JPH05320704A - 高疲労強度構造部材の製造方法 - Google Patents

高疲労強度構造部材の製造方法

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JPH05320704A
JPH05320704A JP15569092A JP15569092A JPH05320704A JP H05320704 A JPH05320704 A JP H05320704A JP 15569092 A JP15569092 A JP 15569092A JP 15569092 A JP15569092 A JP 15569092A JP H05320704 A JPH05320704 A JP H05320704A
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JP
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alloy powder
billet
heat treatment
fatigue strength
alloy
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JP15569092A
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Kenji Okamoto
憲治 岡本
Hiroyuki Horimura
弘幸 堀村
Noriaki Matsumoto
規明 松本
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 割れ、空隙等の欠陥がなく、疲労強度の高い
構造部材を得る。 【構成】 構造部材の製造に当り、非晶質相を備えるこ
とによって加熱下で体積収縮を発生するAl合金粉末よ
りビレットを得る工程と、ビレットに、Al合金粉末の
体積収縮率Vsが0.1%≦Vs≦7%である加熱処理
を施す工程と、ビレットに熱間押出し加工を施す工程と
を順次行う。このように、ビレットにおけるAl合金粉
末に特定量の体積収縮を発生させると、ビレットにおけ
るAl合金粉末相互間の接触界面に存する圧縮応力を緩
和することができる。これにより、熱間押出し加工過程
ではAl合金粉末の動きを滑らかにして欠陥の無い構造
部材を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高疲労強度構造部材、例
えば、内燃機関用コンロッド等を得るために粉末冶金技
術を採用する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、前記のような構造部材を製造する
場合、合金粉末より成形体、例えば圧粉体を圧縮成形
し、次いで圧粉体に成形固化加工、例えば熱間押出し加
工を施す、といった方法が採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来法に
よると、成形体における合金粉末相互間の接触界面に比
較的大きな圧縮応力が発生しているため、成形固化加工
過程では合金粉末相互間に働く摩擦力が増大して合金粉
末の動きが滑らかでなくなり、その結果、構造部材に割
れ、空隙等の欠陥を生じてその疲労強度が低下する、と
いった問題があった。
【0004】本発明は前記に鑑み、特定の合金粉末を用
いると共に成形体における合金粉末相互間の接触界面に
存する圧縮応力を緩和し得るようにし、これにより欠陥
が無く疲労強度の高い構造部材を得ることのできる前記
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高疲労強度
構造部材の製造方法は、加熱下で体積収縮を発生する非
平衡組織を備えた合金粉末より成形体を得る工程と、前
記成形体に、前記合金粉末の体積収縮率Vsが0.1%
≦Vs≦7%である加熱処理を施す工程と、前記成形体
に成形固化加工を施す工程とを順次行うことを特徴とす
る。
【0006】
【作用】成形体において、それを構成する合金粉末に特
定量の体積収縮を発生させると、成形体における合金粉
末相互間の接触界面に存する圧縮応力(以下、単に成形
体における圧縮応力という)を緩和することができる。
