JPH0532161A - 自動車のスリツプ制御装置 - Google Patents

自動車のスリツプ制御装置

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Publication number
JPH0532161A
JPH0532161A JP19038391A JP19038391A JPH0532161A JP H0532161 A JPH0532161 A JP H0532161A JP 19038391 A JP19038391 A JP 19038391A JP 19038391 A JP19038391 A JP 19038391A JP H0532161 A JPH0532161 A JP H0532161A
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JP
Japan
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speed
brake pad
reference speed
braking force
control
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Application number
JP19038391A
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English (en)
Inventor
Nobuhiko Suzuki
伸彦 鈴木
Tsuyoshi Ochi
強 越智
Takayoshi Nakatomi
隆喜 中富
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0532161A publication Critical patent/JPH0532161A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブレーキパッドにかかる負担を軽減させるこ
とができるとともに制御が終了した際の車両の挙動変化
を小さくすることができる自動車のスリップ制御装置を
提供することにある。 【構成】 マイコン24は後輪7,8の速度VRL,VRR
から車体速度VB を検出し、車体速度から基準速度を生
成し、基準速度と前輪3,4の速度VFL,VFRとの偏差
を求め、その偏差が許容範囲から外れると前輪3,4の
速度VFL,VFRが基準速度に近づくように油圧制御弁1
2,14等を制御してその速度偏差に応じて前輪3,4
のブレーキ力を制御する。又、マイコン24はブレーキ
パッドの負担量に応じて基準速度を補正するとともに、
前輪3,4のブレーキ力制御を終了したときに、補正し
た基準速度に対し時間とともに徐々に補正を行わない基
準速度に復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の駆動輪に付加
される駆動力が過大になったときに生ずるスリップを防
止するための自動車のスリップ制御装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のスリップ制御装置が特開
昭58−16948号公報に開示されている。この装置
においては、車両の駆動輪のスリップを制御していると
きにブレーキパッドの加熱を検出した場合、ブレーキ制
御を中断してこれ以上ブレーキパッドが加熱することを
防ぐようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、スリップ制
御の途中においてプレーキパッドの蓄熱によりブレーキ
力の制御が打ち切られるが、このときブレーキ力は
「0」になり駆動輪の急激なスリップが発生してしま
う。
【0004】この発明の目的は、ブレーキパッドにかか
る負担を軽減させることができるとともに制御が終了し
た際の車両の挙動変化を小さくすることができる自動車
のスリップ制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、図15に示
すように、車両の駆動輪に加わるブレーキパッドによる
ブレーキ力を調整するブレーキ力調整用アクチュエータ
