JPH0531898B2 - - Google Patents

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JPH0531898B2
JPH0531898B2 JP25137287A JP25137287A JPH0531898B2 JP H0531898 B2 JPH0531898 B2 JP H0531898B2 JP 25137287 A JP25137287 A JP 25137287A JP 25137287 A JP25137287 A JP 25137287A JP H0531898 B2 JPH0531898 B2 JP H0531898B2
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spherical
thermoplastic resin
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carbon
inorganic filler
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Naosuke Adachi
Minoru Adachi
Takashi Kizawa
Morikazu Inada
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ADACHI SHIN SANGYO KK
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ADACHI SHIN SANGYO KK
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は、PPS(ポリフエニレンサルフアイド)
樹脂や、LCP(液晶ポリマー)樹脂、ポリエーテ
ルサルフオン(PES)樹脂、ポリアミド(PA)
樹脂、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂等で、代
表される熱可塑性プラスチツクのもつ優れた機械
的性質、電気的性質、寸法安定性、耐熱性、耐薬
品性などの諸特性を生かして、電気電子機器、車
両及び航空機、船舶機器等の部品、スポーツ・レ
ジヤー用品等の各分野で広く使用することができ
る複合成形材料で、詳しくは熱可塑性樹脂と、特
殊形状とした炭素または黒鉛若しくはアモルフア
スカーボンと、無機充填剤とを主要材料とし、こ
れらを均一または略均一に混合してなる精密成形
用熱可塑性樹脂成形材料に関するものである。 <従来の技術> 従来この種の精密成形用材料としては、実用に
供されているものに、 (1) ガラス繊維とPPSやPEIとを主要材料とし、
これを均一または略均一に混合してなる成形材
料。 (2) ガラス繊維と熱可塑性樹脂とを主要材料と
し、これを均一または略均一に混合してなる成
形材料。 (3) ガラス繊維と熱可塑性樹脂とを主要材料と
し、これに無機充填剤を混合して均一または略
均一に混合してなる成形材料。 (4) カーボン繊維とPPS樹脂とを主要材料とし金
属微粉末等を添加し、これらを均一または略均
一に混合してなる成形材料。 等がある。 <発明が解決しようとする問題点> 然し乍ら、上記従来の各成形材料による場合
は、それらによる成形品において、各々次のよう
な問題点を有していた。 即ち、(1)の成形材料による場合は、成形時の流
動性を保持する上でガラス繊維の上限含有率が重
量百分率において40パーセント以下に制約され
る。成形時の材料の流動状況によつてガラス繊維
の配向性が異なり、それに起因して成形収縮で方
向性による差異が生じ、成形品が歪、変形し易い
という問題があつた。また、ガラス繊維の重量百
分率が増加するに従い、成形品の表面平滑性が悪
くなり、摺動特性が悪くなる。 (2)の成形材料による場合は、通常ガラス繊維の
含有率が30パーセント以下で、流動性は良好であ
るが、反面、成形品の表面にヒケによる歪が発生
したり、ガラス繊維の配向性により変形やソリが
発生する。また複雑な形状や、精密成形品の材料
としては不適であり、用途としては汎用機構部品
