JPH05318464A - 制振複合材料の製造方法 - Google Patents

制振複合材料の製造方法

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JPH05318464A
JPH05318464A JP4127298A JP12729892A JPH05318464A JP H05318464 A JPH05318464 A JP H05318464A JP 4127298 A JP4127298 A JP 4127298A JP 12729892 A JP12729892 A JP 12729892A JP H05318464 A JPH05318464 A JP H05318464A
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particles
vibration
composite material
particle
damping
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JP4127298A
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Hidenobu Ito
秀伸 伊藤
Akira Kidoguchi
晃 木戸口
Toshiharu Inaba
敏晴 稲葉
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Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 特定の振動周期の共振回路、漏電回路もしく
はこれらの回路に近い電気回路を内部に構成させ、この
電気回路により該特定の振動周期又はその振動周期近傍
の周期を有する振動を減衰させる制振複合材料を、容易
かつ確実に、再現性良く、しかも安価、効率的に製造す
る方法の提供。 【構成】 比較的粒径の大きい圧電性粒子1の表面を、
比較的粒径の小さい導電性粒子又は半導電性粒子2と粒
径の小さい第3の成分の粒子3とで被覆して複合機能粒
子4Aを製造し、該複合機能粒子4Aを高分子マトリッ
クス5中に分散させる。比較的粒径の大きい圧電性粒子
の表面を、比較的粒径の小さい導電性粒子又は半導電性
粒子で被覆した後、比較的粒径の小さい第3の成分の粒
子で被覆して複合機能粒子を製造し、該複合機能粒子を
高分子マトリックス中に分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振複合材料の製造方法
に係り、詳しくは、特定の周期及びその近傍の周期を有
する振動を速やかに減衰させる機能を有する制振複合材
料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電性粒子と導電性粒子又は半導
電性粒子を高分子マトリックス中に高分散させてなる制
振複合材、或いは、圧電性粒子と導電性粒子又は半導電
性粒子と磁性粒子を高分子マトリックス中に高分散させ
た制振複合材は、特公昭61−46498、特開昭61
−83655、特開昭62−255135、特開昭63
−20362などに述べられているように、高分子マト
リックス中で各粒子を各々混練して高分散させ、これに
より高分子マトリックス中に制振性能を決定する漏電回
路及び共振回路を形成させることにより製造されてい
る。
【0003】一方、特開平2−206540、特開平2
−278035には、圧電体薄板の両面に電極を形成
し、これに抵抗を介して接続することにより同様な回路
を形成することが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】混練機を使用して高分
子マトリックス中に圧電性粒子と導電性粒子又は半導電
性粒子と磁性粒子を分散させる方法では、意図した漏電
回路及び共振回路が形成される確率は該粒子の混合状態
に依存し、かつ経験的知見に寄るところが多く、同一性
能の制振材料を再現性良く製造することが困難である。
【0005】一方、圧電体薄板の両面に電極を形成し、
これに抵抗を介して接続することにより同様な回路を形
