JPH0531765U - 掃除機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴミや塵埃を付着させる感圧粘着ゴムで成る
円筒ロールに柄を付けた簡易掃除機は、ロール周面にゴ
ミ・塵埃が付着すると、粘着力が著しく低下するため、
広い範囲を掃除する際は、途中でロールの水洗・乾燥を
何度も繰り返し行わなければならなかった。そこで、本
考案は、強い粘着力を維持したまま広い範囲を連続的に
掃除することができる掃除機を提供することを目的とし
ている。 【構成】 片面に感圧粘着ゴム層を形成した帯状シート
２がそのゴム層を外側にして巻き取られているゴミ取り
ロール４と、当該ロール４から巻き出される帯状シート
２をゴム層を内側にして巻き取るシート回収用ロール５
とが夫々着脱自在に配設され、清掃面に接触して帯状シ
ート２の巻出方向に回転されるゴミ取り用ロール４の回
転を伝達して、シート回収用ロール５をゴミ取り用ロー
ル４のシート巻出量に応じたシート巻取量で回転させる
回転伝達機構９を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ウレタン系の感圧粘着ゴムに床面等のゴミを付着させて取るように した掃除機に係り、特に絨毯やカーペットを敷き詰めた床面の清掃に好適な掃除 機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

床面に敷かれた絨毯やカーペットの表面に付着する塵埃や髪の毛は、空気吸引 式の掃除機で除去することが困難なため、絨毯等の表面を洗剤で洗浄する洗浄機 を使用したり、表面に感圧粘着剤が塗布された紙テープをロール状に巻き取った ものや、ウレタン系の感圧粘着ゴムで成る円筒ロールに柄を付けた簡易掃除機を 使用して掃除している。

【考案が解決しようとする課題】

【０００３】 しかし、洗剤を用いる洗浄機は、その洗剤成分が絨毯等に含侵されて残留する ため、衛生上好ましくない。 また、感圧粘着剤が塗布された紙テープをロール状にまきとったものは、その 感圧粘着剤が、天然ゴムやポリクロロプレン，ポリイソブチレン等の高分子ベー スに、軟化剤として可塑剤を加え、さらにロジン，テルペン樹脂，クマロンイン デン樹脂等の粘着付与剤を添加したものでなるから、経時安定性が悪く、下記等 の高温時にはベト付きを生じて、粘着剤が絨毯等の表面に転写され、その表面を 却って汚してしまうおそれがあるだけでなく、ゴミの付着によって粘着力が失わ れる度に、一巻ずつ紙テープを切り取らなければならないので、その手間が非常 に面倒であった。

【０００４】 また、周面がウレタン系の感圧粘着ゴムで成るロールは、これを水洗いするだ けでその表面に付着したゴミを簡単に洗い落とすことができ、その表面を乾燥さ せると再び粘着力が回復するという特徴を有している。 しかし、広い範囲を掃除しようとすると、ロールの周面全域にゴミ・塵埃が付 着し、粘着力が著しく低下してしまう。したがって、掃除の途中で、ロールの水 洗と乾燥を何度も繰り返しおこなわなければならず、非常に面倒であるという問 題があった。

【０００５】 また、本考案者は、床面を走行する掃除用ローラに、ウレタン系の感圧粘着ゴ ムで成る無端状のゴミ取りベルトを掛け回されたボディ内に、ゴミ取りベルトを 洗浄する洗浄装置と、これを乾燥させる乾燥装置を一体に設けた掃除機を提案し たが（特願平１−１８０５５４号）、これは、ホテルのロビーや廊下のような広 い場所を掃除するには適しているものの、一般家庭で使用するには大き過ぎる。

【０００６】 そこで、本考案は、一般家庭でも簡単に使用することができるように、掃除機 内に洗浄装置や乾燥装置を用いることなく小型軽量に形成することができ、しか も、強い粘着力を維持したまま広い範囲を連続的に掃除することができるように することを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この課題を解決するために、本考案は、片面にウレタン系の感圧粘着ゴム層を 形成した帯状シートがそのゴム層を外側にして巻き取られているゴミ取り用ロー ルと、当該ゴミ取り用ロールから巻き出される帯状シートをゴム層を内側にして 巻き取るシート回収用ロールとが、夫々着脱自在に配設されると共に、清掃面に 接触して帯状シートの巻出方向に回転せられるゴミ取り用ロールの回転をシート 回収用ロールに伝達して、当該シート回収用ロールをゴミ取り用ロールのシート 巻出量に応じたシート巻取量で回転させる回転伝達機構が設けられていることを 特徴とする。

