JPH05318212A - ハイシリコンアルミボアの仕上げボーリング加工方法 - Google Patents

ハイシリコンアルミボアの仕上げボーリング加工方法

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JPH05318212A
JPH05318212A JP12507892A JP12507892A JPH05318212A JP H05318212 A JPH05318212 A JP H05318212A JP 12507892 A JP12507892 A JP 12507892A JP 12507892 A JP12507892 A JP 12507892A JP H05318212 A JPH05318212 A JP H05318212A
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JP
Japan
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boring
tool
crystal silicon
wall surface
bore
Prior art date
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Application number
JP12507892A
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English (en)
Inventor
Masahiko Iiizumi
雅彦 飯泉
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工条件を最適化して初晶シリコンの破砕深
さを抑制し、後加工であるホーニング加工において初晶
シリコンの破砕率が低く内壁面に初晶シリコンが充分析
出した良質なシリンダボアが得られるようにすることを
目的とする。 【構成】 ハイシリコンアルミシリンダブロック3のシ
リンダボア4を画成する内壁面3aを仕上げボーリング加
工するに際し、刃先丸み半径が 0.1mm〜0.25mmの多結晶
ダイヤモンドチップ2を具えるボーリングバー1を使用
して、 0.05mm/回転〜 0.15mm/回転の工具送り速度で仕
上げボーリング加工を行うことを特徴とするものであ
り、他の加工条件は従来の方法と同様、周速 250m/分〜
400m/分、工具切込深さ 0.1mm〜 0.5mm(ボア内径dの
増分) とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリコン含有率が高
いアルミニウム合金製のシリンダブロックのシリンダボ
ア、すなわちいわゆるハイシリコンアルミボアを画成す
る内壁面を仕上げボーリング加工するに際し用いて好適
なボーリング加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記ハイシリコンアルミボアを画成する
内壁面を仕上げボーリング加工する場合、従来は刃先丸
み半径が 0.8mm〜 2.0mmの超硬チップまたは多結晶ダイ
ヤモンドチップを具えるボーリング工具を使用して、一
般的な仕上げボーリング加工の条件である周速 250m/分
〜 400m/分、工具送り速度0.1mm/回転〜 0.38mm/回転、
工具切込深さ 0.1mm〜 0.5mm(ボア内径の増分) でその
仕上げボーリング加工を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の加工条件でハイシリコンアルミボアを画成する内壁
面を仕上げボーリング加工すると、その内壁面における
初晶シリコンの破砕深さを抑制するのが難しく、破砕深
さが深くなってしまい、それゆえ、後加工であるホーニ
ング加工において破砕部分が取り切れず、初晶シリコン
の破砕率が30%以上と悪くなって、内壁面に初晶シリコ
ンが充分析出した良質なシリンダボアを得るのが困難で
あるという問題があった。
【0004】しかして、上記従来方法において初晶シリ
コンの破砕深さが深くなる原因につき本出願人が研究し
た結果、ボーリング工具のチップ刃先丸み半径が大きす
ぎる点が主な原因であることが判明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記研究結
果に基づき上記従来方法の課題を有利に解決した加工方
法を提供することを目的とするものであり、この発明の
加工方法は、ハイシリコンアルミシリンダブロックのシ
リンダボアを画成する内壁面を仕上げボーリング加工す
るに際し、刃先丸み半径が 0.1mm〜0.25mmの多結晶ダイ
ヤモンドチップを具えるボーリング工具を使用して、