成させる方法では、必要な面積の圧電体薄板が極めて高
価となり、これが商品化を妨げている。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決し、圧電
性粒子と、導電性粒子又は半導電性粒子と、誘導抵抗を
有する第3の成分の粒子とを高分子マトリックス中に分
散させることにより、特定の振動周期の共振回路、漏電
回路もしくはこれらの回路に近い電気回路を内部に構成
させ、この電気回路により該特定の振動周期又はその振
動周期近傍の周期を有する振動を減衰させる制振複合材
料を、高い制振性能を有する制振複合材料を容易かつ確
実に、再現性良く、しかも安価にできる制振複合材料の
製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の制振複合材料
の製造方法は、圧電性粒子と導電性粒子又は半導電性粒
子とを高分子マトリックス中に分散させてなるエネルギ
ー変換機能を有する制振複合材料であって、更に、誘導
抵抗を有する第3の成分の粒子を添加することにより特
定の振動周期の共振回路、漏電回路、もしくはこれらの
回路に近い電気回路を該制振複合材料内部に構成させ、
この電気回路により該特定の振動周期又はその振動周期
近傍の周期を有する振動を減衰させる制振複合材料を製
造する方法において、比較的粒径の大きい圧電性粒子の
表面を、比較的粒径の小さい導電性粒子又は半導電性粒
子と比較的粒径の小さい第3の成分の粒子とで被覆して
複合機能粒子を製造し、該複合機能粒子を高分子マトリ
ックス中に分散させることを特徴とする。
【0008】請求項2の制振複合材料の製造方法は、圧
電性粒子と導電性粒子又は半導電性粒子とを高分子マト
リックス中に分散させてなるエネルギー変換機能を有す
る制振複合材料であって、更に、誘導抵抗を有する第3
の成分の粒子を添加することにより特定の振動周期の共
振回路、漏電回路、もしくはこれらの回路に近い電気回
路を該制振複合材料内部に構成させ、この電気回路によ
り該特定の振動周期又はその振動周期近傍の周期を有す
る振動を減衰させる制振複合材料を製造する方法におい
て、比較的粒径の大きい導電性粒子又は半導電性粒子の
表面を、比較的粒径の小さい圧電性粒子と比較的粒径の
小さい第3の成分の粒子とで被覆して複合機能粒子を製
造し、該複合機能粒子を高分子マトリックス中に分散さ
せることを特徴とする。
【0009】請求項3の制振複合材料の製造方法は、圧
電性粒子と導電性粒子又は半導電性粒子とを高分子マト
リックス中に分散させてなるエネルギー変換機能を有す
る制振複合材料であって、更に、誘導抵抗を有する第3
の成分の粒子を添加することにより特定の振動周期の共
振回路、漏電回路、もしくはこれらの回路に近い電気回
路を該制振複合材料内部に構成させ、この電気回路によ
り該特定の振動周期又はその振動周期近傍の周期を有す
る振動を減衰させる制振複合材料を製造する方法におい
て、比較的粒径の大きい圧電性粒子の表面を、比較的粒
径の小さい導電性粒子又は半導電性粒子で被覆した後、
比較的粒径の小さい第3の成分の粒子で被覆して複合機
能粒子を製造し、該複合機能粒子を高分子マトリックス
中に分散させることを特徴とする。
【0010】以下に本発明を図面を参照して詳細に説明
する。図1は本発明の請求項1の制振複合材料の製造方
法の一実施方法を説明する模式的断面図、図2は本発明
の請求項3の制振複合材料の製造方法の一実施方法を説
明する模式的断面図である。
【0011】図中、1は圧電性粒子、2は導電性又は半
導電性微粒子、3は第3の成分としての磁性微粒子、4
A,4Bは複合機能粒子、5は高分子マトリックスであ
る。
【0012】まず、本発明に係る複合機能粒子4A,4
Bについて説明する。請求項1、3の方法においては、
圧電性粒子1の表面を導電性又は半導電性微粒子2や磁
性微粒子3で被覆して複合機能粒子4A,4Bを製造す
る。この導電性又は半導電性微粒子2や磁性微粒子3に
よる被覆は、ボールミルによるメカノケミストリー、又
は、流動層処理により、粒子表面に帯電する静電気によ
る静電引力を利用して行なうのが好ましい。
【0013】具体的には、圧電性粒子1と導電性又は半