等にしか向かないという問題があつた。 (3)の成形材料の場合は、例えば無機充填剤を多
く充填させることによりガラス繊維の配向性によ
る変形が比較的少ないが、逆に給油率が大きくな
り、成形時の流動性が悪くなり、小物の肉薄成形
品の製造が不可能になる。また、逆に無機充填剤
を少なく充填すると、流動性は良くなるが、ガラ
ス繊維の配向性による変形が大きくなるため精密
摺動部品としては使用ができないという問題があ
つた。 以上如く従来から実用に供されている成形材料
は何れのものも、近年とみに脚光を浴び、将来に
わたつてその進歩に著しい期待が寄せられている
電子産業やオートメーシヨン機器分野、光関係分
野等で使用する各種デバイス、精密部品など寸法
精度、寸法安定性、熱膨張係数、熱伝導率、表面
平滑性、摺動性に対する要求度の高い成形品には
適さず、それだけ用途範囲の狭い材料であつた。 <問題点を解決するための手段> 上記の如き特徴を有する本発明に係る成形材料
の基本的な技術思想は、混合材料として熱膨張係
数の小さい、摺動特性の良い、導電性を有する炭
素または黒鉛またはアモルフアスカーボンを球状
化して成形品に高充填させることによつて性能の
向上を計ろうとするものであつて、これら炭素ま
たは黒鉛若しくはアモルフアスカーボンを球状に
形成し、これを成形材料中に占める割合を非常に
高くし、加熱加圧成形時に球状材と球状材との間
に、熱可塑性樹脂と微小な無機充填剤または粒子
径の小さい球状の炭素または球状の黒鉛または球
状のアモルフアスカーボン等を細密充填させて、
成形料の緻密性を補償させ、成形品の成形収縮率
を可及的に小さくすること、成形材料中に炭素ま
たは黒鉛またはアモルフアスカーボンを高含有さ
せることに伴なつて生じる流動性の低下をこれら
炭素または黒鉛またはアモルフアスカーボンを球
状とすること及び無機充填剤の硬度を低くするこ
とによつて補償し、更に無機充填剤または粒子径
の小さい球状の炭素または黒鉛またはアモルフア
スカーボン等の混入によつて高緻密化し、成形品
の寸法精度、寸法安定性及び表面平滑性を著しく
改善することをできるようにした。 また、球状の炭素または球状の黒鉛または球状
のアモルフアスカーボンは、ピツチまたはフエノ
ール樹脂等を原料として製造するが、原料及び製
造方法によつて球状の炭素、黒鉛、アモルフアス
カーボンの硬度はモース硬度で2乃至8と異なる
が成形品の強度、硬度を向上させるためには、モ
ース硬度5乃至7のものを使用することが好まし
い。 硬度の硬い球状の炭素、黒鉛、アモルフアスカ
ーボンと併用する無機充填剤の硬度を、モース硬
度で5以下のものを選定し組み合わせすることに
よつて材料の流動性をよりスムースにし、成形品
の平滑性が更に改善され、摺動部品等で要求され
る摺動面に接する相手材のキズ、摩耗の発生を著
しく改善した熱可塑性成形材料を提供する点に目
的を有する。 この目的を達成するための本発明に係る熱可塑
性樹脂材料は、熱可塑性樹脂に混合すべき炭素ま
たは黒鉛またはアモルフアスカーボンを球状と
し、かつ、その大きさを1乃至70μmの直径のも
のを使用し、また無機充填剤としてはモース硬度
で5以下のものを選定し、かつ、10μm以下の粒
径のものを使用し、これら球状の炭素または球状
の黒鉛または球状のアモルフアスカーボン若しく
はこれらの混合物の成形材料全体に対する配合比
が重量百分率で30乃至70パーセント、モース硬度
5以下の無機充填剤の配合比が2乃至30パーセン
ト、熱可塑性樹脂の配合比が25乃至50パーセント
とした点にある。 <作用> 上記の如くした本発明に係る成形材料の基本的
な技術思想は、熱可塑性樹脂を対象とし、その混
合材としての炭素または黒鉛またはアモルフアス
カーボンを球状のものとし、かつ、その大きさを
特定して、使用することにより成形時の材料の流
動性を大幅に向上させることができるようにした
点にあり、このようにすることによつて熱可塑性
樹脂の含有率を可及的に低くすることができる。
即ち、充填剤の含有率を高くすることによつて射
出成形時に球状の炭素または球状の黒鉛または球
状のアモルフアスカーボンの粒子間にモース硬度
5以下の無機充填剤と熱可塑性樹脂とを高密度に
