JPH05317254A - 視力表装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、被検者に対して圧迫感，不安感を
与えることなく、正確な検眼データを収集し得るととも
に、衛生面でも優れた視力表装置１を提供する。 【構成】 本発明は、視標を被検者に呈示してこの被検
者の検眼を行う視力表装置１において、前記視標の近傍
に配置した矯正光学系７と、この矯正光学系７の近傍に
配置され、この矯正光学系７の投影像を所定距離離れて
前記視標に対峙する被検者の眼前に生成する投影光学系
６とを有する。この構成により、被検者は眼前の矯正光
学系６の投影像を介して前記視標を視認し検眼を行うこ
とができ、従来のごとき検眼手段に接触した状態で検眼
を行う場合に比べ、圧迫感，不安感が無くなるととも
に、投影像を介して視力表を見るので衛生面でも問題無
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、視力表装置に関し、よ
り詳しくは、視標を被検者に呈示して自覚式で被検者の
検眼を行う視力表装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の視力表装置は、電動式，
手動式を問わず、矯正光学系を内蔵した検眼手段を被検
者の眼前に配置し、この矯正光学系を介して被検者に視
力表に付した視標を呈示して検眼を行っていた。

【０００３】即ち、検眼手段に被検者の顔が密着する状
態で検眼を行っていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
視力表装置の場合、検眼手段に被検者の顔が密着するの
で、多くの被検者の検眼を行う場合不衛生であるととも
に、被検者に対してある種の圧迫感，不安感を与えてい
た。このような圧迫感，不安感は、被検者の心理状態，
眼の状態に影響を及ぼし、正確に検眼データを収集する
妨げとなっていた。

【０００５】そこで、本発明は、構成を改良し、被検者
に対して圧迫感，不安感を与えることなく、正確な検眼
データを収集し得るとともに、衛生面でも何等問題のな
い視力表装置を提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
視標を被検者に呈示してこの被検者の検眼を行う視力表
装置において、前記視標の近傍に配置した矯正光学系
と、この矯正光学系の近傍に配置され、この矯正光学系
の投影像を所定距離離れて前記視標に対峙する被検者の
眼前に生成する投影光学系とを有するものである。

【０００７】請求項２記載の発明は、視標を被検者に呈
示してこの被検者の検眼を行う視力表装置において、所
定距離離れて前記視標に対峙する被検者の眼の位置を検
出する眼位置検出手段と、前記視標の近傍に配置した矯
正光学系と、この矯正光学系の近傍に配置され、前記眼
位置検出手段の検出結果を基に矯正光学系の投影像を所
定距離離れて前記視標に対峙する被検者の眼前に生成す
る投影光学系とを有するものである。

【０００８】

【作用】上述した構成の視力表装置の作用を以下に説明
する。

【０００９】請求項１記載の視力表装置の投影光学系
は、実際には前記視標の近傍に配置した矯正光学系の投
影を行い、この矯正光学系の投影像を所定距離離れて前
記視標に対峙する被検者の眼前に生成する。これによ
り、被検者は眼前の矯正光学系の投影像を介して前記視
標を視認し検眼を行うことができ、従来のごとき検眼手
段に接触した状態で検眼を行う場合に比べ、圧迫感，不
安感が無くなるとともに、投影像を介して視標を見るの
で衛生面でも問題が無くなる。

【００１０】請求項２記載の視力表装置の眼位置検出手
段は、所定距離離れて前記視標に対峙する被検者の眼の
位置を検出する。投影光学系は、眼位置検出手段の検出
結果を基に、矯正光学系の投影像を所定距離離れて前記
視標に対峙する被検者の眼前に生成する。これにより、
被検者は眼前の矯正光学系の投影像を介して前記視標を
視認し検眼を行うことができ、従来のごとき検眼手段に
接触した状態で検眼を行う場合に比べ、圧迫感，不安感
が無くなるとともに、投影像を介して視標を見るので衛
生面でも問題が無くなる。また、眼前の矯正光学系の投
影像を正確に生成できる。

【００１１】

【実施例】以下に本発明の実施例を詳細に説明する。

【００１２】図１に示す視力表装置１は、箱型状の本体
２と、この本体２の前面から背面に向って水平配置に設
けたレンズ筒３と、本体２の背面側に配置した背面照明
部４付の視力検査用のランドルトマーク等の視標を付し
た視力表５と、前記レンズ筒３に対し本体２の前面から
背面に向って順に組み込んだ投影光学系６，矯正光学系
７及び前記視力表５に付した視標からの光束を平行光に
するリレーレンズ８とを具備している。