これにより成形固化加工過程では合金粉末の動きを滑ら
かにして、欠陥が無く疲労強度の高い構造部材を得るこ
とができる。
【0007】ただし、成形体における合金粉末の体積収
縮率VsがVs<0.1%では、その成形体における圧
縮応力を十分に緩和することができず、一方、Vs>7
%では成形体の保形性が低下するため、加熱処理過程で
成形体に割れが発生し易くなる。なお、圧縮応力除去効
果を高めるためには、各合金粉末の体積収縮を緩徐に行
うのがよい。
【0008】
【実施例】加熱下で体積収縮を発生する非平衡組織を備
えた合金粉末としては、非晶質単相組織を有する金属組
織を備えた合金粉末、非晶質相と結晶質相とよりなる混
相組織を有する金属組織を備えた合金粉末、過飽和固溶
体である合金粉末等が用いられる。
【0009】また成形体の製造法としては、冷間静水圧
プレス(CIP)、一軸プレス等が採用される。さらに
成形固化加工としては、熱間押出し加工、熱間鍛造加工
等が採用される。
【0010】〔実施例1〕Al90Fe6 Mm4 (数値は
原子%、Mmはミッシュメタル)の組成を有する溶湯を
調製し、次いで超音波ガスアトマイズ装置を用いて、H
eガス圧100kgf/cm2 の条件下でAl合金粉末を製
造した。その後、Al合金粉末に分級処理を施して、そ
の粒径を22μm以下に調整した。
【0011】Al合金粉末について、X線回折および示
差熱量分析(DSC)を行い、その金属組織を調べた。
図1は、Al合金粉末の示差熱量分析図(DSC)であ
る。その結果、Al合金粉末は結晶質相と非晶質相とよ
りなる混相組織を有し、また非晶質相の結晶化温度Tx
は624K、結晶化に伴う発熱量は84.03J/gで
あることが判明した。
【0012】次いで、Al合金粉末を用いて、次のよう
な加熱処理およびビレットの製造を行った。先ず、Al
合金粉末に温度603K、時間10〜60分間の条件下
で1次加熱処理を施してAl合金粉末の発熱量を調整
し、次いでAl合金粉末に4000kgf/cm2 の条件下
で冷間静水圧プレス(CIP)を施して成形体としての
カサ密度約78%の複数のビレットを製造し、その後各
ビレットに温度603K、時間10〜60分間の条件下
で2次加熱処理を施してAl合金粉末における非晶質相
の結晶化を行った。
【0013】表1は、各種ビレット(1)〜(7)にお
いて、Al合金粉末に対する1次加熱処理時間T1 、1
次加熱処理後のAl合金粉末の発熱量E1 および比重D
1 ならびにビレットに対する2次加熱処理時間T2 、2
次加熱処理後のビレットにおけるAl合金粉末の発熱量
2 および比重D2 を示す。
【0014】
【表1】 表2は、2次加熱処理後のビレットにおけるAl合金粉
末の体積収縮率Vsと性状との関係を示す。体積収縮率
Vsは、Al合金粉末の比重D1 ,D2 を用い、〔(D
2 −D1 )/D2 〕×100%に基づいて求められたも
ので、これは以後の各実施例において同じである。
【0015】
【表2】 表1および表2から明らかなように、ビレット(1)は
1次加熱処理を施されていないAl合金粉末を用い、ま
たビレット(2)は1次加熱処理時間T1 の短いAl合
金粉末を用いたことから、2次加熱処理において急激な
結晶化を生じ、その結果、Al合金粉末の体積収縮率V
sがVs>7%となったため割れを生じたものである。
ビレット(3)〜(7)は、Al合金粉末の体積収縮率
VsがVs≦7%であって正常である。
【0016】次に、各ビレット(3)〜(7)を用い、
押出し温度673K、押出し比約13の条件下で熱間押
出し加工を行い、各種構造部材(3)〜(7)(各構造
部材の番号は各ビレットの番号に対応する)を製造し
た。
【0017】表3は、構造部材(3)〜(7)の室温下
における疲労強度を示し、また図2はビレットにおける
Al合金粉末の体積収縮率Vsと前記疲労強度との関係
を示す。図2における番号(3)〜(7)は構造部材
(3)〜(7)にそれぞれ該当する。疲労強度は引張り
圧縮疲労試験により測定したもので、これは以後の実施
例において同じである。
【0018】
【表3】 表3および図2から明らかなように、ビレットにおける
Al合金粉末の体積収縮率Vsが0%<Vs≦7%であ
る構造部材(3)〜(6)は高疲労強度を有する。これ