充填させて成形品の成形収縮を非常に小さくする
ことによつて成形品のヒケをなくすことが可能と
なる。また球状の炭素または球状の黒鉛または球
状のアモルフアスカーボンとともに使用する無機
充填剤においても球状のものを使用することは成
形品の充填性を向上させるためには有効である
が、樹脂の含有率を低くすることによつて生じる
流動性の低下は球状とした炭素または黒鉛または
アモルフアスカーボンによつて大幅に改善できる
のである。また、平均粒径が1乃至70μmの球状
の炭素または球状の黒鉛または球状のアモルフア
スカーボンを用いることによつて成形収縮率を小
さくし、成形収縮においても方向性のない表面の
平滑な優れた成形品が得られる。 また、摺動性の良い球状の炭素または球状の黒
鉛または球状のアモルフアスカーボンと硬度の低
い粒径の小さな無機充填剤を配合することによ
り、摺動特性が大幅に改善され、摺動面に接する
相手材のキズ発生及び摩耗を大幅に防止すること
ができるのである。 以下これらの各点に関して本発明者らが発明し
究明した事項について仔細に詳述する。 即ち、球状の炭素または球状の黒鉛は熱膨張係
数が−0.1×10-6/℃乃至5×10-6/℃と極めて
小さく精密成形品等に使用する熱可塑性樹脂の内
エンプラのように成形温度の比較的高い材料に高
含有させることは成形収縮を抑制する上で有効で
ある。 然しながら、熱可塑性樹脂は冷却固化時に0.5
乃至2パーセント程度の収縮を起こすものであ
り、この収縮によつて球状の炭素または球状の黒
鉛若しくは球状のアモルフアスカーボンと樹脂と
の間に内部応力が発生し、成形品の変形や樹脂層
に生じる微細クラツクにより精密成形品を得るこ
とができない。 本発明はこのような点に鑑み、熱膨張係数が樹
脂(40〜150×10-6/℃)に比べて小さい無機充
填剤(5〜8×10-6/℃)を添加すること、また
無機充填剤の代わりに平均粒径の2μm以下の粒
径の小さな球状の炭素または黒鉛またはアモルフ
アスカーボンを添加することによつて熱可塑成形
脂材料の成形収縮を小さくし、球状の炭素または
球状の黒鉛または球状のアモルフアスカーボンと
樹脂との間の内部応力の発生を緩和または分散さ
せて成形品の変形や強度低下を招くことなく、成
形収縮を改善できるのである。 また、球状の炭素または球状の黒鉛または球状
のアモルフアスカーボンの粒径の組み合わせによ
り樹脂の含有率を少なくすることが可能となり、
成形収縮を小さくすることができる。 また、本発明に使用する球状の炭素または球状
の黒鉛または球状のアモルフアスカーボンの平均
粒子は1乃至70μmの間が最も良い。つまり、平
均粒径が100μm以上の球状炭素または球状の黒
鉛または球状のアモルフアスカーボンを使用する
と成形時の流動性が低下し成形作業性が著しく悪
くなる。 また、成形品表面の平滑性にも悪影響が現れ
る。 また、平均粒径1μm未満の球状の炭素または
球状の黒鉛等を使用すると樹脂含有率を低くする
ことが困難となり、成形収縮の抑制効果が低くな
る。 次に、本発明において使用する無機充填剤とし
ては、モース硬度5以下のカオリン、クレー、炭
酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドローマイ
ト、水酸化カルシウム、ウオラストナイト、硫酸
バリウム等の微粉末のほかに、モンモリナイト、
ヘクトライト、バーキユライト、加水ハロイサイ
ト、パイロフイライト等の粘土類、硫化タリウム
等の硫化物、りん酸水素ジルコニウム等のりん酸
塩、オキシ塩化第二鉄のハロゲン化物、雲母など
で代表される層状無機化合物が考えられるが、特
に樹脂に対して優れた親和性を有し、成形時の流
動性を保持しつつかつ、成形品の強度を向上でき
る層状無機化合物が好ましく、成形品表面の平滑
性も改善される。 また、無機充填剤としては、モース硬度5以下
の平均粒径10μm以下のものが最も効果的であ
る。 つまり、硬度の高いモース硬度6以上の無機充
填剤を配合すると材料の流動性や成形品表面の平
滑性に悪影響を与える。更に、摺動面に接する相
手材の表面にキズをつけ長期的に安定した摺動性
能を保持することができなくなる。 即ち、成形品の摺動面は摺動性の良い球状の炭
