JPH0531551A - 消失模型製造方法 - Google Patents

消失模型製造方法

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JPH0531551A
JPH0531551A JP19041391A JP19041391A JPH0531551A JP H0531551 A JPH0531551 A JP H0531551A JP 19041391 A JP19041391 A JP 19041391A JP 19041391 A JP19041391 A JP 19041391A JP H0531551 A JPH0531551 A JP H0531551A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑な形状の消失模型についても、これを複
合により一体に成形することを可能とする消失模型製造
方法を提供することを目的とする。 【構成】 流体圧により所望形状に形成される消失性の
膜状部材7を巧みに利用して、他の消失性発泡部材を複
合させて消失模型21を一体に製造するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消失模型製造方法に係
り、特に、複雑な形状のものを一体で成形できるように
したものに関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造方法の一つとして、いわゆる消失模
型を使用したものがある。これは、製品形状を模した消
失模型を製造し、その消失模型を鋳枠内に砂とともに配
置する。そして、溶湯を注ぐことにより、上記消失模型
の部分が消失していくとともに、その部分に溶湯が充填
されていき、それによって、所望形状の製品を鋳造する
ものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成による
と次のような問題があった。既に述べたように、消失模
型を使用した鋳造方法の場合には、製品を模した所定形
状の消失模型を予め製造する必要がある。それが単純な
形状の場合は問題ないが、鋳物製品の内外面が入り組む
形状の消失模型の製造、例えば、内部に1本の通路がU
字状に湾曲し更にここから複数本の通路に分岐された吸
気(排気)マニホールドのように複雑な形状の場合に
は、消失模型を一体で製造することができない。そこ
で、消失模型を複数個に分割して製造し、それを後で接
着剤により接着して一体化させていた。ところが、接着
により一体化した場合には、接着面より接着剤がはみ出
したり、逆に接着剤が少ないために、隙間が発生するこ
とがある。
【0004】この内、外側表面のはみ出した部分につい
てはその部分を削り落とすことがなされるが、内側表面
の場合は修復が困難であるという問題があった。又、隙
間が発生した部分については、接着剤の量の確認が困難
であって、そのままの状態で鋳造することになる。その
結果、製品にバリ状又は亀裂状の欠陥が生じてしまうと
いう問題があった。
【0005】本発明はこのような点に基づいてなされた
ものでその目的とするところは、複雑な形状の消失模型
についても、これを一体に成形することを可能とする消
失模型製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本願発明による消失模型製造方法は、模型の表面に膜状
体を一体に形成する消失模型を製造する消失模型製造方
法において、上記消失模型の核部をなす基礎模型を発泡
成形する工程と、上記基礎模型を核としてその周囲に消
失性の膜状部材を配置するとともに上記基礎模型と膜状
部材を挟むように一対の膜状部材加工用の成形型を配置
して、上記膜状部材を上記基礎模型と成形型に対応させ
て流体圧により成形した状態で基礎模型に一体化する工
程と、上記成形により得られた基礎模型及び膜状部材が
一体化されたものを他の一対の発泡成形型の間に配置
し、発泡ビーズを充填して発泡成形することにより所定
形状の複合消失模型を一体成形する工程と、を具備した
ことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】まず、消失模型の核部をなす基礎模型を発泡成
形する。次に、その基礎模型を核としてその周囲に消失
性の膜状部材を配置するとともに上記基礎模型と膜状部
材を挟むように一対の膜状部材加工用の成形型を配置し
て、上記膜状部材を上記基礎部材と成形型に対応させて
流体圧により成形し、その状態で基礎模型に一体化され
る。次に、上記成形により得られた基礎模型及び膜状部