M1と、車両の駆動輪速度を検出する駆動輪速度検出手
段M2と、車両の転動輪速度を検出する転動輪速度検出
手段M3と、前記転動輪速度検出手段M3が検出した転
動輪速度から車体速度を検出する車体速度検出手段M4
と、前記車体速度検出手段M4による車体速度から基準
速度を生成する基準速度生成手段M5と、前記基準速度
生成手段M5による基準速度と前記駆動輪速度検出手段
M2による駆動輪速度との偏差を求め、その偏差が許容
範囲から外れると駆動輪速度が基準速度に近づくように
前記ブレーキ力調整用アクチュエータM1を制御してそ
の速度偏差に応じて駆動輪のブレーキ力を制御するブレ
ーキ力制御手段M6とからなる自動車のスリップ制御装
置において、ブレーキパッドの負担量を検出するブレー
キパッド負担量検出手段M7と、前記ブレーキパッド負
担量検出手段M7によるブレーキパッドの負担量に応じ
て前記基準速度を補正するとともに、前記ブレーキ力制
御手段M6による駆動輪のブレーキ力制御を終了したと
きに、補正した基準速度に対し時間とともに徐々に補正
を行わない基準速度に復帰させる補正制御手段M8とを
備えた自動車のスリップ制御装置をその要旨とするもの
である。
【0006】
【作用】車体速度検出手段M4は転動輪速度検出手段M
3が検出した転動輪速度から車体速度を検出し、基準速
度生成手段M5は車体速度検出手段M4による車体速度
から基準速度を生成する。そして、ブレーキ力制御手段
M6は、基準速度生成手段M5による基準速度と駆動輪
速度検出手段M2による駆動輪速度との偏差を求め、そ
の偏差が許容範囲から外れると駆動輪速度が基準速度に
近づくようにブレーキ力調整用アクチュエータM1を制
御してその速度偏差に応じて駆動輪のブレーキ力を制御
する。又、補正制御手段M8は、ブレーキパッド負担量
検出手段M7によるブレーキパッドの負担量に応じて基
準速度を補正してブレーキパッドにかかる負担を軽減さ
せる。この負担軽減によりブレーキ力制御を終了した時
にはそのショックは小さなものとなる。さらに、ブレー
キ力制御手段M6による駆動輪のブレーキ力制御を終了
したときに、補正した基準速度に対し時間とともに徐々
に補正を行わない基準速度に復帰させ、再度制御に入る
ことを回避して車両の挙動変化を小さくする。
【0007】
【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例を図面
に従って説明する。図1には前輪駆動の車両の全体構成
を示す。車両に搭載されたエンジン1の出力はディファ
レンシャルギア2を介して左右の前輪3,4(駆動輪)
に伝えられる。
【0008】ブレーキ系統においては、ブレーキペダル
5の踏み込み操作によりマスタシリンダ6にブレーキ油
圧が発生する。このブレーキ油圧は左右の後輪7,8
(転動輪)に設けられた後輪用ホイールシリンダ9,1
0にそのまま伝えられる。又、前輪ブレーキ系統では、
マスタシリンダ6の油圧が油圧管路切換弁(二位置弁)
11及び油圧制御弁(三位置弁)12を経由して左の前
輪3に設けられた左前輪用ホイールシリンダ13に伝わ
り、又、油圧管路切換弁11及び油圧制御弁(三位置
弁)14を経由して右の前輪4に設けられた右前輪用ホ
イールシリンダ15に伝わる。油圧管路切換弁11はマ
スタシリンダ6と油圧制御弁12,14との油圧経路を
遮断状態又は連通状態に切り換えるためのものであり、
遮断状態ではアキュムレータ16に蓄えられた作動油が
油圧制御弁12,14に送られるようになっている。
尚、アキュムレータ16にはポンプ17の駆動によるリ
ザーバ18の作動油が蓄圧される。
【0009】油圧制御弁12,14は、アキュムレータ
16の作動油をホイールシリンダ13,15に送る増圧
位置と、ホイールシリンダ13,15の作動油を油圧管
路切換弁(二位置弁)19を介してリザーバ18に戻す
減圧位置と、ホイールシリンダ13,15の油圧を保持
する保持位置とに切り換え可能となっている。油圧管路
切換弁19は油圧制御弁12,14とリザーバタンク1
8とを遮断及び連通状態に切り換え可能となっている。
【0010】又、左右の前輪3,4には駆動輪速度検出
手段としての前輪車輪速度センサ20,21が取り付け