導電性微粒子2及び磁性微粒子3とを所定割合で回転式
ボールミルに入れ、30〜60rpmの回転数で10〜
60分程度処理して、圧電性粒子1の表面に導電性又は
半導電性微粒子2及び磁性微粒子3の混合層よりなる被
覆層が形成された複合機能粒子4Aを得る。
【0014】或いは、圧電性粒子1を、室温〜120℃
程度の窒素ガス等の不活性ガスで流動化させて流動層を
形成し、この流動化ガスに同伴させてまず、導電性又は
半導電性微粒子2を流動層内に導入し、次いで同様に磁
性微粒子3を導入する。これにより、圧電性粒子1の表
面に導電性又は半導電性微粒子2の被覆層を介して磁性
微粒子3の被覆層が形成された複合機能粒子4Bが得ら
れる。
【0015】請求項1、3の方法において、圧電性粒子
1としては、粒径1〜100μm、好ましくは30〜6
0μmの比較的大粒径の圧電性粒子を用いる。
【0016】一方、導電性又は半導電性微粒子2として
は、粒径0.01〜10μm、好ましくは0.01〜5
μmの比較的微粒の導電性又は半導電性微粒子を用い
る。
【0017】また、磁性微粒子3としては、粒径0.2
〜30μm、好ましくは0.5〜5μmの比較的微粒の
磁性微粒子を用いる。
【0018】請求項1、3において、複合機能粒子4A
における導電性又は半導電性微粒子2と磁性微粒子3と
の混合被覆層の厚さ、及び、複合機能粒子4Bにおける
導電性又は半導電性微粒子2の被覆層及び磁性微粒子3
の被覆層の厚さ、或いは各粒子の配合割合には特に制限
はなく、用いる各粒子の物性等に応じて、得られる複合
機能粒子4A,4Bに、所望の漏電回路、共振回路或い
はこれらの回路に近い電気回路が形成されるように適宜
決定される。
【0019】このようにして得られる複合機能粒子4
A,4Bは、常法に従って、高分子マトリックス5中に
混合分散させることにより、容易に所望の制振性能を有
する制振複合材料を再現性良く製造することができる。
【0020】即ち、圧電性粒子1表面に導電性又は半導
電性微粒子2及び磁性微粒子3の混合被覆層が形成され
た複合機能粒子4Aと、高分子マトリックス5中に分散
させた、図1に示す制振複合材料によれば、複合機能粒
子4Aの表面に圧電性粒子1による容量Cのコンデンサ
ー、誘導抵抗Xの磁性微粒子3によるインダクタンスL
(L=X/2πf)、及び、導電性又は半導電性微粒子
3による抵抗Rの共振回路が形成される。
【0021】また、圧電性粒子1表面に導電性又は半導
電性微粒子2の被覆層を介して磁性微粒子3の被覆層が
形成された複合機能粒子4Bを、高分子マトリックス5
中に分散させた、図2に示す制振複合材料によっても、
複合機能粒子4Bの表面に、圧電性粒子1による容量C
のコンデンサー、誘導抵抗Xの磁性微粒子3によるイン
ダクタンスL(L=X/2πf)、及び、導電性又は半
導電性微粒子3による抵抗Rの共振回路が形成される。
【0022】なお、本発明において、圧電性粒子として
は、例えばポリフッ化ビニリデン、トリフルオロエチレ
ン−ポリフッ化ビニリデン共重合体などの高分子圧電性
粒子、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、
チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、ニオブ酸
リチウム、タンタル酸リチウム、チタン酸バリウムなど
の無機圧電性粒子が挙げられる。本発明で製造される制
振複合材料が大きな制振効果を発揮するためには、圧電
性粒子ができるだけ大きなモノドメイン構造であること
が好ましく、そのためには圧電性粒子の粒径は前述の如
く、1〜100μm、好ましくは30〜80μmである
ことが望ましい。
【0023】また、導電性微粒子としてはカーボンブラ
ック、ケッチェンブラックなどのカーボン系微粒子、
鉄、アルミニウムなどの金属微粒子があり、半導電性微
粒子としては酸化錫(SnO2 )や酸化亜鉛(ZnO)
などの半導体微粒子が挙げられる。
【0024】誘電抵抗を有する第3の成分の微粒子とし
ては、軟鉄やフェライト、酸化クロムなどの強磁性体微
粉末が挙げられる。
【0025】高分子マトリックス材料としては、各種天
