JPH05320796A - 耐食・耐摩耗合金 - Google Patents

耐食・耐摩耗合金

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Publication number
JPH05320796A
JPH05320796A JP6455291A JP6455291A JPH05320796A JP H05320796 A JPH05320796 A JP H05320796A JP 6455291 A JP6455291 A JP 6455291A JP 6455291 A JP6455291 A JP 6455291A JP H05320796 A JPH05320796 A JP H05320796A
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JP
Japan
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alloy
resistance
acid
less
corrosion resistance
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP6455291A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Hayakawa
正幸 早川
Hiroshi Kobayashi
弘 小林
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP6455291A priority Critical patent/JPH05320796A/ja
Publication of JPH05320796A publication Critical patent/JPH05320796A/ja
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 耐アブレージョン摩耗性と金属同士の摺動摩
擦時における相手攻撃性を改善し、有機酸、酸化性酸な
らびに還元性酸の各々に対して耐食性を向上させる。 【構成】 重量%で、Cr:15〜29%、Mo:15
〜25%、Ni:5〜20%、Si:1〜4%、Cu:
0.5〜2%、Fe:5%以下、C:0.2%以下、
B:1.5〜4%を含有し、残部が不可避的不純物及び
Coからなり、CrとMoの量比が0.7〜1.3とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐食・耐摩耗合金に関
し、プラスチック成形機、押出機、混練機シリンダ及び
スクリュのほか、金属粉末、セラミックス粉末射出成形
機及びこれらの押出混練機シリンダ、スクリュ、ゴムあ
るいは食品の押出混練機シリンダ、スクリュ、その他耐
食・耐摩耗を必要とする各種部品の製作に有利に適用で
きる同合金に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリンダ内面の遠心鋳造ライニン
グ合金としては、重量%で、Cr:5〜10%、N
i:2%以下、B:2〜4%、Co残部よりなる合金、
Cr:5〜10%、Co:5〜35%、Si:2.5
〜10%、B:2〜4%、Ni残部よりなる合金(特公
昭56−53626号公報)が知られている。
【0003】又、粉末焼結ライニング粉末合金として
は、C:0.5〜1.5%以下、Si:1.0〜2.
0%、B:0.5〜2.5%、Ni:10〜20%、C
r:20〜30%、W:10〜20%、Cu:0.5〜
2.0%、残部Coよりなる合金(特開昭61−143
547号公報)、1種又は2種以上の炭化物粒子を1
0〜90重量%含むNi基合金(C:0.5〜1.5
%、Si:0.5〜5%、B:0.5〜5%、Cr:2
〜25%、残部Ni)あるいはCo基合金(C:0.5
〜1.5%、Si:0.5〜5.0%、B:0.5〜
5.0%、Cr:2〜25%、残部Co)(特開昭63
−194917号公報)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】プラスチック成形材シ
リンダ内面ライニング材としては、ガラスファイバーや
SiO2 などの摩耗性充填剤に対する耐摩耗性と同時
に、成形樹脂からのHCl,HF,SOx,NOxガス
あるいはぎ酸、さく酸などの有機酸に対する耐食性が必
