JPH0531838U

JPH0531838U - 工具ホルダ

Info

Publication number: JPH0531838U
Application number: JP8137091U
Authority: JP
Inventors: 克孝坂本; 富士夫中谷
Original assignee: Daihatsu Motor Co Ltd
Current assignee: Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date: 1991-10-08
Filing date: 1991-10-08
Publication date: 1993-04-27
Anticipated expiration: 2006-10-08
Also published as: JP2577906Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】切削液の噴出圧が作用することによって工具
ホルダ（４）から工具（１）が抜出すことを防止するこ
と。【構成】工具（１）の嵌着支持穴（３）の底端部に、
調整ボルト（１１）と円筒状のストッパ（１２）を嵌挿
し、ストッパ（１２）の後端をストッパ止めねじ（１
３）の先端部分で係止した後、嵌着支持穴（３）内に工
具（１）のシャンク部分（１Ａ）を差込み、調整ボルト
（１１）を回転させることによって工具（１）と調整ボ
ルト（１１）の相対ねじ込み量を調整する。最後に、工
具（１）のシャンク部分（１Ａ）をサイドロックねじ
（６）で締付けることによって、工具（１）の位置決め
固定動作を完了する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は工具ホルダに関するものであり、より詳しくは工具ホルダに設けられた嵌着支持穴のガンドリルやガンリーマ等の工具を位置決め状態で固定するための工具の抜出し防止構体の関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

工具ホルダ（４）にガンドリルやガンリーマ等の工具（１）を取付ける際には、工具（１）の基端に調整ボルト（７）を取付け、その締込み量を調整することによって工具ホルダ（４）に対する工具（１）の嵌装固定を調整し、ロックナット（８）にて固定した後、工具ホルダ（４）の芯軸部に設けられた嵌着支持穴（３）内に調整ボルト（７）毎工具（１）を挿入し、調整ボルト（７）の頭部を嵌着支持穴（３）の底部に当接させた状態で、工具ホルダ（４）の器壁を斜めに貫通して上記嵌着支持穴（３）内に延びるサイドロックねじ（６）で工具（１）のシャンク部分（１Ａ）を締付けることによって、工具（１）と、工具ホルダ（４）を一体に固定している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

工具ホルダ（４）の胴部には、切削液を下降中のワークおよび工具（１）に向けて供給するための切削液圧送用流路（１０）が設けられている。図３に白抜きの矢印Ｃで示すように系外からポンプ送りされた切削液を上記圧送用流路（１０）内に導入し、その先端に設けられた図示しない噴射ノズルから噴射することによってワークの切削抵抗を軽減させると共に、切削加工によって発生した熱エネルギーを放散させ、これによってワークの加工精度の向上と工具寿命の延長を図っている。

【０００４】ところで、圧送用流路（１０）内に切削液が流入すると、調整ボルト（７）、ロックナット（８）、および工具（１）に上記切削液の圧力が軸方向の推力として作用する。図３に示す従来の工具ホルダにおいては、工具（１）の工具ホルダ（４）からの飛出しはサイドロックねじ（６）のみで受けているため、工具ホルダ（４）内に供給される切削液の圧力が高くなると、この液圧がサイドロックねじ（６）による工具（１）の締付け固定力を上廻り、軸芯に負荷されるスラスト荷重によって工具（１）が工具ホルダ（４）から飛出してしまう。この結果、工具（１）の位置がずれワークの加工精度が低下する。また、工具（１）を工具ホルダ（４）から抜取り、調整ボルト（７）およびロックナット（８）を操作して調整する必要があり、面倒である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題の解決手段として本考案は、切削液の圧送用流路と、工具の嵌着支持穴を具えた筒状の工具ホルダにおいて、その胴部に上記工具の軸穴に設けれられた雌ねじと螺合する雄ねじを形成してなる工具取付位置規制用の調整ボルトと、軸芯部に上記調整ボルトの挿通穴を形成してなる円筒状のストッパと、上記工具ホルダの器壁を貫通して上記工具の嵌着支持穴内に延び、前記ストッパを止めるストッパ止めねじとによって工具の抜出し防止構体を形成したことを特徴とする工具ホルダを提供するものである。

【作用】

【０００６】工具ホルダの軸芯部に形成された工具の嵌着支持穴の底端部に、頭部を先にして工具の突出寸法規制用の調整ボルトとそのストッパを挿入した後、上記ストッパの後端を工具ホルダの胴部側方の器壁を貫通して装着されたストッパ止めねじの先端部分で係止することによって、上記調整ボルトとそのストッパを工具ホルダの工具嵌着支持穴に位置決め固定する。この後、上記嵌着支持穴内に工具のシャンク部を挿入し、調整ボルトを回転させることによって調整ボルトの雄ねじを工具の軸穴に設けられた雌ねじを螺合させ、嵌着支持穴内の所定位置に工具を位置決め固定する。最後に、サイドロックねじを締込み、工具ホルダへの工具の取付け作業を終了する。

【０００７】

【実施例】

以下、図１および図２に基いて本考案の具体例を説明する。尚、以下の記述において、従来技術を示す図３と同一の構成部材は同一の参照番号で表示し、重複する事項に関しては説明を省略する。