0.05mm/回転〜 0.15mm/回転の工具送り速度で仕上げボ
ーリング加工を行うことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】かかる方法によれば、磨耗しにくい多結晶ダイ
ヤモンドチップを使用することによって刃先丸み半径を
小さくしても充分な工具寿命を確保し、さらに、工具送
り速度を 0.05mm/回転〜 0.15mm/回転と従来よりも遅目
にすることによって刃先丸み半径を小さくしても充分に
表面粗さを小さくし、その上で、刃先丸み半径が0.1mm
〜0.25mmと従来よりも大幅に小さいボーリング工具を使
用してボーリング加工を行うことにより、加工条件を最
適化して初晶シリコンの破砕深さを抑制したので、後加
工であるホーニング加工において破砕部分を容易に除去
し得て、初晶シリコンの破砕率が低く、内壁面に初晶シ
リコンが充分析出した良質なシリンダボアを得ることが
できる。
【0007】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は、この発明のハイシリコンアルミ
ボアの仕上げボーリング加工方法の一実施例に用いるボ
ーリング工具をボーリング加工中の状態にて示す側面図
であり、図中1はボーリング工具としてのボーリングバ
ー、2はそのボーリングバー1に装着されたスローアウ
ェイ型の工具チップ、3はシリコン含有率が高いアルミ
ニウム合金製のシリンダブロックすなわちいわゆるハイ
シリコンアルミシリンダブロックをそれぞれ示す。
【0008】ここにおける工具チップ2は、多結晶ダイ
ヤモンドにて形成された刃先部2aを有するいわゆる多結
晶ダイヤモンドチップであり、図2に拡大して模式的に
示すその刃先部2aの刃先丸み半径rは、 0.1mm〜0.25mm
とされ、従来のチップの刃先丸み半径よりも極めて小さ
くされている。
【0009】かかる工具チップ2を具えるボーリングバ
ー1を使用するこの実施例の加工方法では、そのボーリ
ングバー1を、例えば図示しないジグボーラーにより、
図中矢印Aで示す如く回転させながら、ハイシリコンア
ルミシリンダブロック3のシリンダボア4内に挿入し、
図中矢印Bで示す方向へ 0.05mm/回転〜 0.15mm/回転の
工具送り速度で送って、そのシリンダボア4を画成する
内壁面3aの仕上げボーリング加工を行う。
【0010】ここで、上記実施例の方法による仕上げボ
ーリング加工における他の加工条件は、従来の方法と同
様としており、具体的には、周速 250m/分〜 400m/分、
工具切込深さ 0.1mm〜 0.5mm(ボア内径dの増分) とし
ている。
【0011】図3〜図5は、上記実施例の方法により実
際に仕上げボーリング加工を行った結果を、加工条件を
変えて併せて行った比較例とともに示す説明図であり、
図3は刃先丸み半径rと初晶シリコンの破砕深さDとの
関係を、また図4は刃先丸み半径rと刃先磨耗との関係
を、そして図5は工具送り速度Vと表面粗さRmax との
関係をそれぞれ示す。
【0012】なお図2は、刃先丸み半径rと表面粗さR
max との関係を、シリンダブロック3側に一切の塑性変
形なく刃先丸み形状がシリンダブロック3側にそのまま
転写されるとした場合について理論的に示す図であり、
図示のように表面粗さRmaxは、工具送り速度Vに基づ
くボーリングバー1の一回転毎の工具チップ2の刃先部
2aの送り量Pが大きい程粗く(大きく)なることが判
る。
【0013】また図6は、上記シリンダブロック3の図
1中Cで示す内壁面3a付近の部分を切り出し、その断面
を 400倍に拡大して撮影した顕微鏡写真に基づく断面図
であり、上記初晶シリコンの破砕深さDとは、シリンダ
ブロック3の内壁面3aから、その内壁面3a付近にてシリ
ンダブロック3の内部に析出した初晶シリコン5の破砕
部分5aまでの距離の最大値を指している。
【0014】しかして、仕上げボーリング加工の後のホ
ーニング加工では通常、20μ〜30μ程度の深さまでシリ
ンダブロック3の内壁面3aを除去するので、初晶シリコ
ンの破砕深さDが30μ以下であれば実用域にあるとい
え、上記図3から明らかなようにこの実施例の方法によ
れば、刃先丸み半径r= 0.1mm〜0.25mmの刃先部2aを有
する工具チップ2を使用するので、上記実用域内に破砕
深さDを抑制することができる。
【0015】また図4に示すように、刃先丸み半径r<
0.1mmでは刃先磨耗量が実用域を越えて悪化するが、こ
の実施例の方法によれば、刃先丸み半径r= 0.1mm〜0.
25mmの刃先部2aを有する工具チップ2を使用するので、
上記実用域内に刃先磨耗量を抑えることができる。な
お、刃先丸み半径r≦0.25mmの刃先部2aを有する超硬チ
ップでは、刃先磨耗が激しすぎて到底実用には適さなか
った。