素または球状の黒鉛または球状のアモルフアスカ
ーボン等の球面またはモース硬度5以下で、平均
粒径10μm以下の無機充填剤を含有した熱可塑性
樹脂層となり、摺動面の摩耗も少なくまた摺動面
に接する相手材の表面にキズをつけることもな
く、長期的に安定した摺動性能が得られるのであ
る。 一般的に、精密摺動部品に使用されるステンレ
スの硬度はモース硬度で5位であり、モース硬度
5以上の無機充填剤を配合することは精密摺動部
品としての用途については好ましくないのであ
る。 また平均粒径が10μm以上のものを用いると、
成形時の流動性が低下して成形性に悪影響を及ぼ
すとともに、成形品の表面が粗になり、表面平滑
性にも欠ける。このことからみて、無機充填剤と
しては、平均粒子径の小さいものほど好ましく、
粒子径が小さければ小さいほど実質表面積が増す
ので、それに比例して含有率も小さくなるもので
ある。 また、無機充填剤の外に補強材として炭素繊維
等繊維長1mm以下の無機繊維を併用して使用する
ことも可能であるが、配合量は成形材料全体に対
する配合比で15パーセント未満が好ましく、15パ
ーセント以上配合すると摺動面に繊維の影響が現
れ摺動部の相手材にキズをつけ摺動性を阻害する
こととなり精密摺動部品としては好ましくない。 更に、球状の炭素または球状の黒鉛または球状
のアモルフアスカーボンの含有率については、重
量百分率で30乃至70パーセント、好ましは40パー
セント以上60パーセント未満が良い。 つまり、球状の炭素または球状の黒鉛または球
状のアモルフアスカーボンを70パーセントより以
上に含有させると、成形時の金型内での流動性が
低下し、特に複雑な形状の成形品の成形が困難と
なり、また20パーセント未満では成形収縮率熱膨
張係数が所期通りに小さくならず、流動性も低下
するため精密部品の成形には適用できないのであ
る。 無機充填剤の配合量は、球状の炭素または球状
の黒鉛または球状のアモルフアスカーボンの配合
比及び樹脂の配合によつて選定されるが、通常は
5乃至20パーセントが好ましく、熱膨張係数等の
調整等成形品の要求特性によつては2乃至30パー
セントの範囲で配合する。また、成形材料に配合
する熱可塑性樹脂の配合比は25乃至50パーセント
の割合で配合される。配合比が25パーセント未満
では材料に適度の流動性を保持させることができ
ず、成形性を著しく低下させる。また、50パーセ
ントを越えると成形時の成形収縮が大きくなり、
また、成形品の寸法精度や熱膨張係数等で性能の
低下をきたす。 即ち、成形材料の流動性が保たれる範囲ででき
るだけ樹脂の配合量を少なくするように配合する
ことが好ましい。 <発明の効果> 以上詳述したように本発明は、熱硬化性樹脂を
対象とせず、ポリフエニレンサルフアイド、液晶
ポリマー、ポリエーテルサルフオン、ポリエーテ
ルイミド、ポリアミド樹脂等に代表される熱可塑
性樹脂を対象とし、その混合材としての炭素また
は黒鉛またはアモルフアスカーボンを球状のもの
とし、かつ、その直径を特定し、また、他の混合
材としての無機充填剤についてもその硬度や粒径
を特定し、これら二つの主要材料の性状選定、並
びに熱可塑性樹脂を含む三つの主要材料の配合比
の選定によつて、成形時の樹脂の収縮による内部
応力の発生を抑制して成形品の成形収縮率を、金
型寸法に対して流れる方向及び直角方向共に0.4
パーセント以下の極めて小さいものにできるよう
にしたので、成形品の変形やクラツクによる強度
低下も殆どなく、しかも成形品にヒケもなく表面
平滑性に優れている。加えて、成形品の熱膨張係
数は球状の炭素または球状の黒鉛または球状のア
モルフアスカーボンの配合量により約1.60×
10-5/℃位まで調整することが可能である。 従来より、精密部品及び摺動部品に使用されて
いるポリフエニレンサルフアイド樹脂及びアルミ
ニウムの熱膨張係数は2.1〜2.4×10-5/℃であり、
本発明によつて得られる成形品の方が優れてい
る。 また、球状の粒子を配合することにより材料の
流れによる配向がなくなり、従つて、熱膨張係数
の方向性も生じにくいため、温度変化による各部
分の寸法変化も非常に小さくて、成形品表面の面
精度と寸法安定性の面において極めて優れた効果
