JPH05318029A - 複層比の安定した複層鋼の連続鋳造法 - Google Patents

複層比の安定した複層鋼の連続鋳造法

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JPH05318029A
JPH05318029A JP14675992A JP14675992A JPH05318029A JP H05318029 A JPH05318029 A JP H05318029A JP 14675992 A JP14675992 A JP 14675992A JP 14675992 A JP14675992 A JP 14675992A JP H05318029 A JPH05318029 A JP H05318029A
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layer
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molten
steel
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JP14675992A
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Akira Imamura
晃 今村
Kunio Hijikata
邦夫 土方
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 上下、左右或いは内層外層で異なる成分を有
し、且つ複層比の安定した複層鋼を連続的に鋳造する。 【構成】 二種の溶湯を供給して複層鋳片を鋳造する
際、二種の溶湯界面での静圧が同一になる様にタンディ
ッシュ湯面レベルを制御する。そして、このレベルを所
定範囲内に制御して鋳造する。 【効果】 鋳片断面が所定の比率で複層化され、鋳造長
さ方向で成分のバラツキの小さい複層比の安定した上
下、左右或いは内層外層に分割され、上層側と下層側或
いは内層側と外層側で相反する特性を合わせ持つ高機能
材の製造が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼の連続鋳造法に関し、
詳しくはタンディッシュ(以下、TDと称する)湯面レ
ベル制御法、湯面下凝固法および電磁制動力を利用する
上下、左右或いは内層外層で異なる成分を有し、且つ複
層比の安定した複層鋼の連続鋳造法に関する。
【0002】
【従来の技術】連続鋳造法においては、鋳型に連続的に
溶鋼を供給して鋳型内で凝固殻を生成させ、鋳型下方よ
り連続的に引き出して鋳片の製造が行われる。この連続
引き抜き過程において、鋳型内で合金等を添加し連鋳機
内で浸漬ノズル吐出流の攪拌力や下方に設けた電磁攪拌
装置を用いた攪拌により溶鋼成分を混合したり、或いは
複数のTDから成分の異なる溶鋼を供給したりして複数
の成分からなる鋼板を製造する方法がある。しかし、現
行のTDから鋳型への注入方法では浸漬ノズル吐出流の
浸入深さや左右の偏流の大きさが鋳造時間と共に大きく
変動し、局部的な成分濃化や全幅方向での大きな濃度変
動を生じる等の問題がある。
【0003】そこで、注入流による鋳片幅方向の成分変
動を抑制するため鋳型内に成分混合防止隔壁を設けた
り、連鋳機内の適切な位置で注入流と垂直方向に電磁力
を付与して機内流動を制御したりすることにより当該位
置の上下の溶鋼の混合を抑制し、鋳片幅方向に均質な成
分濃度分布を得る等種々の提案がなされている。例え
ば、特開昭63−212052号公報に示されるよう
に、連鋳機鋳型内に供給された溶鋼の上部に隔壁を設け
て両金属が混合することを防止しながら隔壁の下部にワ
イヤー等により元素を供給して上下二層に分割したり、
特開昭63−108947号公報に示されるように、二
成分の溶鋼を独立した長さの異なる二つの浸漬ノズルか
ら供給し、二本のノズルの間に連鋳機内の溶鋼厚み方向
に静止磁界を付与し、溶鋼流を上下二層に分割したりし
て複層鋼板を製造する等である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記隔
壁によるのでは凝固殻を隔壁の上方から下方に移動させ
るため鋳片と隔壁を一体化できず、充分な混合抑制効果
は得られない。また操業の安定性にも欠ける。
