JPH05315067A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は加熱コイルから発生する高周波磁束
が制御部品と鎖交して誤動作させたり、床面を加熱した
りすることがない薄型の誘導加熱調理器を提供すること
を目的とするものである。 【構成】 調理鍋１６を誘導加熱する加熱コイル１１
と、前記加熱コイルの下面に設けた磁性体１２と、この
磁性体１２の下方に設け加熱コイル１１を駆動する制御
回路部品搭載の制御基板１４と、この制御基板１４と磁
性体１２との間に設けた導電性遮蔽板１３とを有し、こ
の導電性遮蔽板１３は磁性体１２の底面に当接させたも
のである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は一般家庭で使用される誘
導加熱調理器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下、従来の誘導加熱調理器について図
３に基づいて説明する。図において、１は高周波磁束７
を発生して調理鍋６を誘導加熱する加熱コイルである。
２は前記加熱コイル１が発生した高周波磁束７が制御基
板４に鎖交して、制御回路が誤作動したり、回路部品が
加熱されたりすることを防止するために磁束を集束する
ように設けた磁性体である。３は加熱コイル１を駆動す
る制御回路部品が搭載されている制御基板４の下部に設
けた導電性遮蔽板で、床面の温度上昇を防ぐように作用
するものである。また５はトッププレートである。

【０００３】以下、動作について説明する。図示してい
ないスイッチがオンされると、制御基板４に搭載されて
いる制御回路部品が作動して、加熱コイル１は高周波磁
束７を発生する。この高周波磁束７が、トッププレート
５の上面に載置されている調理鍋６と鎖交して調理鍋６
が誘導加熱される。こうして調理鍋６に入っている調理
物の調理が進行する。

【０００４】このとき、加熱コイル１が発生する高周波
磁束７の一部は、図示していないが洩れ磁束となって、
制御基板４上の制御回路部品と鎖交したり、また機器を
載置している床面が磁性体である場合にはこの床面と鎖
交するものである。洩れ磁束が制御回路部品と鎖交する
と、誤動作したり発熱したりすることがあり、また磁性
体の床面と鎖交すると床面が発熱するものである。従っ
てこのような事態を防ぐために、加熱コイル１の直下に
は磁性体２を、また制御基板４の下には導電性遮蔽板３
を設けている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の構成では、
磁性体２底面の近傍ではその漏れ磁束による影響のた
め、制御回路が誤動作したり、制御回路部品が発熱する
おそれがある。従って、制御基板４の配置位置を加熱コ
イル１との距離をかなり大きくした位置とせざるを得な
いものである。つまり、薄型の誘導加熱調理器を実現す
ることが困難であるという課題を有している。

【０００６】本発明はこのような従来の課題を解決する
もので、薄型の誘導加熱調理器を提供することを第一の
目的としている。また、より一層薄型の誘導加熱調理器
を提供することを第二の目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】第一の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、調理鍋を誘導加熱する加熱
コイルと、前記加熱コイルの下面に設けた磁性体と、こ
の磁性体の下方に設け前記加熱コイルを駆動する制御回
路部品搭載の制御基板と、この制御基板と前記磁性体と
の間に位置し磁性体の底面に当接して設けた導電性遮蔽
板とを有する誘導加熱調理器とするものである。

【０００８】また第二の目的を達成するための本発明の
第二の手段は、導電性遮蔽板に冷却用の穴を設けた誘導
加熱調理器とするものである。

【０００９】

【作用】本発明の第一の手段は、導電性遮蔽板の設置位
置を工夫することによって、加熱コイルが発生する高周
波磁束の影響を軽減するもので、制御回路の誤動作や漏
れ磁束による回路部品の発熱を抑えた薄型の誘導加熱調
理器として作用するものである。

【００１０】また本発明の第二の手段は、導電性遮蔽板
に設けた冷却用の穴を設けており、冷却効果が高いもの
で、より一層薄型の誘導加熱調理器を実現するものであ
る。

【００１１】

【実施例】以下本発明の第一の手段の実施例について図
１・図２に基づいて説明する。図において、１１は高周
波の磁束１７を発生し調理鍋１６を誘導加熱する加熱コ
イルである。加熱コイル１１の直下には、フェライトで
構成した磁性体１２が置かれており、加熱コイル１１か
ら発生する磁束１７は、この磁性体１２に集められる。
本実施例では、この磁性体１２の底面に当接してアルミ
材料で構成した導電性遮蔽板１３を設けている。この導
電性遮蔽板１３は、２つの磁性体１２あるいは加熱コイ
ル１１の外径より大きい径である円形をしており、図２
（ａ）に示すように、無孔性の円板、または同（ｂ）に
示すように、多数の冷却用の孔１８を有する円板よりな
るものである。１４は前記加熱コイル１１を駆動する制
御回路部品が搭載されている制御基板で、本実施例では
導電性遮蔽板１３の下部に設けている。１５は調理鍋１
６を載置するためのトッププレートで、筐体の一部を構
成している。