【０００８】

【作用】

本考案によれば、床面等の清掃面に沿ってゴミ取り用ロールを転がすと、当該 ロールから帯状シートが巻き出されて、その帯状シートの片面に形成されたシレ タン系の感圧粘着ゴム層が清掃面のゴミを次々と粘着させて除去し、帯状シート を使いきるまで長時間にわたって連続的に強い粘着力で掃除することができる。 そして、ゴミ取り用ロールから巻き出される帯状シートは、回転伝達機構を介 してそのシート巻出量に応じたシート巻取量で回転されるシート回収用ロールに 、ゴミが付着したゴム層を内側にして巻き取られていくので、ゴミが落ちること もない。 また、帯状シートを使い切ったゴミ取り用ロールと、使用済みの帯状シートを 巻き取ったシート回収用ロールは、掃除機から取り外して新しいものと簡単に交 換することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて具体的に説明する。 図１は本考案に係る掃除機を示す斜視図、図２はその正面図、図３はその側面 図である。 図中１は、基材シートの片面側にウレタン系の感圧粘着ゴム層を形成した５０ 〜１００ｍ程度の帯状シート２がそのゴム層を外側にして芯材３に巻き取られて いるゴミ取り用ロール４と、当該ゴミ取り用ロール４から巻き出される帯状シー ト２をゴム層を内側にして巻き取るシート回収用ロール５とを、着脱自在に配設 したケースである。

【００１０】 ゴミ取り用ロール４は、清掃面に接触して転がるようにその周面がケース１の 下面開口部１ａから露出された状態で、芯材３に挿脱自在な回転軸６によって支 持され、回転軸６を抜いて下面開口部１ａから着脱できるように成されている。 また、回転軸６は、ケース１に固定される左右の軸部６ａと、その軸部６ａに 支持されてゴミ取り用ロール４を一方向にのみ回転させる回転部６ｂとからなり 、当該回転部６ｂは、その周面にゴミ取り用ロール４の芯材３に係合されるキー ６ｃが形成されている。 したがって、ゴミ取り用ロール４の巻出方向を回転部６ｂの回転方向と合わせ て装着することにより、図３で見て矢印Ｆ方向に押されたときに当該ロール４は 帯状シート２の巻出方向にのみ回転し、矢印Ｆと反対方向に引いたときにゴミの 付着した帯状シート２が巻き戻らないように成されている。

【００１１】 また、シート回収用ロール５は、ゴミ取り用ロール４の芯材３と同型の芯材７ が使用され、当該芯材７に挿脱自在な回転軸８によって支持されると共に、回転 伝達機構９を介してゴミ取り用ロール４のシート巻出量に応じたシート巻取量で 回転されるように成され、回転軸８を抜いてケース１の上面開口部１ｂから着脱 されるように成されている。

【００１２】 回転伝達機構９は、ゴミ取り用ロール４の周面に当接して当該ロール４のシー ト巻出量に応じた送り量で回転せられる原動ローラ１０と、シート回収用ロール ５の周面に当接した状態で原動ローラ１０と同じ送り量で連動回転されてシート 回収用ロール５を帯状シート２の巻取方向に回転駆動される従動ローラ１１とで 構成されている。

【００１３】 原動ローラ１０及び従動ローラ１１は、各ロール４及び５との間で滑りを起こ さないように、その周面にローレット加工が施されると共に、夫々スプリング１ ３及び１４を介してゴミ取り用ロール４及びシート回収用ロール５の中心に向か って付勢されると共に、回転軸６及び８の直径方向に延設された長孔１０ａ及び １１ａに案内され、帯状シート２の巻出量に応じて各ロール４及び５の外径が変 化しても、常に各ロール４及び５の周面に押し当てられるように成されている。 また、従動ローラ１１は、ケース１の左右両側に収納されたギヤ装置１２を介 して原動ローラ１０と連動回転されるようになされている。

