JP2007077298A - 熱伝導性樹脂組成物、その構造体及びその用途 - Google Patents

熱伝導性樹脂組成物、その構造体及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェットプリンターのヒーターベースや次世代DVDドライブの半導体レーザーピックアップベース材として使用可能な、熱伝導率の異方性が小さく高い熱伝導性を有する熱伝導性樹脂組成物の提供。
【解決手段】塊状もしくは球状の黒鉛微粉またはこれらの混合物と樹脂とを含むことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。黒鉛微粉としては、平均粒径(D50)が1〜100μmであることが好ましい。また、樹脂としては、耐熱性樹脂が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気電子機器の各種半導体素子や電源、光源、ヒーター、部品などにて発生する熱を効果的に放散させるために熱源に接して用いられる構造体あるいは放熱性構造体と、それらの材料となる熱伝導性樹脂組成物に関するものである。
近年の電子機器においては、高性能化、小型化及び軽量化に伴い、様々な部品の集積度が高まっている。電子機器に用いられる半導体、半導体レーザー等は高性能化、高出力化に伴い大量の熱を発生するが、この熱は電子機器の故障や誤動作の原因となる。従って、これらの電子部品にて発生する熱を効果的に外部へ放散させる熱対策が非常に重要な課題になっている。
例えば、トランジスタやサイリスタなどの発熱性電子部品等に、熱伝導性の良好なシート材料(以下、「熱伝導性シート」という)を介してヒートシンク等の放熱部材を取り付けるという対策が一般的に採られている。この種の熱伝導性シートは、一般に、発熱源となる発熱性電子部品等の被装着部位の凹凸に対して柔軟に追従させて、発熱性電子部品等に密着した状態で取り付けられる。そして、かかる熱伝導性シートは、発熱性電子部品等と放熱部材との接触熱抵抗を低減させ、発熱性電子部品等にて発生する熱を効率良く放熱部材に伝導させる機能を果たす。この際、熱は熱伝導シートの平面方向だけでなく厚み方向にも放熱させることが必要となるので、熱伝導率の異方性が小さい、高い熱伝導率を有する熱伝導シートが求められている。
一方、近年、電気電子機器の小型化、軽量化、低コスト化が進められており、従来、板金、アルミダイキャスト、セラミックス等が用いられていた部品の樹脂化が検討されている。
例えば、コンパクトディスク(CD)ドライブやデジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブには半導体レーザーを利用したピックアップが使用されているが、記録用のピックアップでは半導体レーザーの出力が100mWを超えているため、ピックアップの温度が高くなる。半導体レーザーは、その改良や光学系部品の集積化等により耐熱温度が約80℃に向上したが、約80℃を維持するためにピックアップベースの基材として放熱性の高い金属材料を使用してきた。金属材料は、亜鉛ダイキャスト、アルミダイキャストなどであるが、機械加工が必要なためコストや量産性に課題があった。また、比較的コストの安い亜鉛ダイキャストは、比重が重いため、アクチュエータなどの駆動機構に余分な強度アップや駆動出力アップが必要となる。そこで、近年、比重が軽い黒鉛含有樹脂組成物が使用されるようになった。
また、インクジェットプリンターに用いられるサーマル式プリンタヘッドには、ノズル中のヒーターを加熱しインク貯蔵室を膨張させ、その内圧によりインクを噴出させるためのヒーターベースが使用される。ヒーターベースは、ヒーターからの良熱伝導性が必要であり、また構成部品の撓みによる圧損失をなくすため高剛性かつ寸法安定性、更にインクへの低汚染性が必要であるので、これまでセラミックスが材料として使用されてきた。しかし、セラミックス製ヒーターベースは、部品の焼結、機械加工にコストがかかり、非常に重い。そこで、近年、低コスト化、軽量化の為に、黒鉛含有樹脂組成物が検討されている。
特許文献1には、ポリアリーレンスルフィド樹脂に黒鉛と炭素繊維を充填した熱伝導性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が開示されている。この文献の実施例では、鱗片状黒鉛が使用されている。また、特許文献2には、ポリアリーレンスルフィド樹脂に板状、薄片状あるいは鱗片状の黒鉛を充填した熱伝導性ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物が開示されている。