要で、種々の樹脂に対応するためには前記腐食性物質の
全てに耐える材料であることが必要である。
【0005】しかしながら、前記従来の合金,の遠
心鋳造ライニング層は、(a)ライニング層に巣やピン
ホールが出易い、(b)金属組織が荒いため耐摩耗性が
不十分であり、かつNi,Cr,Moなどの耐食性向上
元素が少ないため耐食性も不十分である、(c)これを
改善するために、Cr,W,Moなどを増量すると鋳造
性が低下してライニングが困難となるなどの製造上の制
約が大きい欠点がある。
【0006】一方、粉末焼結ライニング法では、前記従
来の合金,のように、合金の選択自由度が大きく、
近年HIP(熱間静水圧加工)処理を用いることにより
前者の合金,より製造が容易で、かつ高品質のライ
ニング層が得られるようになってきたが、合金はSO
x系に極めて弱く、合金のうちのCo基合金系は耐S
Oxに、またNi基合金系はNOx系及び有機酸に弱い
という欠点がある。
【0007】本発明は上記技術水準に鑑み、従来合金の
欠点である耐食性を改善すると共に、耐摩耗性を改善し
た合金を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は化学組成が重量
%で、Cr:15〜29%、Mo:15〜25%、N
i:5〜20%、Si:1〜4%、Cu:0.5〜2
%、Fe:5%以下、C:0.2%以下、B:1.5〜
4%、残部が実質的にCoからなり、CrとMoの量比
が0.7〜1.3である耐食・耐摩耗合金である。
【0009】すなわち、従来の合金は耐食性と耐摩耗性
を改善するために、主にCo−Si−B系自溶性合金を
ベースにCr,Mo,Ni,Cuを所定量添加してその
耐摩耗性をCr,Wの炭化物と同硼化物で向上させてい
るのに対して、本発明合金はCr,Mo,Ni,Co系
の硼化物のみとすることによって耐アブレージョン摩耗
性と金属同士の摺動摩擦時における相手攻撃性を改善
し、かつマトリックスをCo−Cr−Ni−Mo系と
し、かつCr/Mo比を0.8〜1.2(望ましくはC
r/Mo=1)とすることによって有機酸、酸化性酸な
らび還元性酸の各々に対して耐食性を向上させたもので
ある。
【0010】
【作用】以下に本発明の合金組成を決めた理由を説明す
る。以下の説明中、%は重量%を意味する。
【0011】Cr:15〜29% CrはBと硬質の硼化物を形成し耐摩耗性を向上させる
と共に、Coマトリックス中に一部固溶し主として耐食
性を高めるために不可欠で、15%未満ではこれらの効
果が小さく、とくに耐硝酸性に劣る。また、29%を越
えると靱性が低下するので25%以下にする必要があ
る。
【0012】Mo:15〜25% MoはCrと同様に硬質の硼化物を形成し耐摩耗性を高
めると共に、Coマトリックス中に一部固溶して耐食性
とくに耐硫酸性を高める。15%未満ではこの効果が小
さく、とくに耐硫酸性が劣る。25%を越えると靱性が
低下するとともに、本発明合金をガス(通常はArを使
用)アトマイズ法で粉末化するときに溶湯が粘稠になり
アトマイズが困難となるので25%以下にする必要があ
る。
【0013】また、Cr/Mo比が0.7未満あるいは
1.3を越えると耐硝酸性が著しく低下する(対HC
l、硫酸、ギ酸に対しては影響しない。)
【0014】Ni:5〜20% NiはCoマトリックスに固溶して耐食性と靱性を高
め、その効果は5%以上で発揮される。しかし20%を
越えるとマトリックス硬度が低下し、耐摩耗性を弱める
とともに耐硝酸性が低下する。Niのより好ましい範囲
は10〜15%である。
【0015】Si:1〜4% 本発明合金は所定化学組成の合金溶湯からアトマイズ法
で合金粉をつくり、これをHIP処理で焼結接合させて
必要部位に耐摩耗・耐食ライニング層を成形する方法で
用いられるが、Siはアトマイズ時の溶湯の流動性を高
めアトマイズ性を高めるために必須元素であり、1%未
満では流動性が悪く、4%を越えると靱性が低下するの
で4%以下にする必要がある。
【0016】Cu:0.5〜2% NiとともにCoマトリックス中に固溶し、耐塩酸性を
向上させる。0.5%未満では効果が小さく、2%を越
えると靱性が悪化する。
【0017】Fe:5%以下 Feは不純物として混入されるもので可能な限り少ない
ことが望ましいが、実用上は2〜3%の混入が避けられ
ない。5%を超えると耐食性への影響が大きくなるので
5%以下とする必要がある。