【００１４】 ギヤ装置１２は、原動ローラ１０と同軸に形成された駆動ギヤ１５と、従動ロ ーラ１１と同軸に形成された従動スプロケット１６との間に、前記駆動ギヤ１５ の回転方向を反転するアイドルギヤ１７と、当該アイドルギヤ１７と同軸に形成 され前記従動スプロケット１６にゴムベルト１９が平行掛けされた原動スプロケ ット１８とで構成されている。 そして、シート回収用ロール５をゴミ取り用ロール４のシート巻出量に相当す る送り量と同じ送り量で回転駆動できるように、例えば、原動ローラ１０，駆動 ギア１５，アイドルギア１７，原動スプロケット１８，従動スプロケット１６， 従動ローラ１１が全て同じ径に形成されている。なお、最終的に原動ローラ１０ と従動ローラの送り量が等しくなるように選定されていれば、これらの径は全て 同じに場合に限るものではない。

【００１５】 以上が本考案の一例構成であり、次にその動作について説明する。 まず、ケース１にゴミ取り用ロール４及びシート回収用ロール５を装着する。 つまり、ゴミ取り用ロール４は、ケース１の下面開口部１ａからその巻出方向 と回転方向を合わせ、回転軸６のキー６ｃが芯材３に係合するように挿入して、 その両端の軸部６ａを固定する。 一方、シート回収用ロール５は、ケース１の上面開口部１ｂから装着し、回転 軸８を芯材７に挿入して、その両端を固定した後、ゴミ取り用ロール４から巻き 出された帯状シート２の先端をゴム層を内側にしてそのゴム層の粘着力で芯材７ に巻き付けておく。

【００１６】 そして、床面を清掃する際は、ハンドル２０を持って図３の矢印Ｆ方向に掃除 機を移動させると、ゴミ取り用ロール４が床面と接触しながら帯状シート２の巻 出方向に回転される。これにより、未使用の帯状シート２が次々と巻き出されて 、その帯状シート２に形成された感圧粘着ゴム層が常に強い粘着力で床面上のゴ ミを付着させて除去する。

【００１７】 そして、ゴミ取り用ロール４が巻出方向に回転すると、そのゴミ取り用ロール ４の周面に当接された原動ローラ１０が、帯状シート２の巻出量に相当する送り 量で回転され、この回転がギヤ装置１２を介してシート回収用ロール５の周面に 当接された従動ローラ１１に伝達され、シート回収用ロール５がゴミ取り用ロー ル４のシート巻出量と等しいシート巻取量で巻取方向に回転される。 したがって、ゴミ取り用ロール４から巻き出されてゴミの付着した帯状シート ２は、その巻き出された長さ分だけ確実にシート回収用ロール５に巻き取られて いく。

【００１８】 すなわち、掃除機を走行させると、ゴミ取り用ロール４が床面を転がって未使 用の帯状シート２が次々巻き出されると同時に、ゴミが付着した使用済みの帯状 シート２が巻き取られていくので、帯状シート２を使いきるまで強い粘着力で広 範囲にわたって連続的に掃除することができる。

【００１９】 そして、ゴミ取り用ロール４に巻かれていた帯状シート２を使いきると、シー ト回収用ロール５に巻き取られた使用済みの帯状シート２を当該ロール５の芯材 ７ごと取り外し、空になったゴミ取り用ロール４の芯材３をシート回収用ロール ５の回転軸８に付け替えると共に、新たなゴミ取り用ロール４を回転軸６に装着 して上述と同様に使用する。この際、使用済みのシート回収用ロール５はゴム層 が内側にして巻き取られているので、手を汚すことなく簡単に取り外すことがで きる。 なお、使用済みのシート回収用ロール５は、これを回収して帯状シート２を水 洗・乾燥させる再生処理を行い、再び粘着面を外側にして芯材３に巻き取りゴミ 取り用ロール４として提供する。