は、前記のような体積収縮率Vsを発生させることによ
って、ビレットにおける圧縮応力が十分に緩和されたか
らである。構造部材(7)は、1次加熱処理中に完全に
結晶化したAl合金粉末を用いたことからそのAl合金
粉末の体積収縮率VsがVs=0であることに起因して
低疲労強度である。
【0019】次に、ビレットにおけるAl合金粉末の体
積収縮率Vsの下限値を求めるため、前記混相組織を有
するAl合金粉末を用いて、次のような加熱処理および
ビレットの製造を行った。先ず、Al合金粉末に温度6
03K(前記と同一温度)、時間52〜57分間の条件
下で1次加熱処理を施してAl合金粉末の発熱量を調整
し、次いでAl合金粉末に前記と同一条件下で冷間静水
圧プレス(CIP)を施して前記と同一カサ密度の複数
のビレットを製造し、その後各ビレットに温度603K
(前記と同一温度)、時間3〜8分間の条件下で2次加
熱処理を施してAl合金粉末における非晶質相の結晶化
を行った。
【0020】表4は、各種ビレット(8)〜(12)に
おいて、Al合金粉末に対する1次加熱処理時間T1
1次加熱処理後のAl合金粉末の発熱量E1 および比重
1ならびにビレットに対する2次加熱処理時間T2
2次加熱処理後のビレットにおけるAl合金粉末の発熱
量E2 および比重D2 を示す。
【0021】
【表4】 次に、各ビレット(8)〜(12)を用い、前記と同一
条件下で熱間押出し加工を行い、各種構造部材(8)〜
(12)(各構造部材の番号は各ビレットの番号に対応
する)を製造した。
【0022】表5は、ビレットにおけるAl合金粉末の
体積収縮率Vsと構造部材(8)〜(12)の室温下に
おける疲労強度を示す。
【0023】
【表5】 図3は、ビレットにおけるAl合金粉末の体積収縮率V
sと前記疲労強度との関係をグラフ化したものである。
図3における番号(8)〜(12)は構造部材(8)〜
(12)にそれぞれ該当する。
【0024】表5および図3から明らかなように、ビレ
ットにおけるAl合金粉末の体積収縮率VsがVs≧
0.1%にて疲労強度の向上が認められる。したがっ
て、ビレットにおけるAl合金粉末の体積収縮率Vsの
下限値はVs=0.1%に規定される。
【0025】〔実施例2〕Al90Ni7 Mm3 (数値は
原子%、Mmはミッシュメタル)の組成を有する溶湯を
調製し、次いで実施例1と同一条件下でAl合金粉末を
製造した。その後Al合金粉末に分級処理を施して、粒
径が16μm以下のAl合金粉末P1 と粒径が22〜4
4μmであるAl合金粉末P2 とを得た。
【0026】両Al合金粉末P1 ,P2 について、実施
例1と同様の方法でそれらの金属組織を調べた。図4,
図5は示差熱量分析図(DSC)であり、図4がAl合
金粉末P1 に、また図5がAl合金粉末P2 にそれぞれ
該当する。その結果、両Al合金粉末P1 ,P2 は結晶
質相と非晶質相とよりなる混相組織を有し、また非晶質
相の結晶化温度Txは624K、結晶化に伴う発熱量は
Al合金粉末P1 で91.12J/g、Al合金粉末P
2 で32J/gであることが判明した。また比重はAl
合金粉末P1 で2.913g/cm3 、Al合金粉末P2
で3.066g/cm3 であった。
【0027】両Al合金粉末P1 ,P2 を表6に示す体
積比にて混合して混合Al合金粉末(13)〜(17)
を調製した。
【0028】
【表6】 次に、各混合Al合金粉末(13)〜(17)を用い
て、次のような加熱処理およびビレットの製造を行っ
た。先ず、各混合Al合金粉末に実施例1と同一条件下
で冷間静水圧プレス(CIP)を施して前記と同一カサ
密度の複数のビレット(13)〜(17)(各ビレット
の番号は各粉末の番号に対応する)を製造し、次いで各
ビレット(13)〜(17)に573K、60分間の加
熱処理を施して混合Al合金粉末における非晶質相の結
晶化を行った。
【0029】表7は、各種ビレット(13)〜(17)
の混合Al合金粉末における、加熱処理前の比重D3
加熱処理後の比重D4 、体積収縮率Vsおよびビレット
の性状を示す。各比重D3 ,D4 は両粉末P1 ,P2
比重と体積比とより求められた。
【0030】
【表7】 表6および表7から明らかなように、ビレット(1
3),(14)においては、非晶質相の体積分率Vfの
高いAl合金粉末P1 の配合量が多いことに起因して加