られているとともに、左右の後輪7,8には転動輪速度
検出手段としての後輪車輪速度センサ22,23が取り
付けられている。又、マイコン24は前輪車輪速度セン
サ20,21と後輪車輪速度センサ22,23からの信
号を入力して各信号により前輪車輪速度VFL,VFR、後
輪車輪速度VRL,VRRを検知する。マイコン24は油圧
管路切換弁11、油圧制御弁12,14、油圧管路切換
弁19を切り換え制御する。つまり、前輪3,4のブレ
ーキ制御を行わないときには図1の状態にし、左前輪3
のブレーキ圧を増圧するときには図2の状態に切り換
え、左前輪3のブレーキ圧を減圧するときには図3の状
態に切り換え、左右の前輪3,4のブレーキ圧を保持す
るときには図4の状態に切り換える。尚、図示は省く
が、右の前輪4のブレーキ圧の増・減圧のときは、油圧
制御弁14が切り換えられる。
【0011】又、マイコン24にはメモリ24aが備え
られ、このメモリ24aには図5,図6,図7に示すマ
ップが記憶されている。図5はブレーキパッド負担量T
と基準速度補正量Qとの関係を示し、ブレーキパッド負
担量Tが所定値Ta より小さいと基準速度補正量Q=0
であり、ブレーキパッド負担量Tが所定値Ta より大き
いときにはそれに応じて基準速度補正量Qも大きくなる
よう設定されている。図6はブレーキパッド負担量Tと
保持時間tw との関係を示し、ブレーキパッド負担量T
が大きいほど保持時間tw も大きくなるように設定され
ている。図7はブレーキパッド負担量Tと負担量の減少
率ΔTとの関係を示し、ブレーキパッド負担量Tが大き
いほど減少率ΔTも大きくなるように設定されている。
【0012】又、図1において、マイコン24には警告
灯25が接続され、同警告灯25は車室内のインストル
メントパネル等に配置され、発光色を変えることができ
るようになっている。
【0013】本実施例では、アキュムレータ16と油圧
管路切換弁11と油圧制御弁12,14と油圧管路切換
弁19とからブレーキ力調整用アクチュエータが構成さ
れるとともに、マイコン24にて車体速度検出手段と基
準速度生成手段とブレーキ力制御手段とブレーキパッド
負担量検出手段と補正制御手段とを構成している。
【0014】次に、このように構成したスリップ制御装
置の作用を説明する。図8にはマイコン24が実行する
所定時間毎の処理ルーチンを示す。又、図13にはタイ
ミングチャートを示し、同図を用いてフローチャートを
説明していく。尚、以後の説明にあたり左の前輪3のス
リップを制御する場合について説明し、右の前輪4につ
いては同様なのでその説明は省略する。
【0015】図13に示すように、この処理には、3つ
のフラグF1,F2,F3を用いている。フラグF1
(=1)は左前輪3のスリップ制御中であることを示
し、フラグF2(=1)は基準速度補正中で、かつ、左
前輪3がスリップ制御中もしくはスリップ制御終了後に
所定時間tw が経過していないことを示す。さらに、フ
ラグF3(=1)は左前輪3が基準速度補正中で、かつ
スリップ制御終了後に所定時間tw が経過していること
を示す。
【0016】マイコン24は図8のステップ100で初
期設定処理を行った後、ステップ200で各車輪の速度
VFR, VFL, VRR, VRLを演算し、後輪(転動輪)7,
8の速度VRR, VRLのうちの大きい方を車体速度VB と
する。さらに、マイコン24はステップ300で各車輪
の速度VFR, VFL, VRR, VRLの時間変化から車輪加速
度GFR, GFL, GRR, GRLを算出し、ステップ400で
推定油圧の演算を行う。
【0017】このブレーキ油圧の推定処理を、図9に示
す。マイコン24はステップ401でフラグF1により
スリップ制御中(ブレーキ制御中)か否か判定する。そ
して、F1=1ならば、ステップ402で増圧又は減圧
カウンタからブレーキ油圧を推定する。つまり、マイコ
ン24は、ブレーキ制御中に電磁弁11,12,14,
19を切り換え制御して増圧・減圧をそれぞれどれくら
いの時間行ったかによって次式にて今回のタイミングで
の推定油圧Pn を算出する。
【0018】 Pn =Pn-1 +Δt1 ・Kup−Δt2 ・Kdw ただし、Δt1 は増圧時間、Δt2 は減圧時間、Kup