【0016】そして図5に示すとともに上述したよう
に、工具送り速度Vが速くなるとそれにつれて表面粗さ
Rmax は大きくなるが(図5中Mは刃先丸み半径r=0.
15mm、Nは刃先丸み半径r= 0.1mmの場合を示す)、仕
上げボーリング加工の後のホーニング加工では通常、20
μ〜30μ程度の深さまでシリンダブロック3の内壁面3a
を除去するので、表面粗さRmax が30μ以下であれば実
用域にあるといえ、この実施例の方法によれば、 0.15m
m/回転以下の工具送り速度Vで加工を行うので、刃先丸
み半径r= 0.1mmの場合でも表面粗さRmax が30μ以下
となって上記実用域内に表面粗さRmax を抑えることが
できる。なお、工具送り速度Vが 0.05mm/回転未満の場
合には、加工時間がかかり過ぎて実用的でなくなる。
【0017】上述の如くしてこの実施例の方法によれ
ば、初晶シリコンの破砕深さDが30μ以下のシリンダブ
ロック3の内壁面3aを安定して得ることができ、それゆ
え後加工であるホーニング加工において破砕部分を容易
に除去し得て、初晶シリコンの破砕率を、従来は30%以
上であったのに対し、20%〜15%以下と大幅に低くする
ことができた。従ってこの実施例の方法によれば、内壁
面3aに初晶シリコン5が充分析出した良質なシリンダボ
ア4を得ることができる。
【0018】以上、図示例に基づき説明したが、この発
明は上述の例に限定されるものでなく、例えば、上記加
工条件を満たし得るものであればジグボーラー以外のボ
ーリング機械、例えばマシニングセンタ等でボーリング
加工を行っても良い。
【0019】
【発明の効果】かくしてこの発明のハイシリコンアルミ
ボアの仕上げボーリング加工方法によれば、加工条件を
最適化して初晶シリコンの破砕深さを抑制したので、後
加工であるホーニング加工において破砕部分を容易に除
去し得て、初晶シリコンの破砕率が低く、内壁面に初晶
シリコンが充分析出した良質なシリンダボアを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のハイシリコンアルミボアの仕上げボ
ーリング加工方法の一実施例に用いるボーリングバーを
ボーリング加工中の状態にて示す側面図である。
【図2】上記ボーリングバーが具える工具チップの刃先
部を拡大して模式的に示すとともにその刃先部の刃先丸
み半径と表面粗さとの関係を示す説明図である。
【図3】上記実施例および比較例における刃先丸み半径
と初晶シリコン破砕深さとの関係を示す特性図である。
【図4】上記実施例および比較例における刃先丸み半径
と刃先磨耗量との関係を示す特性図である。
【図5】上記実施例および比較例における工具送り速度
と表面粗さとの関係を示す特性図である。
【図6】上記実施例におけるハイシリコンアルミシリン
ダブロックの図1中Cで示す内壁面付近の部分の断面を
400倍に拡大して撮影した顕微鏡写真に基づく断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ボーリングバー 2 工具チップ 3 ハイシリコンアルミシリンダブロック 3a 内壁面 4 シリンダボア 5 初晶シリコン 5a 破砕部分

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハイシリコンアルミシリンダブロックの
    シリンダボアを画成する内壁面を仕上げボーリング加工
    するに際し、 刃先丸み半径が 0.1mm〜0.25mmの多結晶ダイヤモンドチ
    ップを具えるボーリング工具を使用して、 0.05mm/回転
    〜 0.15mm/回転の工具送り速度で仕上げボーリング加工
    を行うことを特徴とする、ハイシリコンアルミボアの仕
    上げボーリング加工方法。
JP12507892A 1992-05-18 1992-05-18 ハイシリコンアルミボアの仕上げボーリング加工方法 Pending JPH05318212A (ja)

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ID=14901291

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Cited By (2)

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WO2002094527A1 (fr) * 2001-05-21 2002-11-28 Mitsubishi Materials Corporation Dispositif d'alesage et procede d'alesage
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