熱処理において急激な結晶化を生じ、その結果、混合A
l合金粉末の体積収縮率VsがVs>7%となったため
割れを生じたものである。ビレット(15)〜(17)
は混合Al合金粉末の体積収縮率VsがVs≦7%であ
って正常である。
【0031】次に、各ビレット(15)〜(17)を用
い、押出し温度673K、押出し比約13の条件下で熱
間押出し加工を行い、各種構造部材(15)〜(17)
(各構造部材の番号は各ビレットの番号に対応する)を
製造した。
【0032】表8は、構造部材(15)〜(17)の室
温下における疲労強度を示し、また図6はビレットにお
ける混合Al合金粉末の体積収縮率Vsと前記疲労強度
との関係を示す。図6における番号(15)〜(17)
は構造部材(15)〜(17)にそれぞれ該当する。
【0033】
【表8】 表6,表8および図6から明らかなように、構造部材
(15)〜(17)においては混合Al合金粉末として
粒径の小さなAl合金粉末P1 の配合量が増すに従って
疲労強度が高くなる。これは、Al合金粉末P1 の微小
粒径に起因して金属組織が均一となるためである。
【0034】比較のため、混合Al合金粉末(13)〜
(17)に、前記ビレットの場合と同一条件下で加熱処
理を施した後、前記と同一条件下でビレットの製造、構
造部材の製造を順次行った。この場合、各ビレットにお
ける混合Al合金粉末の体積収縮率VsはVs=0であ
る。
【0035】表9は、各種構造部材(131 )〜(17
1 )〔混合Al合金粉末(13)〜(17)にそれぞれ
対応する〕の室温下における疲労強度を示す。
【0036】
【表9】 表8および表9を比較すると明らかなように、表8に示
したビレットにおける混合Al合金粉末の体積収縮を伴
う構造部材(15)〜(17)は、その体積収縮を伴わ
ない構造部材(131 )〜(171 )に比べて疲労強度
が高い。
【0037】〔実施例3〕実施例1のAl合金粉末を用
いて、次のような1次加熱処理を行った。Al合金粉末
を二群に分け、一群のAl合金粉末に623K、30分
間の条件下で1次加熱処理を施してAl合金粉末の発熱
量を調整した。このような1次加熱処理を施されたもの
をAl合金粉末P3 (比重 3.049g/cm3 )とす
る。また他群のAl合金粉末に623K、60分間の条
件下で1次加熱処理を施してAl合金粉末を結晶化させ
た。このような1次加熱処理を施されたものをAl合金
粉末P4 (比重 3.181g/cm3 )とする。
【0038】両Al合金粉末P3 ,P4 を表10に示す
体積比にて混合して混合Al合金粉末(18)〜(2
7)を調製した。
【0039】
【表10】 次に、各混合Al合金粉末(18)〜(27)に実施例
1と同一条件下で冷間静水圧プレス(CIP)を施して
前記と同一カサ密度の複数のビレット(18)〜(2
7)(各ビレットの番号は各混合Al合金粉末の番号に
対応する)を製造し、次いで各ビレット(18)〜(2
7)に623K、60分間の2次加熱処理を施して混合
Al合金粉末における非晶質相の結晶化を行った。
【0040】表11は、各種ビレット(18)〜(2
7)の混合Al合金粉末における2次加熱処理前の比重
5 、2次加熱処理後の比重D6 および体積収縮率Vs
を示す。両比重D5 ,D6 は前記と同様の方法で求めら
れた。
【0041】
【表11】 次に、各ビレット(18)〜(27)を用い、実施例1
と同一条件下で熱間押出し加工を行い、各種構造部材
(18)〜(27)(各構造部材の番号は各ビレットの
番号に対応する)を製造した。
【0042】表12は、各ビレットにおける混合Al合
金粉末の体積収縮率Vsと各構造部材の室温下における
疲労強度との関係を示す。
【0043】
【表12】 表12から明らかなように、構造部材(18)〜(2
5)はビレットにおける混合Al合金粉末の体積収縮率
VsがVs≧0.1%であって疲労強度が高い。
【0044】〔実施例4〕Al91Fe7 Zr2 (数値は
原子%)の組成を有する溶湯を真空溶解法により調製
し、次いでその溶湯を用いて単ロール法の適用下リボン
状Al合金を製造した。単ロール法の条件は、Cu製ロ
ールの直径 250mm、ロール回転数 4000rpm 、
石英ノズル噴射口の直径 0.5mm、溶湯噴射圧 0.