増圧勾配、Kdwは減圧勾配である。
【0019】又、マイコン24はステップ401でフラ
グF1=0のときにはステップ402の処理は行わな
い。又、図8においてマイコン24はステップ500で
前輪3のスリップ状態を判定するための基準速度Vso
を、次式にて車体速度VB から演算する。
【0020】
【数1】Vso=VB +kv ただし、kv は定数 そして、マイコン24はステップ600でブレーキパッ
ドの負担量を求めて、この負担量に従って基準速度VB
の補正を行う(説明は後述)。さらに、マイコン24は
ステップ700でブレーキ制御(スリップ制御)を行
う。
【0021】図12にはスリップ制御の処理ルーチンを
示す。まず、マイコン24はステップ710でスリップ
制御中か否か判定し制御中でないとステップ720でス
リップ制御開始か否か判断する。つまり、マイコン24
は次式にて最終基準速度Vsから制御開始速度VS1を求
め、前輪車輪速度VFLと制御開始速度Vs1とを比較して
前輪車輪速度VFLが制御開始速度Vs1より大きいとスリ
ップが発生したとしてステップ740でスリップ制御を
開始する。
【0022】
【数2】Vs1=Vs +kv1 ただし、kv1は定数 又、マイコン24はステップ710でスリップ制御中で
あればステップ730でスリップ制御終了か否か判断す
る。つまり、マイコン24は次式にて最終基準速度Vs
から制御終了速度VS2を求め、前輪車輪速度VFLと制御
終了速度Vs2とを比較して制御終了速度Vs2が前輪車輪
速度VFLを上回り、かつ、推定油圧Pn が「0」であれ
ばスリップが収まったとしてスリップ制御を終了する。
【0023】
【数3】Vs2=Vs +kv2 ただし、kv2は定数 マイコン24はステップ720でスリップ制御開始であ
る場合やステップ730でスリップ制御終了でないと、
ステップ740でスリップ制御を行う。この制御は、前
輪車輪速度VFLが最終基準速度Vs に近づくように制御
を行う。つまり、速度偏差(=VFL−Vs )を求めその
値により図14のマップにより前輪用のホイールシリン
ダ13,15へ伝えられるブレーキ圧を増圧・減圧・保
持を行う。この際、前輪車輪速度VFLと最終基準速度V
s の差が大きいほど大きく増・減圧する。
【0024】このスリップ制御が図13でのt1 〜t3
の間、行われたものとする。図8のステップ500での
基準速度補正処理を図10,11に示す。まず、図13
でのt1 以前のスリップ制御前において、マイコン24
はステップ601でF1 =1か否か判定し、当初F1 =
0なのでステップ610でスリップ制御中か否か判定
し、制御中でないと、ステップ612でF2 =1かを、
ステップ615でF3 =1かを判定し、当初F2 =0,
F3 =0なので、図11のステップ620に移行する。
さらに、マイコン24は当初F1 =F2 =F3 =0なの
で、ステップ620,630,640を経てステップ6
42でブレーキパッド負担量Tn =0とし、ステップ6
51において図8でのステップ500で求めた基準速度
Vsoをそのまま最終的な基準速度Vs とする。
【0025】そして、マイコン24は図13のt1 のタ
イミングでスリップ制御が開始されると、図10のステ
ップ610からステップ611に移行して、F1 =1,
F2=0,F3 =0にする。さらに、マイコン24はス
テップ607でブレーキパッド負担量Tn が所定値Ta
より大きいか判定し、当初Tn =0なのでステップ62
0に移行し、F1 =1となっているので、ステップ62
1で、今回のブレーキパッド負担量Tn を求める。これ
は、今回の推定油圧Pn と前輪車輪速度Vの積P・Vを
ブレーキパッドにかかる負担とみなして今回タイミング
までの負担累積を算出するものである。つまり、ある時
点でブレーキパッドにかかる負担は油圧Pと前輪車輪速
度Vとの関数で表されるから負担の累積度合いを示す指
標としてP・Vの累積を使用する。ブレーキ制御中、n
回目の演算タイミングでのブレーキパッドの負担量Tn
を、ルーチンの時間間隔をΔtとした場合、Tn =T
n-1 +(Pn ・Vn )Δtとする。
【0026】その後、ステップ650→651に移行す
る。次回の処理では、ステップ601→602→604