【0018】C:0.2%以下 CはCr,Mo,Fe等と炭化物を形成し、耐アブレー
ジョン摩耗性を向上させるが、0.2%を越えると炭化
物が粗大となり、前記のように相手攻撃性が強くなると
共にマトリックス中のCr,Mo濃度が低下して耐食性
が低下する。
【0019】B:1.5〜4% BはCr,Moと硬質の硼化物を形成し耐摩耗性を著し
く向上させると同時にアトマイズ及び焼結を容易にする
ため、合金の融点を低下させるために必須元素であり、
1.5%未満ではこの効果が不十分であり、4%を越え
ると靱性が低下したり、低融点化合物が生成して均一な
固相焼結ができなくなり局所的に粗大な組織となって靱
性、耐食性が低下する。
【0020】残部:Co Coはそれ自身耐食性があり、Niの固溶度が大きいた
めNiによる耐食性改善が容易であり、一方、Cr,M
oの溶解度は小さいのでCr,Moの硼化物を多量に析
出させ易く最適必須のマトリックス元素である。
【0021】なお、Coマトリックス中には前記必須成
分の配合に際して不純物としてP,S,Mn,Al等が
合計1%以下程度混入するが、この程度であれば合金の
特性に影響しない。
【0022】
【実施例】表1に示す化学組成の合金を真空溶解炉で溶
製したのち、Arガスアトマイズ法によって合金粉末と
し、100メッシュ以下に篩い分けして各々を軟鋼製の
管に充填し、真空脱気後封管して、下記の条件でHIP
処理し、焼結固化し、これより試験片を作製して以下の
評価試験に供した。
【0023】(A)HIP処理条件 温度:1000〜1100℃、圧力:1000気圧、保
持時間:2.0時間
【0024】(B)評価試験 (1)摩耗試験 図1に示す方法で、土砂スラリー中で試験片を回転さ
せ、アブレージョン摩耗試験を実施、結果を表2に示
す。
【0025】(2)腐食試験 径22mm、厚さ5mmの試験片を40℃の3.6%塩酸、
15%硫酸、6%硝酸及び50%ぎ酸(常温)溶液に2
4時間浸漬し腐食減量を測定し、その結果を3表に示
す。
【表1】
【表2】
【表3】
【0026】表1〜3において、合金No. 1、2は本発
明の組成条件を満す実施例であり、耐摩耗性および塩
酸、硫酸、硝酸、ギ酸に対する耐食性の何れにおいても
良好である。
【0027】これに対して、合金No. 3〜6は本発明の
規定要件の何れかを欠く実施例であり、何れかの性能が
劣る。すなわち、No. 3はMo量が多く耐摩耗性はよい
がCr/Mo<0.7であるため、耐硝酸が著しく劣
る。No. 4はCr/Mo>1.3のため耐硝酸性が劣
る。No. 5はMo無添加のため耐摩耗性及び硫酸、硝
酸、ギ酸に対する耐食性が劣る。No. 6はCが高く、W
炭化物が形成されるため、耐摩耗性はよいが、Mo無添
加のため耐食性とくに耐硝酸性に劣る。No. 7は焼ばめ
方式でプラスチック成形機シリンダとして使用される場
合があるが耐摩耗、耐食性いずれも劣る。
【0028】
【発明の効果】本発明により、耐摩耗性および塩酸、硫
酸、硝酸、ぎ酸などに対する耐食性に優れた合金が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】摩耗試験装置の態様を示す図

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学組成が重量%で、Cr:15〜29
    %、Mo:15〜25%、Ni:5〜20%、Si:1
    〜4%、Cu:0.5〜2%、Fe:5%以下、C:
    0.2%以下、B:1.5〜4%、残部が実質的にCo
    からなり、CrとMoの量比が0.7〜1.3である耐
    食・耐摩耗合金。
JP6455291A 1991-03-28 1991-03-28 耐食・耐摩耗合金 Withdrawn JPH05320796A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102284699A (zh) * 2011-09-30 2011-12-21 重庆成俊工贸有限公司 一种预合金粉末
CN113388758A (zh) * 2021-05-31 2021-09-14 芜湖舍达激光科技有限公司 一种耐高温腐蚀、长寿命的硬质合金轴套

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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19980514