【0005】また、電磁力を活用し溶鋼を連鋳機内で上
下二層に分割するのでは、上下二層界面を直接測定でき
ないため操業変化に伴う複層比の変動を予測制御するこ
とはできない。更に、二本のノズルを使用するので小断
面鋳片の鋳造ができない。また、浸漬ノズルを長尺化し
外層部の厚みを厚くしようとすると、ノズルが折損し易
くなったりノズル交換ができないなどの操業上の問題を
生じるため外層の厚みを厚くするには限界が存在し、且
つ凝固は外周から進行し、鋳片は内層と外層とに分離し
たリング状に成分濃度が異なる鋳片となるため、上下或
いは左右で異なる要求特性を同時に満足できる鋳片の製
造は不可能である。
【0006】本発明は前記従来法の問題点の抜本的な解
決を図り、上下、左右或いは内層、外層で成分が異なる
鋳片を製造し得る連続鋳造法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の通
りである。
【0008】 二種の溶湯を供給して複層鋳片を鋳造
する際、二種の溶湯界面での静圧が同一になる様にTD
湯面レベルを制御し、このレベルを所定範囲内に制御し
て鋳造することを特徴とする複層比の安定した複層鋼の
連続鋳造法。
【0009】 二種の溶鋼を仕切る堰とTDから鋳型
への溶湯供給ノズルとの間に溶解堰を設けて各溶湯供給
層を仕切ることを特徴とする前記の複層比の安定した
複層鋼の連続鋳造法。
【0010】 二種の溶鋼を仕切る堰とダミーバーと
の間に溶解堰を設けて各溶湯供給層を仕切ることを特徴
とする前記の複層比の安定した複層鋼の連続鋳造法。
【0011】 二種の溶鋼を仕切る堰と連続するよう
にTDから鋳型への溶湯供給ノズル内に仕切り堰を設け
てノズル内を二つの流路に分割し、当該ノズル出口近傍
に磁界を付与して溶湯の混合を制御することを特徴とす
る前記の複層比の安定した複層鋼の連続鋳造法。
【0012】
【作用】本発明は、湯面下凝固法による複層鋼の連続鋳
造法において、TDを二槽に分割し、二種の溶鋼を供給
して複層鋳片を鋳造する際、二槽の溶鋼界面での静圧が
同一となるように湯面レベルを制御し、このレベルを所
定範囲内に保つことにより鋳型内への供給溶鋼量を所定
の比率とし、上下、左右或いは内層外層で異なる濃度ま
たは合金成分を持った複層比の安定した鋳片を製造す
る。
【0013】堰、フィルターや電磁力等を利用してTD
入側の注入口に流下した溶鋼の流動を鎮静化した後、T
D内に設けた仕切り部で二槽に分割する。分割後、一方
の槽に必要な合金元素を添加して成分を調整し、二種の
溶鋼としてTD出側に供給する。または、それぞれが異
なる組成の溶鋼を各槽毎に供給しても良い。
【0014】仕切り部として堰や電磁力を用いるが、堰
を用いる場合、TD出側の堰の下端の先端(以下、TD
堰先端と称する)が鋳型の鋳造方向と垂直な鋳型断面域
のいずれに位置するかで複層比を制御する。通常は、T
D堰先端を鋳型垂直断面の3〜97%の範囲の位置に予
め設定することで所定の複層比を得る。二層の混合抑制
の観点から、TD堰先端を溶鋼流路が急に狭くなるTD
から鋳型への溶湯供給ノズル(以下、TDノズルと称す
る)部直近まで二槽に分離した状態で導き、TDノズル
入口面より上流側、より好ましくは2〜500mm程度
上流にTD堰先端を設置する。堰形状は、TDから鋳型
に滑らかに溶鋼を供給する様にした円弧型や流線形、或
いは各槽の体積変化を考慮し二槽に分割するための垂直
堰と流れを鋳型の方に誘導する水平堰の二つの機能を併
せ持つ様にしたL型堰など、TD容量や作業性の面から
決定する。
【0015】電磁力を用いる場合、TD出側の電磁力の
作用する領域の下端が鋳型の鋳造方向と垂直な鋳型断面
域のいずれに位置するかで複層比を制御できる。通常
は、電磁力の作用領域の下端を鋳型垂直断面の3〜97
%の範囲の位置に予め設定することで所定の複層比を得
る。二層の混合抑制の観点から、電磁力の作用領域の下
端をTDノズル部直近まで二槽に分離した状態で導き、
TDノズル入口面より上流側、より好ましくは2〜50
0mm程度上流に電磁力の作用領域の下端の先端を設置
する。電磁力の作用のさせ方は、堰と同様に設備条件か
ら選定する。ただ、鋳造の経過に伴う複層比の経時変化
を抑制するには、堰を使用することが好ましい。
【0016】その後TDと鋳型を直結した湯面下凝固法
で鋳造を行う。鋳造に際し、TD堰先端で二層界面の静