特開2002−129015号公報 特開2004−339290号公報
炭素繊維や鱗片状黒鉛等の異方性フィラーを樹脂に添加したこれまでの樹脂組成物では、圧縮成形や射出成形等の溶融成形時に、フィラーの長軸が樹脂の流動方向に配向してしまうので、成形品の熱伝導率はフィラーの配向方向は高いが、配向に垂直な方向は極端に低くなる。例えば、インクジェットプリンターのヒーターベースの場合、成形時、溶融した樹脂は成形品の面方向に流動するので、成形品の厚み方向の熱伝導率が低くなる。成形品の面方向と厚み方向の両方で高熱伝導性となる樹脂組成物は未だ達成されていない。
また、一般的に、板状、薄片状あるいは鱗片状黒鉛は、同じ粒径分布の場合、塊状あるいは粒状の黒鉛よりもBET比表面積が大きい。比表面積が大きい微粉は樹脂への充填性が悪いので、板状、薄片状あるいは鱗片状黒鉛は樹脂への高充填が出来ず高い熱伝導率を達成することが出来ない。
本発明は、上記の従来の問題点を解決し、熱伝導率の異方性が小さく、かつ高い熱伝導性を有する熱伝導性樹脂組成物を提供するものである。
本発明者等は、このような事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、塊状または粒状の黒鉛微粉を用いることにより、熱伝導率の異方性が小さく、高い熱伝導性を有する熱伝導性樹脂組成物を得られることを見出し、本発明を完成にするに至った。
[1]塊状もしくは球状の黒鉛微粉またはこれらの混合物と樹脂とを含むことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
[2]塊状もしくは球状の黒鉛微粉またはこれらの混合物と樹脂とからなる前記1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
[3]黒鉛微粉のBET比表面積が5m2/g以下である前記1または2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
[4]黒鉛微粉の平均粒径(D50)が1〜100μmの範囲内にある前記1から3のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[5]樹脂が耐熱性樹脂である前記1から4のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[6]耐熱性樹脂がシリコーン樹脂またはポリエーテルサルホンである前記5に記載の熱伝導性樹脂組成物。
[7]黒鉛微粉と樹脂との総量に対して、黒鉛微粉の含有量が40質量%以上90質量%以下である前記1から6のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[8]熱伝導率が3W/(m・K)以上である前記1から7のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
[9]前記1から8のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物を成形してなる構造体。
[10]前記9に記載の構造体を備えた電子機器。
[11]前記9に記載の構造体を備えたインクジェットプリンター。
[12]前記9に記載の構造体を備えたコンパクトディスクドライブ。
[13]前記9に記載の構造体を備えたデジタルバーサタイルディスクドライブ。
[14]前記12に記載のコンパクトディスクドライブを備えた電子機器。
[15]前記13に記載のデジタルバーサタイルディスクを備えた電子機器。
本発明の熱伝導性樹脂組成物は、熱伝導率の異方性が小さく高い熱伝導性を有する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
[熱伝導性樹脂組成物に用いる樹脂]