4kgf/cm2、石英ノズルおよびロール間のギャップ
0.3mm、雰囲気 −40cmHgArである。
【0045】リボン状Al合金について、実施例1と同
様の方法でその金属組織を調べたところ、前記同様に混
相組織であり、また図7の示差熱量分析図(DSC)に
示すように非晶質相の結晶化温度Txは635K、結晶
化に伴う発熱量は93J/gであることが判明した。
【0046】リボン状Al合金を粉砕して粒径150μ
m以下のAl合金粉末を製造し、次いでそのAl合金粉
末を用いて実施例1と同一条件下で同一カサ密度のビレ
ットを製造し、その後ビレットに623K、60分間の
加熱処理を施した。この場合、ビレットにおけるAl合
金粉末の加熱処理前の比重D7 は2.961g/cm3
加熱処理後の比重D8 は3.203g/cm3 であり、体
積収縮率VsはVs=7.555%であった。熱間押出
し加工を行うべく、ビレットの性状を調べたところ、ビ
レットには割れが生じていた。これは、ビレットにおけ
るAl合金粉末の体積収縮率VsがVs>7%であるこ
とに起因する。
【0047】次に、前記単ロール法におけるロールの回
転数を変え、他の条件を前記と同一に設定して各種リボ
ン状Al合金を製造し、それらリボン状Al合金を粉砕
して粒径150μm以下の各種Al合金粉末(28)〜
(34)を製造した。
【0048】表13は、各種Al合金粉末(28)〜
(34)において、リボン状Al合金製造時のロール回
転数、金属組織および結晶化に伴う発熱量を示す。
【0049】
【表13】 各Al合金粉末(28)〜(34)を用い、前記と同条
件下で冷間静水圧プレス(CIP)を行うことによって
各種ビレット(28)〜(34)(各ビレットの番号は
各Al合金粉末に対応する)を製造し、次いで各ビレッ
トに623K、60分間の加熱処理を施してAl合金粉
末における非晶質相の結晶化を行った。
【0050】表14は、各ビレット(28)〜(34)
のAl合金粉末における加熱処理前の比重D5 、加熱処
理後の比重D6 および体積収縮率Vsを示す。
【0051】
【表14】 次に、各ビレット(28)〜(34)を用い、押出し温
度723K、押出し比約13の条件下で熱間押出し加工
を行い、各種構造部材(28)〜(34)(各構造部材
の番号は各ビレットの番号に対応する)を製造した。
【0052】表15は、各ビレットにおけるAl合金粉
末の体積収縮率Vsと各構造部材(28)〜(34)の
室温下における疲労強度との関係を示す。
【0053】
【表15】 表15から明らかなように、構造部材(28)〜(3
3)はビレットにおけるAl合金粉末の体積収縮率Vs
がVs≧0.1%であって疲労強度が高い。
【0054】〔実施例5〕Al92Ni6 Zr2 (数値は
原子%)の組成を有する溶湯を調製し、次いで実施例1
と同一条件下でAl合金粉末を製造し、その後Al合金
粉末に分級処理を施して、粒径を22μm以下に調整し
た。
【0055】Al合金粉末について、実施例1と同様の
方法でその金属組織を調べた。図8は示差熱量分析図
(DSC)である。その結果、Al合金粉末は結晶質相
と非晶質相とよりなる混相組織を有し、また非晶質相の
結晶化温度Txは590K、結晶化に伴う発熱量は88
J/gであることが判明した。この場合、Al合金粉末
の比重は2.931であった。
【0056】Al合金粉末に573K、15分間の熱処
理を施して、非晶質相の結晶化に伴う発熱量を50J/
gに調整した。この時のAl合金粉末の比重は2.99
3g/cm3 であった。
【0057】発熱量調整後のAl合金粉末に、実施例1
と同一条件下で冷間静水圧プレス(CIP)を施して前
記と同一カサ密度の二個のビレット(35),(36)
を製造し、次いで一方のビレット(35)には573