然ゴム、合成ゴム、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用い
ることができる。本発明において、高分子マトリックス
材料自体が制振効果を有する必要はないが、制振効果を
有していても何ら差し支えない。
【0026】請求項2の制振複合材料の製造方法におい
ては、上記請求項1の制振複合材料の製造方法におい
て、圧電性粒子と導電性又は半導電性粒子とを入れ換え
て実施すれば良い。
【0027】
【作用】請求項1、3に従って、比較的粒径の大きい圧
電性粒子の表面に、導電性又は半導電性微粒子及び第3
の成分の微粒子(以下「第3微粒子」と称する。)の混
合被覆層、或いは、導電性又は半導電性微粒子の被覆層
と第3微粒子の被覆層との2層被覆層を形成することに
より、目的とする漏電回路、共振回路或いはこの回路に
近い電気回路が形成された複合機能粒子を容易にかつ確
実に製造することができる。
【0028】従って、このような複合機能粒子を高分子
マトリックス中に分散させることにより、目的とする周
期及びその近傍の周期を有する振動を速やかに減衰させ
る、優れた制振性能を有する制振複合材料を容易かつ効
率的に、再現性良く、しかも安価に製造することができ
る。
【0029】なお、圧電性粒子はわずかな運動エネルギ
ーを与えることにより容易にその表面に静電気が帯電す
るため、この静電引力を利用して、容易に本発明に係る
複合機能粒子を製造することができる。
【0030】特に、このようなわずかの運動エネルギー
で表面が荷電される圧電性粒子の表面に、予め回路設計
で求めた第3微粒子の被覆層を形成し、更に、導電性又
は半導電性微粒子の被覆層を形成することにより、目的
とする周期及びその近傍の周期を有する振動を速やかに
減衰させる高性能制振性材料をより一層確実に製造する
ことが可能とされる。
【0031】請求項2の制振複合材料の製造方法におい
ても、上記請求項1、3と同様の作用効果が得られる。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
より具体的に説明する。
【0033】なお、以下において、対数減衰率の測定
は、ハンマー法に準じて行なった。即ち、試料片は片持
梁となるようにその一端を万力で固定する。固定部は鋼
材(SS400)で作製した補助部材で挟む。振動試験
に先立って万力の締め付け力とトルクとの関係をロード
セルとトルクゲージを用いて測定しておき、試験中はト
ルクゲージの測定値が常に同じ値となるように締め付け
を調節する。試料片の振動部分の長さlは、試料片の1
次モードの共振周波数が100,500,1000Hz
近傍となるように定める。共振周波数の計算には下記
(I)式を用いる。lの値と共振周波数の計算値とを表
2に示す。試料片はそれぞれの周波数帯でlが最も長い
形状で作製し、一通り測定を終えた後制振材を切取りl
を短くして次の測定を行なう。最終的には100,50
0,1000Hzの近傍で各々3点ずつ周波数を振って
測定を行なう。
【0034】
【数1】
【0035】試験片の加振は二通りの方法を試みる。イ
ンパクトハンマーを用いる方法と、図6に示すように自
由端を引っ張り一定量の歪を加えた状態から開放する方
法である。加振にインパクトハンマーを用いた場合はハ
ンマーからの出力も磁気テープに記録する。引っ張りに
よって加振する場合はすべての試料片に対し同じ初期歪
を与えるようにし、その時の張力をリングゲージで測
定、記録する。
【0036】試料片の振動状態を測定するために、試料
片の頂部近傍に加速度ピックアップを貼付しアンプを経
由してその出力を磁気テープに記録する。同時にピック
アップの出力をモニターし波形を確認する。
【0037】測定は(鋼材のみ1+8種類の制振材)×
9周波数×2種類の加振方法=162点で行なう。各点
での測定回数は3〜5回を目安とし、測定値の再現性に
応じて適宜変更する。
【0038】この制振性能試験の結果の解析では磁気テ
ープに記録した振動波形の減衰挙動より試験片の対数減
衰率δを求める。この時、一次モードの振動の減衰のみ
を計算の対象とし、高次モードによって波形が正弦波と
ならない場合はバンドパスフィルタをかけて一次モード
のみを取り出す。対数減衰率の計算は(II)式に基づい