【００１３】前記投影光学系６は、前記矯正光学系７側
の第１のリレーレンズ９と、被検者の眼に対峙する第２
のリレーレンズ１０とを具備し、これら第１，第２のリ
レーレンズ９，１０の焦点距離を各々適切に設定するこ
とで、前記矯正光学系７の投影像を視力表装置１に対し
て例えば５ｍ程度離れて対峙する被検者の眼Ｅの眼前に
擬似レンズ７ａとして生成するようになっている。

【００１４】即ち、前記矯正光学系７と擬似レンズ７ａ
とは、前記視力表５に対し共役となっている。

【００１５】前記矯正光学系７は、通常の検眼手段の矯
正光学系と同様ターレット式のレンズ群（球面レンズ
群，円柱レンズ群）からなり、図示しない遠隔操作手段
により随時切り換え可能になっている。

【００１６】そして、矯正光学系７の度数を総合的にプ
ラスとすることにより、前記投影光学系６を介して眼Ｅ
に対し収束光を照射し、また、度数を総合的にゼロとす
ることにより、眼Ｅに対し平行光を照射するようになっ
ている。

【００１７】前記リレーレンズ８は、視力表５に付した
視標からの光束を平行光にするとともに、前記投影光学
系６が矯正光学系７とともに視標の像を眼Ｅ側に投影す
ることを打ち消すようになっている。

【００１８】次に、前記視力表装置１の作用を説明す
る。

【００１９】この視力表装置１の投影光学系６は、実際
には前記視力表５の近傍に配置した矯正光学系７の投影
を行いこの矯正光学系７の投影像を、前記背面照明部４
により照明されている視力表５に対し例えば５ｍ離れて
対峙する被検者の眼Ｅの前に擬似レンズ７ａとして生成
する。

【００２０】これにより、被検者は眼前の擬似レンズ７
ａを介して前記視力表５の視標を視認し検眼を行うこと
ができ、従来のごとき検眼手段に接触した状態で検眼を
行う場合に比べ、圧迫感，不安感が無くなるとともに、
擬似レンズ７ａを介して視力表５を見るので衛生面でも
問題が無くなる。

【００２１】次に、本発明の他の実施例について、図２
乃至図５を参照して説明する。

【００２２】図２，図３に示す視力表装置１Ａは、箱型
状の本体２０と、この本体２０の前面から背面に向って
水平配置に設けた左眼用，右眼用の一対のレンズ筒３
と、本体２０の背面側に配置した一対の背面照明部４及
びランドルトマーク等の視標を付した一対の視力表５
と、一対のレンズ筒３の中間位置に配置したＴＶカメラ
２１とを具備している。

【００２３】前記各レンズ筒３に対し、本体２０の前面
から背面に向って順に組み込んだ投影光学系６，矯正光
学系７及び前記視力表５に付した視標からの光束を平行
光にするリレーレンズ８とを各々組み込んでいる。

【００２４】前記各投影光学系６の第２のリレーレンズ
１０を各々本体２０の前面に臨ませるとともに、前記Ｔ
Ｖカメラ２１の撮像レンズ部２２をやはり本体２０の前
面に臨ませている。

【００２５】視力表装置１Ａから例えば５ｍ離れた位置
には、図２に示すように、検眼テーブル３０が配置さ
れ、この検眼テーブル３０の近傍に配置した椅子３１に
座った被検者５０が前記視力表装置１Ａと対峙するよう
になっている。

【００２６】また、前記検眼テーブル３０上には、液晶
ディスプレイのような表示部４１及び入力部４２を設け
たコントロールボックス４０を載置している。

【００２７】図４は、視力表装置１Ａ，コントロールボ
ックス４０を含む制御系を示すものである。この制御系
は、全体の動作プログラムを格納したプログラムメモリ
６１及び動作プログラムに基づき全体の制御を行う制御
部６０からなる制御手段６２を具備している。

【００２８】制御部６０に前記コントロールボックス４
０と、ＴＶカメラ２１と、このＴＶカメラ２１による被
検者５０の撮像情報に基づき、視力表装置１Ａから被検
者５０の顔面（例えば鼻の位置）までの距離を算出する
とともに、被検者５０の瞳孔間距離ＰＤをも算出する距
離算出部６３を接続している。ＴＶカメラ２１と、距離
算出部６３とにより、眼位置検出手段７０を構成してい
る。

