JPH0531598Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はオフガス中のエアロゾル除去装置に係
わり、特に、複数の濾過層により交互にエアロゾ
ル除去処理を行なうとともに、該エアロゾル除去
処理が行なわれている間に他の濾過層を洗浄する
ようにしたエアロゾル除去装置に関する。

「従来の技術」 従来、放射性廃棄物処理施設のオフガス処理系
の途中には、例えば、ガラスフアイバからなるミ
ストエリミネータ等の濾過層を収容した処理容器
が配設されており、該処理容器の中にオフガスを
通すことにより、オフガス中のセシウム、ルテニ
ウム等の放射性物質を含有するエアロゾルを濾過
層によつて除去するようになつている。また、該
濾過層におけるエアロゾル付着量が増加した場合
には、圧力損失の上昇や付着粒子の再飛散等を防
止するために、該濾過層の表面に水等を吹き付け
て洗浄することが行なわれている。

「考案が解決しようとする問題点」 しかしながら、濾過層の壁は例えば数cmの厚さ
に形成されているため、その表面を洗う程度では
壁の中まで洗浄することが困難である。また、こ
の洗浄は、オフガスの流入が停止されていなけれ
ば行なうことができないため、オフガス処理系の
運転停止時等に実施が限られるという問題点があ
る。

本考案は前記問題点を有効に解決するもので、
オフガスのエアロゾル除去処理を停止させること
なく濾過層の洗浄処理を行ない得るとともに、該
濾過層の壁の中まで十分に洗浄することができる
オフガス中のエアロゾル除去装置の提供を目的と
する。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、オフガス処理系の途中に、処理容器
を複数並列に設けるとともに、これら処理容器の
上流に、そのオフガス流入路を択一的に開放して
他の処理容器へのオフガス流入路を遮断する流入
切換手段を設け、かつ、各処理容器に、一つの処
理容器にオフガスが流入されているときに他の処
理容器に付着粒子除去用洗浄液を供給して濾過層
を浸液させるための洗浄液供給系と、濾過層を洗
浄液により浸液状態としているときに該洗浄液の
中にエアを供給して洗浄液を流動させることによ
り濾過層を洗浄するためのエア供給系と、洗浄液
の中を経由したエアを前記一つの処理容器に輸送
する連絡路とを連設したことを特徴として、複数
の処理容器に交互にオフガスを供給してエアロゾ
ル除去処理を行なうとともに、該エアロゾル除去
処理が行なわれている間に他の処理容器に洗浄液
を供給して該洗浄液をエアにより流動させながら
濾過層を洗浄し、さらに、洗浄後のエアをオフガ
スと同様に濾過するようにしたものである。

「実施例」 以下、本考案におけるオフガス中のエアロゾル
除去装置の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
もので、図中符号１Ａ，１Ｂは、オフガス処理系
２の途中に並列に配設された一対の処理容器であ
る。これら処理容器１Ａ，１Ｂは、その中に、筒
状のミストエリミネータ等の濾過層３がリング壁
４によつて処理容器１Ａ，１Ｂの内壁面との間に
間隔をおいて垂直に吊持されるとともに、これら
濾過層３とリング壁４とによつて処理容器１Ａ，
１Ｂ内を上部室５と下部室６とに２分する如くさ
れており、オフガス流入路７Ａ，７Ｂから処理容
器１Ａ，１Ｂの下部室６に流入したオフガスを濾
過層３の中を通して上部室５から処理ガス排出路
８Ａ，８Ｂに排出するようになつている。また、
各オフガス流入路７Ａ，７Ｂには弁９，１０が配
設されて、これら弁９，１０によつて両処理容器
１Ａ，１Ｂの内の一つにオフガスを択一的に流入
させる流入切換手段１１が構成されており、各処
理ガス排出路８Ａ，８Ｂにも流路切替用の弁１
２，１３が配設されている。さらに、各処理容器
１Ａ，１Ｂの底部に連設されたドレン系１４に
も、各排出路を開閉するためのドレン弁１５，１
６が配設される。