て行なう。
【0039】 Ai =exp(δ)×Ai+j …(II) 但しAk :k番目の周期の振幅 (II)式はAi+j を横軸、Ai を縦軸に取ってデータを
プロットしたとき、その傾きの自然対数が対数減衰率δ
となることを示している。実際にはAi+j −Ai 曲線の
直線部分のデータから最小二乗法を用いて計算する。
【0040】実施例1 図1に示す制振複合材料を製造した。即ち、まず、粒径
30〜80μm、平均粒径58μmの圧電性粒子(PZ
T)94重量%と粒径0.02〜0.5μm、平均粒径
0.1μmの導電性微粒子(ケッチェンブラックEC)
3.0重量%と平均粒径1.0μm以下の磁性微粒子
(フェライト)3.0重量%とを回転式ボールミルに入
れ、60rpmの回転数で120分処理して複合機能粒
子を製造した。この複合機能粒子83重量%を17重量
%のエポキシ樹脂に高分散させて制振複合材料を製造し
た。
【0041】同様の手順を繰り返して制振複合材料サン
プルNo.1〜5を製造し、各サンプルの制振性能を測
定して結果を表1に示した。
【0042】比較例1 予め複合機能粒子を製造することなく、実施例1で用い
たと同様の各圧電性粒子、導電性微粒子及び磁性微粒子
を直接エポキシ樹脂に分散させて、制振複合材料を製造
した。同様の手順を繰り返して比較サンプルNo.1,
2を製造し、各サンプルの制振性能を測定して結果を表
1に示した。
【0043】表1より、明らかなように本発明の方法に
よれば、同一性能の制振複合材料が再現性良く製造でき
た。また、従来の方法で製造したものに比較して制振性
能が約1.8倍に向上した。
【0044】
【表1】
【0045】実施例2 粒径30〜80μm、平均粒径58μmの圧電性粒子
(PZT)92重量%を層径100mmの流動層を用い
て100℃の温度で流動化開始直後の流量の窒素ガスに
より流動化させた。その後、流動化窒素ガスに同伴させ
て粒径0.02〜0.5μm、平均粒径0.1μmの導
電性微粒子(ケッチェンブラックEC)3.0重量%を
流動層内に導入して圧電性粒子表面に導電性微粒子をコ
ーティングさせた後、更に流動化窒素ガスに同伴させて
平均粒径1.0μm以下の磁性微粒子(フェライト)
5.0重量%を流動層内に導入して、圧電性粒子表面に
コーティングされた導電性微粒子層の上に磁性微粒子を
コーティングさせて複合機能粒子を製造した。この複合
機能粒子80重量%を20重量%のエポキシ樹脂に高分
散させて制振複合材料を製造した。
【0046】同様の手順を繰り返して制振複合材料サン
プルNo.6〜12を製造し、各サンプルの制振性能を
測定して結果を表2に示した。
【0047】比較例2 予め複合機能粒子を製造することなく、実施例2で用い
たと同様の各圧電性粒子、導電性微粒子及び磁性微粒子
を直接エポキシ樹脂に分散させて、制振複合材料を製造
した。同様の手順を繰り返して比較サンプルNo.3,
4を製造し、各サンプルの制振性能を測定して結果を表
2に示した。
【0048】表2より、明らかなように本発明の方法に
よれば、同一性能の制振複合材料が再現性良く製造でき
た。また、従来の方法で製造したものに比較して制振性
能が約2.2倍に向上した。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の制振複合材
料の製造方法によれば、目的とする漏電回路、共振回路
或いはこの回路に近い電気回路が形成された複合機能粒
子を予め製造し、この複合機能粒子を高分子マトリック
ス中に分散させることにより、目的とする周期及びその
近傍の周期を有する振動を速やかに減衰させる、優れた
制振性能を有する制振複合材料を容易かつ効率的に、再
現性良く、しかも安価に製造することが可能とされる。
【0051】特に、請求項3の方法によれば、より一層
制振性能に優れた制振複合材料を確実に製造することが
可能とされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1の制振複合材料の製造方法の
一実施方法を説明する模式的断面図である。
【図2】本発明の請求項3の制振複合材料の製造方法の