本発明で用いる樹脂としては、特に限定されず、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂を用いることが出来る。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、α−オレフィンコポリマー、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、環状オレフィン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリスチレン、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、スチレン系ブロックコポリマー樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリサルホン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、シンジオ型ポリスチレン、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー及びこれらの混合物などを用いることが出来る。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、非熱可塑性ポリイミド、及びこれらの混合物などを用いることが出来る。
これらの中で、耐熱性が高いという理由でポリエーテルサルホン、耐熱性と柔軟性が高いという理由でシリコーン樹脂が好ましい。
[黒鉛微粉]
本発明で用いる黒鉛微粉は、塊状または球状のものである。
塊状黒鉛としては、スリランカ等で天然に産出される天然の塊状黒鉛や、塊状の石油コークスを黒鉛化して得られる人造黒鉛などが挙げられる。天然の塊状黒鉛(Vein Graphite)は、鱗状黒鉛(Crystalline Graphite)の一種で鱗片状黒鉛(Flake Graphite)よりも粒子の厚みが厚い。天然の塊状黒鉛の製品例としては、伊藤黒鉛工業株式会社製の鱗状(塊状)黒鉛(スリランカ産)が挙げられる。また、人造の塊状黒鉛の製品例としては、日本黒鉛工業株式会社製のPAGシリーズ、HAGシリーズや、株式会社エスイーシー製のSGLシリーズや、昭和電工株式会社製のSCMGシリーズなどが挙げられる。
球状黒鉛としては、鱗片状黒鉛などの非球状の黒鉛微粉を球状化処理して得られた黒鉛微粉や、石油系または石油系のピッチを結晶化させた球状のカーボン粒子や熱硬化性樹脂を球状に硬化した粉末を黒鉛化した黒鉛微粉などが挙げられる。球状化処理の方法としては、例えば、ハイブリダイゼーションシステムを用いた高速気流中衝撃法が挙げられる。球状化した黒鉛の製品例としては、伊藤黒鉛工業株式会社製の球状化黒鉛が挙げられる。さらに、本発明の熱伝導性樹脂組成物には、塊状黒鉛と球状黒鉛の混合物を添加することが出来る。混合物における塊状黒鉛と球状黒鉛の組成は特に限定しない。
本発明に用いる黒鉛微粉の平均粒子径(D50)は、1〜100μmの範囲にある。より好ましいのは10〜90μmの範囲である。さらに、黒鉛微粉の充填性が高く、得られた成形体の外観が美しいという理由で、15〜80μmの範囲が特に好ましい。D50が1μm未満になると、黒鉛微粉の樹脂への充填性は低くなる傾向がある。また、D50が100μmを超えると、得られた成形体の外観が悪くなる傾向がある。
本発明に用いる黒鉛微粉の粒径分布は、特に限定されない。無機充填材の樹脂への充填性を高めるために広い粒径分布を有する無機充填材を樹脂に添加する技術に関して多くの特許が出願されている。例えば特開2004−146258号公報には、高い流動性を維持しつつ、優れた導電性及び耐久性を有する導電性樹脂組成物を達成するために、平均粒子径が異なる二種以上の導電性粒子の混合物で、最小の平均粒子径を有する導電性粒子とそれ以外の導電性粒子との平均粒子径比が、2〜10である導電性粒子の混合物を熱可塑性樹脂へ添加する技術が開示されている。また、特開2005−146124号公報には、累積粒度分布曲線より得られる累積度90%粒度(D90)と累積度10%粒度(D10)の比(D90/D10)が10以上である無機フィラーを熱可塑性樹脂に添加する技術が開示されている。本発明においても、樹脂への充填性を高めるために粒径分布が広い塊状または球状の黒鉛微粉を用いることが出来る。
本発明に用いる黒鉛微粉のBET比表面積は5m2/g以下が好ましく、2m2/g以下がさらに好ましい。BET比表面積が5m2/g以下の黒鉛微粉は樹脂への充填性が高いので、樹脂に添加しても樹脂組成物の粘度は大きく増加しない。また、この黒鉛微粉を熱硬化性樹脂に高濃度に添加しても、硬化不良を起こさない。
[熱伝導性樹脂組成物]