圧が同一となる様にTD湯面レベルを抑制し、このレベ
ルが所定の範囲となる様に注入量を制御することによ
り、複層比の安定した鋳片の製造が可能となる。
【0017】TDへの溶鋼供給方法として、TD入り側
で分離した二槽に予め成分調整した二種の溶鋼を供給
し、TD堰先端の静圧が同一となる様にTD湯面レベル
を管理し必要量を鋳型内に供給しても、成分の違う鋼種
や濃度の大きく異なる鋼種の二層鋳片の製造が可能であ
る。
【0018】また、TDを内外二槽に仕切り、この仕切
り堰の一部に矩形もしくは円形の筒状で鋳造方向と平行
になる様に設定した開口部を設け、鋳型の鋳造方向と垂
直な鋳型断面域の所定の領域を占める様にすることによ
り、内外二層の複層比の安定した複層鋳片の製造が可能
となる。通常は、TD堰先端を鋳型垂直断面の3〜97
%の範囲の位置に予め設定することで所定の複層比を得
ることができる。二層混合抑制の観点から、内槽仕切り
部先端をTDから鋳型へのTDノズル直近まで二槽に分
離した状態で導き、TDノズル入口面より上流側、より
好ましくは2〜500mm程度上流にTD堰先端を設置
する。
【0019】更に本発明は、TD内溶湯供給層を仕切る
堰とTDノズルまたはダミーバーとの間を二槽に遮断す
る形で金属板、鋼板、ステンレス鋼板など溶解可能な溶
解堰を設けて各溶湯供給層を仕切ることにより鋳造初期
から異鋼種の混合を抑制し、複層比の安定した複層鋳片
を鋳造する。鉄板の周囲は、注入初期の浮き上がり防止
のため耐火物で固定する。
【0020】鋳型で静磁界を付与することにより二層の
混合が一層抑制され、操業が安定化する。二層の混合抑
制の観点からは、鋳造方向に平行に静磁界を付与し、或
いは二層界面と垂直に静磁界を付与することが好まし
い。
【0021】また、鍋交換時の大きな湯面変動や間歇引
き抜き等の周期的な変動によりTD湯面のスロッシング
現象が発生し、時としてTD堰先端の静圧の変動が大き
くなり、複層比が一時的に変動することもある。本発明
はこの様な操業変動による二層界面の静圧変動に起因し
た複層比変動対策として、上記二種溶鋼の仕切り堰と連
続する様にTDノズル内に仕切り堰(以下、TDノズル
分割堰と称する)を設けてTDノズル内を二つの流路に
分割し、TDノズル出口まで二層溶鋼を完全に分離した
状態に保ちながら導き、TDノズル出口近傍に磁界を付
与することによりTDノズル分割堰を設けたことに起因
するTDノズル出口以降鋳型内での溶鋼の混合を抑制す
る。
【0022】本発明者等は、予め成分調整した二種の溶
鋼を用い、前述の湯面下凝固法による複層鋼鋳造試験を
実施した。鋳片調査の結果、TDに設けた堰により二層
分離が可能であること、TD内の二種の溶湯界面で静圧
が同一になるように湯面レベルを制御しこのレベルを所
定範囲内に保ち、且つTD堰先端を鋳型の鋳造方向と垂
直な鋳型断面域の予め設定した位置とすることで所定の
複層比を有する複層鋳片の製造が可能であることを確認
した。
【0023】鋳造を開始するに際し、予め左右二槽に仕
切る垂直堰と流れを鋳型に導く水平堰とからなるL型堰
で仕切られた空のTD内に溶鋼を供給して槽内を充満さ
せ、流動が鎮静化するまで溶鋼を保持した後、鋳造を開
始する。溶鋼を充満させる過程や保持時間が短く流動が
鎮静化していない状態で鋳造を開始すると、仕切り堰の
なくなるTD堰先端の下流域で両槽の溶鋼がぶつかり混
ざり合うが、図1に示す様に、水平堰bの延長線上(図
中点線)で両槽の静圧が同一になる様に二槽の湯面レベ
ルha およびhb を制御すれば二種の溶鋼を混合させる
外力は発生せず、堰出側全断面で溶鋼流速が均一な平行
流となり以後の二層の混合が抑制され、初期混合域を除
く鋳片部位で複層比に見合った溶鋼の供給が可能とな
る。なお、水平堰の裾付高さを鋳型垂直断面の所定の位
置となる様に設定することにより複層比をコントロール
する。
【0024】二層界面で静圧を同一にするには、二層の
比重が同じ場合、二槽の湯面レベル(図1中、ha 、h
b )を同一レベルha =C×hb に制御することが必要
である。二層に比重差がある場合は、溶鋼の比重差を補
正して制御すること、つまり一方の浴深ha を基準に他
方の浴深hb =C×ha ×(ρa /ρb )となる様に制
御することが必要である。ここでCは制御係数で、Cが
0.8〜1.2の範囲となる様に制御するが、理想的には1.