一実施方法を説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
1 圧電性粒子 2 導電性又は半導電性微粒子 3 磁性微粒子 4A,4B 複合機能粒子 5 高分子マトリックス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性粒子と導電性粒子又は半導電性粒
    子とを高分子マトリックス中に分散させてなるエネルギ
    ー変換機能を有する制振複合材料であって、更に、誘導
    抵抗を有する第3の成分の粒子を添加することにより特
    定の振動周期の共振回路、漏電回路、もしくはこれらの
    回路に近い電気回路を該制振複合材料内部に構成させ、
    この電気回路により該特定の振動周期又はその振動周期
    近傍の周期を有する振動を減衰させる制振複合材料を製
    造する方法において、 比較的粒径の大きい圧電性粒子の表面を、比較的粒径の
    小さい導電性粒子又は半導電性粒子と比較的粒径の小さ
    い第3の成分の粒子とで被覆して複合機能粒子を製造
    し、該複合機能粒子を高分子マトリックス中に分散させ
    ることを特徴とする制振複合材料の製造方法。
  2. 【請求項2】 圧電性粒子と導電性粒子又は半導電性粒
    子とを高分子マトリックス中に分散させてなるエネルギ
    ー変換機能を有する制振複合材料であって、更に、誘導
    抵抗を有する第3の成分の粒子を添加することにより特
    定の振動周期の共振回路、漏電回路、もしくはこれらの
    回路に近い電気回路を該制振複合材料内部に構成させ、
    この電気回路により該特定の振動周期又はその振動周期
    近傍の周期を有する振動を減衰させる制振複合材料を製
    造する方法において、 比較的粒径の大きい導電性粒子又は半導電性粒子の表面
    を、比較的粒径の小さい圧電性粒子と比較的粒径の小さ
    い第3の成分の粒子とで被覆して複合機能粒子を製造
    し、該複合機能粒子を高分子マトリックス中に分散させ
    ることを特徴とする制振複合材料の製造方法。
  3. 【請求項3】 圧電性粒子と導電性粒子又は半導電性粒
    子とを高分子マトリックス中に分散させてなるエネルギ
    ー変換機能を有する制振複合材料であって、更に、誘導
    抵抗を有する第3の成分の粒子を添加することにより特
    定の振動周期の共振回路、漏電回路、もしくはこれらの
    回路に近い電気回路を該制振複合材料内部に構成させ、
    この電気回路により該特定の振動周期又はその振動周期
    近傍の周期を有する振動を減衰させる制振複合材料を製
    造する方法において、 比較的粒径の大きい圧電性粒子の表面を、比較的粒径の
    小さい導電性粒子又は半導電性粒子で被覆した後、比較
    的粒径の小さい第3の成分の粒子で被覆して複合機能粒
    子を製造し、該複合機能粒子を高分子マトリックス中に
    分散させることを特徴とする制振複合材料の製造方法。
JP4127298A 1992-05-20 1992-05-20 制振複合材料の製造方法 Withdrawn JPH05318464A (ja)

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JP (1) JPH05318464A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185095A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Jtekt Corp 制振部材およびその製造方法
JP2010177571A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Tokai Rubber Ind Ltd 誘電材料の製造方法およびそれにより製造された誘電膜
JP2019073046A (ja) * 2017-10-12 2019-05-16 ケーエムマテリアル株式会社 船舶用制振材

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