K、60分間の加熱処理を施し、また他方のビレット
(36)には623K、10分間の加熱処理を施してA
l合金粉末における非晶質相の結晶化を行った。
【0058】比較のため、発熱量調整後のAl合金粉末
に573K、60分間の加熱処理を施して非晶質相の結
晶化を行ったもの(37)、および発熱量調整後のAl
合金粉末に623K、10分間の加熱処理を施して非晶
質相の結晶化を行ったもの(38)を製造し、各Al合
金粉末(37),(38)に、実施例1と同一条件下で
冷間静水圧プレス(CIP)を施して前記と同一カサ密
度の二個のビレット(37),(38)(各ビレットの
番号は各Al合金粉末の番号に対応する)を製造した。
【0059】表16は、各種ビレット(35)〜(3
8)において、ビレット製造直前のAl合金粉末の比重
7 、ビレットにおけるAl合金粉末の比重D8 および
体積収縮率Vsを示す。
【0060】
【表16】 次いで、各ビレット(35)〜(38)を用い、押出し
温度723K、押出し比約13の条件下で熱間押出し加
工を行い、各種構造部材(35)〜(38)(各構造部
材の番号は各ビレットの番号に対応する)を製造した。
【0061】表17は、各ビレットにおけるAl合金粉
末の体積収縮率Vsと各構造部材の室温下における疲労
強度との関係を示す。
【0062】
【表17】 表17から明らかなように、構造部材(35)において
は、非晶質相の結晶化が緩徐に行われており、その結
果、構造部材(35)の疲労強度は、非晶質相の急激な
結晶化を行った構造部材(36)に比べて高くなってい
る。このことから、ビレットにおけるAl合金粉末の体
積収縮は緩徐に行うのが良いことが判る。また構造部材
(35),(36)は、ビレット製造前に非晶質相の結
晶化を終了させた構造部材(37),(38)に比べて
疲労強度が高くなっている。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、特定の合金粉末よりな
る成形体に加熱処理を施して、その合金粉末に特定量の
体積収縮を発生させ、その後成形体に成形固化加工を施
す、といった手段を採用することによって、割れ、空隙
等の欠陥がなく、疲労強度の高い構造部材を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Al合金粉末の示差熱量分析図である。
【図2】ビレットにおけるAl合金粉末の体積収縮率と
構造部材の疲労強度との関係を示すグラフである。
【図3】ビレットにおけるAl合金粉末の体積収縮率と
構造部材の疲労強度との関係を示すグラフである。
【図4】Al合金粉末の示差熱量分析図である。
【図5】Al合金粉末の示差熱量分析図である。
【図6】ビレットにおける混合Al合金粉末の体積収縮
率と構造部材の疲労強度との関係を示すグラフである。
【図7】リボン状Al合金の示差熱量分析図である。
【図8】Al合金粉末の示差熱量分析図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加熱下で体積収縮を発生する非平衡組織
    を備えた合金粉末より成形体を得る工程と、前記成形体
    に、前記合金粉末の体積収縮率Vsが0.1%≦Vs≦
    7%である加熱処理を施す工程と、前記成形体に成形固
    化加工を施す工程とを順次行うことを特徴とする高疲労
    強度構造部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0245641A (ja) * 1988-08-05 1990-02-15 Hitachi Constr Mach Co Ltd エンジンの遠隔制御装置

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