0とすることが望ましい。なお、ρa およびρb は各槽
の溶鋼比重を示す。
【0025】二層の混合抑制の観点からは、TD堰先端
を何処に位置させるかも大切である。TD堰先端をTD
ノズル内まで挿入すると、堰の厚みが流路の一部を占有
することになる。この結果、TD堰先端の下流域で流路
断面積変化が大きくなりTDノズル内の流れが乱れ、二
層の混合が起こり、複層比が鋳造長さ方向で変動する。
この現象は、TD堰先端をTDノズル入口面より上流
側、より好ましくは2〜500mm程度上流に設置する
ことにより、堰がなくなることに起因した流路断面積変
化が小さくなり回避できる。TD堰先端位置をTDノズ
ル面より500mm以上上流側にすると、流路断面変化
に起因した二層の混合は抑制できるが、TD内の操業変
動の影響を受け易く、操業変動起因の複層比変動を生じ
る原因となる。また、堰形状として図2に示す様に円弧
型または流線形等の変形堰3aを用いれば、鋳造中に流
れを乱す様な流動抵抗を少なくし、TDから鋳型に溶鋼
をスムーズに供給できることから複層比は一層安定化す
る。また、鋳型部での電磁力の付与により鋳造方向での
成分変動が更に小さく抑えられることが確認できた。
【0026】L型堰3に代えて、図3に示す様にTD1
側面両側に仕切り用電磁コイル3bをL型に配置し、T
D1を横切る様に磁力を付与して二層の混合を抑制して
も、同様に複層比の安定した複層鋼の鋳造が可能とな
る。
【0027】また、図4の如くTD1内を内外二槽に仕
切る堰3cを配置し、二層界面の静圧が同一になる様に
TD湯面レベルを制御する。この結果、堰出側で溶鋼流
速が均一な平行流となるため、初期断面比率を保ったま
ま凝固させることが可能となり、所定の比率を有し内外
二層で成分の異なる複層鋳片の製造が可能となる。
【0028】複層鋼の連続鋳造法では、まず鋳造開始時
に空のTDに溶鋼を供給することが必要である。この
時、仕切りがなくなるTD堰先端の前方で両槽の溶鋼が
ぶつかり混ざり合う。この混ざり合った溶鋼を注入し終
えるまで複層比の安定した複層鋳片を得ることはできな
かった。本発明では、図5、6に示す様に、空のTD1
内に溶鋼を供給するに際し、TD堰先端とTDノズル5
或いはダミーバー6との間を溶解堰7として0.5〜30
ミリ厚みの鋼板で仕切り、TD1内を二槽に分離する。
この結果、空のTD1に溶鋼を供給する際に発生してい
たTD堰先端下流域での二溶鋼の混合が防止でき、注入
初期から二溶鋼を混合させずにTD1内に溶鋼を充満さ
せることが可能となる。鍋からTD1へ注入を開始して
から数分間で溶解堰7は完全に溶解し、二槽の溶鋼は溶
融分離した状態で接する。この時溶鋼静圧と鋳片保持力
がバランスしているためTD1内溶鋼は静止したままで
ある。その後、TD溶鋼量が増加し所定量になるまで保
持した後、引き抜きを開始する。両槽の静圧が同一にな
る様に二槽の湯面レベルを制御することにより二層の混
合が抑制され、複層比に見合った溶鋼の供給が可能とな
る。鋼板厚みが0.5ミリより薄いと溶鋼の浸入と共に溶
解堰7が変形あるいは溶解されてしまい、二層を分離保
持できない。逆に30ミリより厚いと鋳造開始後も一部
溶け残りが発生し、流れが乱され、鋳造初期に複層比が
安定しない。
【0029】また、図7に示すように、上下二層に分離
したL型堰3から連続する様にTDノズル分割堰8を設
け、更に鋳型2で電磁力を付与し、二層の混合を抑制す
る。L型堰3から連続するTDノズル分割堰8によりT
D1内の操業変動の影響が小さく、また鋳型2で電磁力
を付与することにより流路内に仕切り堰を設けることに
起因した鋳型内での二層混合流を抑制し、複層比の安定
した複層鋼の連続鋳造が可能となる。
【0030】この様な複層鋳片の製造は水平連鋳機を用
いた場合極めて有効であるが、水平連鋳機以外にも湯面
下凝固型の垂直連鋳機に適用しても複層比の安定した鋳