に移行し、ステップ604でスリップ制御中なのでステ
ップ607→620→621→650→651に移行す
る。この処理が図13でのt1 〜t2 の間、繰り返さ
れ、ブレーキパッド負担量Tn は増大していく。
【0027】そして、ステップ607でブレーキパッド
負担量Tn が所定値Ta より大きくなると(図13での
t2 のタイミング)、ステップ608でF2 =1にし、
ステップ620→621→650→652に移行する。
ステップ652では図5のマップを用いてプレーキパッ
ド負担量Tn に対応する基準速度補正量Qn を求める。
そして、ステップ653において図8でのステップ50
0で求めた基準速度Vsoに基準速度補正量Qn を加算し
た値を補正後の最終的な基準速度Vs とする。
【0028】次回の処理において、ステップ601→6
02→603に移行し、ステップ603でスリップ制御
中か否か判定し、制御中なのでステップ620→621
→650→652→653に移行する。図13のt2 〜
t3 のタイミングにおいては、この処理の繰り返しが行
われ、プレーキパッド負担量Tn から基準速度補正量Q
n を求めて基準速度Vsoの補正を行い前輪車輪速度VFL
と補正後の最終基準速度Vs との偏差に従ってブレーキ
制御が行われる。又、このとき、プレーキパッド負担量
n はさらに増加していく(補正を行わない場合より増
大の割合は鈍くなる)。
【0029】そして、図13のt3 のタイミングにおい
てスリップ制御が終了すると、ステップ603からステ
ップ605に移行し、ステップ605ではフラグF1 を
「0」にし、保持時間tw を算出するとともに減少率Δ
Tを算出する。つまり、図6のマップを用いてこの時の
ブレーキパッド負担量Tn から保持時間tw を求めると
ともに、図7のマップを用いてその時のブレーキパッド
負担量Tn から減少率ΔTを求める。その後、ステップ
620→630→631に移行し、ステップ631では
前回のブレーキパッド負担量Tn-1 を今回のブレーキパ
ッド負担量Tnとして保持し、その後、ステップ65
2,653に移行する。
【0030】次回の処理においてステップ601→61
0→612→613に移行し、ステップ613でスリッ
プ制御を終了してから所定時間tw が経過したか否か判
断し、経過していないと、ステップ620→630→6
31→652→653に移行する。図13のt3 〜t4
のタイミングにおいては、この処理の繰り返しが行わ
れ、スリップ制御終了時に求めた保持時間twの間、ブ
レーキパッド負担量Tnを保持して終了時の基準速度補
正量Qn を維持する。
【0031】図13のt4 のタイミングになると、ステ
ップ613からステップ614に移行し、ステップ61
4ではF2 =0,F3 =1にする。さらに、マイコン2
4はステップ620→630→640→641に移行
し、ステップ641で前回のブレーキパッド負担量Tn-
1 から減少率ΔTを減算したものを今回のブレーキパッ
ド負担量Tn とする。さらに、ステップ652→653
に移行する。
【0032】次回の処理においてステップ601→61
0→612→615→616に移行し、ステップ616
ではブレーキパッド負担量Tn ≦0か否か判定し、当初
はTn >0なので、ステップ620→630→640→
641→652→653に移行する。図13でのt4 〜
t5 の間においては、この処理が繰り返され、減少率Δ
Tに従ってブレーキパッド負担量Tn を減少させていき
基準速度補正量Qn を減少させる。
【0033】そして、ブレーキパッド負担量Tn が図5
での所定値Ta以下になると(図13でのt5 のタイミ
ング)、基準速度補正量Qn が「0」となる。さらに、
Tn≦0となると(図13でのt6 のタイミング)、ス
テップ616からステップ617に移行し、F3=0に
し、ステップ620→630→640→642→651
に移行する。
【0034】ここで、制御終了後にすぐに基準速度補正
量Qn を「0」に戻した場合には、再度ブレーキ制御に
入ったりして挙動変化が起こることがあるので、ブレー
キ制御終了後ある一定時間tw はブレーキパッド負担量
n を制御終了時の値に保つことで(即ち、基準速度補