があり、成形時の寸法精度の向上と相俟つ小物の
肉薄成形品や精密成形部品に十分適用できるに至
つたのである。 従つて、従来アルミダイカストなどのメタル製
品で成形し成形後に改めて精密加工を施す必要の
あつた精密部品を、成形後加工を全く必要としな
い量産可能な成形品に置き換えることができて、
製作コストの大幅な低減並びに製品重量の著しい
軽量化が図れるといつた産業上における貢献度の
高い成形材料を提供できるに至つたのである。 また本発明による成形材料は摺動特性の良い球
状の炭素または球状の黒鉛または球状のアモルフ
アスカーボンを多量に配合しているため、成形品
の摩擦係数を0.025位まで小さくすることが可能
であり、従来より高摺動部品の摺動軸部に施され
ているテフロンコート等の摺動対策を施こすこと
なく使用できる可能性もあり部品製作コストの大
幅な低減が期待できる。 さらに、本発明による成形材料を用いて成形さ
れた成形品は、熱伝導性が非常に優れているた
め、電気電子機器等の放熱を必要とする部品取付
用成形品として用いてもよく、かつ、高温・多湿
等の環境下においても寸法変化が極めて少なく変
形することが殆どないため、精密成形品に極めて
適しており、カメラやビデオ部品など、高温地
や、寒冷地における戸外使用商品の部品として使
用しても外部温度変化による影響を受けて膨張ま
たは収縮変化し機器の性能に支障を来たすという
おそれは皆無であるという特性を有している。 また、成形品それ自体が導電性を有しているの
で、光部品や電気電子部品として使用したとき、
帯電による諸欠点を自動的に解消でき、アース線
等による帯電防止対策を講じる必要がなく、ま
た、既述のとおり、成形品の表面平滑性が極めて
よく、摺動性を有しているので、回転軸や摺動軸
などの軸受として使用することができ、ベアリン
グ等の摺動部品を組み込む必要もなく、多くの特
異な性能をもつ優れた成形材料である。 上記の如く多くの性能を有した成形品は機能部
品としても有望であり広い分野での適応が期待で
きる。 <実施例> 以下本発明の実施例を詳述する。
【表】 上記各材料を300℃に加熱混練してペレツト化
した成形材料を射出成形機によつて射出圧1500
Kg/cm2、シリンダー温度320℃で射出し、金型温
度160℃、成形時間40秒で成形して成形品を得た。
【表】 上記各材料を300℃に加熱混練してペレツト化
した成形材料を実施例1と同一条件で成形して成
形品を得た。
【表】 上記各材料を300℃に加熱混練してペレツト化
した成形材料を実施例1と同一条件で成形して成
形品を得た。
【表】 上記各材料を300℃に加熱混練してペレツト化
した成形材料を実施例1と同一条件で成形して成
形品を得た。 次に本発明の上記各実施例と比較すべき従来例
を詳述する。
【表】 上記各材料を300℃に加熱混練してペレツト化
した成形材料を実施例1と同一条件で成形して成
形品を得た。 従来例 2 一般に市販されている精密成形品用のPPS樹脂
複合材料(ガラス繊維を約40%を含む)を実施例
1と同一条件で成形して成形品を得た。
【表】
【表】 上記各材料を300℃に加熱混練してペレツト化
した成形材料を実施例1と同一条件で成形して成
形品を得た。 従来例 4 一般に市販されている精密成形品用のLCP(液
晶ポリマー)樹脂複合材料(ガラス繊維を約30%
を含む)を実施例1と同一条件で成形して成形品
を得た。 以上に掲げた本発明の実施例1乃至4、及び従
来例1乃至4による成形品の評価を次表で示す。 これらの実施例・従来例に使用した成形品の形
状は別紙第1〜3図に示すとおりの一側に突出し
た中心軸1aに形成された中心孔1と、その両側
に形成された大小二つの連結孔2,3と薄い周壁
5,5に囲まれた二つの扇状孔4,4とを有する
電子機器用の部材である。なお、成形品の精度及
び摺動特性を比較するために軸受け部の真円度及
び真直度を真円度測定機によつて測定した。 また、軸受け内面の表面粗さは表面粗さ計で測
定した、ステンレスの軸のキズ摩耗についての観
察は、成形品の摺動軸受けにステンレス
(SUS304)の磨き軸をさし込み、小型モーター
によつて6000r.p.mで60分テストを行い、ステン