本発明の熱伝導性樹脂は、上述の樹脂と塊状もしくは球状の黒鉛微粉またはこれらの混合物とが含有されてなる。黒鉛微粉の含有比率は、樹脂と黒鉛微粉の合計100質量%を基準として、40〜90質量%の範囲が好ましい。さらに、50〜80質量%が特に好ましい。黒鉛微粉の含有比が40質量%未満の場合は、高い熱伝導率が得られない。また、黒鉛微粉の含有比が90質量%を超える場合は、樹脂組成物の成形加工が困難になる傾向がある。
本発明の熱伝導性樹脂組成物には、必要に応じて、硬度、強度、導電性、成形性、耐久性、耐候性、耐水性等を改良する目的で、更にガラスファイバー、ウィスカー、金属酸化物、有機繊維、紫外線安定剤、酸化防止剤、離型剤、滑剤、撥水剤、増粘剤、低収縮剤、親水性付与剤等の添加剤を添加することができる。
本発明の熱伝導性樹脂組成物の製造方法は特に制限されない。上記した各成分をロール、押出機、ニーダー、バンバリーミキサー(登録商標)、ヘンシェルミキサー(登録商標)、プラネタリーミキサー等の樹脂分野で一般的に用いられている混合機、混練機を使用し、なるべく均一に混合させるのが好ましい。
[構造体]
本発明の構造体は、上記の熱伝導性樹脂組成物を成形してなる。成形方法は、特に限定されない。例えば、射出成形、射出圧縮成形、プレス成形、押出成形等の樹脂成形の分野で一般的に用いられている方法を使用することが出来る。成形法の選択に当たっては、用いる樹脂、黒鉛微粉の含有量、成形品の形などを総合的に判断して最適な成形法を用いる必要がある。しかし、異方性フィラーを用いる場合とは異なり、いかなる成形法によっても成形体の熱伝導率の異方性は小さい。
本発明の構造体は、熱伝導率の異方性が小さく高い熱伝導性を有するので、放熱の方向に異方性がないことを要求される分野において有用である。
以下、本発明について代表的な例を示し、さらに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるものでない。
実施例1
ポリエーテルサルホン(レーデルA−300A:ソルベイアドバンストポリマーズ株式会社製)30質量%と人造黒鉛微粉(SCMG−A:昭和電工株式会社製、塊状黒鉛、平均粒径28μm、BET比表面積2.2m2/g)70質量%の混合物をラボプラストミル(東洋精機工業株式会社製)にて320℃、40回転/分で10分間溶融混練し、熱伝導性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、50t圧縮成形機(NIPPO ENGINEERING社製 E−3013)を用いて、温度320℃、圧力15MPaで2分間加圧し100mm×100mm×2mm厚の平板状構造体に成形した。この構造体の熱伝導率を下記のレーザーフラッシュ法により測定した。
比較例1
ポリエーテルサルホン(レーデルA−300A)30質量%と人造黒鉛微粉(UFG30:昭和電工株式会社製、鱗片状黒鉛、平均粒径11μm、BET比表面積17m2/g)70質量%の混合物をラボプラストミルにて320℃、40回転/分、10分間溶融混練し、熱伝導性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を50t圧縮成形機を用いて、温度320℃、圧力15MPaで2分間加圧し100mm×100mm×2mm厚の平板状構造体に成形した。この構造体の熱伝導率を下記のレーザーフラッシュ法により測定した。
[熱伝導率の測定]
実施例1及び比較例1の構造体の熱伝導率は、レーザーフラッシュ法により以下の式を用いて評価した。
熱伝導率=熱拡散率×比熱容量×密度
・熱拡散率の測定
熱伝導性樹脂組成物の平板から直径10mmの円盤を切り出し、その円盤の厚み方向の熱拡散率をLaser Flash TC−7000(真空理化株式会社製)で20℃において測定した。
・比熱容量の測定
熱伝導性樹脂組成物の粉末の比熱容量は、示差走査熱量計DSC7(パーキンエルマー社製)を用いて、JIS K 7123に準拠して測定した。具体的には、熱伝導性樹脂組成物およそ10mgをアルミニウムパンに封入した。サンプルパンと空パンをホールダーにセットした。0℃で15分間保持した後、10℃/分の昇温速度で50℃まで昇温し、熱伝導性樹脂組成物のDSC曲線を得た。同様の温度プロファイルで、基準物質であるα−アルミナおよそ10mgのDSC曲線を得た。熱伝導性樹脂組成物とα−アルミナのDSC曲線から熱伝導性樹脂組成物の比熱容量を評価した。
・密度の測定