片の製造が可能である。
【0031】
【実施例】水平連鋳機を用いて鋳片サイズが幅300m
m×厚み400mm、鋳造速度が1.0m/minで、高
炭素鋼と低炭素鋼の複層鋼を連続鋳造した。鍋からの落
下流を減速するために下流側にフィルター堰を配した減
速域を設け、鋳型への注入孔付近の流速を大幅に減速さ
せた。TD内溶鋼は垂直堰で二槽に分割後、一方の槽に
炭素を4%固溶した鉄を適当な体積比で添加し、炭素濃
度が0.8%となる様に調整した。
【0032】
【実施例1】図1、図2に示す水平連鋳機により、TD
1を二槽に分割して鋳造試験を行った。試験条件は、T
D堰先端をTDノズル内下流側20ミリまで押し込んだ
場合と、TDノズルの上流側5ミリ、50ミリ、300
ミリ、600ミリとした場合のTD堰先端条件5水準、
また図2に示す様にTD堰先端条件をTDノズルの上流
側5ミリに固定し、堰形状を円弧型、流線形とした2水
準の計7水準とした。試験結果を表1に示す。TD堰先
端位置をTDノズルの上流側に設定することで複層比が
安定したが、600ミリ以上上流側に離すと鋳造末期に
複層比が変動した。堰形状を円弧型または流線形にする
と、操業初期に短時間で複層比が安定化した。
【0033】
【表1】
【0034】更にTD堰先端位置を上面から10%、5
0%、80%の3水準に変化させたが、図8に示す様
に、各条件で設定値に対して±3%の精度の複層比の安
定した複層鋼が得られた。
【0035】
【実施例2】図3に示すように、仕切り用電磁コイル3
bでTD1を二槽に分割して鋳造試験を行った。仕切り
用電磁コイル3bをL型に設置し、TD堰先端条件はT
Dノズルの上流側5ミリの条件とし、電磁力は0.05T
と0.3Tの2水準で鋳造実験を行った。試験結果を表2
に示す。鋳片断面中心で成分の混合が認められるが、成
分が徐々に変化する様な特性の要求される複層鋼の製造
には有効な手段である。
【0036】
【表2】
【0037】
【実施例3】図4に示すように、垂直仕切り堰と矩形ま
たは円形の筒状をした内外層の仕切り堰3cでTD1を
二槽に分割して鋳造試験を行った。試験条件は、TD堰
先端をTDノズル内20ミリまで押し込んだ場合とTD
ノズルの上流側5ミリ、300ミリ、600ミリとした
場合の4水準、またTDノズルの上流側5ミリで堰形状
を円弧型、流線形とした場合の計6水準とした。試験結
果を表3に示す。TD堰先端位置をTDノズルの上流側
に設定することで複層比が安定した内外層で成分が異な
る複層鋼が製造できたが、実施例1同様600ミリ以上
上流側に離すと鋳造末期に複層比が変動した。堰形状を
円弧型または流線形にすると操業初期に短時間で複層比
が安定化した。
【0038】
【表3】
【0039】
【実施例4】図5、図6に示すように、L型堰3および
溶解堰7によりTD1を二槽に分割して鋳造試験を行っ
た。試験結果を図9に示す。従来3mあった初期非定常
域が、TD堰先端とTDノズル間またはTD堰先端とダ
ミーバー間を溶解堰7で仕切った場合には0.5mと大
幅に短縮され、鋳造歩留が大幅に向上した。
【0040】
【実施例5】図7に示すように、L型堰3の延長にTD
ノズル分割堰8を設置し、更に鋳型電磁コイル9を鋳型
銅板後面にリング状に配し、鋳造方向と平行に0.1T
の電磁力を付与して鋳造試験を行った。試験結果を表4
に示す。L型堰3から連続するTDノズル分割堰8によ
りTD1内の操業変動の影響が小さく、また鋳型2で電
磁力を付与することにより流路内に仕切り堰を設けるこ
とに起因した鋳型内での二層混合流を抑制し、複層比の
安定した複層鋼の連続鋳造が可能となった。
【0041】
【表4】
【0042】
【発明の効果】本発明により、鋳片断面が所定の比率で
複層化され、鋳造長さ方向で成分のバラツキの小さい複
層比の安定した上下、左右および内層外層に分離され上