【００２９】また、前記制御部６０に、前記投影光学系
６の位置調整を行う投影光学系駆動部６４と、前記矯正
光学系７の位置調整を行う矯正光学系駆動部６５とを接
続している。

【００３０】前記表示部４１の画面には、図５に点線を
付して示すように、前記眼位置検出手段７０の算出結果
に基づいた被検者５０の瞳孔間距離ＰＤに対応する左右
一対の位置合わせ像８０が表示されるようになってい
る。

【００３１】この位置合わせ像８０には、被検者５０の
瞳孔を示す×印のような目印８１も合せて表示されるよ
うになっている。

【００３２】次に、視力表装置１Ａの作用を説明する。

【００３３】前記眼位置検出手段７０のＴＶカメラ２１
は、所定距離離れて対峙する被検者６０の顔面の画像を
撮像し、これを電気信号である画像情報として制御部６
０を介して距離算出部６３に送る。距離算出部６３は、
前記画像情報を基に被検者５０の顔面までの距離と、瞳
孔間距離ＰＤを算出し、算出結果を制御部６０に送る。

【００３４】この結果、制御部６０の制御の基に前記投
影光学系駆動部６４が投影光学系６の位置を変位させ矯
正光学系７の投影像、即ち、擬似レンズ７ａを被検者５
０の眼前１２ｃｍの位置に生成するようにする。

【００３５】これにより、前記視力表装置１と同様な作
用を発揮するとともに、被検者５０の眼前に正確かつ確
実に擬似レンズ７ａを生成できる。

【００３６】この場合、前記表示部４１にも前記距離算
出部６３の算出結果に基づいた被検者５０の瞳孔間距離
ＰＤに対応する左右一対の位置合わせ像８０、×印のよ
うな目印８１が表示されので、検者は位置合わせ像８
０，目印８１を見ながら擬似レンズ７ａの生成動作をコ
ントロールすることが可能である。

【００３７】本発明は、上述した実施例に限定されるも
のではなく、その要旨の範囲内で種々の変形が可能であ
る。

【００３８】

【発明の効果】請求項１記載の発明によれば、上述した
構成としたので、被検者は眼前の矯正光学系の投影像を
介して前記視標を視認し検眼を行うことができ、従来の
ごとき検眼手段に接触した状態で検眼を行う場合に比
べ、圧迫感，不安感が無くなるとともに、投影像を介し
て視標を見るので衛生面でも問題のない視力表装置を提
供することができる。

【００３９】請求項２記載の発明によれば、上述した構
成としたので、請求項１記載の発明と同様な効果を奏す
るとともに、矯正光学系の投影像の眼に対する位置決め
を正確に行うことができる視力表装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す概略断面図

【図２】本発明の他の実施例を示す斜視図

【図３】本発明の他の実施例を示す概略平面図

【図４】本発明の他の実施例の制御系を示すブロック図

【図５】本発明の他の実施例の表示部の表示例を示す平
面図

【符号の説明】

１ 視力表装置 １Ａ 視力表装置 ２ 本体 ５ 視力表 ６ 投影光学系 ７ 矯正光学系 ７ａ 擬似レンズ ８ リレーレンズ ２１ ＴＶカメラ ６３ 距離算出部 ７０ 眼位置検出手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 視標を被検者に呈示してこの被検者の検
   眼を行う視力表装置において、前記視標の近傍に配置し
   た矯正光学系と、この矯正光学系の近傍に配置され、こ
   の矯正光学系の投影像を所定距離離れて前記視標に対峙
   する被検者の眼前に生成する投影光学系とを有すること
   を特徴とする視力表装置。
2. 【請求項２】 視標を被検者に呈示してこの被検者の検
   眼を行う視力表装置において、所定距離離れて前記視標
   に対峙する被検者の眼の位置を検出する眼位置検出手段
   と、前記視標の近傍に配置した矯正光学系と、この矯正
   光学系の近傍に配置され、前記眼位置検出手段の検出結
   果を基に矯正光学系の投影像を所定距離離れて前記視標
   に対峙する被検者の眼前に生成する投影光学系とを有す
   ることを特徴とする視力表装置。