熱伝導性樹脂組成物の平板から、20mm×20mm×2mm厚の試験片を切り出し、DENSI METER(東洋精機工業株式会社製)を用いて、JIS K 7112に準拠して測定した。
測定結果を表1に示す。
Figure 2007077298
表1に示す通り、塊状の黒鉛微粉を用いた実施例1の樹脂組成物は、鱗片状の黒鉛微粉を用いた比較例1の樹脂組成物よりも熱伝導率は高かった。
実施例2
シリコーン樹脂(TSE201J:GE東芝シリコーン株式会社製)100質量部と加硫剤(TC−8:GE東芝シリコーン株式会社製)2質量部と人造黒鉛微粉(SCMG−A)600質量部をラボプラストミルにて50℃、40回転/分、10分間溶融混練し、熱伝導性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を、50t圧縮成形機を用いて、温度170℃、圧力15MPaで10分間加圧し100mm×100mm×5mm厚の平板状構造体に成形した。この熱伝導率成形体の熱伝導率をホットワイヤ法により測定した。
比較例2
シリコーン樹脂(TSE201J)100質量部と加硫剤(TC−8)2質量部と人造黒鉛微粉(UFG30)600質量部をラボプラストミルにて50℃、40回転/分、10分間溶融混練し、熱伝導性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を100mm×100mm×5mm厚の平板を成形できる金型に入れて、50t圧縮成形機を用いて、温度170℃、圧力15MPaで10分間加圧した後、金型を開いて平板状の成形体を取り出したが、硬化が十分に進行しておらず、構造体を得ることは出来なかった。
[熱伝導率の測定]
実施例2の構造体の熱伝導率は、迅速熱伝導率計QTM−500(京都電子工業株式会社製)を用いて、ホットワイヤ法により測定した。
Figure 2007077298
表2に示す通り、塊状の黒鉛微粉を用いた実施例2の樹脂組成物を用いて、構造体を良好に成形することが出来た。また、得られた構造体は良好な熱伝導率を示した。一方、鱗片状の黒鉛微粉を用いた比較例2の樹脂組成物は、硬化不良で構造体を成形することが出来なかった。


Claims (15)

  1. 塊状もしくは球状の黒鉛微粉またはこれらの混合物と樹脂とを含むことを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
  2. 塊状もしくは球状の黒鉛微粉またはこれらの混合物と樹脂とからなる請求項1に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  3. 黒鉛微粉のBET比表面積が5m2/g以下である請求項1または2に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  4. 黒鉛微粉の平均粒径(D50)が1〜100μmの範囲内にある請求項1から3のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  5. 樹脂が耐熱性樹脂である請求項1から4のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  6. 耐熱性樹脂がシリコーン樹脂またはポリエーテルサルホンである請求項5に記載の熱伝導性樹脂組成物。
  7. 黒鉛微粉と樹脂との総量に対して、黒鉛微粉の含有量が40質量%以上90質量%以下である請求項1から6のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  8. 熱伝導率が3W/(m・K)以上である請求項1から7のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載の熱伝導性樹脂組成物を成形してなる構造体。
  10. 請求項9に記載の構造体を備えた電子機器。
  11. 請求項9に記載の構造体を備えたインクジェットプリンター。
  12. 請求項9に記載の構造体を備えたコンパクトディスクドライブ。
  13. 請求項9に記載の構造体を備えたデジタルバーサタイルディスクドライブ。
  14. 請求項12に記載のコンパクトディスクドライブを備えた電子機器。
  15. 請求項13に記載のデジタルバーサタイルディスクを備えた電子機器。
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