層側と下層側あるいは内層と外層で相反する特性を合わ
せ持つ高機能材の製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】L型堰を有するTDから水平連鋳機の鋳型にか
けての側面図である。
【図2】変形堰を有するTDから水平連鋳機の鋳型にか
けての側面図である。
【図3】電磁力により二層に仕切ったTDから水平連鋳
機の鋳型にかけての側面図である。
【図4】内外層の仕切り堰を設置したTDから水平連鋳
機の鋳型にかけての側面図である。
【図5】L型堰とTDノズルとの間を溶解堰で仕切り、
TD内を二槽に分離したTDから水平連鋳機の鋳型にか
けての側面図である。
【図6】L型堰とダミーバーとの間を溶解堰で仕切り、
TD内を二槽に分離したTDから水平連鋳機の鋳型にか
けての側面図である。
【図7】L型堰の延長線上のTDノズル内を二槽に仕切
り、鋳型で電磁力を付与したTDから水平連鋳機の鋳型
にかけての側面図である。
【図8】本発明法の複層比制御性調査結果を示す図であ
る。
【図9】本発明法により製造した鋳片の複層比の経時変
化を示す図である。
【符号の説明】
1 TD 2 鋳型 3 L型堰 3a 変形堰 3b 仕切り用電磁コイル 3c 内外層の仕切り堰 4 鋳型電磁コイル 5 TDノズル 6 ダミーバー 7 溶解堰 8 TDノズル分割堰 9 鋳型電磁コイル 10 内槽 11 外槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 11/18 A 7362−4E G 7362−4E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二種の溶湯を供給して複層鋳片を鋳造す
    る際、二種の溶湯界面での静圧が同一になる様にタンデ
    ィッシュ湯面レベルを制御し、このレベルを所定範囲内
    に制御して鋳造することを特徴とする複層比の安定した
    複層鋼の連続鋳造法。
  2. 【請求項2】 二種の溶鋼を仕切る堰とタンディッシュ
    から鋳型への溶湯供給ノズルとの間に溶解堰を設けて各
    溶湯供給層を仕切ることを特徴とする請求項1記載の複
    層比の安定した複層鋼の連続鋳造法。
  3. 【請求項3】 二種の溶鋼を仕切る堰とダミーバーとの
    間に溶解堰を設けて各溶湯供給層を仕切ることを特徴と
    する請求項1記載の複層比の安定した複層鋼の連続鋳造
    法。
  4. 【請求項4】 二種の溶鋼を仕切る堰と連続するように
    タンディッシュから鋳型への溶湯供給ノズル内に仕切り
    堰を設けてノズル内を二つの流路に分割し、当該ノズル
    出口近傍に磁界を付与して溶湯の混合を制御することを
    特徴とする請求項1記載の複層比の安定した複層鋼の連
    続鋳造法。
JP14675992A 1992-05-14 1992-05-14 複層比の安定した複層鋼の連続鋳造法 Pending JPH05318029A (ja)

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01271032A (ja) * 1988-04-22 1989-10-30 Nippon Steel Corp 複層鋳片用水平連続鋳造装置
JPH03243262A (ja) * 1990-02-20 1991-10-30 Nippon Steel Corp 複層鋼連続鋳造における制御方法
JPH0557398A (ja) * 1991-08-28 1993-03-09 Nippon Steel Corp 電磁力を利用した二層鋼の連続鋳造法

Patent Citations (3)

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