材が一体化されたものを他の一対の発泡成形型の間に配
置し、発泡ビーズを充填して発泡成形する。それによっ
て、所定形状をなす複合消失模型が一体成形される。
【0008】
【実施例】以下、図1ないし図10を参照して本発明の
第1実施例を説明する。この実施例は、吸気(排気)用
のマニホールド25(図9及び図10に示す)の鋳造
に、本発明を適用したものである。上記マニホールド2
5は、前述したように、気体の通路が略U字状をなすと
ともに、片側より1本の通路27が延長されていて、そ
の通路27が反対側で複数本(図示のものは6本)の通
路29に分岐された形状をなしている。尚、この気体通
路の表面は平滑性を要求されるものである。本実施例で
は、このような極めて複雑性のある構成のマニホールド
25を鋳造するべく、それ用の消失模型を製造するもの
である。
【0009】まず、図1に示すように、消失模型の核部
をなす基礎模型1を製造する。すなわち、所定の形状を
なす発泡成形型3、5を突き合わせ、そこに形成された
中空部に発泡ビーズを充填し、蒸気を吹き込んで発泡・
成形するものである。それによって、図1及び図2に示
すような発泡体の基礎模型1が製造される。この基礎模
型1は、上記マニホールド25の通路27、29に対応
するように、凹部2、4を備えたものである。
【0010】次に、図3に示すように、基礎模型1を中
央に配置し、その両側にU字状に基礎模型1を囲む様に
配置されるとともにチューブ状をなす消失性の膜状部材
(パリソン)7を配置する。さらに、その両側からエア
ーによる膨張成形を行う膜状部材加工用の成形型として
のブロー成形型9、11を配置する。このブロー成形型
9、11は、上記マニホールド25の通路27、29に
対応するように凹部10、12を備えるものである。上
記膜状部材7はポリエチレン、ポリプロピレン等よりな
り、容易に変形可能なものである。この膜状部材7を使
用することにより、マニホールド25の通路27、29
を連通させる構成を実現するものである。そして、上記
膜状部材7及びブロー成形型9、11を突き合わせて、
図4に示すような状態としてブロー成形を行う。その結
果、図4に示すように、膜状部材7が適宜ブロー成形さ
れた状態になる。つまり、基礎模型1側の凹部2、4
と、ブロー成形型9、11側の凹部10、12に沿って
膨張・成形されるものである。
【0011】次に、図4に示す状態から、ブロー成形型
9、11を取り外すと、図5及び図6に示すようなもの
が得られる。つまり、基礎模型1にブロー成形により所
定形状に成形された膜状部材7が一体化した中央部模型
17になるものである。尚、上記膜状部材7は、下方で
連通した状態になっているとともに、凹部2、4、1
0、12に沿って膨張・成形した部分の内面形状が、マ
ニホールド25の通路27、29の所定形状になってい
る。ここで、膜状部材7の内、基礎模型1より図中左右
両側に突出した不要部分7a、7bを削り落とす。
【0012】次に、図7に示すように、他の外周部を成
形する外郭部の発泡成形型13、15を配置するととも
に、それら発泡成形型13、15の間に、基礎模型1と
膜状部材7が一体化された中空部模型17を収容する。
その状態で、そこに形成された中空部19a、19bに
発泡ビーズを充填し、蒸気を吹き込んで発泡成形する。
これによって、中央部模型17、外郭部模型19が一体
に形成される。以上の工程を経ることにより、所望の消
失模型21を得ることができる。この消失模型21は、
図8に示すように、発泡成形されたもの23の内側面に
膜状部材7が貼付されたような構造をなすものである。
【0013】後は、上記消失模型21を図示しない鋳枠
内に配置するとともに、消失模型21の中空部内及び外
周に砂を充填し、その状態で注湯すれば、図9、図10
に示すようなマニホールド25が鋳造されることにな
る。
【0014】以上本実施例によると、複雑な形状をなす
マニホールド25を鋳造する場合にも、それ用の消失模
型を一体に製造することができる。よって、気体通路の
表面は平滑性を有し、消失模型21を複数個に分割して
製造しそれらを接着により一体化した場合のように、バ
リ状または亀裂状の欠陥を生じ、製品の品質を低下させ
るようなことはない。これは、ブロー成形により所定形
状に形成される膜状部材7を巧みに利用して、略U字状
に連通する通路27、29に対応する構成を成形するよ
うにしたからである。
【0015】次に、図11ないし図13を参照して第2
実施例を説明する。前記第1実施例の場合は膜状部材加
工用の成形型としてブロー成形型9、11を使用した
が、この実施例の場合は真空成形型31、33を使用し