そして、各処理容器１Ａ，１Ｂの下部室６に
は、洗浄液を供給して濾過層３を浸液させるため
の洗浄液供給系１７と、濾過層３を洗浄液により
浸液させたときに濾過層３の下方にバブリング用
のエアを供給するエア供給系１８とが連設されて
おり、これら洗浄液供給系１７およびガス供給系
１８には、各共給路を開閉するための弁１９，２
０，２１，２２が配設されている。また、両処理
容器１Ａ，１Ｂの間には、一つの処理容器の上部
室５と他の処理容器の下部室６とを連結して前記
バブリング用に使用した後のエアを他の処理容器
内で濾過させる如く輸送する連絡路２３，２４が
相互に設けられて、各連絡路２３，２４にも弁２
５，２６が配設される。

次に、このように構成したエアロゾル除去装置
を使用してオフガスのエアロゾル除去装置を行な
う場合の処理工程を第２図に示すタイムチヤート
の工程順に説明する。該第２図は、第１図のエア
ロゾル除去装置における各弁の作動状態を工程順
に示しており、図中Ｏが弁の開放状態、Ｃが弁の
閉止状態を示す。

処理容器１Ａエアロゾル除去処理工程、処理
容器１Ｂ洗浄処理工程 この工程は、第１図に示す状態であり、該第１
図の矢印イで示すようにオフガスが処理容器１Ａ
内に流入させられて該処理容器１Ａによりエアロ
ゾルの除去処理が行なわれているとともに、ドレ
ンが矢印ロで示すようにドレン系１４に排出され
ている。また、処理容器１Ｂ内では、濾過層３が
洗浄液に浸液されるとともに、エア供給系１８か
ら矢印ハで示すようにエアが洗浄液の中に送り込
まれ、そのときのバブリング作用により洗浄液が
流動されながら濾過層３を洗浄し、さらに、バブ
リング後のエアが矢印ニで示すように連絡路２４
を介して処理容器１Ａの下部室６に送られて、オ
フガスと同様に濾過層３により濾過されて処理ガ
ス排出路８Ａから排出されている。

処理容器１Ｂ液抜き工程 処理容器１Ｂの濾過層３の洗浄が終了すると、
エア供給系１８の弁２２を閉じて処理容器１Ｂへ
のエアの供給を停止するとともに、ドレン系１４
の弁１６を開放状態として洗浄廃液を排出する。

オフガス流入路切替工程 処理容器１Ａにおける濾過層３の付着粒子が多
くなると、流入切替手段１１を切替えることによ
り、オフガス流入路７Ａを遮断するとともにオフ
ガス流入路７Ｂを開放状態として、前記の工程
で洗浄しておいた処理容器１Ｂにオフガスを供給
する。

エアロゾル除去処理切替工程 連絡路２４の弁２６を閉止しておいて、処理ガ
ス排出路８Ａ，８Ｂの弁１２，１３の開閉をそれ
ぞれ切替えることにより、処理容器１Ｂの濾過層
３によつてエアロゾル除去処理を行なう。

処理容器１Ａ洗浄液供給工程 処理容器１Ａのドレン系１４の弁１５を閉じる
とともに、連絡路２３の弁２５を開放状態として
おき、洗浄液供給系１７の弁１９を開放して、処
理容器１Ａ内の濾過層３を洗浄液に浸液する。

処理容器１Ａ洗浄工程 処理容器１Ａの濾過層３が浸液状態となると、
洗浄液供給系１７の弁１９を閉止した後、エア供
給系１８の弁２１を開放することにより処理容器
１Ａ内にエアを供給して、該処理容器１Ａの洗浄
液をバブリングにより流動させながらその中の濾
過層３を洗浄し、バブリング後のエアを連絡路２
３を介して処理容器１Ｂに送つて処理ガス排出路
８Ｂから排出する。