正量Qn を一定に保って)、補正量Qn を終了時の値に
保持して放熱しやすい状態を維持する。その後、徐々に
補正量Qn を小さくして「0」に戻す(図13でのt5
のタイミング)。
【0035】即ち、図13のt3 〜t6 においては、ス
リップ制御を実行していないため、開始条件が成立すれ
ばスリップ制御が開始する。しかし、基準速度Vsoの補
正を行わない場合に比べて開始速度が高いレベルにある
ため、特に制御終了直後(t3 〜t4 )は再制御に入り
にくい。又、入ったとしてもブレーキパッド負担量Tn
をクリアしないで上乗せを行うことで再制御開始後早い
時期に所定値Ta に達して基準速度Vsoの補正を開始し
てブレーキパッドにかかる負担を余り大きくならないよ
うに抑える。
【0036】このとき保持する時間の長さtw はブレー
キパッド負担量Tn (図13でTEにて示す)により決
まる。尚、補正量Qnを「0」に戻すときには本例では
直線的に戻したが、ブレーキパッド負担量Tn が小さく
なるにつれ減少率ΔTを小さくすることで滑らかに戻す
ようにしてもよい。
【0037】尚、ブレーキパッド負担量Tn が所定値T
a に達せずにスリップ制御を終了した場合には、図10
のステップ604からステップ606に移行してフラグ
F1を「0」にする。
【0038】又、フローチャートでは示さなかったが、
マイコン24は、基準速度Vsoを基準速度補正量Qにて
補正しているときにはその補正度合いに応じて警告灯2
5の色を変える。これにより、運転者に基準速度Vsoを
変化させていることを認識させるとともに、ある一定以
上の負担量になった場合には、運転者があまり強くアク
セルを踏み込まないように特に警告する。尚、警告灯2
5の色の変化の他にも、警告灯25の点滅周期の変化さ
せたり、警告音等により警告してもよい。
【0039】このように本実施例では、マイコン24は
転動輪速度(VRL,VRR)から車体速度VB を検出し、
車体速度VB から基準速度Vsoを生成し、最終基準速度
Vsと駆動輪速度(VFL,VFR)との偏差を求め、その
偏差が許容範囲から外れると駆動輪速度(VFL,VFR)
が最終基準速度Vs に近づくようにその速度偏差に応じ
て駆動輪のブレーキ力を制御する。又、マイコン24は
ブレーキパッドの負担量Tn に応じて基準速度Vsoを補
正するとともに、駆動輪のブレーキ力制御を終了したと
きに、補正した基準速度Vs に対し時間とともに徐々に
補正を行わない基準速度Vsoに復帰させる。
【0040】よって、ブレーキパッドの負担量Tn に応
じて基準速度Vsoが補正されてブレーキパッドにかかる
負担量が軽減できる。この負担軽減によりブレーキ力制
御を終了した時にはそのショックは小さなものとなる。
さらに、スリップ制御が終了した後、徐々に基準速度補
正量を「0」に戻す(又は、ある時間保持してその後徐
々に基準速度補正量を「0」に戻す)ことにより、制御
終了後すぐに「0」に戻した場合に比べ、再度制御に入
ることが回避されて車両の挙動変化が小さくなる。さら
に、制御終了直後の再制御突入を防止することにより、
ブレーキパッドの負担(熱)が蓄積するのを防ぐことが
できるとともに、制御終了後の再加速に対して、ある程
度までのスリップに対してはスリップ制御に入らずこれ
を許容し、特に大きなスリップに対してはスリップ制御
に入ってスリップを抑えることができる。
【0041】尚、この発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば、ブレーキパッドの負担量を検出す
るブレーキパッド負担量検出手段としてはプレーキパッ
ドの温度を検出する温度センサを使用してもよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
ブレーキパッドにかかる負担を軽減させることができる
とともに制御が終了した際の車両の挙動変化を小さくす
ることができる効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車のスリップ制御装置の全体構成図であ
る。
【図2】増圧動作を説明するための図である。
【図3】減圧動作を説明するための図である。
【図4】保持動作を説明するための図である。