ている。すなわち、真空成形型31、33及び基礎模型
1には、凹部2、4、10、12に連通する通路35、
37、39が形成されていて、この通路を通じて真空引
きすることにより、膜状部材7を中空部に沿ったように
吸引・成形し、基礎模型1と一体化するものである。こ
の場合、基礎模型1は通路37を形成するので、図12
に示すようにやや小さく形成され、図13に示すように
発泡成形型13、15で外郭部模型41を成形すると
き、基礎模型1を被うように発泡体を一体化させ、所定
形状の消失模型21とする。
【0016】尚、本発明は前記各実施例に限定されな
い。例えば、消失模型21の形状としては、図に示した
ものに限定されず、単純形状はいうまでもなく、平滑性
の要求されるものから、複雑な形状をなす様々なものに
適用できる。又、上記実施例では膜状部材7としてチュ
ーブ状をなしたものを使用したが、1枚のシート状のも
のを2枚重ねて使用しても実施できる。
【0017】
【発明の効果】以上詳述したように本発明による消失模
型製造方法によると、予め形成された基礎模型を核とし
て、所定形状に形成される膜状部材を使用して、流体圧
により消失模型を複合形成するようにしたので、略U字
状に連通した通路を有する等の複雑な形状の消失模型に
ついても、これを一体で製造することが可能になった。
よって、消失模型を分割製造して接着する場合の問題を
一掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図で基礎模型の製造
工程を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す図で基礎模型を示す
断面図である。
【図3】本発明の第1実施例を示す図で膜状部材を基礎
模型に一体にブロー成形する工程を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例を示す図で膜状部材を基礎
模型に一体にブロー成形する工程を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例を示す図で膜状部材を基礎
模型に一体にブロー成形して得られたものを示す図であ
る。
【図6】本発明の第1実施例を示す図で膜状部材を基礎
模型に一体にブロー成形して得られたものを示す図であ
る。
【図7】本発明の第1実施例を示す図で中央部模型及び
外郭部模型を一体に複合化させる工程を示す図である。
【図8】本発明の第1実施例を示す図で消失模型の断面
図である。
【図9】本発明の第1実施例を示す図でマニホールドの
正面図である。
【図10】本発明の第1実施例を示す図でマニホールド
の側面図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す図で膜状部材を基
礎模型に一体に真空成形する工程を示す図である。
【図12】本発明の第2実施例を示す図で膜状部材を基
礎模型に一体に真空成形して得られたものを示す図であ
る。
【図13】本発明の第2実施例を示す図で中央部模型及
び外郭部模型を一体に複合化させる工程を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 基礎模型 3 発泡成形型(基礎模型用) 5 発泡成形型(基礎模型用) 7 消失性の膜状部材 9 ブロー成形型 11 ブロー成形型 13 発泡成形型(外郭部用) 15 発泡成形型(外郭部用) 17 中央部模型 19 外郭部模型 21 本発明により成形した複合消失模型 25 マニホールド

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 模型の表面に膜状体を一体に形成する消
    失模型を製造する消失模型製造方法において、上記消失
    模型の核部をなす基礎模型を発泡成形する工程と、上記
    基礎模型を核としてその周囲に消失性の膜状部材を配置
    するとともに上記基礎模型と膜状部材を挟むように一対
    の膜状部材加工用の成形型を配置して、上記膜状部材を
    上記基礎模型と成形型に対応させて流体圧により成形し
    た状態で基礎模型に一体化する工程と、上記成形により
    得られた基礎模型及び膜状部材が一体化されたものを他
    の一対の発泡成形型の間に配置し、発泡ビーズを充填し
    て発泡成形することにより所定形状の複合消失模型を一
    体成形する工程と、を具備したことを特徴とする消失模
    型製造方法。
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