【００１２】以下本実施例の動作について説明する。誘
導加熱調理器としての全体的な作用は、従来例と同様で
あり省略する。加熱コイル１１から発生する磁束１７
は、調理鍋１６に作用して調理鍋１６を誘導加熱する。
このときに下向きに発生した磁束１７は、加熱コイル１
１の直下に設けた磁性体１２によってその多くは収束さ
れる。さらに本実施例では、この磁性体１２の下面に当
接してアルミ材料で構成した導電性遮蔽板１３を設けて
いるため、磁性体１２から洩れた磁束１７も導電性遮蔽
板１３で遮蔽される。従って本実施例によれば、磁束１
７が導電性遮蔽板１３の直下に近接して置かれた制御基
板１４に搭載されている制御回路部品と鎖交することは
ほとんどなくなるものである。また、機器を載置してい
る床面が磁性体であったとしても、磁束１７が導電性遮
蔽板１３によって遮蔽されているため、床面を加熱する
ようなこともない。つまり本実施例は、制御回路の誤動
作や制御回路部品の発熱、あるいは床面の発熱を伴わず
に、加熱コイル１１と制御基板１４を近づける構成を実
現しているものである。

【００１３】なお、導電性遮蔽板２３に冷却用の孔１８
を設けたものでは、筐体に設けた吸入口（図示せず）か
ら取り込んだ冷却風が、この孔１８を通って加熱コイル
１１や磁性体１２を冷却することができる。従って、冷
却用の孔１８を設けた導電性遮蔽板２３によれば、加熱
コイル１１や磁性体１２の放熱性能が向上し、筐体内部
の冷却が容易になって、誘導加熱調理器をより一層薄型
化することができるものである。

【００１４】以上のように本実施例は、導電性遮蔽板１
３を磁性体１２の底面に当接して設け、加熱コイル１１
下面に発生する磁束１７を導電性遮蔽板１３より下面に
漏洩させないことで、加熱コイル１１と制御基板１４の
距離を小さくする構成を可能としたものである。また、
導電性遮蔽板１３に孔１８を設けることにより、加熱コ
イルや磁性体の放熱性能が向上し、誘導加熱調理器をよ
り薄型化することができるものである。

【００１５】なお前記各実施例においては、磁性体１２
はフェライトとしたが、これは磁性体１２を含む樹脂材
料としてもよい。また、本実施例においては導電性遮蔽
板１３に孔を設ける構造としたが、これをメッシュ構造
として結果的に孔が設けられているものであってもよ
い。

【００１６】

【発明の効果】本発明の第一の手段は、調理鍋を誘導加
熱する加熱コイルと、前記加熱コイルの下面に設けた磁
性体と、この磁性体の下方に設け前記加熱コイルを駆動
する制御回路部品搭載の制御基板と、この制御基板と前
記磁性体との間に位置し磁性体の底面に当接して設けた
導電性遮蔽板とを有する誘導加熱調理器として、加熱コ
イルから生ずる高周波の磁束によって制御回路が誤動作
したり、また制御回路部品の発熱のおそれがなく、また
床面を加熱するおそれの無い薄型の機器を提供すること
ができるものである。

【００１７】また本発明の第二の手段によれば、導電性
遮蔽板に冷却用の孔を設けた誘導加熱調理器として、よ
り一層薄型の機器を提供することができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一手段の実施例における誘導加熱調
理器の断面図

【図２】（ａ）無孔性の導電性遮蔽板の平面図 （ｂ）冷却用の孔を有する導電性遮蔽板の平面図

【図３】従来の誘導加熱調理器の断面図

【符号の説明】

１１ 加熱コイル １２ 磁性体 １３ 導電性遮蔽板 １４ 制御基板 １５ トッププレート １６ 調理鍋 １７ 磁束

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 調理鍋を誘導加熱する加熱コイルと、前
   記加熱コイルの下面に設けた磁性体と、この磁性体の下
   方に設け前記加熱コイルを駆動する制御回路部品搭載の
   制御基板と、この制御基板と前記磁性体との間に位置し
   磁性体の底面に当接して設けた導電性遮蔽板とを有する
   誘導加熱調理器。
2. 【請求項２】 導電性遮蔽板に冷却用の穴を設けた請求
   項１記載の誘導加熱調理器。