【００２０】 次に、図４は他の実施例を示す側面図であって、本例では、回転伝達機構９と して、ゴミ取り用ロール４のシート巻出量に応じてシート回収用ロール５の回転 速度を可変する変速機２１を備えた多段変速式のチェーン伝達機構を利用し、ゴ ミ取り用ロール４の回転軸６に原動ギヤ２２が同軸的に設けられると共に、シー ト回収用ロール５の回転軸８に多段の従動ギヤ２３が設けられている。 従動ギヤ２３は、原動ギヤ２２の回転方向を反転するアイドルギヤ２４に平行 掛けされたチェーン２５によって回転されるようになされている。 変速機２１は、ハンドル２０に取り付けられた操作レバー（図示せず）の操作 によりワイヤ２６を介して所定のギヤを選択するように成され、ゴミ取り用ロー ル４のシート巻出量に応じて予め設定された回転速度比に、シート回収用ロール ５の回転速度を変速できるように成されている。

【００２１】 そして、最初は、ゴミ取り用ロール４の外径が、シート回収用ロール５の外径 よりも大きいので、ギヤ比を最も小さく設定して、ゴミ取り用ロール４の回転数 に対するシート回収用ロール５の回転数を大きく設定して、ゴミ取り用ロール４ から巻き出された帯状シート２を巻き取れるようにする。 そして、帯状シート２が巻き出されてゴミ取り用ロール４の外径が小さくなる に従って、シート回収用ロール５は帯状シート２の巻取量が増して外径が大きく なり、ゴミ取り用ロール４のシート巻出量よりもシート回収用ロール５のシート 巻取量の方が徐々に多くなる。 したがって、ギヤを一段ずつ落として、ゴミ取り用ロール４の回転数に対する シート回収用ロール５の回転数を徐々に小さくしていけば、シート回収用ロール ５をゴミ取り用ロール４のシート巻出量に応じたシート巻取量で回転させること ができ、巻き出された帯状シート２を巻き取ることができる。 なお、回転伝達機構９は上記各実施例に限らず、シート回収用ロール５をゴミ 取り用ロール４のシート巻出量に応じたシート巻取量で回転させることができる ものであれば、任意の機構を採用することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上述べたように、本考案によれば、ゴミ取り用ロールから帯状シートが次々 と巻き出され、清掃面のゴミ等を未使用の感圧粘着ゴム層に付着させて掃除する ことができるので、掃除機内に洗浄装置や乾燥装置を用いることなく、強い粘着 力を維持して広い範囲を連続的に掃除することができると同時に、掃除機自体を を小型軽量に形成することができるという優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る掃除機を示す斜視図

【図２】 その正面図

【図３】 その側面図

【図４】 他の実施例を示す側面図

【符号の説明】

２・・・帯状シート ４・・・ゴミ取り用ロール ５・・・シート回収用ロール ９・・・回転伝達機構 １０・・・原動ローラ １１・・・従動ローラ ２１・・・変速機

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 片面にウレタン系の感圧粘着ゴム層を形
   成した帯状シート（２）がそのゴム層を外側にして巻き
   取られているゴミ取り用ロール（４）と、当該ゴミ取り
   用ロール（４）から巻き出される帯状シート（２）をゴ
   ム層を内側にして巻き取るシート回収用ロール（５）と
   が、夫々着脱自在に配設されると共に、清掃面に接触し
   て帯状シート（２）の巻出方向に回転せられるゴミ取り
   用ロール（４）の回転をシート回収用ロール（５）に伝
   達して、当該シート回収用ロール（５）をゴミ取り用ロ
   ール（４）のシート巻出量に応じたシート巻取量で回転
   させる回転伝達機構（９）が設けられていることを特徴
   とする掃除機。
2. 【請求項２】 前記回転伝達機構（９）が、ゴミ取り用
   ロール（４）の周面に当接して当該ロール（４）のシー
   ト巻出量に応じた送り量で回転せられる原動ローラ（１
   ０）と、シート回収用ロール（５）の周面に当接した状
   態で原動ローラ（１０）と同じ送り量で連動回転せられ
   てシート回収用ロール（５）を帯状シート（２）の巻取
   方向に回転駆動させる従動ローラ（１１）とから成る請
   求項１記載の掃除機。
3. 【請求項３】 前記回転伝達機構（９）が、ゴミ取り用
   ロール（４）のシート巻出量に応じてシート回収用ロー
   ル（５）の回転速度を可変する変速機（２１）を備えて
   いる請求項１記載の掃除機。