レスの軸のキズ、摩耗を実体顕微鏡40倍で観察し
比較した。 摩擦係数については、摩擦係数測定用の成形品
サンプルを作成し、摩擦試験機で測定した。試験
機の摩擦材はステンレス(SUS304)とし、各成
形品のテストを行ない比較値を測定した。
【表】 上記の成形品比較評価から明白にように、本発
明に係る成形材料による成形品は軸受け内面の真
円度、真直度からも分かるように、従来例に比較
して優れており、精密成形品の寸法精度が非常に
高く、また改善せられていることがわかる。また
表面粗さについても従来例に比較して実施例1乃
至4の如く優れている。 摩擦係数においても実施例1乃至3においては
特に良い値が出ており、ステンレス軸のキズ摩耗
の観察結果と対応しており、摺動部品としても非
常に優れていることが分かる。 実施例1乃至4の測定結果より本発明による成
形材料は成形時の成形収縮も小さく変形や成形収
縮によるヒケが非常に小さいため軸受内面の真円
度、真直度、表面粗さが大きく改善されたものと
思われる。 また、摩擦係数も大きく改善されており、この
ことは成形品の寸法精度の高い精密摺動部品への
適用を裏付けするのに十分な証明であり、精密部
品または精密摺動部品が熱可塑性樹脂による射出
成形によつて量産可能となり、それに伴うコスト
ダウンを実現できる証明でもある。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例と従来例とに使用した成
形品の図で、第1図は平面図、第2図及び第3図
はそれぞれ第1図における−線、−線部
分の縦断面図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 熱可塑性樹脂と球状の炭素または球状の黒鉛
    または球状のアモルフアスカーボン若しくはこれ
    らの混合物と無機充填剤とを主要材料としてこれ
    らを混合してなる成形材料であつて、前記球状の
    炭素または球状の黒鉛または球状のアモルフアス
    カーボンは1乃至70μmの平均粒径のものを使用
    し、かつ前記無機充填剤はモース硬度5以下で平
    均粒径10μm以下のものを使用し、これら球状の
    炭素または球状の黒鉛またはアモルフアスカーボ
    ン若しくはこれらの混合物の成形材料全体に対す
    る配合比が重量百分率で30乃至70パーセント、無
    機充填剤の配合比が2乃至30パーセント、熱可塑
    性樹脂の配合比が25乃至50パーセントの割合で配
    合されている熱可塑性樹脂成形材料。 2 前記熱可塑性樹脂がポリフエニレンサルフア
    イド(PPS)樹脂である特許請求の範囲第1項に
    記載の熱可塑性樹脂成形材料。 3 前記熱可塑性樹脂が液晶ポリマー(LCP)
    樹脂である特許請求の範囲第1項に記載の熱可塑
    性樹脂成形材料。 4 前記無機充填剤が、モース硬度5以下の充填
    剤であつて、カオリン、クレー、炭酸カルシウ
    ム、炭酸マグネシウム、ドローマイト、水酸化カ
    ルシウム、ウオラストナイト、硫酸バリウム等の
    微粉末から選ばれたものである特許請求の範囲第
    1項に記載の熱可塑性樹脂成形材料。 5 前記無機充填剤が、モース硬度5以下の充填
    剤であつて、モンモリロナイト、ヘクトライト、
    パーミキユライト、加水ハロサイド、パイロフイ
    ライト等の粘土類、硫化タリウム等の硫化物、り
    ん酸水素ジルコニウム等のりん酸塩、オキシ塩化
    第二鉄等のハロゲン化物、雲母などで代表される
    層状無機化合物群から選ばれたものである特許請
    求の範囲第1項に記載の熱可塑性樹脂成形材料。 6 無機充填剤がモース硬度5以下の充填剤で炭
    素または黒鉛または二硫化モリブデンの何れかの
    微粉末である特許請求の範囲第1項に記載の熱可
    塑性樹脂成形材料。
JP25137287A 1987-10-05 1987-10-05 熱可塑性樹脂成形材料 Granted JPH0195158A (ja)

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