【０００８】本考案に係る工具（１）の抜出し防止構体（１０）は、調整ボルト（１１）、この調整ボルト（１１）の雄ねじ形成部位（11Ｂ）の嵌まり込む円筒状のストッパ（１２）の後端を係止するストッパ止めねじ、またはストッパ止めピン（１３）、およびサイドロックねじ（６）から形成されている。調整ボルト（１１）は工具ホルダ（４）の先端からの工具（１）の突出寸法を規制する長さ調整部材であって、その胴部に、工具ホルダ（４）に設けられた嵌着支持穴（３）内に嵌挿された工具（１）の雌ねじ（14Ａ）と螺合する雄ねじ（11Ｂ）を形成すると共に、嵌着支持穴（３）の底端部と対向するその頭部（11Ａ）に、レンチの差込み孔（１５）を形成している。一方、ストッパ（１２）は、上記調整ボルト（１１）の挿通穴（１６）が形成されている。ストッパ（１２）の軸線方向に沿う長さは、ストッパ（１２）の後端と工具（１）のシャンク部分（１Ａ）の先端との間に、工具ホルダ（４）の胴部器壁を貫通して側方から螺着されたストッパ止めねじ（１３）の先端部分が楔状に喰い込み、ストッパ（１２）を所定の位置に位置決め固定するように調整されている。

【０００９】以下、工具（１）の抜出し防止構体（１０）の組立順序を説明する。先ず、嵌着支持穴（３）内に頭部（11Ａ）を先にした状態で調整ボルト（１１）を挿入する。ストッパ（１２）は、予め調整ボルト（１１）の雄ねじ（11Ｂ）形成部位に嵌込み、調整ボルト（１１）と一緒に嵌着支持穴（３）内に挿入する。

【００１０】次に、ストッパ止めねじ（１３）を締込み、その先端部分でストッパ（１２）の後端を係止することによって、調整ボルト（１１）の頭部（11Ａ）と嵌着支持穴（３）の底端との間に上記調整ボルト（１１）を回転可能に支持するのに必要な微小間隙Ｔ0を確保しながら上記調整ボルト（１１）とストッパ（１２）を工具ホルダ（４）の工具嵌着支持穴（３）の底端に位置決め固定する。この後、嵌着支持穴（３）内に工具（１）のシャンク部分（１Ａ）を挿入し、調整ボルト（ 11）の頭部（11Ａ）に設けられたレンチ差込み孔（１５）内に軸孔（１７）からレンチを挿入し、このレンチで調整ボルト（１１）を回転させることによって調整ボルト（１１）と工具（１）との相対ねじ込み量を調整する。工具（１）の位置決め固定動作が終了した後、工具（１）のシャンク部分（１Ａ）のテーパ状外周面（５）をサイドロックねじ（６）で締付けることによって、工具ホルダ（４）の嵌着支持穴（３）内への工具（１）の位置決め固定動作が完了する。

【００１１】上記実施例においては、ストッパ（１２）の係止手段としてストッパ止めピンを使用することも可能である。ストッパ止めねじ、またはストッパ止めピン（１３）は図１に示すように１個だけ取付ける場合が一般的であるが、工具ホルダ（４）と工具（１）およびストッパ（１２）との同芯配置を容易にするため、図２に示すように嵌着支持穴（３）の軸芯を中心とする同心円上に等配状態で複数本のストッパ止めねじ、またはストッパ止めピン（１３）を取付けることも可能である。

【００１２】

【考案の効果】

本考案に係る抜出し防止構体（１０）を使用すると、切削液の流入によって工具（１）に負荷される抜出し荷重がストッパ（１２）およびストッパ止めねじ、またはストッパ止めねじピン（１３）によって受けられるため、嵌着支持穴（３）内に嵌挿された工具（１）に抜出し荷重が働らかなくなる。この結果、工具（１）の飛出しが無くなり、工具（１）と工具ホルダ（４）との位置決め精度が向上する。また、工具（１）と工具ホルダ（４）との相対取付位置の調整を行なう際に、工具（１）を工具ホルダ（４）から取外す必要が無いため、従来装置に比較して工具（１）の位置決め固定と交換が容易になり、作業性も大幅に改善される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の係る工具ホルダおよび工具抜出し防止
構体の部分縦断面図

【図２】本考案の係る工具ホルダおよび工具抜出し防止
構体の部分縦断面図

【図３】従来の工具ホルダの部分縦断面図

【符号の説明】

１工具１Ａ工具のシャンク部分３工具の嵌着支持穴４工具ホルダ６サイドロックねじ１０抜出し防止構体１１調整ボルト 11Ａ調整ボルトの頭部１２円筒状ストッパ１３ストッパ止めねじ、またはストッパ止めピン

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】切削液の圧送用流路と、工具の嵌着支持
穴を具えた筒状の工具ホルダにおいて、その胴部に上記工具の軸穴に設けれられた雌ねじと螺合
する雄ねじを形成してなる工具取付位置規制用の調整ボ
ルトと、軸芯部に上記調整ボルトの挿通穴を形成してな
る円筒状のストッパと、上記工具ホルダの器壁を貫通し
て上記工具の嵌着支持穴内に延び、前記ストッパを止め
るストッパ止めねじとによって工具の抜出し防止構体を
形成したことを特徴とする工具ホルダ。