とする請求項3の製造
    方法。
JP14619192A 1992-05-13 1992-05-13 固体潤滑剤埋込型軸受およびその製造方法 Pending JPH05321936A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050002597A (ko) * 2003-06-30 2005-01-07 다이도 메탈 고교 가부시키가이샤 슬라이딩 부재
JP2006170439A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Federal Mogul Deva Gmbh 滑り軸受要素、および巻体にされた滑り軸受ブッシュを製造するための方法
KR100766772B1 (ko) * 2006-08-31 2007-10-17 현대 파워텍 주식회사 변속기용 부시

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JP2006170439A (ja) * 2004-12-15 2006-06-29 Federal Mogul Deva Gmbh 滑り軸受要素、および巻体にされた滑り軸受ブッシュを製造するための方法
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