以降、同様にして、両処理容器１Ａ，１Ｂの内
の一つに択一的にオフガスを流入させてその中の
濾過層３によりエアロゾル除去処理を行なうとと
もに、該一つの処理容器における濾過層３のエア
ロゾル付着量に応じて、流入切替手段１１により
他の処理容器にオフガスの流入を切替えて、該処
理容器によりオフガスのエアロゾル除去処理を行
ない、その間に前記一つの処理容器の濾過層３を
洗浄することができるものである。この場合、濾
過層３を洗浄液に浸液させているので、洗浄液を
濾過層３の各部に浸透させ得るとともに、エアの
バブリングにより洗浄液を流動させて洗浄効果を
促進させることができる。

第３図は、本考案のエアロゾル除去装置の適用
される洗浄機構の他の例を示すもので、処理容器
１Ｂ内の濾過層３を洗浄液により浸液させた後、
エア供給系１８からエアリフト２７を介してエア
を洗浄液の中に送り込み、該洗浄液を流動状態と
して矢印で示すように処理容器１Ｂの上部室５と
下部室６との間で循環させながら濾過層３を洗浄
するようにして、この場合も洗浄液を経由したエ
アを連絡路２４に送り出すようにしている。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案におけるオフガス
中のエアロゾル除去装置によれば、次のような効
果を奏することができる。

(i) 複数の処理容器を並列に設けて、その内の一
つに流入切替手段によつてオフガスを択一的に
流入させるとともに、他の処理容器に洗浄液供
給系から洗浄液を供給して濾過層を洗浄し得る
ようにしたから、エアロゾル除去処理を行なつ
ている一つの処理容器における濾過層の付着粒
子量に応じて他の処理容器にオフガスの流入を
切替えて、該他の処理容器における濾過層によ
りエアロゾル除去処理を行ない、その間に前記
一つの処理容器における濾過層を洗浄して次の
エアロゾル除去処理に備えておくことができ、
エアロゾル除去処理を停止させることなく濾過
層の洗浄を行なうことができる。

(ii) 濾過層を洗浄液により浸液状態としていると
きに該洗浄液の中にエアを供給して洗浄液を流
動させながら濾過層を洗浄するようにしたか
ら、該濾過層の内部に洗浄液を十分に浸透させ
得て、洗浄効果を向上させることができる。

(iii) 洗浄液の中を経由したエアをエアロゾル除去
処理を行なつている処理容器に連絡路により輸
送するようにしたから、該濾過層の洗浄に供し
たエアもオフガスと同様に濾過し得て、気体廃
棄物の発生を有効に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案におけるオフガス中のエアロゾ
ル除去装置の一実施例を示す概略構成図、第２図
は第１図のエアロゾル除去装置における処理工程
を示すタイムチヤート、第３図は本考案のエアロ
ゾル除去装置に適用される洗浄機構の他の例を示
す概略図である。 １Ａ，１Ｂ……処理容器、２……オフガス処理
系、３……濾過層、５……上部室、６……下部
室、７Ａ，７Ｂ……オフガス流入路、８Ａ，８Ｂ
……処理ガス排出路、１１……流入切替手段、１
２，１３……弁、１４……ドレン系、１５，１６
……ドレン弁、１７……洗浄液供給系、１８……
エア供給系、１９，２０，２１，２２……弁、２
３，２４……連絡路、２５，２６……弁、２７…
…エアリフト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オフガス処理系の途中に、該オフガス中のエア
   ロゾル除去用濾過層を収容した処理容器を複数並
   列に設けるとともに、これら処理容器の上流に、
   該処理容器へのオフガス流入路を択一的に開放し
   て他の処理容器へのオフガス流入路を遮断する流
   入切替手段を設け、かつ、各処理容器に、前記切
   替手段によつて一つの処理容器にオフガスが流入
   されているときに他の処理容器に付着粒子除去用
   洗浄液を供給してその中の濾過層を浸液させるた
   めの洗浄液供給系と、濾過層を洗浄液により浸液
   状態としているときに該洗浄液の中にエアを供給
   して洗浄液を流動させることにより濾過層を洗浄
   するためのエア供給系と、洗浄液の中を経由した
   エアを前記一つの処理容器に輸送する連絡路とを
   連設したことを特徴とするオフガス中のエアロゾ
   ル除去装置。