【図5】ブレーキパッド負担量Tと基準速度補正量Qと
の関係を示す図である。
【図6】ブレーキパッド負担量Tと保持時間tw との関
係を示す図である。
【図7】ブレーキパッド負担量Tと減少率ΔTとの関係
を示す図である。
【図8】作用を説明するためのフローチャートである。
【図9】作用を説明するためのフローチャートである。
【図10】作用を説明するためのフローチャートであ
る。
【図11】作用を説明するためのフローチャートであ
る。
【図12】作用を説明するためのフローチャートであ
る。
【図13】作用を説明するためのタイムチャートであ
る。
【図14】速度偏差とブレーキ圧の調整動作を示すマッ
プである。
【図15】クレーム対応図である。
【符号の説明】
3 駆動輪としての前輪 4 駆動輪としての前輪 11 ブレーキ力調整用アクチュエータを構成する油圧
管路切換弁 12 ブレーキ力調整用アクチュエータを構成する油圧
制御弁 14 ブレーキ力調整用アクチュエータを構成する油圧
制御弁 19 ブレーキ力調整用アクチュエータを構成する油圧
管路切換弁 20 駆動輪速度検出手段としての前輪車輪速度センサ 21 駆動輪速度検出手段としての前輪車輪速度センサ 22 転動輪速度検出手段としての後輪車輪速度センサ 23 転動輪速度検出手段としての後輪車輪速度センサ 24 車体速度検出手段、基準速度生成手段、ブレーキ
力制御手段、ブレーキパッド負担量検出手段、補正制御
手段としてのマイコン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の駆動輪に加わるブレーキパッドに
    よるブレーキ力を調整するブレーキ力調整用アクチュエ
    ータと、 車両の駆動輪速度を検出する駆動輪速度検出手段と、 車両の転動輪速度を検出する転動輪速度検出手段と、 前記転動輪速度検出手段が検出した転動輪速度から車体
    速度を検出する車体速度検出手段と、 前記車体速度検出手段による車体速度から基準速度を生
    成する基準速度生成手段と、 前記基準速度生成手段による基準速度と前記駆動輪速度
    検出手段による駆動輪速度との偏差を求め、その偏差が
    許容範囲から外れると駆動輪速度が基準速度に近づくよ
    うに前記ブレーキ力調整用アクチュエータを制御してそ
    の速度偏差に応じて駆動輪のブレーキ力を制御するブレ
    ーキ力制御手段とからなる自動車のスリップ制御装置に
    おいて、 ブレーキパッドの負担量を検出するブレーキパッド負担
    量検出手段と、 前記ブレーキパッド負担量検出手段によるブレーキパッ
    ドの負担量に応じて前記基準速度を補正するとともに、
    前記ブレーキ力制御手段による駆動輪のブレーキ力制御
    を終了したときに、補正した基準速度に対し時間ととも
    に徐々に補正を行わない基準速度に復帰させる補正制御
    手段とを備えたことを特徴とする自動車のスリップ制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記ブレーキパッド負担量検出手段は、
    車輪速度とブレーキ油圧との積の累積値によりブレーキ
    パッドの負担量を検出するものである請求項1に記載の
    自動車のスリップ制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6533508B1 (en) 1998-10-09 2003-03-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Machining apparatus and machining method

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US6533508B1 (en) 1998-10-09 2003-03-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Machining apparatus and machining method

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